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クチコミ情報
不思議に読後感のいい小説現代ロシアの女性作家の小説。
ソーネチカという女性の一生を淡々と描く。夫が自分の娘の友人とできてしまうのを受け入れてしまう彼女の生き方は、普通なら違和感を覚えるところだけど、彼女の筆力か、自然に読めてしまう。
不思議に読後感のいい作品。
人生は宝石のようソーネチカは人間というもの、男というもの、女というものについて、またひとの一生について「そういうことがあるものかも」と、客観的視点にたって見ることが出来、その上で自分の人生途上に起こるさまざまな出来事を大きな財産にしてしまう稀有な女性。
このような女性を生み出したのはやはり、幼い頃からの読書ではないだろうか。読書はまさに精神の食べ物なのだと感じた。
そして、ソーネチカのような女性は今のせちがらい世の中でもいるだろうと思った。この作品が数々の賞を受賞していることはうなずける。
ウリツカヤ史の別の本も手にしてみたくなった。
買いです。読後の印象が、いわゆる「名作」で、登場人物の名前からしてトルストイやツルゲーネフ、あらすじがゾラやモーパッサンを彷彿とさせます。レヴューにあらすじはネタばらしの反則のような気がするので割愛しますが、やれエンタメだ、やれホラーだ、やれメタフィクションだ(はないかもしれませんが)の昨今の趨勢をお嘆きの諸兄には、昔、読み耽った「名作」の現代仕様として(昔、読んだ「名作」ほどこってりはしていないので)楽しめること請け合いです。
ある女性の生に寄り添う作家の眼差しリュドミラ・ウリツカヤのこの作品が、後世においても高い評価を受け、文学において高い位置を与えられることはないかもしれません。しかし、この作品を読み終えた読者の心の内には、静かではありながらも絶えることのない余韻が残ることでしょう。
貧しいソーネチカは、図書館に勤めていた際に知り合ったロベルトと結婚します。夫は芸術家で反体制活動家であるため、家族はソヴィエト国内を転々とし、貧しい生活を強いられます。しかしソーネチカは、書物、夫、娘に囲まれたその生活に幸福を見出します。いえ、「見出した」というのは正確な表現ではないでしょう。彼女の送る生活に、或いは彼女が送った可能性のある生活に、彼女は決して不幸という感情を抱くことはないでしょうから。
女性が何らかの権力によって蒙る受難がこの作品のテーマであると捕らえることは、不適切ではないでしょうか。貧困、夫の不実、ソヴィエトによる圧制、こういった要素が、彼女の感情に大きな影を落とすことも、彼女の感情を引き裂くこともありません。ソーネチカの沈黙を、彼女の人生に対する服従を非難することができるかもしれませんが、それはこの作品の描くところを曲解することではないでしょうか。作家はソーネチカの傍に寄り添って歩みを共にしており、読者はその少し後ろから彼女達を眺めやるのみです。
翻訳家の柴田元幸氏の書評が、この作品の魅力を的確に述べています。「・・・・・・とにかくそういう人(ソーネチカ)が作者の頭から生まれてしまったのであり、そうやって生れた人を、作者はただそういう人として描いた。人間を祝福する上で、これ以上正しいやり方があるだろうか」。
他人からどう思われようとソーネチカは幸せ?本が大好きなソーネチカの一生の物語。
ソーネチカは、すごく幸せな事があればその現実を
「なんて幸せなんでしょう」と感謝して、
他人から見れば不幸な事がおきても
「こんな自分だから仕方ない」と納得してしまう。
誰かを何かを悪く言う事はない。ある意味自分を良くわかっている?
なかなか出来る事ではない。強い強い信念を持った女性なのかも。
普通なら不幸だと思えるエピソードは、普通の作家が書いたら
そこを突き詰めてしまいそうだけど、この作者はあっさり流して
しまっていて、 それがソーネチカその人の性格なんだろうなぁと
読んでいるこちら側もたんたんとその出来事を消化してしまう。
物語に入り込むというよりも、ソーネチカの家の窓から
ソーネチカの一生を垣間見たような気分にさせる物語。
文章も綺麗、物語の中の描写も綺麗なので星5つ。
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