
|
クチコミ情報
セラフィンの勝利本作品の決定版。カラス、コレッリ、ルートヴィッヒというどうみても収まりの悪い「名歌手」の組み合わせに少し驚くが、セラフィンは、ここでは、非常に大きなスケールと奥行きを発揮して、個性豊かな、豊かすぎる歌手を自身の世界へと調和させている。といっても、カラヤンのような「統率」ではなく、「調和」だ。一方、たっぷりと歌手に歌わせる名匠ぶりは健在。カラスは往年の美声がないといわれるが、私は、本来コロラトゥーラでリリコレッジェーロに近い彼女の声は容貌とは異なり「可愛らしすぎる」ので、ベルカントオペラのノルマは少し重すぎると思っていた。ここでは見事に年齢を重ねた貫禄が生きていて、カラス最後の「声の華」を咲かせる。圧巻は、ルートヴッヒとの重唱で、女声重唱の「名唱中の名唱」と思う。知情意揃った行届いた歌唱は言うことがない。ポリオーネのコレッリは、見事な歌唱だが、やはりベルカントオペラは、彼の任ではない。ややヴィヴラートの掛かったロブストな声は明らかに異質。スピード感のある高音とパッショネートな独創的なスタイルは、ヴェルディ中期以降のイタリアオペラの必需品だが、ここではやはり収まりが悪いのは否めない。ライヴ版でデル・モナコがカラスと競演したものもあるが、やはり場違いだと思う。スティファノかパヴァロティかベルゴンツィのようなベルカントテナーが要ると思う。
オーケストラと共演者1960年にトゥリオ・セラフィン指揮の『ノルマ』です。カラス、セラフィンのコンビは、1954年にもこの作品をスタジオ録音していますが、今回はアダルジーザにクリスタ・ルートビッヒ、ポリオーネにフランコ・コレッリと共演者が変わっています。1954年版との比較すると、カラスの声の力は明らかに落ちてきていますが、歌唱の音色で豊かに感情を表現するという点では勝っています。
そして、セラフィンの音楽。ステレオ録音ということもあって、響きは良いのですが、よりスペクタクルで流麗な響きを表現できています。特に第二幕のフィナーレ(通例では第一幕フィナーレ)の三重唱のヒリヒリするような迫力とスケールの大きさにはうならされます。
|