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クチコミ情報
自閉と崩壊自閉と崩壊をテーマとした小説。
蓮実重彦が「双子の冒険」のひとつとして総括した作品。
日本社会、日本文学の自閉構造を内破する形で、三島以降の高度資本主義化した日本社会を打った作品なのだと思います。冒頭の誕生の描写とイメージは今なお、今こそ鮮烈といえるかもしれません。後半の展開は漫画的です。村上龍の作品です。
熱狂の世界 最初の方だけ読むと、「これは松本大洋の「鉄コン筋クリート」だ!」なんて思ったりします。兄弟にも似た二人の男の子、海、宗教といったキーワードがピタリとはまっているからです。「鉄コン」の方では、二人は成長せずにハッピーエンドを迎えますが、本作はさにあらず。ある時は華麗、ある時は醜悪、ある時は凶暴な世界に囲まれ、この二人、それにアネモネなどは激しい闘争をくりひろげます。
構成も実にメリハリがあると同時に用意周到。音楽、薬物、刑務所、航海技術などの取材もよくなされているようです。その上で、文章の熱狂というものを忘れない。本作の激しさは、石川淳の土壌に吉増剛造の文の花が咲いたというような感じがします。
こういう激越でグロテスクな表現には人の好きずきというものがあるでしょう。読みたくなければ読まなくてもいい。でも私は少なくとも面白いと思いました。もう30年近く前に発表されたのに古い感じがしないのは、作者の奮闘のせいか、作品に予言性があるからか、それとも今の日本が30年前と大して変わっていないからでしょうか。
ぐいぐいと読者を引っぱっていく上巻の圧倒的な迫力 20代の時に読んだ橋本治の「桃尻娘」(高校生編)と本作には衝撃をうけました。特に本作の上下巻を読み終えたあとの3日間ぐらいは熱にうかされたような気分になったことを今でも覚えています。
これでもかと読者を村上龍の小説世界に、まるで投げ込まれリアリティを持った小説世界から、一気に読ませてしまう力がありました。それは残念ながら上巻だけで、下巻からはその迫力が失われていきます。けれど、下巻のラストで、ハシが口にするセリフにはリアリティがありました。
蜷川幸雄がRCサクセションの単行本「愛しあってるかい?」に記事が抜粋されていて、蜷川氏は、まだ20代後半の新生RCになってからの忌野清志郎にハシを演じさせたいとの文章が掲載されていました。
好きな人は好きだろうこれが好きという人の気持ちは何となく分かる。
浮かんでくる映像の彩度が高く、溢れ出すエネルギーとスピードを感じる。太陽のギラギラがまぶしい感じもする。
しかし、なんかくどい。とってつけたような、鼻につくような言い回し。MEは後期の村上龍作品は読んだことないけれど、なんか若い作品なのだなというのがヒシヒシと伝わって来て、その若さから力づくの勢いで書き上げた、という感じ。しかし、この長編、構成力、世界観、センスを感じないわけにはいかない。センス。
気持良い小説じゃないが、衝撃的な何かがある。
村上龍の代表作の一つ。
無差別殺人や若者が麻薬がらみで逮捕される事件が頻発すると、コインロッカー・ベイビーズを思い出す。
コインロッカー・ベイビーズは中学生の頃に図書室で読みトラウマ級の衝撃を受けた。
コインロッカーに産み落とされた主人公達は満たされない大人になった。
生誕にまつわる負のベクトルが心に穴をあけ、それは漠然と破壊の衝動へとつながっていく。
この世界の発する禍々しさを感じながら読んでみたら良いのでは。
二人はある意味、格差社会の申し子のような存在である。
今読み直しても「コインロッカー・ベイビーズ」はやっぱ強烈。
反面教師的に、「要は心の持ちようだ」と実感できる小説かもしれない。
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