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ヴァネッサ・レッドグレイヴ

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ヴァネッサ・レッドグレイヴ

ヴァネッサ・レッドグレイヴ(Vanessa Redgrave,1937年1月30日 - )はイギリス出身の女優である。両親共に俳優、弟コリンも妹リン・レッドグレイヴ リンも俳優。1957年の舞台デビュー以来、現在でも精力的に映画・舞台・テレビに出演している。
「モーガン」「裸足のイサドラ」でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。「ジュリア」でアカデミー助演賞を受賞した。舞台では2003年にユージン・オニールの「夜への長い航路」でトニー賞を受賞している。
1967年に映画監督トニー・リチャードソンと離婚した。二人の娘、ナターシャ・リチャードソンとジョエリー・リチャードソンも俳優になった。
反体制の闘士としても有名。その政治的発言やデモへの参加などでもよく知られている。

ハワーズ・エンド(字幕) [VHS]

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定価:¥ 16,590
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商品の紹介
郊外の別邸ハワーズ・エンドを巡って、知的で理想家肌のオールドミス姉妹と実利主義の実業家一家が、奇妙な縁で結ばれていく文芸ドラマ。
アメリカ出身でありながらイギリスでイギリス的な映画を撮り続けるジェームズ・アイボリー。彼が『眺めのいい部屋』『モーリス』に続いてE・M・フォスター文学を映像化したこの映画は、これまでの行儀が良すぎるアイボリー作品に比べ、人間のずるさや弱さを現実味のある形で見せた力作となっている。登場人物たちは偶然に操られながら多彩な人間模様を繰り広げていくが、そこに描かれるのは、普段の生活の中では隠されているこずるさや小心などの人間臭さ。描き方はシニカルかつユーモラスだが、なかなかリアルなのだ。最終的にハワーズ・エンドは誰のものになる?と思って見てもおもしろい。美しいイギリス特有の風景や20世紀初頭のイギリス紳士・淑女の服装などイギリスチックな映像はアイボリーならでは。(茂木直美)


クチコミ情報

蒼さが美しい…

英国のハイ・ミドルクラスの家庭のお話ですが、起きるドラマは何処でも同じ。美しき麗しき英国階級、されど冷たく皮肉と虚栄に満ちた人々。そして悲しくも心狭き人々は名誉に踊らされ、ローワー・クラス(労働階級)に当てはまる者を見下していた…時代を感じるドラマでもあります。俳優陣はコッテコテの英国人らがズラリで、しかも純英国人らしさ、性質・言動をきわ出させています。個人的な事ですが、物語の始まりに、まるで陽炎(かげろう)のように現れて消えて行く夫人を演じるヴァネッサ・レッドグレーヴ。「あなたは、どうしてそんなに美しいの?」物語の中で彼女の発する言葉は実に詩的で、また純粋な少女のように、はしゃいだり…。物語の内容でも彼女(夫人)が『キッカケ』を作り、また女優である彼女が物語に美しさを刻み込んだように思えます。

美しいけれど重く深い英国映画

人生は誤解と行き違い、愛と憎しみの連続だとしばし悲観的になってしまった。英国の自然、文化を美しく描きつつ、閉塞的な社会に生きる人間模様を映し出している。価値観の違う人々が相容れるのは献身的愛情によるものだと思う。資産家のウィルコックス婦人は死の間際、よくしてくれたシュレーゲル家の長女メグ宛にハワーズエンド邸をゆずると遺言を残すのだが、その気持ちがわかる。家族にも言えなかった病状を話せ理解と友情を結べた感謝からだろう。現実的閉塞的な生き方をしてきたウィルコックス婦人には死を前に感謝と友情の証しにハワーズエンドを贈ることに執着はもはやなかっただろうし、メグから家を失うかもしれない事情を聞いていたから尚更のことだった。しかし、残された家族には到底理解は難しく、ハワーズエンドは紆余曲折経ながら最終的にウィルコックス婦人の霊に導かれるかのごとくシュレーゲル家の物と落ち着く。資産家で多くの物を持てる豊かな人ほど失うことを怖れ、苦悩し、他人の行為を善意に解釈することがむずかしいことが多い、アンソニー・ホプキンスがそんな金持ちを好演している。シュレーゲル家の次女ヘレンは偶然知り合った男性バスト氏にある事を通して自らが責任を取るべき行動に出るが、責任感はやがて同情から愛情に変化していく、そこまでしなくていいかもしれないが、したい気持ちが痛いほどわかる、(サミュエル・ウエスト演じるバスト氏だから余計に・・・う~ん偏見ですが)そして子供を宿し、この子がハワーズエンドをいずれ相続することになるのだが、この家で父であるバスト氏が亡くなったのだから因縁めいている。しかしこのバスト氏もアンソニー・ホプキンス演じるウィルコックス氏に捨てられた女性に同情に近い気持ちで結婚しているように見える。ここまでくると原作を知らない私は登場人物相関図でも作成したくなるが、事態はもう少し複雑。エマ・トンプソン演じるメグはいつも前向きで最善を尽くし、失望しない、理想を目標におく、時に流されそうになったとしても本質は変わらない。そのようになりたいと思う。ところで中流階級といってもたいそう立派な部屋住まいだ、日本の住宅事情とはかなり違う。


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プレッジ [VHS]

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ハワーズ・エンド(吹替) [VHS]

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商品の紹介
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つぐない [DVD]

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つぐない [DVD]
定価:¥ 3,990
新品最安価格:¥ 3,547
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商品の紹介
軽い気持ちでついた嘘が、大切な人たちの運命を大きく狂わせてしまう…。誰の人生にも起こってしまいがちな過ちを、切なすぎるラブストーリーとして結実させたイアン・マキューアンの原作に対し、そのエッセンスを映像でしか表現できない要素を駆使して表現した珠玉作。1930年代のイギリスで、政府官僚の娘セシーリアと、使用人の息子ロビーが想いを募らせ合うが、セシーリアの妹ブライオニーの嫉妬から生まれた些細な嘘によって、ふたりの運命は切り離されてしまう。タイトルにもなっているブライオニーの「つぐない」は、予想もしないかたちで立ち表れ、観る者の心をゆさぶる。
 映画ならではの表現テクニックが、随所で効果を発する本作。ひとつの象徴的な出来事が、セシーリア、ブライオニー、それぞれの視点で描かれることで、映像が姉妹の深い思いを代弁していく。キャストの演技にも目を見張る。少女時代のブライオニー役で、純粋ゆえの残酷さを表現したシーアシャ・ローナン、短い出番ながらヴァネッサ・レッドグレイブの張りつめた表情は見事とした言いようがない。さらに際立つのが音楽で、タイプライターの音をイメージしたメロディがブライオニーの心理を語るかのように流れ、アカデミー賞作曲賞も当然と納得させられる。(斉藤博昭)


クチコミ情報

もひとつ意味がわからなかった・・・。

主人公のせいで姉とその彼の運命を悲劇のものに変えてしまったのは
わかる。そしてその主人公はその彼に想いを抱いていたのもわかる。

退屈なシーンが多くて、はっきりとした場面やセリフがなかったので
すごい残念。現実なのか空想なのかもわからなかった。


つぐない?

まず、こちらは字幕で鑑賞してもらいたいです。
この様な作品は吹き替えでは伝わりきれ難い。
ぜひ字幕表示にして。
かなり見え方が変わって来る。

さて私は命題の「どう償うのか?」
を知りたくて最後まで観てました。笑
果たしてこの映画は本当に「つぐない」になっているのか?…
そこが問題。笑

「真実が分かり、自分自身顧みれて、猛省もした…」
本来ならば姉に対してはそれで私も許されたと思う。
結果よりも、「相手を想ってした不可抗力」が原因だったなら…。

それよりも、初恋の「彼」だったのではないの?
だったら三角関係の「嫉妬に依ってなされた行動」では無かったの?
私は、そちらの「謝罪」の方が視たかった。

例えば
「主人公は生涯、結婚しなかった」
「尼と成った」
とかで良かったんじゃないの?
もし主人公がまだ
「自分が何に対して罪があったのか?」すら認識していない様なら、
…彼女の悩みはまだまだ続くと思う。

一体、本当に彼女は浄化されたのだろうか??笑
私が「日本人」だから解らない「つぐない」の形なのだったのだろうか?


 何とも・・

 
 このお話がどこまで実話なのか、それとも全く架空なのか、
ありそうなお話ではあるし、近年というか昔から?というか、どうも
虚実曖昧なものがあって、実話が虚構化されてしまうし、虚構が如何にも実話化?
されてしまうという、それが何とも・・なのでした。
 わたし的には、虚構ならばうんと虚構拡大で、或いは関係無いけれど、
邦画であれば原作には忠実に!と思うのだけれど、まあ何でも良いか、
この作品が全くの実話であるとすれば、とても苦しいだろうし。
 
 いずれにせよ、全く無い話では無いだろうから、ま、良いか的に、
問題はそんなところには無いし・・。
 時々、時間が逆行するのも面白いかも。
 てか、カント哲学・・違・・、いきなり激しい恋のようで、凄いですわね・・。
 ラストも効いてるし、やっぱ救いが無ければ・・。
 やっぱ恋は映画の中でするもの・・、違・・。
 


Atonement

18歳のブライオニーを演じたロモーラガライさんの熱烈なファンとしては、出番が少なめで不満が残りましたが、ストーリーの重要部分であったと思うし、少女時代の俳優さんも可愛いかった。老年で告白するインタビューシーンも、物語をスッキリとさせてくれたと思います。インタビュアーはあの有名な監督さんでしたね。
轍退シーンが長過ぎのかな?


悲劇の愛の物語

嘘に始まり嘘に終わる物語。少女の頃には嘘をついて使用人を戦場へと追いやり、老女となってからは嘘でその罪を塗り潰した。嘘がまかり通ってしまう理不尽な物語とも言える。女性視点の映画ではあるが男性でも楽しめる。
まず英国の田舎の貴族の館の優雅な日常生活が美しい。
戦場に送られてからは、史上最大の撤退作戦とかいうダンケルクの海岸を埋め尽くす兵士達の長回し撮影が見事!
ロンドンの病院では看護婦達の献身振りが美しく描かれ、虚構の姉への告白シーン、そしてラストの老女の独白へと繋がる。



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いつか眠りにつく前に [DVD]

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大人の女性にお薦めします

人はこの世を去る時に何を思うのだろうか、
というテーマを、静かに語りかける作品です。
自分が歩んできた人生と、選ばなかった人生。
アンは病床で、ずっと後悔に暮れていたけど、
最後には「人生に過ちなんてない」と悟り、
生き方を迷っている娘には「幸せになろうと努力して」と伝える。
アン、古い友人、娘達、娘の恋人、最後にはみんなが満たされ、
ラストシーンには、清々しい充実感が漂っていました。

女同士の友情、忘れられない恋愛、親子の絆・・・
こんなにいろいろな題材を盛り込みながら、
散漫になることも過不足もなく、丁寧に描ききっている。
幻想的な演出があったり、上流家庭の海辺の別荘の美しさに
目を奪われたり、雨の中での切ない別れに涙したり、
子育ての現実の厳しさを知らされたり・・・心に残るシーンばかりです。
劇中で歌われる数々の名曲も素敵でした。
大人の女性に、ぜひお薦めしたいです。


人生で一番輝ける瞬間の思い出

死を直前にした老人の目を通して一人の女性の人生を綴った物語。

あろう事か私は映画、中頃からずっと涙が止まりませんでした。
死に逝く老女があわれだとかそんなんじゃ全然ないです。
若き日の彼女のエピソードの中にかいま見た彼女の人生で一番輝ける瞬間の描き方がすばらしくそれが美しく輝いているほどその後の彼女の人生の重さみたいなものがグググッと迫ってきて泣かずにはいられなかったのです。

歌手を目指し、夢と希望にあふれたアンが友人の結婚式で歌う場面。
若く、美しく、希望に満ちて人生で一番輝いている瞬間・・・。(この場面の映像、彼女の撮り方がまたすばらしく、死にいく老女と比較するとまた泣けてきます。)
そんな彼女に引きつけられるようにやってきた若者と恋に落ちます。
意気揚々と輝ける人生の幕開けだと思えたその翌日、ある不幸な出来事によりその恋は終わりを告げます。
そしてその時の出来事による後ろめたさのせいかその後の人生はパッとしないものに・・・。

結ばれなかった愛、成功しなかった夢をかかえ、それでも人生は続く・・・。

子供を抱えながら飲み屋などでの歌手の仕事を続ける彼女。
手を焼きながらも子供に歌を歌って聞かせる母としての必死でやさしい姿などが以前の美しかった若き日の彼女と対照的で泣けます。

誰の人生にも少なからずあるだろう一番輝いていた瞬間(若い者には想像もつかないでしょうが死の床につく老人にさえもそのような時があったのだと映画は教えてくれます。)そしてその後の人生との折り合いのつけ方、誰にもかならずやってくる死などこの映画は静かに多くの事を語ってくれます。


それぞれが抱える迷い

病床に伏せているアンが、眠りにつくたび過去に一番愛した人を夢に見る。
そこから始まるアンの人生の物語。

若きアンの親友の結婚式シーンが何とも印象的。
心から愛しているのは別の人だけれど、一緒になれないと知って別の男性との結婚に踏み切る。
その事実を唯一知っていたアンも辛かっただろう。

様々な人の迷いを織り交ぜながら、物語は展開してゆく。

「人生に過ちなんてないのよ」のセリフが心に残る。

女優陣の演技力に弾きつけられる作品です。


<ネタばれ>親から子へ伝える幸せとは何か

 映画は現在と過去の二つのパートから構成される。主人公アンを通して物語は描かれます。現在のアンは病床につき死を目前に待つ老女。彼女は数十年前の過去を思い出していた。それは友人ライラの結婚式での思い出。そしてその時の出来事が彼女の頭に鮮明に浮かび上がる。

 現在のアン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は過去のその出来事を悔いていた。娘のコニー(ナターシャ・リチャードソン)とニナ(トニ・コレット)に看病されながらアンはうわごとのように「ハリス」という男性の名前を口にする。

 映画冒頭ではアンは過去の出来事を悔いていたけれども死を覚悟したとき彼女は妊娠している娘ニナに言います。

「過ちなんてないのよ」

と。妊娠でナーバスになっているニナへ、未来を恐れずそしてもし産んだ時そのことを悔いることはないように。死を目の前にすれば過去の出来事なんてそんなに気にしなくていいもの。死を目前にして気づいた母親の、娘への最後のアドバイス。そして死の淵に立たされた人の心の内側を描いた言葉だと思いました。


死を前にして、人は何を想うのか?

 死の床についた母のアン。アンに付き添う姉妹コニーとニナ。アンが何度も口にしたのは1人の男性の名、ハリスだった。母のかけがえのない追憶を辿る2人、それは娘たちにとって最高で最期の素晴らしい贈りものだった。

 死を迎える者、これを見送る者。その時、人はそれぞれいったい何を想うのだろう?勝ち取った輝かしい栄光、それともこの世への未練、見果てぬ夢への執着、叶わなかった想い、命の尊さ、決別の悲嘆なのだろうか?ラホス・コルタイ監督がスポットライトを浴びせたのは、生の不条理のなかでわずかに宿る充足の光だった。ままならない人生のなかで懸命に踏みしめた足跡、これこそがいとおしく輝くのだ、と。この足跡、母アンの生き様は娘コニーとニナのみならず、鑑賞者に命あることの嬉しさ、生きることの歓びを教えてくれる。そしてなによりも、生きる勇気をあたえてくれるのだ。



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上海の伯爵夫人 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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混乱と退廃の上海を描く。C・ドイルの映像も光る作品。

1937年頃の上海は、ぜひともタイムスリップしてみたい場所のひとつだ。各国の思惑が渦巻く大都市での物語というと、やはり「カサブランカ」が思い起こされる。本作も軸はラブストーリーなのだが、「カサブランカ」と違うのはハッピーエンドなことだ。J・アイヴォリー監督・カズオ・イシグロ原作だと、もう少し「耐え忍ぶ」話かな、と思っていたら、結構情熱的で(笑)。中でもレイフ・ファインズとナターシャ・リチャードソンの抑えきれない気持ちの表現力が凄い。ロシア革命で無一文で逃げてきた元貴族の悲哀も描かれるが、貧乏のなか信念を持って日々を過ごすV・レッドグレイヴの凄みにも圧倒された。それと真田広之。かつてこれだけ多くの英語セリフ(かつ英国訛り)を発した日本人俳優がいただろうか?。無口な軍人とか、侍とか、あまり喋らない役柄が多かったので、これは嬉しかった。実際に1930年代に撮られたら、この役は100%早川雪洲が演じていただろう。真田と背格好も似ているし、松田役を観ていたら、1910年代・パラマウント&ハワースで絶頂期の雪洲の姿を重ねてしまった。事実上中国人(笑)であるC・ドイルのカメラワークも抜群だし、ヘンテコ日本の姿もないし、歴史を学ぶ意味でも日本人必見の作品だと思う。特典映像もメイキングや真田のロングインタビューなど満載なので、おススメです。星4.5で四捨五入の5つ(笑)。

大人の映画

 最近はハリウッドの大作等ガキの映画が多く辟易しているが、本作は本物の大人の映画だ。
1980年代以降、ノスタルジックな映画はほぼ皆無であったが、本作は全体を通してノスタルジックやアンニュイさが伴い、「カサブランカ」の様な名画の雰囲気がある。
 主人公も男はダンディズム、女はエレガンスに溢れ魅力的(最近は服装もドレスコードが甘くなったが本作では昔通りのドレス、タイ、タキシードといった服装で、それが郷愁とともにムードを引き出している)。脇を真田が好演しているのも良い。
 内容もやや陳腐ながら、奇をてらわない落ち着いた仕上がりとなっており安心してみていられる最近珍しい仕上がりとなっている。


誇りを持って生きること

亡命貴族で美しいロシアの元伯爵夫人が家族を養うために必死で生きている。感謝されるどころか見下げられて家に帰っても安らぎのない彼女。唯一の支えは娘のカティアだけ。
視力を失った元外交官のアメリカ人ジャクソンはそんな彼女が心の内に秘めている誇りを感じ取る。
念願の夢のバーに彼女を迎え入れ、お互いを思いやりながらもそれぞれの深い傷がそれ以上の干渉をためらわせてしまう。
全てを失ってしまった男と失いかけている女が、本当の気持ちで生きること。まだ見ぬ世界に好奇心を持つ娘の姿に、希望の光を感じさせる味わい深い作品。大切なものは何なのか。


異邦人たちが描く「古き良きヨーロッパ」の崩壊

監督は、「日の名残り」(93)、「ハワーズエンド」(92)、「モーリス」(87)、「眺めのいい部屋」(86)、など、アメリカ人でありながら、欧州的なテーマを描いた秀作を多く生み出しているジェームズ・アイヴォリー。
従来のモラルや価値観が崩壊して行く様、それに翻弄される人々を描いた作品が多く、本作品もそのひとつ。
第二次大戦開戦直前の上海を舞台に交錯する、亡命ロシア貴族のソフィア(N.リチャードソン)、元・アメリカ人外交官ジャクソン(R.ファインズ)、謎の日本人マツダ(真田広之)、3人の運命と、それぞれの選択。

脚本は、「日の名残り」(原題:The Remains of the Day)の原作者でもある、カズオ・イシグロ。
日本で生まれ、少年時代に渡英、現在もイギリスで活躍し、高い評価を受けている。
「日の名残り」も、第二次大戦をはさんだ時代の英国を舞台に、ある貴族に仕えた執事の公私にわたる苦悩、という、これもまた極めて英国的なテーマを扱った秀作。
本作と同様、戦前の上海を描いた彼の作品としては、「わたしたちが孤児だったころ」(原題: When We Were Orphans)もあり、いずれも日本語に翻訳されている。

主演のR.ファインズは、英国、「ロイヤル・シェークスピア・カンパニー」舞台出身の演技派。
代表作には、「太陽の雫」(99)、「イングリッシュ・ペイシェント」(96)、「シンドラーのリスト」(93)など、重厚な作品が多いが、N.リチャードソンとは、軽めの作品、「メイド・イン・マンハッタン」(02)でも共演している。
ベリンスカヤ公爵夫人を演じるV.レッドグレイヴは、言わずと知れた英国演劇界の大御所。
実生活では、N.リチャードソンとは母娘、ソフィアの義理の母・オルガ役のリン・レッドグレイヴは妹、一族で脇を固める。



美しい世界

すごく品があって絵画を観ているような映画です。視力を失ったジャクソンと家族に見下されながらも働くソフィア。この2人が上海という街で出会って仕事上のパートナーとして支え合っていて、でも本当はお互いの存在の大きさを感じているのにそれでも慌てずにいて、本当の大人の恋って感じがしました。この文芸作品の中で、とくに真田広之のマツダがいい味を添えていたと思います。


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