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ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)

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ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)

村上 春樹 
ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)
定価:¥ 680
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ダンスステップを上手に踏むように、私たちもこの社会で生かされていることに気づきました!

僕という主人公は34歳。結婚していた女性に逃げられ、いまは一人暮らし。社会や人生が分かりかけてきた男にとっては、仕事も生き方も優秀でなければならず、ダンスのステップを正確に踏み続け、人からもホメラレルように踊り続けることが求められという暗喩が一環して流れるのがこの小説のテーマです。そのダンスステップがいい人生、と思われることに、主人公は疑問を抱き続けることに。

札幌の「いるかホテル」で働く女性と知り合い、互いに惹かれ合う仲となっても、二人はその気持ちを素直に表現できないでいます。そのホテルで出会うことになるのが、不気味な羊男。さらには、ひょんなことから主人公の僕は、13歳の少女ユキの身元引受人となり、東京、ハワイ。少女の家族とともに生活を共にすることになります。そして、身の回りで次々に起こる、身近な友人知人がまきこまれていく殺人事件。僕の成長と共に、失ってはならない女性、ユミヨシさんの手を放してはならないことを悟り、勇気をもって共に生きる道を選ぶすがすがしい恋愛小説になっています。

とても幻想的でありながら、村上春樹の小説は不思議なリアリティがあることに驚かされるばかり。ミステリーのようでいて、ナイーブな恋愛世界であり、洗練された都会的な状況設定の中で展開されていく物語には、読み進むにつけて目が離せなくなります。ベストセラー物に興味のないという人も、作家の力量と世界観には知らず知らずトリコになってしまうことでしょう。私もその一人で、ほんとうに脱帽です。


目的に縛られた世界へ

世界は目的に縛られている 
学校、仕事、ある種の人間関係・・・
生活のあらゆるところに目的がはびこり、もしかしたらある人は窮屈に思うかもしれない。
そんな目的から逃げ出したくて人は不合理なことを始めるのだろう。
その気持ちはあるときは芸術の形であったり、あるときは殺人であったり、突き詰めれば宗教だってそんなもののひとつかもしれない・・・
でもそのような無目的なことは非常にもろく、ときに他人だけでなく自分をさえ傷つけるのだろう
結局静かに生きていくためには運命に従って流れに身を任せて生きていかなくてはならないのである。

――だから踊るんだよ。音楽の続く限り


読み物としては四部作の中で一番面白いと私は思う

20年ぶりに読んだ。きっかけは「謎とき村上春樹」。

20年前読んだ時は村上春樹の中でも「ダンス・ダンス・ダンス」が一番面白かった。「ノルウェーの森」が映画化されるという話があるが、「ダンス・ダンス・ダンス」の方が、映画的な感じがするように思われた。

で、今回読んでみて、20年前より注意深く読んだつもりだが、読み物として面白い分、逆にメッセージがダイレクトに届いて来ない気がした。

いや、いろいろなメッセージがちりばめられているが、「僕」が前の3作よりも軽やかで、その分、前の3作に共感した人も「ダンス・・・」に対しては共感が薄くなるかもしれない。

村上春樹がこんなにも売れた理由と言うのは何なのか、私が考えるのは、読んでいると、「この主人公の気持ち私(だけ)はわかる」とかみんな思うのではないだろうかということ。「村上春樹の小説は私(だけ)はわかる」というような読者の気持ちをくすぐるのでは。

それだけ多くの人が、誰にも言えないけどコミュニケーションに苦労して、苦しんでいて、自分だけ苦しんでいるように思っているんだけど、実は苦しんでいるようには見えない周りの人達も同じように苦しんでいる。その苦しみを共有できない。そんな人達がみんな村上春樹に魅かれる。そんな構図があるのではないだろうか。

村上春樹の小説の大きなテーマとして、そのコミュニケーション、もっと広く言えば言語というものがあげられると思うが、構造言語学の思想にも通ずるものがあるように思う。

「ねじまき鳥・・・」あたりからとっつきにくくなってくるので(エルサレム賞授賞式のスピーチで「壁抜け」の意味がわかった気がしたが)、やはり「風の歌・・・」から「ダンス・・・」までの4作品をおすすめしたい。なかでも「ダンス・・・」は読み物としては一番おもしろいと私は思う。


ユキ

何回も読み返した。

村上春樹の小説には数え切れないくらい女性が出てくるが、その中でもユキは一番魅力的だ。


宣伝につられて購入したが、80年代不良文学

内容はさっぱり忘れてしまい、ノルウェーの森同様
ハードカバーで購入したが、捨て本となってしまった。
それ以降この輩の本は購入リストから外れた。



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「ノルウェイの森」と似て非なる作品

「ダンスダンスダンス」は「風の歌を聴け」から始まる、ぼく(主人公)が活躍する第4作品目です。(タイトルだけではシリーズ第何作目か分かりませんので始めて購入する方は注意が必要です。)

 著者はギリシャで同時期に「ノルウェイの森」を書いています。本作「ダンス・ダンス・ダンス」は「ノルウェイの森」と似て非なる作品のように思います。どちらも複数の人物が亡くなります。ただ主人公の年齢が15歳ほど違うためか、全く作風が異なるように感じました。

 個人的には、4作品の中で一番面白く読みました。


佐々木マキのイラストそのもの

この作品を絵で表すと、まさに佐々木マキさんのカバーだ。カラフルな背景で踊る輪郭だけの人間。もしくは人間のようなもの。実体のない感じがよく出ている。私にとってはこの作品は佐々木さんの絵なしに考えられない。作者が装丁に凝るということの意味がわかるような気がする。文字だけでなく本全体が読者に忘れられないイメージを与えることに成功している。

五反田君と阿部寛

思い切り暗く冷たい印象を抱かせる作品世界。"僕”はとてつもなく暗い荷物を抱えながら誰か(何か)を探し続けている。同級生の五反田君と娼婦キキの印象が脳裏に刻みこまれる。それに
ハワイで飲むピナコリャーダ 。初読のときから、クールで何を考えているかわからない五反田君が当時の阿部寛のイメージに重なった。「ドラゴン桜」 に出ているキャラとは違い当時の阿部寛は二枚目が過ぎて相当に陰鬱な印象であった。
偶然宿泊した横浜ニュー・グランド・ホテル の古くかつ印象的な佇まいが鮮明なこともあり、ダンス・ダンス・ダンスの世界をリアルに感じる。阿部寛(ドラマでよく見るけれど、五反田君って最近あの世から復活して頑張ってるんだ!)とピナコリャーダ(ハワイやテキサスあるいは日本のバーで)をみる度に小説の世界を鮮やかに思い出す。


個人がもてる巨大な配電盤

自分という「配電盤」を人を通して、つなぎ合わせていくこと。

生きていると、いつの間にか、
ちぎれてしまったり、
ぶったぎったり、
忘れたりするケーブルを、思い出し、ゆっくりとつなぎ合わせていくこと。

自分の過去の回収と、未来への続く音楽と、そして今の足運びを、
強く、自分のステップで進んでいこうとする、ダンス・ダンス・ダンス。

「さて、と僕は思った。もう一度ダンスのステップを取り戻すのだ」
(文庫本下巻 P282)

勇気を持ってダンスを踊れ!
主人公と世界はつながったか?


結末

 「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」の三部作。これらの続編として存在する本書。
 物語の流れとしては「羊をめぐる冒険」に似ているように思う。周りで起こる不思議な出来事に翻弄され、踊らされる「僕」。しかしこれまでと違う点は「僕」が自発的に行動する点だろう。流されながらも、自分のステップを踏み続け、最後に自分の求めていた結果を手に入れる。
 1970~80年代を描いた「村上ワールドの終わりを締めくくる本」と言えるのではないだろうか。



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