3枚構成、「BORDER LINE 3」最終章。前2作を聞かれて無い方には
全く話が見えてきません。警察幹部、大企業重役、そして
暴力団が絡む事件を1人で追う佳也が静かに暴走して行きます。
一介の刑事が決して抱えてはいけないレベルの、犯罪と呼ぶには余りに
温すぎる事件に、あえて昏い現実と向き合う佳也。唯一現実を忘れられる
のは由利が側に居る時だけ…。
危うい精神バランスを際どい位置で保つ為に由利と逢瀬を重ねる佳也は、
真摯に愛を囁く由利に後ろめたさが募り同じ愛の言葉が返せない。
そして由利の存在を執着では無く、「必要」だと結論付ける。
そんな佳也に「あなたの言葉は全部届いてる」と伝える由利。やがて決着を付けようとした佳也、そして佳也を待っていた由利。
2人に容赦無く襲いかかる終わりがあって無いような喪失感…。
泣くに泣けない胸の痛みに襲われました。前作2での佳也の心痛を
本当の意味で理解したような気がします。
しっかり頷いての佳也の願い、微笑む事が出来る由利、
絶対に目の前の現実から逃げたりしない2人。本当に心が強い。
この2人ならそこから何回でも一緒に始まっていきます。
ですが、「この最後をどう取る」のか…何度聴き直しても私には未だ答えが出ません。
出演声優さんは、鳥海浩輔(真行寺佳也)、三木眞一郎(由利潤一郎)、
小杉十郎太(片岡亜久利)、他。
フリートークは三木さんと鳥海さんで2分6秒。ブックレットには書き下ろしの
サイドストーリー(8ページ)が含まれています。
行間まで全てが音声のみで伝わってきた、最終章。
三木さん演じる由利の悲痛な叫び、怒りの声、愛して、囁いて、微笑んで。
そして鳥海さん演じる佳也の心の吐露、不安、潔さ、泣いて、認めて、懐かしんで。
全てが耳に残っています。
残像感、もとい残響感に包まれます。しばらくはこれ以外聞けません。
こんなBLは…知らなかった。
星5つではとても足りないと言うのが本音です。
CD3枚で構成される『ボーダーライン』、2枚目となる今回は一刑事である真行寺佳也が
巻き込まれていく事件の輪郭が徐々に暴かれていきます。
続き物なので『ボーダーライン1』を未聴の方には話が見えてきません。元同僚の不自然な死を単独捜査で裏を洗い出した佳也の前に見せつけられた現実は、
到底1人では太刀打ちできない程の相手、警察上層部と大企業重役が関わる犯罪。
警察組織に属する自分が、知らなかった事とは言え間接的に犯罪の片棒を
担がされている事に途方もない無力感と、泣き叫びたい心の痛みを1人で抱え込む佳也。
そんな佳也のプライベート・スペースに少しずつ侵入して行った弁護士の由利潤一郎は、
痛みを堪えようとする佳也に『泣かせてあげる』と手を差し伸べる…。
今回印象的なのは佳也を演じる鳥海さんの、自分で全部背負い込んで心内を
吐き出せない痛々しさと、巻き込みたくない気持ちと一旦心を許したら依存してしまい
そうになる自分の心の弱さとの戦いに、頑なに由利を拒絶しようとする心情の演技です。
聞いていて本当に胸が痛くなりますが、潔さも持ち合わせる佳也にさらに魅力を感じます。
そしてそんな佳也の痛みを一時でも忘れさせてあげたいと、限りない包容力で佳也を
慰めようとする由利を演じる三木さんの、どこまでも柔らかく優しい声に聞いている方が
何もかも忘れて泣きたくなってしまいます。
出演声優さんは、鳥海浩輔(真行寺佳也)、三木眞一郎(由利潤一郎)、
小杉十郎太(片岡亜久利)、他。
フリートークは三木さん、鳥海さん、そして小杉さんの3人で3分11秒、
次回作『3』の予告付きです。
前作『GRAY ZONE』で結末がなんとなく分かっている方は、最終章『ボーダーライン3』を
購入するのを躊躇ってしまうかもしれません。そうでなくとも収録されている『3』の予告、
飄々としている由利の隠された一面…そんな由利の声が耳に残って離れません。
三木さん、鳥海さんファンの方には絶対に絶対に聞いて欲しいオススメなドラマCD。
ストーリー性、キャスティング、演出、脚本、どれをとっても最高レベル。
文句無しの5つ星です。