![天城越え [DVD] 天城越え [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/31GRYBMDYGL._SL500_.jpg)
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クチコミ情報
湿った映画。天城とは伊豆に在る。映画中、山の中のシーンが多い。雨のシーンが多く、山中の暗さとあいまって、全体に陰鬱な雰囲気が漂う映画だ。一方で、晴れのシーンや夕日のシーンなど、メリハリの着いた自然描写が光る。
しかしながら、話の展開が遠回りだ。ゆっくり落ち着いて見る分には良いが、これがサスペンスなのかと焦らされる。訳者の演技は素晴らしく、とりわけ田中裕子は素晴らしい。冤罪に激しい抵抗をすることなく獄中で息を引き取る者がある一方で罪に時効は無いとして正義への追求と共に老いる刑事。主人公が思いを口にしないのは相応の痛手を負っているためか。佳作だ。
こわい女優さんこの作品しかり「ザ・レイプ」しかり、この時代の田中裕子は、ヨゴレ役をやらせたら天下一品の存在であったように思います。
周囲の環境のせいか年齢のせいかは知りませんが、最近はすっかり達観したような役柄が多いような気がするのは、彼女の一ファンとして淋しい限りでありまして、
「ドスの効いた」演技に関しては日本の女優の中ではあとは白石加代子ぐらいしか思い当たりません。
彼女の演技の凄みは、台詞や行動として表現したときよりも、むしろ押し殺している時に立ち上ってくる気配にあります。
本当に怒っている時には無表情になるタイプの人っていますが、直情的に怒るひとよりもずっと恐ろしかったりする、そのあたりを本能的に知ってる女優だと思います。
ヨゴレをやっても下品にならず、気品を感じさせるのはその芯の強さが圧倒的だからなのですが、
最近その凄みを感じる役柄が無いのは、脇に回るにはあまりに存在感が強すぎて、隠さないと芝居が成立しないせいかしらんと・・・
雨中の、田中裕子の“さよなら、、、”は、日本映画史上に残る名シーンです。 加藤泰に、長年に渡り師事し、傑作「みな殺しの霊歌」の脚本も手がけた三村晴彦の、劇場用映画デビュー作。なにせ、学生時代に観たきりなので、細部のディティールは忘れてしまったが、とにかく、天城の美しい自然を背景に、陶然で哀しい物語が、しっとりと展開する。原作は松本清張のミステリーで、殺人事件も起こるが、それよりも、思春期の少年の、年上の魅力的な女性に対して抱く感情の機微が、ずっとスリリングだ。そして、この映画を語る際、絶対に忘れられないのが、幾つかの雨中のシーン。中でも、護送される時の、少年に向かって“さよなら、、、”とつぶやく田中裕子の、あのカットバックの表情は、日本映画史上に残るものだと思う。廉価版発売の機会に、また、何度もチェックし、この、美しくて、激しい、映画的な刺激に満ち溢れた傑作を堪能したい。そして、彼の師匠である加藤泰のリスペクトとして、より多くの作品のDVD化を期待したい。
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