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クチコミ情報
大きな展開はないが、佇まいの良い映画。篠原監督は、非常に振り幅の広い監督だ。ファンタジーから戦争映画、ケータイ小説までを次々と発表して、どれも外れがないのは流石である。昔風でいう「職人監督」なのだと思う。今回も時代劇というジャンルを上手く料理して見せた。田中麗奈は初めての時代劇だったが、所作やセリフ回しはきちんと世界観にはまっていた。ほとんど田中演じる野江しか出てこないシャシンなので、主演の良し悪しでこの作品は評価が決まってしまう。普段ははしゃいでいるイメージが強い女優だが、年齢に応じた良さが出てきたようだ。反面、南沢奈央はちょっと辛かったかな、と(笑)。現代劇の役柄をそのまんま移動してきた感じで、しっくりこなかった。他、東山や富司純子らの演技は素晴らしかった。原作ものであるが、何となく篠原組の良作「はつ恋」と似た感じで、それは桜をモチーフにしているからだろう。同じように田中麗奈の「成長」が見える作品となった。殺陣もワンシーンしかなく、決して派手な作風ではないが、全体的な佇まいの素敵な映画である。特典映像も満載なので、購入はこの2枚組をお勧めします。
下手には作れない藤沢周平原作、薄紅色に咲く山桜最新の技術で撮影したのだろうけど、期待していたほどの鮮明な山桜が映し出されてはいなかった。包み込まれるような感覚を味わえるか、と添付ライナーノートを読みつつ作品を予想したのだが。しかし、それは意図的であったのだろうか、と憶測してしまう。カメラの捉えた野江の着物姿には、情景に映える美しさが込めてあった。天地自然の美しさを花鳥風月というが、かくも、身につける者の清らかさと調和の取れた姿は何と表現したらよいのやら、と考える。
物語は、静かに流れる。雪も花も、田も山も美しい。しかし物語として、腑に落ちない点が一つある。野江の実母瑞江は、母一人子一人の家との、すなわち手塚弥一郎との縁談を断っておきながら、なぜ、磯村家出戻り直後の野江に対して、あなたは回り道をしているだけだ、と分かったようなことを言わせたのか。身長170cmの大柄な壇ふみさんの、石垣の前を歩きながら振り向いた笑顔で、鼻っぱしの強そうな娘に向けて語り掛けているが、意味を成さない。
バックグラウンド・ビデオのような作品と見れば、言葉の持つ強さや心情のメッセージから来る鑑賞者との協調や相互作用、没入感というような忙(せわ)しなさは要らないのでは、とこの作品は問うているのかも知れない。
そうだ、渋い感想をもう一つ。旧伊奈町のエキストラの皆さんには、万能を使った田起し、米俵(60kg入り)担ぎなどなど、小手先だけでやらぬようお願いしたい。百姓を演じているのだから。
初回限定版のせいか、おまけのDVD1枚付き(俳優に、文学性やら哲学染みた生き方に向けての質問は野暮だが、少々、編集して付けてある)。
田中麗奈の所作に目が潤います。藤沢周平原作。 ストーリーは、二度目の結婚で出戻りと蔑まれて日々を過ごしていた
野江が、お見合いで会った武士と山桜の下で再開した。野江への思いを
貫いて、いまだ結婚していない武士が、正義をも貫いて悪巧みをする
藩の重臣を切ってしまったとき、野江も彼への愛に気付く、というもの。
藤原周平原作で、過不足無い映画に仕上がっています。100分足らずの
映画ですが、良い意味で長い余韻を楽しめる映画でしょう。
野江と武士がお見合いをした後、互いの、互いへの想いを胸に秘めている
ところから始まります。ただ、野江は自分の気持ちに気付いていない。
山桜の下で再開して、それをきっかけに自らの想いが徐々に明らかに
なる、しかしながら、二度目の結婚なので失敗は許されない現実。
想いと現実とを揺れ動くさま、そして、現実を想いが上回り、堰を切った
ように溢れ出る感情を、野江に扮する田中麗奈が自然と演じています。
田中麗奈は時代劇初挑戦でしたが、良いですね!和服で歩くときなどに
ムダな所作が多いこともありましたが、親元に居る娘役なので無問題
でしょう。むしろ、その辺も初々しく観ることができます。
そして、二人の秘めている想いがお互いの妄想ではないことを表した、
野江が武士の家を訪れるシーンが特に良い。ぎこちなく、でもまっすぐ
武士の母親を見つめる田中麗奈の目を見ると、こちらの目も潤います。
なお、主題歌は一青窈の「栞」。「遠回りして いつの間にやら幸せ」が、
この映画を端的に表していますね。(Keyなどに収録)
しみじみ感動田中麗奈は、時代劇は今回が初挑戦とか。着物姿も楚々としてとてもキュートなのだけれど、どこか筋が通っている心の強い凛とした女性像を見事に体現していました。(萌)
そして、東山紀之がやたらと格好良かった。殺陣もビッシと決め、子供には優しく微笑みかけるという美味しい役どころ。でも確かに、手塚弥一郎というキャラクターが、ストイックなイメージのある東山紀之に合っていました。
実家のお母さん役を壇ふみが演じています。体裁のためにガミガミ言わず、娘の気持ちを察してそっとひとこと大事なことを言うのですが、それもお母さん自身が凛としているからこそ生きてくるんですね。
あと、村井国夫の悪役がビックリするほどハマっていたし、ちょっとしか登場場面はありませんが、富司純子の存在感が凄かった。
そして、もうひとつの主人公は風景ですね。雄大な山の風景や田んぼのあぜ道。一面の雪景色。春に雪解の水が流れるせせらぎには、小さな草花の芽。そよそよとした風さえ感じられる。そして、本作のダイトルでもある『山桜』。
ラストは、大きな苦難の予感があるものの、これはこれでハッピーエンドなんでしょう。
期待通りの仕上がりになっていると思います。他の藤沢作品と比べ、全国の主要映画館で放映されなかったので、見ることが出来ず、待ちに待ったDVDの発売。
たいそう丁寧に作られた作品だなぁと思う。
不幸なヒロインが「自分を陰ながら見守ってくれていた人が、いる」と言う驚きの事実に 「見ていてくれる人が、ガッカリしない様、もう一度頑張ろう」と心を奮い立たせるのも健気で、このヒロインの思いは現代人でも通じるものでしょう。
幸せを予感させる終わり方も 後味の良い、心温まる映画に なっています。
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