![不毛地帯 [DVD] 不毛地帯 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51BKN40HBNL._SL500_.jpg)
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商品の紹介 昭和30年代、かつて大本営参謀中佐だった壱岐(仲代達矢)は大手の近畿商事に迎えられ、FX(次期使用戦闘機)の選定と買い付けをめぐってのライバル商社や政界を巻き込む黒い霧の中に身を投じていく…。 山崎豊子の同名小説を“赤いセシル・B・デミル”の異名を取った巨匠・山本薩夫監督が映画化。戦争を放棄したはずの日本で、あたかも戦争のような商社間の対決が繰り広げられていくさまが、3時間を越える長尺をものともせずに一気呵成に、そして明確に描かれている。なお本作の撮影中、原作のモデルとなった疑惑のロッキード事件が表面化したことや、政界の闇を描いたことから代議士のクレームがついて一部カットを余儀なくされるなど、作品そのものの出来を超えたところでも大いに話題になった。その意味でも真の問題作と言えようが、いずれにせよ、1970年代まではこうした現実の政治経済とオーバーラップさせる意欲的な社会派娯楽映画がまだ日本でも作られていたのだ。(的田也寸志)
クチコミ情報
見応え満点 微妙な昭和史、戦後史の一面を見事に描写。
山崎豊子氏の原作の素晴しさは当然だが、
映画的面白さ面白さも抜群です。
ロッキード対グラマンの壮絶な仁義無き戦い。
今に繋がる金権政治の凄まじさ。
仲代達矢 丹波哲郎 山形勲 。
演技の迫力は抜群。
人類の歴史の真実は、
彷徨う戦士の仁義無き無限の闘争なのだろうか。
仲代達矢の目力公開当時、ロッキード事件との類似性から話題を集めた山崎豊子原作の社会派作品。ちょうど現在、フジテレビでリメークドラマ(唐沢寿明主演)が放送されているので、比較の意味で鑑賞しました。監督はやはり山崎豊子原作「華麗なる一族」でメガホンをとった山本薩夫。共演は丹波哲郎、北大路欣也、田宮二郎、小沢栄太郎、大滝秀治、山形勲、高橋悦史、八千草薫、秋吉久美子ほか。1976年上映。
防衛庁と日本商社、アメリカメーカーとが三すくみになって次期戦闘機導入にあたって、さまざまな権謀術数が蠢きますが、この作品の焦点は最初は頑なに防衛庁との接触を避けていた壱岐正(仲代)がアメリカ出張を境にして、次第に心変わりしていくさまです。その描写に「あの戦闘機を見てしまったら、俺の中の殺人者の血が蘇ってしまった」という壱岐の台詞がありますが、確かに帰国してからの壱岐はまるで人が変わったかのように、戦闘機導入にあたってさまざまなコネクションを駆使しながら、暗躍を始めます。途中から防衛庁幹部から、政治家、ライバル商社などが絡み合って、実弾という名の賄賂が飛び交い一躍疑獄事件として発展していきます。大本営参謀としての局面打開力を買われただけに、壱岐の判断や指示には凄味がありますし、その時の仲代の目力はかなりの迫力を帯びています。また、検察官(高橋悦史)から取り調べを受けるシーンは両者ともがっぷり四つになっての攻防はかなりの迫力です。とは言え、3時間もの長尺なので、観る人はかなりの根性が必要です。
何が壱岐正を防衛商戦に向かわせたか11年のシベリア抑留生活の後、壱岐正は防衛庁の誘いを断り近畿商事繊維部で働き始める。妻子の安堵した表情はその後の葛藤の伏線だ。壱岐は社長の策略でエドワード空軍基地を視察した際、陸軍の「戦友」川又空将補と出会う。次期戦闘機には東西商事・グラント社が優勢であったが、川又は欧米各国が採用しているラッキード社のF104を押して、防衛庁内で微妙な立場に立たされていた。川又が左遷されそうだと新聞記者から聞いた壱岐は、自社の押すラッキードF104を調達させるべく、大本営参謀時代の人脈をフルに活用し始める。妻(八千草薫)や娘(秋吉久美子)の懇願をよそに、壱岐は仕事の鬼、実弾攻撃をものともしない商社マンとなっていく。
この映画の見どころは、壱岐正がどのようにして心変わりしたのか、そこであろう。防衛庁に近づくこと、大本営参謀としての人脈を使うことはしないことを彼は心に決めていたはずである。それが変心したのは、ひとえに川又との友情が理由とされている。ここに物足りなさを感じるのは私だけであろうか。抑留中家族の面倒をみてくれた川又への恩義はあるだろう。しかし、それだけで自らがシベリアで誓った信条を曲げることができるだろうかというのが率直な疑問である。
なお、壱岐正のモデルは瀬島龍三であり、近畿商事は伊藤忠商事であることは衆知のとおりであるが、事実との相違を若干付け加えておく。
1.グラマン(グラント)の代理店は伊藤忠商事である。
2.第一次FXに内定していたのはグラマン=伊藤忠商事である。
3.第一次FXに決定したのはロッキードであり、代理店は丸紅である。
4.芦田二佐(小松方正)の見積価格漏洩は、1959年の防衛庁データ流出事件に想を得たと思われるが、このとき流出したのは地対空ミサイルボマークの性能データである。
(以上沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫を参考にした)
原作に力負け本作は、山崎豊子の『不毛地帯』を映画化したものである。山崎豊子の作品は、最近でも「白い巨塔」や「女系家族」、「華麗なる一族」などがテレビドラマとしてリメイクされ、大変話題となったが、本作も古いながらも見ていて思うことはたくさんあった。
物語は、元大本営参謀の壱岐正が、近畿商事に入社するところから始まる。陸軍のエリート街道を突っ走ってきた壱岐正。しかし、彼の人生もアジア・太平洋戦争の敗戦によって一変した。アジア・太平洋戦争の末期、大本営の停戦命令を関東軍に伝えるため、満州へと渡った壱岐は、そこで日ソ中立条約を一方的に破棄して攻め込んできたソ連軍に捕えられ、多くの将兵らとともにシベリアに抑留される。そして過酷な収容所の生活に耐え、帰還した壱岐は商社マンとして第2の人生を歩み出した。しかし、徐々に壱岐は、次期主力戦闘機の選定をめぐる「黒い空中戦」へと巻き込まれていくことになるのである。
基本的には、長時間の作品であるにもかかわらず、一気に見てしまえる内容であった。しかし、やはり原作に力負けしていると言わざるを得ない。もちろんそれだけ原作が大作であり、優れているということでもあるが、壱岐のシベリア抑留時代が割愛されすぎ、それを境とする壱岐の心身にわたる変化が十分に描けていない点は大変気になった。また古い映画にはありがちであるが、例えば100式司偵を適当な飛行機で代用するなど、細部へのこだわりが見られず、その時々の状況を完璧に作り出せていないところも残念である。
もちろんそれでも原作のストーリーの要所は押さえており、CGのない時代の作品であることも鑑みれば、十分評価に値する内容ではあった。しかし、原作のファンとしては、やはりより完成度の高いものを期待してしまう。是非、また他の山崎作品などと同様に本作もリメイクされることを強く期待したい。
タイムリーだった企画 ちょうどこの映画が封切られた当時は世の中「ロッキード事件」で大騒ぎであった。ジャストタイミングの企画だったと記憶している。山本薩夫監督も「11PM」などに出演して、映画の宣伝に努めていた。
さて、「戦争と人間」「華麗なる一族」「金環蝕」それに本作と魑魅魍魎の世界が展開される。ライバル社の飛行機が墜落してテストパイロットが死亡したのを「Good news」として、小躍りして喜ぶ連中の奇怪な様子などはその典型だ。
ただ、やはりナレーションが過剰なのと主役の壱岐の苦悩があまり出ていなかったのは少し残念な気はする。原作からすると途中で終わっているのはまだ撮影当時はまだ完成されていなかったのではなかろうか。これは「白い巨塔」と同じ事情ではないだろうか。
山本監督作品は自らの旧作からの画面転用をよくやっているが、ここでもそれが行われている。まずタイトルの雪原は「戦争と人間・第二部」の休憩直前のシーンであるし、ソ連軍の進攻のシーンは「戦争と人間・完結篇」のノモンハン事件のシーンからの転用である。
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