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アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)

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アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)

堂目 卓生 
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)
定価:¥ 924
新品最安価格:¥ 924
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クチコミ情報

わかりやすい!

 とてもわかりやすかったです。
 私は完全に経済学については初心者も同然で、アダム・スミスの主張は、この商品の紹介の「政府による市場の規制を撤廃し、競争を促進することによって経済成長率を高め、豊かで強い国を作るべきだ」というだけのものであると思い込んでいた人間ですが、考え方が180°変わりました。
 私は実は、この主張を聞いて、「なんて適当なんだ。投げっぱなしじゃないか。」と思っていました。こんな非現実的な主張が、よくもまあ現代まで残っているもんだ、とさえも思っていました。しかし違う。これは、アダム・スミスの鋭い人間観察の元に作られた、素晴らしく的を射た理論です。
 読み終えた瞬間、そこには一種のパラダイムシフトのようなものが出現しました。初心者だから、ちょっとのことで私の思考の土台は揺るがされるのです(笑)。
 ただ、これをどう現代社会において応用しているのか、それが書かれていなかったのが残念でした。そういうが主旨の本ではないことを理解していたとしても・・・。
 とてもわかりやすかったのですが、この本だけではアダム・スミスの主張をすべて網羅しているわけはありませんし、そもそも、今までにこれに対する批判はたくさん出ているでしょう。ですから、もっと経済学の本を読んで勉強していきたいと思います。


経済学徒だったので

経済学徒だったので、国富論は読んだことがありました。
道徳感情論は読んだことがありませんでした。
2つの理論の背景と関係が分りました。

近代理論を築いたアダムスミスの体系の源泉がなんとなくつかめたかもしれません。


素直な入門書

スミスの二大主著を祖述した素直な入門書です。その限りでは有益でしたが、一方で、斬新さもなければ今日的視点もありません。学部の卒業論文の延長のような印象を受けました。

市場原理の前提は、競争に参加している人々にモラルがあることである

「諸個人における財産形成の野心によって、市場は拡大し、資本は増大し、その結果、社会が繁栄するp.271」「文明が進歩し、人間が豊かになるのは、富に対する人間の野心があるからである。・・虚栄心を持つことによって、人間は、勤勉に働き、技能を磨き、収入を節約する。・・このようにして経済が発展し、文明社会が形成されるp.87」しかし「財産形成の野心や競争は正義感によって制御されなければならない。制御されない野心や競争は社会の秩序を乱し、結果として、社会の繁栄を妨げることになる。P.271」「フェア・プレイのルールを守ること、・・・正義感によって御された野心、および、そのもとで行われる競争だけが社会の秩序と繁栄をもたらすp.101」道徳感情論と国富論の内容をそのまま書き出しただけの記述が大半を占める本であるが、なにせこの二つの著作は大部で、展開されている議論もまどろっこしく、我々凡人にはこのような図入りの解説本が無ければ内容を理解することは難しい。内容は地味な本だが、「個人は、社会から切り離された孤立的存在ではなく、・・社会的存在としての個人なのであり、・・胸中の公平な観察者の是認という制約用件のもとで、自分の経済的利益を最大にするように行動するp.272。」つまりスミスは個人はアトム(原子)のような存在ではなくモラル・社会性があることを前提にして市場原理を考えていたことを一般人にも理解できるようにしたという点で画期的な本。つまりモラル無き企業人がはびこる現代にはスミスの市場原理は適用できないということである。

ステレオタイプを抜ける快感

経済学の新参者にとっても良書といえます。
アダム・スミスの著作『道徳感情論』、『国富論』に触れ、人間の本性と豊かさに関する一般原理に迫ろうとします。読破するにはかなり体力を要しますが、とにかくゴールすればさわやかな風が吹くというか、血肉になる本です。

スミスとは別に、ステレオタイプの怖さと、そこを抜けたときの知的快感についても気づかされます。日本人は「サムライ」と同様、スミスは「見えざる手」。この一言で片付けられ、知らされることのなかった内容のいかに深いことか。スミスの論は経済学にとどまらず、道徳・哲学的な考察へと及ぶので、どのような学術分野の人でも一度は読まれるといいかも知れません。このようにスミスへの扉を開いてくれた著者に感謝です。

スミスは幸福について、心の「平静と享楽にある」としています。これは竜安寺の蹲踞(つくばい)に刻まれた「吾唯足知」(われただたるをしる)を想起させます。どの時代にも現代にも光と影があり、そこを我々がどう生きるか、そしてどのような社会を目指していくべきかが問われているのです。



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PC・家電・CD・DVD  |  2009/11/08