
|
クチコミ情報
ヒッチコック映画だけでなく、ほかの映画もあれこれ見てみたくなります 山田宏一と和田 誠。映画通のふたりが、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画作品について自由に、気軽に語っていく対談集。「ヒッチコック映画、だーい好き」「この映画のね、ここがとっても面白いんだ」「この映画には、こんな裏話があるんだよね」などなど、サスペンス映画の巨匠の作品を語り合っていくふたりの生き生きとして楽しい雰囲気が、とてもいいですね。ヒッチコック映画のファンのひとりとして、画面ならぬ本の頁に釘付け状態。久しぶりにあの映画、この映画の忘れがたいシーンが蘇ってきて、夢中にさせられました。
例えば、『泥棒成金』の項。Y(山田)が、<ヒッチコックはケーリー・グラントに「グレース・ケリーとキスさせてやるから」と言って映画に誘ったらしいよ(笑)。ケーリー・グラントも「グレース・ケリーとならぜひキスしたい」(笑)と出演を承諾したって言っている。>と語るところ。思わず、「へーっ。あの映画の裏にはそういうことがあったのかー」と、心の声を上げていました。この次、『泥棒成金』見る時は、今まで以上にキスシーンに注目だあ(笑)
ヒッチコック映画を語るうちに、ほかの色んな映画の名前がそれからそれへと挙がってくるのも面白かった。『スミス夫妻』の項で、スクリューボール・コメディの秀作がずらずらっと挙がってくる件りなんか、「すげぇー」て感じで拍手したくなりましたねぇ。で、そこ(本書の96〜97頁)に出ている作品の中から、前から「見てみたいなあ」と気になっていた映画のDVDをたまらず、注文してしまいました。
という副産物もあったり、ヒッチコック映画をまた見てみたくなったり、本書はいろんな意味で面白く、興趣が尽きません。
よっ、ご両人! お楽しみはこれからだ!ご存じ山田宏一と和田誠、“愛”を以て映画を語らせたらこの人たちの右に出る者はいないであろう博覧強記なふたりが、アルフレッド・ヒッチコックについて大いに語り明かす。このプログラムを聞いただけで心踊らない映画ファンが果たしているだろうか?なんて、尊大な事を思ってしまうくらい、中年映画ファンには嬉しい1冊。
イギリス映画の記念すべきトーキー第1作でもあるデビュー作「ゆすり」から、遺作の「ファミリー・プロット」(私が、唯一リアルタイムに“間に合った”作品)まで、その演出テクニック、小道具、衣装、メークアップ、主演スターから脇役までの俳優陣に製作背景までが、各場面のディテールを微に入り細に入り描写しながらたっぷり語られる。
「北北西に進路を取れ」なんて、そのサスペンスとユーモア感覚とケーリー・グラントの魅力を余す事なく紹介されていて、そんなに傑作だったかともう一度観直してしまった(笑)。
私は、全36作中14作しか観ていない。だからおふたりの語っている内容が理解できない部分が多い。すごく残念だし、口惜しいのだけれど、それでも本書を読み続けていくのは楽しい。それは、何より映画が好きで好きで堪らないふたりの語り口に心地良く酔わされるからである。
和田による多くの挿絵も素敵だが、「裏窓」や「ダイヤルMを廻せ」など、かっての名著「お楽しみはこれからだ!」で初出されていたモノが使われていたのが懐かしかった。
今回はヒッチ作品オンリーだったが、おふたりには、今後も、サスペンス、コメディ、ラヴ・ストーリー、西部劇・時代劇、ミュージカル、フランス映画、日本映画等ジャンル別に大いに語って頂きたいものである。
和田誠さんはイラストだけじゃありません。二人の対談です。この最強のお二人がヒッチコックを語りつくすというのですから、これは購入しないわけにはまいりません。まだ、私は未購入。しかし、この内容で、この出版社で500ページ近い本がハードカバーで出せないとは……。映画本が売れないという噂は本当なんですかね。ただ、山田さん、トリュフォー関連の書簡集や遺稿集の翻訳を忘れないでください! 私は必ず買いますから。
|