![雨月物語 [DVD] 雨月物語 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51yJa7r2OBL._SL500_.jpg)
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クチコミ情報
正直なところ...一旗揚げようとする戦国時代の百姓たちの物語。
「利益」や「権力」を求めて故郷を出て、その果てに気付く故郷と日常の価値の大きさ。
初めて溝口健二監督の作品をみた。
評価の高い邦画ということだが、
ストーリーがオーソドックスなことと白黒映画に見慣れないことで、
正直なところ少し眠たくなることもあった。
淡々としたストーリーが好みでないということかもしれない。
逆に、原作2編を違和感なくひとつの物語に作り上げたことは素晴らしいと思う。
他のレビューアーの皆さんのようにカメラワークなどに気が回るのは先のことになりそうだが、
もっとたくさん名作を見て目を養いたい。
普遍と特殊初めて溝口の作品を見ました。映画に求めたいたものはきらびやかな映像美であった私にとり白黒の作品というのはどうも偏見に基づく抵抗があり今まで見ることはありませんでした。海外での評判もしょせん無知に基づくオリエンタリズムがなせるものとの偏見が大きく作用していたようです。他のレヴューアーの皆さんが指摘する映画技術上のポイントは今でもわからないというのが正直な感想です。でもここにはたしかにオリエンタリズムを超える普遍があるというのは見ることによって得た新しい発見でした。この「普遍」が雨月物語の持つ日本の文化のディテールの描写とこのように見事に融合した場合に引き起こしたこれほどの世界的な賞賛は必然だったのでしょう。「権力」や「利益」を求めて故郷と日常から戦国の動乱へ飛び出した男たちが、現実と永遠の幻想の後に見出したものは、故郷と日常の価値の再発見でした。農作業と焼き物の日常が描写される結末のシーンは永遠の真理を現しています。現実の残酷な描写はあくまでも隠喩で描写され、幻想の描写は細かく小道具を使い描写されるのは見事なコントラストです。そして田中絹代と京マチコとの対照的なcharacterisationも見事にそれぞれの女優の個性を反映したものです。
初めて知ったすさまじい衝撃この映画は、今はなき銀座の並木座で見ました。古い土蔵の白い漆喰の上に映し出されたかのような光と影の”雨月物語”は「映画とはこういうものなのだ」という事を初めて知ったすさまじい衝撃を思い出されます。DVDになると映画と違って映像作品になってしまいますが、それでも地獄の底のような静けさが作品の深いところに常に流れています。これは日本映画の傑作などと言う、ちんけな評価ではなく、この日本という島国に太古から流れている神聖、崇高なたたずまいを光と影で写し撮った世界宝とでもいうべき”映画”です。
幽玄の美、戦乱の中の男の迷いと女の苦しさ・健気さを鮮やかに描いた巨匠の最高傑作ゴダール監督が好きな監督を3人挙げよ、と問われて「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と答えた有名な話がある。本作はその巨匠溝口監督の最高作と私が考える1953年の作品。ベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した、日本映画史に燦然と輝く大傑作。日本の白黒映画でこんなに美しい作品はない。俳優は大変だろうが、溝口流長回しが画面をひきしめ、視聴者を引き付ける効果は絶大。長回しの間のカメラの移動、フレームに出入りする俳優の場所を計算した均整のとれた構図、光の明滅と影の綾なす様、それらをパンフォーカスで一瞬のぶれもなく画面のすみずみまで捉えた、撮影・宮川一夫を初めとする溝口組の技量に目を見張る。源十郎(森雅之)が荒れた自宅に帰るも無人なので一旦外に出て再び家に入ったときに亡霊の妻・宮木(田中絹代)が囲炉裏で仕事をしているのを見つける1カットはマジックだ。朽木屋敷での幽玄の美も農村の庶民の苦しい生活も鮮やかに撮影され、かつ品格がある。録音状態もよく、字幕は不要。
本作は全九編の情緒ある怪異小説・雨月物語から蛇性の淫、浅茅の宿の二編を脚色している。戦の続く戦国時代の2組の夫婦の話で、どちらの夫も欲(金銭、立身出世)に迷い、源十郎にいたっては幽霊・若狭(京マチ子)に誘惑される。正体を見破られた若狭の表情の変化は女の業の強さが印象付けられる名演技だ。残された妻子は、戦の中悲惨な運命をたどる。が、何れも目が覚めた夫を妻は受け入れる。特に宮木はあの世からさ迷い出て夫との再会を果たし、その後も夫を暖かく見守り続けるのだから何とも切ない。ばかな男と健気な女性(若狭を含めて)の話で、オープニング・タイトルで女性3人を配役の先頭に持ってきたのは監督の女性観の表れか?
最後に、本作は著作権切れの作品。廉価盤の登場はそのため。
雰囲気、たたずまいの映画人生とは、幸福とは、夫婦とは、教訓めいたものも感じられます。
それに関しては、時代、世代、その人の歩んだ人生、その人の今の状況で賛否があると思います。
しかし、朽木屋敷のたたずまい、そこに住む若狭(京マチ子)の表情、語り口、仕草、振る舞い、そして、源十郎(森雅之)が朽木屋敷から国の家へ戻り、囲炉裏端で鍋の用意をしている妻の宮木(田中絹代)と会話を交わすシーンは文句無しに凄いです。
雰囲気、たたずまいの映画だと思います。
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