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プリズンホテル〈3〉冬 (集英社文庫)

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プリズンホテル〈3〉冬 (集英社文庫)

浅田 次郎 
プリズンホテル〈3〉冬 (集英社文庫)
定価:¥ 580
新品最安価格:¥ 580
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クチコミ情報

「死」というテーマ・・・・!?

プリズンホテル第三作目。
「冬」という題目であるため、とても繊細で、冷たくて、悲しくて、キリッと引き締まったストーリーという感じを読み終えた後に持ちました。

「死」というテーマを今回は貫いていて、いろいろ考えさせられるシーン、台詞が随所にちりばめられています。

・ウェートレスの死 ・マリアの勤めている救急センター  ・安楽死を選択した医者 
・いじめで自殺を図る少年  ・清子/孝之介の愛の表現→「死」?
・登山家の「死」に対するポリシー

とても難しいテーマですが、浅田先生の筆力でぐいぐい読ませます。

ただ、私の読解力がないせいもありますが、
 ・マリアと医者の愛情表現のすれ違い
 ・孝之介の清子に対する愛情表現の異常さ
はどうも理解できませんでした。(あまりに非現実的。。。。?)

相変わらず、読み始めると読むのを止めるのが大変な程、とても読みやすく、面白い小説であることは間違いないです。(ただ、「夏」「秋」よりは落ちるかなあ。。)

あとは「春」編を読み、完結です。読むのが今から楽しみです。


ドイツ教養文学をバックボーンとした泣き笑い満載の素晴らしい極道小説!!

まだ、浅田次郎を読んだことのない人も、読んだことがある人も、いつかはこの「プリズンホテル」を読まなければならない。人生の笑いと悲しみがいっぱいつまっていて、最後には涙と鼻水が一本の川となってあなたたちの顔の笑いジワの痕(あと)を流れていくことになるからだ。

 しとしとと、しみじみと始まる話ではないのだ。極道がたくさん出てきて、こましゃくれた子どもも出てきて、少々荒っぽい流れもあるけれど、浅田次郎が作家として自信を持つことが出来たという一作だ。その証拠に、この第一巻である「夏」から書きはじめた浅田次郎は、最終編となる「春」までの間に、「日輪の遺産」、「蒼穹の昴」、「鉄道員」などの代表作となる名作を生み出しているのだ。

 みんなこうはみえても、結構好き勝手な人生を生きてきた。
 強がりもあっただろう、見得もあっただろう、世間知らずもあっただろう。自分ばっかりが強がっていてもそれは他人様から見たら喜劇であり、それがいつしか哀しみと本当の自分への愛へとつながっていくのである。

 この「ドイツ教養文学をバックボーンとした泣き笑い満載の極道小説」(浅田次郎)は、時間さえあれば何度でも読み返してみたいと思うワシにとっての最強小説なのである。


<冬>に合わせた透明感溢れる出来〜「清子=聖母」

シリーズ第三作。<冬>と言う副題に合わせてか、前作のような奇想天外な仕掛けはなく、浅田氏特有の純情路線の透明感溢れる作品で、同時に次作における大円団の伏線ともなっている。

プリズンホテルを訪れる客は相変わらず様々で、各々悩みを抱えている。救命救急センターの婦長、人呼んで「血まみれのマリア」。何千人の死に直面している。患者を安楽死させた事で悩む医師平岡。数々の危機に遭遇した天才クラマー武藤。仲蔵までがガンを気にして右往左往する。"死"が一つのテーマとなっている。彼等は皆悩み、人生に疲れ倦んでいる。だが、プリズンホテルと言う異界を訪れ様々な出逢いと経験をする事で、彼等に活力と人間性が戻って行くのだ。全体をユーモアで包みながら、温かい人間観察を見せる作者の手腕である。一方、シリーズの主人公のエキセントリックな作家木戸の傍若無人ぶりは相変わらず。清子をいつものように苛めるかと思えば、少女のために縫ぐるみを繕ったりする。ハッキリ言って切れている人物である。そして、清子は前述の客達とは異なり、辛い思いをしながら、人生を諦めたりせずに、"あるがまま"に受け止める。清子こそ聖母だと思えて来る。木戸の相手が出来るのは清子だけだと読者に思わせる。そして、結末で作者が用意しているものは...。

全体の構想がズバ抜けている上に、木戸や清子の性格設定、登場人物間の錯綜した関係、客達の秘められた事情、小刻みなギャグの連発によって無条件に楽しめる娯楽小説になっている。特に本作は人生に疲れ果てた人達がプリズンホテルを訪れる事で勇気を得る展開になっており、これにより読む者も勇気を与えられる快作。


文句なしの傑作

前作に比べボリュームは少ないものの、内容は外すことなく面白かった。
特に浅田氏の他作でもお馴染みの血まみれのマリアまで登場したほか、有名な登山家、(複雑な事情を有した浅田氏酷似の)小説家は相変わらず話を盛り上げてくれる。
また、いじめを苦に自殺を図ろうとする少年も登場するが、いじめを苦に自殺する学生が多い中、そうした悩みを持っている学生に送りたい気持ちである。
浅田氏得意の登場人物の勘違いを背景とした会話を面白おかしく描く技術は本作でも十分に発揮されており、かなり自信を持ってお薦めできる作品である。
いよいよ同作の春(4巻)を読み始めるが、読み終えるのが惜しいような気持ちが生じるほどの傑作!


血まみれのマリアまで出しますか?

 浅田次郎の小説は、「蒼穹の昴」のように、読み終わったあとで「これで完結はないだろう、続きはないのか」と思わせるあまりの奥行きの深さがあった。
 他方、「きんぴか」は、健ちゃんが5代目を本当に襲名するかと言うような問題点を残しつつも、「完結」していた。
 作者は、このあたりを見過ごして、「きんぴか」を同じ設定のこの小説に持ち込んでしまった。

 「きんぴか」で・・・自慢じゃないが1996年の合本晩の初版を買った人間だ・・・・築き上げた世界を、また使うとはどういう神経であろうか?

 才能ある人間だが、彼は、少し調子に乗りすぎて、編集者に騙されて書きすぎてるのでは。



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