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クチコミ情報
最上級の愛 とある地方国家の元首とその護衛官のお話。
ただし、その空気はまるでとろけるよう。じわりと熱に浮かされて知らぬうちに虜になりいつしか毒に当てられ、彼女らはおろか、この本自体にに恋しているのに気が付いてしまうまでにはまりゆく読み手にとっての幸せ
あり得ぬほど柔らかい雰囲気の内に鮮烈に流れるテーマ、誤解を覚悟で一文に集約すれば「貴女の為に死ぬときに一番幸せに死んであげられるのは私」(原文とは違います)。
幸か不幸か男の身に生まれた自分にさえ、この身が女であったかと錯覚させられるほどの会話のつむぎ方、淡々としかしとどまることなく突き進む展開すべてが最上級。
愛というものを同性異性にかかわらずに肯定するべきと思わせるに足る一冊
この二人と、関わるすべての人たちの行く末に幸がありますように
驚くべき吸引力のある物語。百合度もMAX。この作品を書いた著者の中里十さんという方は、とにかく流れるように繊細な心理描写で物語に引き込む稀有な才能を持っているんじゃないかと思います。
登場人物は皆魅力的で非常に甘い物語が進んでゆくのですが、徐々に毒が体に回ってくるようなほの暗さもあり、一筋縄ではいかないお話です。
とまあ抽象的なことばかり書いてしまいましたが、とにかくこの本の魅力は読まないとわからないと思います。
一見すると最近の読者の好みに合わせたさまざまなイコンがちりばめられたかのような設定が出てくるもののそれは本質ではなく、読み手が試されるようなところがあります。
うーん、こんなにレビューに書きたいことがあるのに、書いてしまった瞬間に言いたいこととずれてしまって、作品のよさを伝えられあうもどかしくなる本は初めてですね。
物語の面白さも、百合的な面も、文句なく星5つで、真剣な女性同士の恋愛がこれでもかとでてきますが、私個人としては、登場人物が、そしてそもそもこの本の著者が、そしていつのまにか読み手自身も、「なんとなく何かを踏み外して致命的な何かに飛び出してしまいそうな感」というんでしょうか、そういうものを受け取っているような空気感といいますか、それが、この本にあって、他の本にはない、特異な価値のような気がします。
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