TOP > Amazon 画像検索  楽天で別宮を検索

別宮

カテゴリ    


別宮貞雄

別宮貞雄(べっく さだお、1922年5月24日 - )は日本の作曲家である。
東京大学理学部物理学科を1946年に卒業後、同大学文学部美学科で学び1950年卒業。さらにパリ国立高等音楽・舞踊学校 パリ音楽院で、ダリユス・ミヨー、オリヴィエ・メシアンらに師事した。帰国後1955年から桐朋学園大学で教鞭を執る。翻訳家の別宮貞徳は実弟。
別宮は20世紀の作曲家ではあるが、作曲家としての理想像をルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン ベートーヴェンであるとしており、調性もしくは旋法 旋法性に依拠し、直截で単純明快かつ抒情的な表現を得意としている。ミヨーやメシアンに師事しているが、様式的に見て新ロマン主義音楽の作曲家に分類される。

ベスト・オブ・ベスト/日本の名歌

オムニバス(クラシック) 松本美和子 中沢桂 中村邦子 立川清登 伊藤京子 木村宏子 三原剛 中村健 永田峰雄 斎藤昌子 
ベスト・オブ・ベスト/日本の名歌
定価:¥ 3,000
新品最安価格:¥ 2,599
『ベスト・オブ・ベスト/日本の名歌』の関連商品を見る
クチコミ情報

とてもよい

歌っているのは、一流のオペラや歌曲の歌い手で、いずれも端正な歌いぶりである。クラシックの好きな人向きかもしれない。

私がこの歌集を買う気になったのは、斉藤佳三の「ふるさとの」が、入っていたからである。母が、生前、この歌を台所でよく口ずさんでいたのを懐かしく思っていたが、改めて聴いてみて、胸が熱くなった。信時潔の「沙羅」が入っているのもうれしい。「海ゆかば」 (私は名曲だと思うが) のせいか、彼の歌をめったに聞く機会がないのを残念に思っている。

「カチューシャの唄」や「ゴンドラの唄」は、出だししか知らなかったが、今回、全曲を聴くことができた。何度も聴きたいとは思わないが、当時の人のものの感じ方に触れることができたような気がして、興味深かった。


う〜ん・・・

童謡が好きで、もっと色々覚えたくて購入。
買ってビックリ!
なんと歌詞カードが無い。
CD中の、ある女性の方の歌い方がほとんど震えてるような歌い方で変。
声を震わしすぎで、歌詞も聞き取りにくくなってしまっている。
ボニージャックスのCDを持っているが、彼らの歌う童謡は、
このCDとは比べ物にならないほど上手い。
例えば「この道」の「ああ、そうだよ」の部分では、このCDでは「ああ」の部分が
悲しみの「ああ」に聞こえてしょうがない。
童謡を聴く側に、情景・懐かしさ・気持ちをうまく伝えるようにし、
童心にかえらせ、好奇心をくすぐるような歌い方をしないと、童謡は生きない。
この人の歌い方では、この人の歌い方(歌声)そのものは伝わるが、その他は何も伝わってこない。
「童謡」という存在を忘れてしまっているのではないか。
多分、この人は何を歌ってもこの歌い方なのだろう。
あまりにも変な歌い方なので、母に「この人の歌い方、どう思う?」と一曲聞かせたら、「疲れる」と言っていた。


日本の名歌 次世代へ歌い継ぐもの

瀧廉太郎作曲の「荒城の月」「花」「箱根八里」、山田耕筰作曲の「この道」「からたちの花」など日本の古典的歌曲を始め、珠玉の作品を集めたと言える歌曲集です。この4枚組に収められた115曲は、後世に歌い継いで欲しい曲が沢山含まれていました。懐かしの小学唱歌や童謡も多く含まれていますので、幅広い年代に愛される企画だと思いました。

収録されている声楽家も素晴らしいメンバーでした。立川清登、伊藤京子、中沢桂、松本美和子、澤畑恵美、中村邦子、木村宏子、中村健、永田峰雄、斎藤昌子、吉田浩之、本宮寛子、そして関西を中心に活躍しながら、今や全国的な活動を広げている三原剛、畑儀文、そして日本の声楽界における重鎮・畑中良輔の「沙羅」の名唱を聞くことができます。ここに収録された何人かの声楽家の声を聴きましたが、CDとして聞くとそれぞれの発声法における個性の違いが結構分かり、新たな発見がありました。

録音年代が書かれていません。結構幅広い年代にまたがっているとは思いますが、聴感上の支障はなかったですね。ピアノ伴奏は、声楽、合唱伴奏に多くの録音を残している三浦洋一、浅井道子によるものが大半ですが、他に青島広志、塚田佳男、藤井孝子という名も見えますので、安定した音楽が展開されています。

これらの録音の貴重さは、何人かの方がすでに鬼籍に入られていることから日本の声楽家の歩みという点から見ても歴史的な価値を見出します。

全曲とも解説が書かれていますし、小山晃氏による声楽家の紹介も詳しいものでした。ただ出来れば伴奏のピアニストの紹介があっても良かったかな、と愛好家の一人として思います。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:中田喜直歌曲集 | ベスト・オブ・ベスト 世界の愛唱歌 | 日本抒情歌曲集 | 日本名歌110曲集(1) | 瀧廉太郎作品集 | 
関連商品を探す:『ベスト・オブ・ベスト/日本の名歌』

鮫島有美子の四季

鮫島有美子 多田羅迪夫 西條八十 白井鐵造 米山正夫 吉丸一昌 山上路夫 堀内敬三 貴志邦三 ドイチュ(ヘルムート) 東京都交響楽団 
鮫島有美子の四季
定価:¥ 3,800
新品最安価格:¥ 3,378
『鮫島有美子の四季』の関連商品を見る
クチコミ情報

個人的には

素朴な感じの曲が聞きたくて買いましたが、声の強弱の差が大きくて歌詞が聞き取れないところもあり、割と高い声なので、私は耳が良いほうではないので、長時間聞いていると耳が痛くなりました。

鮫島有美子さんの集大成

鮫島有美子さんの歌がCD4枚に79曲も入って、この価格とは嬉しい限りです。

鮫島さんの作品は図書館にもかなり揃っていて、タダで借りられるのですが、本作品は思わず買ってしまいました。

鮫島さんの声をハスキーであると評するレヴューがいくつか見受けられますが、はたしてそうでしょうか? Amazonのレヴューを見る前から鮫島さんの歌はよく聴いていたのですが、ハスキーだと感じたことはありませんでした。他の女性ソプラノ歌手による日本唱歌も聴きますが、レビューを見た後に聴き比べてみて、なるほど鮫島さんはややハスキーかな、と初めて感じた程度です。ポップスやジャズシンガーのハスキー・ボイスとはまったく異なります。鮫島さんの歌唱は柔らかで抑揚があり、清く流麗であり、尚かつ一言一言がはっきりしていて芯があります。さすがは第一人者です。

本作品は過去の作品からの集大成ですので、既に鮫島さんの作品をたくさん持っている方にとっては、これを買うと曲目が既にお持ちのCDとダブることになるでしょう。それでもこの曲数でこの価格なので、買っても良い一品です。曲を季節毎に分けてCDに収録してあるのも嬉しいところです。


すばらしい歌声

このCDは本当に気に入っています。
本当にきれいでバランスのとれたビブラート。
ちょっとハスキーともとらえられる力強い説得力のある歌声。
なにをとってもすばらしい歌声。
満足すること間違いなしです。


説得力のある歌声

このCD、本当に気に入っています。
とにかくきれいでバランスの取れたビブラート。
力強く説得力のあるすばらしい歌声。
結構アルトっぽいハスキーともとらえられる歌声。
何をとっても感激すること間違いなしです。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:決定盤 日本の歌ベスト100 | 日本のうた~全曲集 | ベスト・オブ・ベスト 日本の名歌 | ~親から子、子から孫へ~親子で歌いつごう 日本の歌百選 | 2000 BEST 山口百恵 ベスト・コレクション | 
関連商品を探す:『鮫島有美子の四季』

青い月夜に~歌曲でつづる日本の四季

釜洞裕子 中田喜直 本居長世 猪本隆 團伊玖磨 山田耕作 弘田龍太郎 中田章 石桁真礼生 別宮貞雄 塚田佳男 
定価:¥ 2,548
新品最安価格:
『青い月夜に~歌曲でつづる日本の四季』の関連商品を見る
この商品を買った人はこんな商品も買っています:さくら横ちょう | ベスト・オブ・ベスト 日本の名歌 | ピエ・イエス~祈りを込めて | 
関連商品を探す:『青い月夜に~歌曲でつづる日本の四季』

普及版 モリー先生との火曜日

ミッチ・アルボム 別宮 貞徳 
普及版 モリー先生との火曜日
定価:¥ 998
新品最安価格:¥ 998
『普及版 モリー先生との火曜日』の関連商品を見る
クチコミ情報

別宮貞徳氏の翻訳は貧弱すぎてげんなり

素晴らしい本だと思います。…原本がそのまま読めるならの話ですが。
元・上智大の教授(本当なのでしょうか??)でらっしゃる別宮貞徳氏が翻訳を担当されていますが、
原本のよさがこの方のせいで半減しているので残念でなりません。

文章にセンスを感じられないし、初心者のような(失礼!)幼稚な訳には
げんなりする個所も多く、読んでいる最中に感動が何度も中断され、
腹ただしさを感じずにはいれませんでした。原文で読むほうがもっと心に強く伝わってきます。
本当は翻訳担当を変えて再出版できると一番ベストなのでしょうが…。
正直、こんなにお粗末な訳本は読んだことがなかったので、ある意味驚きました。
本の魅力そのものがたかが翻訳者一人でこれほど左右されるとは…。

…もったいないの一言です。(溜息)


死を意識すれば、自ずと些事は消えていくのでしょうね。

本書は難病に犯された老教授が、難病と戦いながら教育者として生き貫いたドキュメントです。
人間に存在する無数にある欲望。その多くが、まるで生は無限である、時間は無限である、と
いった感覚から生まれています。私も含めて目先の問題や悩みに囚われるのも、その為でしょう。

ところが人間は死にます。意外と早く死にます。死はいつも隣り合わせです。死を意識すると、
人間は些事に囚われにくくなるのではないでしょうか。私は実際そうでした。実際長い間死を意識
し続けた私でも、死を意識する必要の無い平穏な生活が続くと、いつの間にかハングリー精神を
失い、依存心は高まり、些事に囚われる事が多くなりました。

本書は読書の本質のひとつ。「他人の人生を疑似体験する事で、多くの学びや気付きを得る」事を
実り豊かに読者に提供してくれます。元気な毎日を送るとどうしても「死」は意識しずらい。本書を
読んで死を意識する事で、生を豊かにできる一助になれば。きっとモリー先生も満足な事でしょう。

モノが全てを支配する世界から、心も重視する世界への転換。資本主義の進化の命題でしょうし、
我々日本人が頑張ったからこそ手に入れられた新しい課題だといえましょう。モノの支配について
詳しく学びたい方は、エーリッヒフロムの『自由からの逃走』を読むといいと思います。


5年後、10年後に読み返したい本

本当に良い本だと思う。なによりモリー先生の語るシンプルで、それでいて深い叡智に裏打ちされた言葉がすばらしい。「いかに死ぬかを学べば、いかに生きるかを学べるんだよ」とモリー先生は言う。ページをめくるごとに、自分がいかに余計なものに囲まれて、余計なことばかり気にして生きているかに気づかされる。「われわれのこの文化は人びとに満ち足りた気持ちを与えない。文化がろくな役に立たないなら、そんなものいらないといえるだけの強さを持たないといけない」。こんなグッとくるような言葉がいたるところに出てくる。人生の節目ごとに読み返していきたい本だ。

現代社会の垢を落としてくれる名作

著者のミッチ・アルボム氏はブランダイズ大学を経て、コロンビア大学大学院でジャーナリズムを専攻した、人気のスポーツ・コラムニストである。

ある時、大学時代の恩師である、モリー・シュワルツ先生を偶然テレビで見かける。先生は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気に冒され余命幾ばくも無い。先生は残りの人生を自分らしく生き抜くことを決意し、自分の死を見つめ、何かを学べと提案する。

本書は、あわてて飛んできた著者が、先生が亡くなるまで毎週火曜日先生の自宅に訪問し、愛/仕事/社会/家族/老い/死/など様々な問題を語り合った記録である。

自らの行き方を考える上で、老若男女問わず、すべての人にオススメしたい普及の名作である。


定価950円のこの重さ・・・

初版が出てから十年余りたった今、読みました。
深いですね。読後は言葉にならない感動と言うか
何かを感じさせられました。
日に日に衰えていく先生の姿にミッチはやり場の無い
悔しさに苛まれたに違いありません。
文化が人を人らしくさせていない。人が作った文化なのに
それに日々埋没されていくわたし達。
なんとも皮肉な世の中です。
そして人の欲。新しい車、新しい家それでもどこか満たされて
いない現代の人たち…。確かにわたし達は新しい車にも家にも
決して愛されることは無い。
やはり人として人を愛し(海援隊の歌みたいですが)そして
愛される喜び…。

これから何かに追い詰められた時、いつでも開けるように
そばに置いておきたい素晴らしい一冊に出会えた。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:モリー先生との火曜日 - Tuesdays with Morrie【講談社英語文庫】 | 天国の五人 | もう一日 for one more day | 3週間続ければ一生が変わる〈Part2〉きょうからできる最良の実践法―最高の自分に変わる101の英知 | Tuesday's With Morrie [DVD] [Import] | 
関連商品を探す:『普及版 モリー先生との火曜日』

(坂の上の雲では分からない) 日露戦争陸戦

別宮 暖朗 
(坂の上の雲では分からない) 日露戦争陸戦
定価:¥ 1,680
新品最安価格:¥ 1,680
『(坂の上の雲では分からない) 日露戦争陸戦』の関連商品を見る
クチコミ情報

日露戦争の開戦経緯とは?

タイトルは陸戦となっているが、前半の日露戦争開戦の経緯が興味深い。
国際法を交えて解説しており、こちらの方がむしろ別宮氏の得意分野だろう。

多くの日本人が、「戦争は軍人が戦いを求めて始まる」、あるいは、
「戦争は悪=戦争をした国は全て悪い」という異常な考えを持っており、
これは書店に置いてある戦史の本を見ても、このような左寄りの考え方を
持った歴史家は珍しくない。その中で別宮氏は、「軍命令による攻撃を
開始した側が、戦争を開始した全責任がある」という明確な、
実にわかりやすい考えを持った数少ない一人である。

後半の陸戦ははっきりいって面白くない。他のレビューによると、
間違いもあるようだし、あまり価値はないだろう。あと、
作戦図くらい専門のプロに依頼した方がよいのでは?


結局、児玉は優秀だったように読めてしまいます

ドイツ式の参謀教育を仕込まれた満州軍司令部の参謀は無能だったが、現場は頑張ったという主張をもって、筆者は日露戦争の陸戦分析を通じて官僚批判を行っています。
この分析視角はシリーズを通じ一貫して筆者の論述を規定していますが、問題は満州軍総司令部の参謀が無能であることを説明する各会戦の分析に多くの誤りがあることです。

内容は開戦経緯から始まって、第二章では鴨緑江渡河と南山、得利寺戦、第三章では遼陽、沙河会戦、第四章で黒溝台、奉天会戦、第五章で総括が試みられます。最終章以外は、ほとんど全部、筆者のHPのコンテンツの内容をなぞっています。既に筆者のHPを読まれた人にとっては目新しさの少ない内容ですが、まとまった文章は紙媒体で読んだ方が頭に入る私のような古い人間にとっては、これは嬉しいです。

とはいえ、内容に関しては、厳しい評価をつけざるを得ません。例えば、第二軍の上陸作戦に対するロシア軍の行動に対する評として、筆者は司馬の海岸に部隊を貼り付けるべきだという案を一蹴し、後方に拘置した戦力を一挙に上陸海岸にぶつけるべきとします。
まるでノルマンディーのドイツ軍に対する論評のようですが、通信も機動力も違うこの時期の軍隊には不可能なことを要求しているように思えます。もちろん、司馬が正しいわけではないのですが、筆者もまた別の方向に誤っているように思います。
詳細は省きますが、このコマンドコントロールに関する妙に現代的な筆者の理解は遼陽会戦についての解説でも見られます。筆者は本書でほぼ一貫して、満州軍の松川、井口両参謀に対して厳しい評価を下していますが、筆者の分析の危うさを考えると、満州軍司令部は無能という主張もそのままに信じて良いのか、疑わしく思われます。

しかし本書で数少ない、完全な書き下ろしパートというべき黒溝台会戦についての部分では、日本軍左翼をがら空きにした松川を擁護しています。秋山支隊の背後には八師団が補強されていたとの主張がその理由です。確かに地図上では秋山支隊の背後には八師団がいることになっていますが、黒溝台会戦の時点では八師団は集結を終えていません。初歩的なミスでしょう。
筆者がこうした誤解をしているのは、本書の執筆にさいして「機密日露戦史」「参戦二十将星 日露大戦を語る」など比較的少数の資料にのみよっているからでしょう。公刊戦史からの引用は少なく、この分野での研究実績からいえば外せない(仮に批判するにしても、です)はずの「日露戦争の軍事的研究」など一連の大江本への言及もありません。
このため、実際には満州軍崩壊の危機であった黒溝台会戦は、筆者の分析では日本軍左翼の危機に矮小化されています。秋山支隊が崩壊した場合、黒溝台を回転軸として日本軍戦線の背景に回ったロシア軍による大包囲の可能性さえあったのですが。

日露戦争の陸戦におけるクライマックスと言うべき奉天会戦については、筆者は乃木三軍の目標は鉄嶺であったとしており、この機動がロシア軍に読まれたため第三軍は独自に第二軍と共に奉天の片翼包囲を狙ったと解釈しており、松川の当初計画を批判しています。しかし第三軍が鉄嶺を狙ったという主張の根拠は提示されません。ここ一〇〇年で初めての紹介される説だとおもうので、根拠となる資料を知りたいところです。
そうでなければ、結局のところ、鉄嶺直撃は筆者の中で着眼され、筆者によって否定された幻想の作戦機動ということになるでしょう。だとすれば、これはあまり意味のある検討ではないでしょう。

結局のところ、筆者の結論は最初から定まっています。満州軍司令部の無能です。
快進撃していた日本軍が、満州軍司令部が出来ると進撃が停滞したことからこれは明かなそうです。 ロシア軍の抵抗が常に画一的であり、日本軍の戦闘力が一定で、地形に変化が無く、補給条件も同様なら、きっとその通りでしょう。私には、そうした条件を満たしているとは、とても思えませんが。
筆者は最終章で官僚批判をなし、満州軍司令部もまた官僚機構であったとしています。しかし、当たり前の話ですが、日本陸軍の中で、満州軍司令部のみが官僚機構的存在であったわけではありません。むしろマクロな視点でみれば、当時の大日本帝国において、日本陸海軍は総体として最も高度に官僚化された組織であり、それは筆者が賞賛する、各軍や、師団以下の司令部あっても同様だったはずです。
メッケルのよってドイツ式の参謀教育を授けられたのは、一人満州軍司令部の参謀達だけではありません。彼らは各軍や師団において、その職責を果たし戦捷の礎となりました。個々人には質的な差異があり、成功と失敗はあったとしても、マクロな視点から見れば陸軍組織の階層間での軍事理論に差異はなかったと考えるのが自然であり、満州軍司令部が無能であった一方で、勇敢で有能な前線司令官や将兵たちが勝利をもたらしたという筆者の主張は、明かな矛盾をはらんでいるように思えます。
もちろん、小規模組織で機能していた方法論が、トップで成功しない事例は多々ありますが、官僚機構が悪いという程度の極度に単純かされた筆者の主張は、そうした問題(が仮にあったとして)の所在を明らかにしておらず、むしろそれを明らかにすることを阻害しかねません。

結局、本書で明らかになったのは、日露戦争の陸戦における何かというよりは、筆者の陸軍組織への認識が、霞ヶ関が悪い、民間は大変なんだと居酒屋でクダを巻くサラリーマンとさして変わらないという事実です。
それ自体はマクロ的に見て間違いではない部分はあるでしょうし、大変親しみやすい史観だと思いますが「歴史評論家」を自称する人物が語るには、せせこましく歴史のダイナミズムからは遠い、浅薄な史観であるようにも思います。
戦史という観点から日露戦争に興味があれば、他の本を先に読むべきと考え☆一つとしましたが、官僚批判で手軽に日頃の溜飲を下げたい時のネタ本としであれば、☆の数を増やしても良いかとおもいます。


現代に通じる高級官僚批判

 同じ著者による『旅順攻防戦』を以前に読んで面白かったので、期待して読みました。この著者の本にはいつも明確なテーマがあり、今回は満州軍総司令部のエリート作戦参謀(高級官僚)たちがいかに無能であったかを徹底的に批判しています。
 本書を読んで、いちばん印象に残ったのは、日露戦争が海軍主導の戦いであったという点です。しかも陸軍には事前の作戦計画がなく、戦争の準備もしていなかったというのには驚きました。
 日露戦争にかぎらず、その後の支那事変でも太平洋戦争でも、海軍が制海権を確保して、陸軍徴用船を上陸地まで掩護してくれなければ、陸軍は敵と向き合うことができなかった。つまり日本陸軍は現場で作戦を立てるしかできない軍隊だと言うのです。大陸国家の陸軍とは大違い。まさに島国の宿命です。日本の近代戦争は海軍が主導権を持っていたという指摘には、目を開かされる思いがしました。


教科書風歴史観への挑戦

「『坂之上の雲』では分からない」と冠した同じ著者による日露戦争に関する本としては「旅順攻防戦」「日本海海戦」に続いて3冊目、今回はまた陸戦に関する本ですが、旅順以外の開戦以後、奉天までの戦いを取り上げます。そして、今回はそれに合わせて日露戦争の開戦経緯が前半詳しく描かれています。たぶん、この部分、類書でここまで要領よく描かれた本は初めてでしょう。

そして、開戦後の各作戦が開戦前の陸軍の戦争準備の実態とともに描かれていきます。そこに見えるのは大本営、そして満州軍司令部参謀達の実情を無視した作戦とそれを自らの血と汗でフォローして勝利へと導いた前線の将兵たちの努力でした。

副題の「児玉源太郎は名参謀ではなかった」はいたずらに彼の名を貶めているわけではありません。満州軍参謀長としての彼は神のごとき名作戦を主導するという「坂之上の雲」をはじめとする多くの書で描かれるような人物ではなく、むしろエリート参謀や各司令官達の調整役に徹した政治家向きの軍人だったと著者は述べているのです。この部分だけでもしかし、十分に斬新な見方と思います。

丁度今年はNHKでドラマ「坂の上の雲」が放映されます。しかしこの本は司馬作品を読まれた方にとっては知的な挑戦になるはずです。一方は小説ですが、しかしその影響は我々には大きいものがありました。一種教科書的ともいえる固定観念に対する、事実と精緻な論証の挑戦。あらためてもう一度100年前の人々の肉声に声を傾けてみようかというきっかけになる良書と思います。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:「自衛隊」無人化計画 | 近代未満の軍人たち―兵頭二十八軍学塾 | たんたんたたた―機関銃と近代日本 (光人社NF文庫) | 有坂銃―日露戦争の本当の勝因 (光人社NF文庫) | 予言 日支宗教戦争 | 
関連商品を探す:『(坂の上の雲では分からない) 日露戦争陸戦』

アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界

デイヴィッド オクエフナ 別宮 貞徳 
アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界
定価:¥ 6,825
新品最安価格:¥ 6,825
『アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界』の関連商品を見る
この商品を買った人はこんな商品も買っています:荒木経惟トーキョー・アルキ (とんぼの本) | ヨーロッパの100年(上) 何が起き、何が起きなかったのか | ヨーロッパの100年(下) 何が起き、何が起きなかったのか | 遠野昨日物語 | 牛を屠る (シリーズ向う岸からの世界史) | 
関連商品を探す:『アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界』

(1/82) 次のページへ ≫

カテゴリ一覧
別宮 アマゾン画像検索-『別宮
このページについて?

TOP > Amazon 画像検索
PC・家電・CD・DVD  |  2009/11/24