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二本柳寛

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麦秋 [DVD] COS-022

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抜き身の日本刀

この映画は私にとってただの映画ではありません。

冒頭、父親役の菅井一郎が小鳥のエサをこしらえてる場面。
何気ないあの場面を見ただけで、得体の知れない寒気が走り、背筋がピンと伸びる。
あとはラストまでずっとそんな状態が続きます。

こんな特殊な緊張を強いられるのは、数多い小津作品の中でも「麦秋」だけです。
「麦秋」は間違いなく、他の作品とどこかが違うと思います。。

一体どこが違うのか、技術的なことは私にはよくわかりません。
ただ、見る度にいつも感じるのは、この映画には無駄なものがまるでないということ。
セリフや俳優の演技はもちろん、小道具や背景に至るまで、画面に登場するありとあらゆるものから無駄という無駄を徹底的にそぎ落とし、
鋭利な刃物の切れ味を持つまでに磨き上げている。
そんな感じがしてならないのです。

切れすぎる刃物というのは、それだけで恐ろしいものです。
抜き身の日本刀の上に素足で立たされているような緊張感と恐怖。
そういうものを、「麦秋」を見る度私は感じているのかも知れません。

こんな感じを受けるのは私だけでしょうか。
それとも、他の方も、得体の知れぬ寒気を覚え、身のすくむ思いをされるのでしょうか。
それを確かめるためにも、未見の方は是非一度、この世紀の傑作にチャレンジしていただきたいと思います。

あなたは「麦秋」を愉快なホームドラマとして楽しめましたか。
それとも私と同じような寒気を感じましたか。


笑い過ぎて顎が痛くなります(^^)/‾‾‾

役者さん達、ほんとに素でやってるんでしょうか。わしらは、酔っぱらってもあんな芸は、
出来やしません。ねぇ〜ねぇ〜が移りそうで怖い。
きっと、スタッフ全員が、何か得体の知れないモノを食らって創ったのかも知れません。
これは、誰もリメイクしないように巧妙につくられた恐怖映画かとも思えます。
不自然過ぎて、恐ろしいのであります。
じゃんじゃん(T_T)


淡々としたホームドラマ

 小津の映画の中で 個人的に一番好きなのが本作だ。

 婚期を逃しかけていた娘(原節子)が結婚し、秋田に引っ越すことを機に 大家族が離散し核家族に分かれていく様を いつもの通り 淡々と描いている。原節子の結婚相手は 子連れの男やもめであるというような 若干の「事件性」は有るものの 基本的には ごくありふれた家族ドラマだ。

 そんなドラマなのだが 何べん見ても飽きない。

 原節子が結婚を決意した際に 姑になる 杉村春子が「あんぱん食べる?」という名高いシーン、
 一家離散が決まった後に行う家族の集合写真撮影の場面、

 原節子が友人の淡島千景と結婚を決意した気持ちを伝える場面、



 ありふれていながら妙に心に残る場面が忘れがたい。中でも 僕は最後に 麦畑の中を歩いていく婚礼の行列の美しさには 毎回惚れ惚れとしてしまう。

 こういうホームドラマを 果たして今の僕らは作ることが出来るのだろうかと思ってしまう。そう おそらくとても難しいのだ。


隠れたムフフ映画…

セーター姿の原節子の乳首のポチポチが妙に気になります。隠れたムフフ映画ですね。別の意味で男性ファンを引きつける小津作品です。

極め付きの叙情!!

 「晩春」、「東京物語」と並び称せられる小津の代表作。「晩春」の続編のようでいて、味わいは大いに異なる。すなわち原節子が嫁に行くことにより、一家が期せずして崩壊してゆくことを、ある種の諦念というより無常観をもってきわめて叙情的に描いている。そして小津作品における原節子の「嫁に行きそびれている」娘役はこれで終わり。

 配役もひねりあり。笠智衆は原節子の兄の役で、その嫁に三宅邦子、父親役はなんと溝口組の常連の菅井一郎、母親に東山千栄子、原節子と最後に結婚するバツイチの医者に二本柳寛、その母に杉村春子、奈良から来る原のおじいさんに「七人の侍」の村長の高堂国典(好演です)。

 心に残る名場面は、原がとなりの杉村を訪ねたときに、息子の二本柳が留守でいないのに、彼と結婚すると突然決意表明するところか。そのときの杉村の喜びをあらわす演技は素晴らしいし、最後に原に

「ねえ、あなたあんパン食べる?」

と尋ねるのがおかしくて絶妙です。これも今では絶対に作れない映画。必見。




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1920年代半ばの世相

 原作も映画も暗くシリアスです。初めてフィルムセンターで観た時はよくわかりませんでした。次に観たのは山本監督追悼の連続上映興行の時です。やや生硬な感じはありますが、大正から昭和に移ろうとする日本の都市の一断面の描写は流石ですし、興味を覚えました。これが後年「戦争と人間」などにも生かされるのだなと思いました。
 なお、資料に大川社長役として滝沢修の名前が記載されていますが、出演しておらず実際には清水将夫が演じております。何かの都合で変わったのでしょう。同じ劇団民藝の幹部ですから。



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商品の紹介
『晩春』の後、初めて他社で撮った『宗方姉妹』で不慣れな想いをした小津安二郎監督が、再びホームグラウンドの松竹に戻って撮った作品。物語は『晩春』と似ていて、北鎌倉を舞台に、婚期を逃しかけている娘(原節子)をめぐって心配する兄夫婦(笠智衆&三宅邦子)や両親(菅井一郎&東山千栄子)らの、どこにでもある日常のエピソードが羅列され、やがて娘は嫁いでいく。
ここではサイレント時代や『晩春』以降の小津作品を担当し、名コンビと謳われた野田高梧の脚本の妙や、それに応じたセリフの間の絶妙な取り方などが、ユーモアを交えながら捉えられている。一方で小津は本作に関して「無常や輪廻を描きたかった」とも発言。キネマ旬報ベスト・テン第1位。小津マニアの中には、これを彼のベスト1とする声も多い。(的田也寸志)


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正真正銘の傑作

★何個有っても足りない、私の最も好きな小津作品です。彼の作品は、淡々したドラマの中にもしっかりと人間を描いているのですが、本作は、その傑作群の中でも抜きん出ていると思います。登場人物の台詞・仕草に注目すると、単に一家族の枠組が崩壊していく様だけを描いた作品ではないことに気が付くと思います。素晴らしいショットを多々見せつつ、群集劇において人間のある一面を描いた見事な作品です。哀しさを全て後ろ姿で描いているのも古風で良いと思います。それに比べ、最近の映画やテレビドラマの過剰な演出にはうんざりさせられます。

名作

「晩春」や「東京物語」と同じような格調高さを持つ、戦後初期の名作です。
有名な「東京物語」は、いわばこの作品の続編的内容と言われています。
特徴的なのは戦後小津作品での偏在的キャラクターである「周吉」を、笠智衆ではなく菅井一郎が演じていることで、そのため笠はいつになく若々しく怒りっぽい家長の姿になっています。
ミクロで見れば個々の家族が結びつきまた離れていく、しかしマクロで見れば家族の絆というものは代々受け継がれていくのだという小津の輪廻観のようなものがテーマであると言えます。
いうまでもないことですが杉村春子の「あんパン」シーンが大変素晴らしく、この映画のハイライトといって良いと思います。必見です。


戦後の日本を垣間見れた気がした

映画に映し出される平凡な日常生活のすべてが、この時代を知らない私にはとても新鮮に感じた。当時の人々の喜怒哀楽に満ちた生活風景から、おいしそうなご飯、ショートケーキに喫茶店、おしゃれな椅子が置かれた畳部屋から懐かしい日本の家の構造まで、すべてがとても新鮮で、でもどこか懐かしい。当時の家族観はもちろんだが、戦争に関する会話もとても印象に残った。すべての人が幸せそうに生きているように見えて、しかし多くの人は戦争の傷跡を心の底にそっとしまって精一杯生きている、そんな時代が日本にあったのだなということを教えられた。また急激に変わっていった(現在も変わりつつある)日本社会の中にあって、さりげなく映し出された今とほとんど変わりない鎌倉の大仏や江ノ島の風景が印象に残った。

小津のマスターピース

 小津の最高傑作というと 本作と「東京物語」「晩春」あたりが 先頭争いになるのかと思う。「小津の最高傑作とは何か」という設問自体が あまり意味が無いと思うが 「小津で一番好きな作品は何か」という設問には即答できる。本作である。

 何が良いのか。原節子は輝く美しさであるし泣き顔も素敵である。笠智衆の珍しい若作りも楽しい。東山千栄子の大きな体も母性を思わせる。そうして 何より杉村春子の演技足るや 入神と言っても良い。演じておられる俳優の代表的な作品に仕上がっている豪華さがある。

 しかし それだけでは説明のつかない感動に満ち溢れる。映画の感動には 話の筋、演技等もあるが 「一瞬の映像の切れ味」も大きいと思う。その意味では 本作の一家離散の前の記念写真の場面には心を打たれるし 最後の 麦畑を行く婚礼行列には 理由はわからないが涙がにじんでしまうのが毎回である。「離散する家族」と「婚礼により新しく誕生する家族」のコントラクトに感動しているのであろうか? 自問自答しても 答えは解らない。

麦の秋は初夏:おわりとはじまり

麦の刈り入れは5月ごろで、この作品の英名にearly summerつまり初夏と振ってあるのを見ました。

あることの終わりと、また別のことの始まりが重なっていて、さみしいようなうれしいような、
そんな感覚が表題にうまく託されている気がします。

また、なんの変哲もない出来事ばかりが淡々と連ねられていますが、
だからこそ、知る由もない1951年前後の空気を感じることができる気がします。

「やけに子供が増えたな」というせりふや実際ひっくり返したようにして遊ぶ子供たちは、
10数年後学園紛争の時代をへて、現在の2007年問題とかいう流れに出会っている世代に相当するのかなと思うと、
これはまんざら今と無関係のことでもないのかなという気がしてきます。

めぐるもの、が主題のひとつだと思いますが、すばらしい映画です。


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