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クチコミ情報
心のこもった労作この本を読み始めると,著者はチャールズ・ジェネンズの人物を語るとともに,ヘンデルやジェネンズたちが生きた時代そのものを描こうとしていることに気付く。ジェネンズの学識を誹謗・中傷した同時代あるいは後代の人々への著者の批判は大変に厳しく,これまでジェネンズの名をほとんど知らなかった私たちには,逆にヘンデルや《メサイア》の偉大さを教えてもらうことになる。ジェネンズが当時の教養人として一級であり,シェイクスピア劇編纂者としても非常に優れた仕事を残していることも興味深かった。付録として掲載されている《サウル》《メサイア》《ベルシャザール》三部作の対訳は丁寧で正確な仕事だ。この労作は,期せずして敬虔な信仰心に支えられたヘンデルとジェネンズの協同作業をこれ以上にない形で紹介しており,「テキストを正確に読む」「心をこめて謳う」ということを私たちに改めて考えさせてくれる。
メサイアファンに是非一冊!2年前、初めて「メサイア」のコンサートを聞きにいきました。そのときは歌詞の内容を知らずに音楽を楽しんでいたのですが、この本を読んでみて、あの時歌われていた内容を知りました。「メサイア」の歌詞は1743年版の珍しいものだそうで、コンサートのプログラムの歌詞とはかなり違いがあります。「メサイア」をよく知っている人にとっては貴重な研究材料になるのだと思います。この本の最後には、付録として「メサイア」だけでなく「サウル」、「ベルシャザール」のわかりやすい対訳も記載されています。聖書から歌詞が作られたと聞き、堅苦しいものかと思いましたが、両作品ともドラマティックでストーリー性があって、登場人物も多彩なので身近に楽しめました。「メサイア」ファン、ヘンデルファンにとって「お手元に一冊」の価値はあると思います。
ちょっと高いけど・・・ この本の本体は、ルース・スミスのジェネンズ論である。この論文は、ライバルの誹謗中傷によって誤解され続けてきたメサイアの台本作家チャールズ・ジェネンズの歪められた人物像に決定的な修正を迫る画期的な論考だ。 しかも付録が充実している。ジェネンズがヘンデルのために作った3つのオラトリオの原文とその対訳が役に立つ。特にメサイアの原文は、台本作家の意向を最も忠実に反映していると言われる1743年のロンドン初演の歌詞を再現していて非常に貴重な資料と言えるだろう。ジェネンズに関する略年表も便利だ。 訳者あとがきもおもしろかった。
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