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山田洋次

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山田洋次

山田 洋次(やまだ ようじ、1931年9月13日 - )は、大阪府豊中市出身の映画監督、脚本家。関西大学大学院客員教授。野村芳太郎の助監督を経て、1961年に『二階の他人』でデビューする。以降、『男はつらいよ』シリーズをはじめとする膨大な数の人情劇を、実に精力的に発表し、絶大な大衆的人気を誇る。
作風は、落語などの影響を受けており、おもに人間ドラマに焦点を当て、ユーモアとペーソスにあふれたものである。一部の評論家には新鮮な映像手法や凝ったストーリー性に欠けると言われることもある。奇をてらったような映像、性的描写や暴力表現など安易に人目をひくような表現は抑制して、普通の一般人や社会の逸れ者のささやかな日常生活にひそむ喜びと哀しみを丹念に描く。

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商品の紹介
   時は幕末、庄内・海坂藩の下級武士・片桐宗蔵(永瀬正敏)は、かつて自分の家に奉公していたきえ(松たか子)が嫁入り先で虐げられていることを知り、その身柄を預かった。しかし世間の目は冷たく、やがてきえは宗蔵のもとを去っていく。そんな折、謀反の罪で投獄されていた友人の弥一郎(小沢征悦)が脱獄。家老の堀(緒形拳)は、非情にも宗蔵にその征伐を命じた…。
   名匠・山田洋次監督が『たそがれ清兵衛』に続いて藤沢周平の時代劇小説を原作に取り組んだ時代劇。一見前作と似たドラマ展開だが、その実、前作よりも一歩踏み込んだ武家社会批判や、それに対する主人公たちの前向きな姿勢が汲み取れるものとなっており、娯楽的な要素もぐんと増えている。『男はつらいよ』を彷彿させる人間関係図も見え隠れするなど遊び心も多分で、また殺陣の非情なダイナミズムも今回の方が際立っている。永瀬の立ち回りも見事。前作の好評を受けて、さらなる進歩を遂げた傑作である。(的田也寸志)


クチコミ情報

印象的

リバイバルで映画館で観ました。初めて時代劇を観ました。すごく引き込まれてしまいました。
永瀬さん演じる主人公がとても魅力的。冴えない感じですが、凛とした佇まいで重みがあります。吉岡さん演じる友人とのやりとりは軽快。周りを固める俳優陣も全く違和感ありません。
信念を持って生きることは素晴らしいなと思いました。


複雑に織り上げられた作品

「たそがれ清兵衛」との類似性をよく指摘されていますが、実際の内容は全く違う所にあると思います。藤沢周平の士道物自体、上意討ちを扱いながら、読後感が全く違う作品が複数あるのと同様ではないでしょうか。

主人公の片桐宗蔵とヒロインきえの、日常生活の営みの細かい描写、友人や家族・親戚とのかかわり、それは温かくや時にコミカルな印象さえ受けるのですが(嫁を貰えない宗蔵をなじる叔父達の描写には何度見ても噴出してしまいます)それでいて、主人公は三部作の中でもっとも苛烈な立場に置かれます。
宗蔵自身は、変化を求めず、淡々と、周りの人を大切にして生きることを望む人間でありながら、です。


時代の流れ、身分の違い、侍としての生き様、そして「隠し剣」。この作品の中で描かれているものは多く、複雑に絡み合っています。初見はとらえどころが無い印象を受けるかもしれません。
ですが、どこに注目しての観賞でも、この作品の中に漂う穏やかさや端正さは、心に残るものだと思います。

永瀬正敏さんは感情を抑えながらも、静かに浮かび上がる演技で素晴らしいです。作品中の複雑な要素は全て宗蔵の上に掛ってくるのですが、それらを佇まいの上に纏め上げていました。
どちらかというとトリッキーな役が多い人ですか、「息子」や「学校2」同様、自身の個性を生かした役ではないでしょうか?
細かい描写ですが、神戸浩さん演ずる中間の直太へのさりげない温かさの表現が記憶に残ります。
松たかこさんのきえは、大らかで明るい女性。吸い込まれそうな大きな瞳と、歌うような庄内弁の響きが印象的です。
吉岡秀隆さんの島田左門も愛すべき個性の持ち主。確実な存在感を残しています。
親友であり敵の狭間役の小澤征悦さんは眼差しに凄みがあります。この作品の不満は、後半の核となる狭間と片桐の相克の描写がやや説明不足であるということでしょうか。
しかし、二人の対峙は、「死地」と表現した藤沢氏の文章を思い起こすものだった思います。


山田作品の最高傑作

先日、金曜ロードジョーで観ました。 素晴らしかったです。 特に最後のシーンが。 ここまで画面の隅々まで一分の隙の無い程作品世界で塗り固められる映画監督が日本に他にいるでしょうか?

「映画芸術」という言葉を思い出させてくれました。

山田洋次監督の時代劇は、娯楽であり芸術作品とも思える様式美が備えられていて「映画芸術」という言葉を思い出させてくれます。昔の武士も今のサラリーマンと同じような境遇だったのだな、と思ったのですが、よく考えると時代劇を借りて、現代を描いていると見るべきなのでしょう。それほど、山田洋次監督作品はリアリティーがありますね。さらに、きれいな日本の風景や美しい日本人像を描いていてくれて、優れた日本映画を求めておられるお気持ちが画面を通して伝わってまいりました。山田作品の現場は大変だと聞きますが、主演の、永瀬さん、松たか子さんをはじめ、どの出演者の方も最高だと思います。それに付け加えて、一部の隙もなく緩んだところもない画面の美しさが本当に素晴らしいです。映画を連続する絵と感じられる作品です。

北の方さ行ぐごど、ね、もうすぐ維新でがんす

 どうにも、後味の悪い映画になってしまって、「片桐」と「きえ」の先々もまた心配。片桐が禄を藩に返したと見られる文久辛酉年は、1861年。1868年が明治元年だから、もう数年もすれば、維新である。廃藩置県は、1871年。今、蝦夷へ行って商いの経験もない者が愛する者と共にとは言え、商売をして幸せになれるという心算はあるのか。

 既に他のレビュアーの方が述べていたが「演技は素晴らしいと思います。内容ですね」。このような、映画館から出ときに、吐息混じりの声が自然と出てしまいはしないか。全体像からの印象だが、出演者はこの主人公二人以上に、見た目のなり、手足ばかりでない演技、ことばの発し方等々において優れていた。一例だが、表情の乏しい片桐と狭間の立ち合いでは、狭間のぼろぼろの褞袍姿が勝っていたと見るのが自然だ。
 身長165cmの大柄のきえを背負うシーンが欠かせないものなら、それなりの配役が欲しかった。病の身でしがみつく手は撫で肩から滑り落ちそうで、垂れ下がる足は床に付きそうで、腰を深くして見ていられない。あるいはまた、小間物屋でのきえは、片桐が言うほどにやつれていたか。少なくとも、やつれた黒髪と表情であったか。かつ、そのような努力がほとばしっていたか。

 山田監督はもう若くはない。作れる映画にも限りがあろう。国際映画祭向けの作品作りなら、日本人以外の文化的・歴史的・宗教的な背景を考慮したもので一発狙っていただくとして、私達が映画館の終了のブザーが鳴り、館外の光と空気に触れたとき、より高次の心持ちになれるような時代劇が生み出されることを期待する。

 本DVDは、特別版のせいだろう、メイキングが大量に付いている。子供向けの菓子ではあるまいし、期待はしていなかったが、あまり褒めたものはない。以上、辛口は山田監督リピータ由に。



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山田洋次 藤沢周平 平松恵美子 
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商品の紹介
   山田洋次監督による『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』に続く、藤沢周平原作小説の映画化。役目のため失明した下級武士を支える妻と中間、そして一分を通すため復讐に挑む侍の姿を描く。主役の武士に木村拓哉。その妻に映画初出演の壇れいが扮し、新鮮な存在感を見せている。
   山田監督の作品は、一点一画を疎かにしない、きちんとしたドラマを描くことに定評があるが、『武士の一分』においてはそれが堅苦しさではなく、娯楽映画としての完成度を高める方向に作用している。前半。城中で毒味をする武士たちが、横一列に並んで役目を果たす、その軽快な動きの楽しさ。木村拓哉という絶妙な素材を得た山田監督の演出ははずみ、時折“SMAPのキムタク”をも見せて笑いを誘う。ドラマが佳境に入ると同時に、徐々に緊張感が増してくるが、息苦しさを感じさせることはない。木村の侍が復讐をとげる、その決闘シーンは良質なアクション映画さながらのテンションと迫力を誇示。その後に描かれる、ほろりとさせられる結末。そしてどのような武士にも守るべき一分があることをさりげなく示唆する、その優しさと余韻の豊かさ。娯楽映画として、完璧な出来である。(斉藤守彦)


クチコミ情報

誕生日に映画館でみた映画

うーん・・・期待を込めて観た割りにはあんまり・・・でした。

岩手弁は壬生義士伝の東北訛りと比べてしまうけれど明らかに都会的。節々に現代語が混ざっているので訛りの持つ美しさが感じられなかったのが残念です。木村拓哉演じる三村新之丞は正座をした時の雰囲気がいいし、怒りを押し殺して泣いているなどの演技はさすがに上手い。けれど自身で「おしゃべりは嫌いだ」と言っておきながら日常のシーンではよくしゃべる。「月9」のイメージが拭えません。刀さばきが格好良いのに殺陣シーンが少なくて勿体ないです。終わり方がストレート過ぎ。もう少し捻りや意外性が欲しかった。随所に散りばめられた「笑い」が面白かったので星2つ。


時代劇メルヘンですねぇ

 キムタクに偏見を持っている人とか、とどめを刺さないのはおかしいとか細かいとこに批判する人は多いみたいだけど、正直とっても良かった。3月にDVD見て以来、何度も見てしまう。特に加世にはぞっこんである。不貞を悩む描写が足りないとか言うコメントを見たことがあるが、すでに島田との一件が起こったと思われる頃から、事実を告白するまでの間の何気ないシーンの中では、彼女から屈託のない明るさが失われており、切なそうな表情仕草によりその後の筋書きを知らない者の胸にも何か引っかかるものを残したはずである。おかしいと言ってしまえば、にわか盲目の剣士が剣術の達人に勝つことや、例え封建時代であるとはいえ、仕事上の役目からの不幸が原因で家を取りつぶしにしたりは普通はしない、と言うことの方が強いはずだが、それを言ってしまえばお話自体が成立しない。
 それにしても加世は自分が愚かであったと泣き崩れたが、いったいどうすれば良かったというのだ?最初の件はどう見ても手込めであるし、2回目以降は主人にばれてしまったら、自分の身が危ないのはもちろん、自分の主人が相手に黙っているはずはないと思っただろう。結局、主人の命を守るには、自分が犠牲になるしかないと彼女には思えたはずである。また、いったん離縁したことでいっそうお互いの大切さが認識できたとも言える。ただ、島田がほんとうに口添えしていたら、どういう展開になったのかは気になる。最終的に言えるのは、この夫婦は一番賢明な選択をしたのだ。自害も、手打ちにもしなくて再会の可能性を残したのだから。


弛緩した感じ

山田洋次監督の時代劇三作目、
三部作と言われていますが、話が繋がっているワケではなく
海坂藩(原作の藤沢周平が創りだした架空の藩)が共通の舞台

つっこみドコロ
キムタクの胴がガラ空きだったのに、
なぜ切り込まないのか?
J事務所の意向なのか?

『たそがれ清兵衛』の魅力は、剣術の力量を常に隠していたところ。

『隠し剣 鬼の爪』でのドキドキ、ワクワク感は、
秘伝である必殺技の正体を、最後の最後まで明かさなかったこと。

両方とも緊張感があったのに、今回は、なんだか弛緩した感じでした。


一度見ていただきたい。

演技そのものはすばらいと思いますがキャストや台詞の言い回しで「現代」が
ちらほらするのが気になりました。
場面も同じ舞台ばかりで淡々と進みます。
前作の蝉しぐれはお笑いの人を起用していましたが、あちらのほうが感動し、共感できました。
しかしながら、決して凄腕の剣士ではない主人公が決死の覚悟で命を懸けて闘うところ、
男は人生に一度闘わなければならないときがある。
そんなところが心に響きました。
あまり動きがある映画ではなく、あくまで心の心境を伝えたい映画だと思いますので、それを理解してみれば楽しめます。
時代劇好きはおすすめです。


人間はもっと厚みのあるもんじゃないだろうか。

途中まで、ずい分我慢しなければならなかった。
不自然な方言のせいなのか、脚本のせいなのか、演技のせいなのか、ともかくセリフの言い回し全部が気にくわなくて。

ただ結局我慢して最後まで見て、見て損したとは思わなかった。
木村卓也は、本当に大したものだ。同世代から見て、心底そう思うが、この映画でもやはりそうだった。俳優としては決して才能に満ち溢れてるわけじゃないように思う。歌からバラエティからドラマから、何でもやる、それ故か、映画の中の役としての存在感が少し足りない気がする。その役として、一本芯の通ったものがないのだ。よく言われるように、木村卓也自身の域を出ていないと思う。
ただ、気合が入っている。他のすべての芸能活動と同じく、気合を入れてやっているのが、十分に感じられる。一挙一投足が、ぬかりない。大したものだと思う。
派手さを抑えた、その一方で細かな点にこだわり抜いているであろう演出も、殺陣なんかはやっぱりもう少し工夫して欲しかったけど、これはこれで悪くない。
総じて、こだわりを持って、丁寧に作られた、完成度の高い作品だとは思う。

ただ・・・。心に残る物の、この物足りなさは、何だろう。

感じるのは、なんとも言えない平坦さだ。主人公も、その妻も、下男も、映画の中に描かれる役柄から、一歩もはみ出る気配がない。だいたいこんな人物像、として二、三行くらいで書いてしまうと、それでおしまい、という気がするのだ。
どんなにわかりやすいキャラクターだって、その人生には紆余曲折の遍歴があり、心の中では全ての瞬間に、表に出るものも出ないものも含めて様々な考えがめぐらされているはずだ。物語は、それをある一面で切り取った、切り口のようなものだ。この映画の登場人物には、その切り口の上にしか存在しないような、厚みのなさを感じる。

これはおそらく想像力の限界ということなんだろうから、撮った人は全然こんなこと感じてもいないんだと思う。
でも自分としては、これはいい映画だと思うし、見て損だったとは思わないんだけど、本当にい映画を観て感動した後の幸福感は、この映画からは得られなかった。



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母べえ 通常版 [DVD]

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クチコミ情報

恨み節

戦時中に幼少時代をすごした監督の日本軍を恨む気持ちは想像に苦しくありません。
しかしあまりにも露骨すぎませんか?
日本軍が悪いなんて事は分かりきっていますが、くどすぎです。
スピルバーグ監督やリドリー・スコット監督のように、もっと冷静になって戦争自体の愚かさを考えさせるような作品を作る事が出来なかったのでしょうか?
大切なのは戦争を繰り返さない事なんです。
まるで当て付けのような最後の最後まで救いのないストーリー。
監督の気持ちは分かりますが感情的になりすぎて登場人物を惨たらしく死なせたのには嫌悪感すら覚えました。その嫌悪感は戦争に対してではなく監督に対してです。
結局、監督は今を生きる日本人達に何を伝えたかったのでしょうか?
心配せずとも誰も今さらあんな時代望んでいません。
映画を使って今さら恨み事を言うのはやめて下さい。そして今の時代になってこのような作品を作れる事を喜ぶべきです。


最も静かな愛と反戦の映画かも知れない

本作品の主人公たちは皆、誰かを深く愛し、そして深く愛されていた。だから、戦争がなかったら、母べえはこの世で愛する父べえと一緒に幸せな人生を送れたはずだ。そしてまた、チャコちゃんも、ヤマちゃんも、みんな一緒に笑って過ごせたはずだ。

最近の山田作品では、特に最後の数分間に「愛」に関するメッセージがものすごく込められているように思う。本作品のメッセージは、親は子をちゃんと愛しているか、ということであり、同時に、子は親の深い愛を感じているか、ということだ。エンドロールで流れる、朝起きて出勤するまでの母べえの動きを観ながら、そして父べえのナレーションを聞きながら、そんなことをしみじみ考えた。

原作者が、また山田監督が意識したかどうかはわからないが、戦争・死のような極限状態を背景として使わなければ、現代人は愛の重みに気づくことができない、つまり、現代人の心、って、それだけ荒んだ状態になっているんだよ、ということを突き付けられているような気がする。戦争、という背景がなかったら、上述したエンドロールの重みは理解できなかったであろうと思う。

なお、吉永小百合さんは、凛として楚々として、素晴らしい存在感であった。でも、檀れいさんや浅野忠信さん(二人とも中々いい感じ)との絡みに、さすがに年齢的にちょっと違和感が漂っているように思えてしまったことも否定できない。


旧・松竹大船っぽい作品。特典ディスクは映画界を目指す人必見。

本作は戦前の「市井映画」のようだ。これこそ伝統の松竹スタイルである(撮影は東宝だけど・・・)。戦争というファクターはあるが、何といっても話の軸になるのは「母べえ」の「肝っ玉かあさん」ぶりであろう。吉永小百合はいつでも、どんな役でも清廉だ。女優というよりも「吉永小百合」。加えて、やっぱり日活撮影所の香りがする。松竹の、山田組の市井映画にはどうも似合わないと思ったのは自分だけだろうか。演技的にはもう何も言うことはない名女優だが、なんだか現代劇のようなのだ。志田未来は最近TVドラマが多く、へんな「顔芸」が付いたようで心配していたが、山田監督に鍛えられたのだろう、表情が「素」に戻っていて安心した。本作では精彩を欠いたが、この経験は次作に活きるはずだ。また「ヌケた」浅野忠信も必見である。しかし、作品としてはどうかな、と。松竹の市井映画に戦争が絡んだ作品には、世界に誇る問題作・木下組の「陸軍」がある。これに比べると安易な反戦主義の描き方はつらい。街中の会話で「日本はアジア征服を狙っている」というセリフがあるが、大東亜共栄圏はそもそもそんな思想ではない。山田組が取り組むべきテーマではなかったかもしれない。ただし、特典ディスクは監督自ら撮影裏舞台を細かく語っているので、この業界を目指す人は必見である。

母の愛情を思い出させてくれる映画です。

山田洋次監督と吉永小百合さんという取り合わせは期待してしまいます。「男はつらいよ」のマドンナ役で吉永さんが出演された時は、シリーズの中でもとりわけ楽しい作品だったように思います。そういう期待を込めて見させていただいて、最初はちょっと違和感を覚えました。吉永さんの存在感が際立っているといいますか、山田監督の「いかにも」というディティールにこだわったホントらしい演出と上手くマッチしていないのじゃないかと感じたりしました。共演の坂東三津五郎さん、浅野忠信さん、壇れいさんなどそれは山田監督の演出らしい画面に溶け込むような感じを受けました。しかし、吉永さんだけは画面から少し浮き上がっているような印象をもちました。ところが、作品を見終わった後になって吉永さんの姿が頭にこびりつくといいますか、「母」の姿が瞼に浮かんできます。もしや、と考えたのは、山田監督はこういう演出をしたのではないか、と思います。吉永さんが演じた「母」は映画の中だけの母ではなく、観客全員の母なのだと思います。朝早くおきて、子供を心配し、家庭を守って、夫の死も悲しめず、近所づきあいを笑顔でこなし、何時休んでいるんだろう。夜目が覚めたとき、母親だけは縫い物をしていました。そういう母親の姿を山田監督は彫刻刀で刻むように観客の瞼に残すことを狙ったのではないかと思いました。山田監督は終戦を満州で迎えた引揚者だとお聞きしています。山田さんの心にある母の姿が吉永さんに乗り移ったのではないでしょうか。そして、静かな反戦映画です。大砲も爆音も登場しませんが、戦争というもので軍隊が凶暴になり市民を蹂躙してゆく様子が描かれています。

山田監督が伝えたかったことっていったい・・・・・・・・・?

 とうに還暦を過ぎている吉永さんですが、幼子たちの母親を演じてもほとんど違和感を感じなかったし、
浅野忠信さんをはじめとするキャスティングもけっこうはまっていてなかなかよかったし、
どなたかが仰るような”監督の思いいれが空回り”しているような感じも受けなかったのですが…。
 最後まで見終えても結局のところ、山田監督はこの映画で何を伝えたかったのが、
どうもよくわかりませんでした。罪もない市井の人々をも翻弄する戦争というものの理不尽さ、醜さなのか、
逆境にあっても強く生きる母親という生き物の(あるいは夫を信じ愛する妻の、あるいは女の)逞しさなのか、
はたまた意表をついて「敬愛・思慕と惚れた腫れたの情愛の相似性」なんてものなのか…?。
 そんなわけで、ラストの母べえ臨終のシーンでは忌まわの際で「父べえにあの世でなんか会いたくない」みたいな
台詞もどう感動していいのかとまどっているうちにエンドロールが流れ出し、当惑するばかりの私でした。
 



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   山田監督の作品は、一点一画を疎かにしない、きちんとしたドラマを描くことに定評があるが、『武士の一分』においてはそれが堅苦しさではなく、娯楽映画としての完成度を高める方向に作用している。前半。城中で毒味をする武士たちが、横一列に並んで役目を果たす、その軽快な動きの楽しさ。木村拓哉という絶妙な素材を得た山田監督の演出ははずみ、時折“SMAPのキムタク”をも見せて笑いを誘う。ドラマが佳境に入ると同時に、徐々に緊張感が増してくるが、息苦しさを感じさせることはない。木村の侍が復讐をとげる、その決闘シーンは良質なアクション映画さながらのテンションと迫力を誇示。その後に描かれる、ほろりとさせられる結末。そしてどのような武士にも守るべき一分があることをさりげなく示唆する、その優しさと余韻の豊かさ。娯楽映画として、完璧な出来である。(斉藤守彦)


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山本晋也程度に言われたくない!

とにかく公開当時のアホな芸能マスコミと山本晋也の異常なまでの持ち上げっぷりに心底ウンザリしてしまいました!やはりフジテレビの月9レベルの視聴者に合わせた人向けの映画だと思います。

劇場で観ました。

良かったので、二回観てしまいました。

これを観て、木村拓哉のイメージが変りました。
よく、ここまでリアリティのある演技が出来るなぁ・・・と関心しながら、観ていました。
スマップの木村拓哉なんて、あまりにも華やかなイメージが強くて、こんな底辺社会を生きている武士の心情を描ききれるのか・・・と感じてしまいがちですが、これは、本業の役者でも、敵わないんじゃないのか・・・と思わされるくらい、素晴らしいものでした。

何より、最後の決闘シーンの素晴らしさときたら・・・・最高でした。

あんまり良かったので、原作も読んでしまいました。


普通に見られる作品

 まず、主役は木村拓哉だが彼は俳優ではない。だが主役を自然に演じていた事は評価できる。方言も全編を通して自然に話していたし、剣道をやっていただけあって殺陣もよかった。彼の演技に対する批判の原因である「キムタク語」も、時代劇なのでもちろんないのでその点では安心して見られる。盲目になってからも、明らかに演技をしているというわざとらしい演技ではなく、自然体でキムタクを主張する事なく落ち着いた演技をしている。だが、さすがは木村拓哉というか存在感はある。檀れいは初めてにしては頑張ったと思うし、笹野高史はさすが名脇役という演技、桃井かおりの存在感もさすがと共演者も素晴らしい。
 「華麗なる一族」も原作が好きなので全話見たが、見て感じたことは、彼のイメージに関係なく演技させようと製作陣が思えば、彼はそれに応えるだけの力量を持っているのではないかと感じた。それまでイメージ通りに演じさせ過ぎた結果、批判に繋がってしまったと思われる。
 そしてこの作品は、時代劇としては異例の興行成績を記録した。その事に関して、興行目的のために木村拓哉を起用したと主張する人もいるが、主役を演じられるだけの力量があると判断しての起用だと思う。俳優を本業としていない割には、この作品の主役を見事に演じて見せたと思う。これまでに確立された「キムタク」のイメージを引きずり、その彼が主役を演じている作品だからと偏見を持って見られていることが非常に残念である。


壇れいとスタッフと一部特典だけは賞賛できる。

1作目の『たそがれ清兵衛』は通常版も特別版も無くデジパック仕様の、心から消費者のためを思って作られたDVDであった。本編の内容も実に素晴らしかった。やっぱり山田監督は日本を代表する監督と表現しても大袈裟ではないと確信できました。しかし、2作目の『隠し剣 鬼の爪』は本編がパッとせず、DVDも通常版と特別版が同時に発売されました。この頃から、松竹(他の映画会社もそうですが)は利益の追求に走り始めた感がありました。そして本作。内容は、とても映画初出演とは思えない壇れいの素晴らしい演技と、カメラに映らない所で業を発揮するスタッフ以外はまるでダメでした。これについてはいずれ通常版のレビューに記載しようと思っています。
そして私は興業収入目的で木村拓哉さんを主演に据えた(というより恐らく外部の圧力によりそうさせられた)のは失敗だと思いました。私は木村さんに強い思い入れはありませんが、仰々しく「完全版」と題されたインタビューや「カード」というのは名ばかりの薄い紙に書かれたコメント、今までに無かった「主演俳優の顔」が目に付くアウターケース(実際のアウターケースは写真のものとは異なります!)、公開に先駆け発売された(それまでのシリーズでは無論発売されていないしその必要もない)「一分 TAKUYA KIMURA」というDVDの存在からも、映画を作る目的が観客から一人の俳優に転換してしまったことは疑いようがありません。
松竹も決して経営が順調とは言えない事情もあるでしょうが、10年掛けて構想を練った『たそがれ清兵衛』を、2年足らずの構想と利潤目的のキャスティングで超越することが不可能だと想像はつかなかったのでしょうか?
DVDと言えば、格式高いデジパック仕様は姿を消し、通常版ディスクに特典ディスクとそのケースが添付されただけの利益最優先丸出しで安っぽく、音声もdtsが不採用となった残念な物。褒められるのは特典映像とブックレット、ポストカードくらいです。
つまらない映画に頻繁に見受けられる「最高傑作」「感動作」とかいう痛々しいコピーや「日本アカデミー賞(←この賞も潰した方がいい)最多13部門受賞」という何のプラスにもならない受賞暦を大盤振る舞いしてくれているこの映画及びDVDを最高と位置付けるならば私はもう邦画を観ないし、日本映画の歴史が終焉を迎えるのもそう遠くはないと思います。
願わくば、時代劇3部作を実在の物とは逆の順序で公開してもらいたかったです・・・


何も知らないXXのほうが。。

届いてから少し待って、暮れ方から夜にかけてカーテンを閉めずに観てみました。
全体のトーンが低くなく高くなく中間なのは、山田作品のもつ味であると同時に、
庄内弁の抑揚に関わるのかも。上方方言の影響があるそうで、上方出身の私は
主人公の話す「加世はXXなおなごだの」のXXがキーワードのひとつかなと思いました。
泣きポイントはいくつかありますが、徳平が加世に問い詰められて言う、親心の言葉に
ウッときました。
幸せなときには鳥の声がして、やがてそれが聞こえなくなります。
蛍のくだりも美しい。ぜひ観てみて下さい。

この映画の主役はもしかして加世?と思わせる木村拓哉さんって、やっぱりすごいのでは。



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家族 [DVD]

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商品の紹介
   大阪万博たけなわの1970年、九州・長崎の小さな島を出て、北海道の開拓村へ向かう5人の家族(井川比佐志、倍賞千恵子、笠智衆など)による列島縦断の旅を名匠・山田洋次監督が描いたヒューマン・ロード・ムービーの秀作。
   全編ドキュメンタリー・タッチで進むリアリズム的手法は、単に旅の厳しさだけでなく、当時高度経済成長期にあった日本そのものを冷徹に描きえており、特に万博をめぐってのくだりは、やがてどこか捻じ曲がっていく日本の悲劇まで予見させるものがある。それにしても南から北まで移動するだけで死者まで出てしまうとは、現代では考えも及ばないかもしれないが、それが一見華やかな70年代初頭の日本の現実的側面でもあった。しかし、旅の悲劇を乗り越えて新天地で生きようとする家族のたくましさと美しさ。また、そんな家族にエールを送る佐藤勝の音楽も素晴らしい効果を上げている。(増當竜也)


クチコミ情報

民子三部作シリーズ

山田洋次監督の「男はつらいよシリーズ」も代表作として素晴らしいが、
私のお薦めは、本作を含めた「民子三部作シリーズ」である。
「故郷」「家族」「遥かなる山の呼び声」が、そうである。
それぞれにストーリーは独立したものとなっているが、倍賞千恵子の民子の設定、
「家族」で最終地として向かう北海道の設定は「遥かなる山の呼び声」につながります。
大阪万国博が開かれた年に撮影されていますので、もう37年前の作品です。
博多・福山・梅田・東京など今は見ることが出来ない駅や街の風景が
随所に出てきますが、これだけ見ても懐かしいロードムービーです。
山田ワールドにどっぷり浸ってください。


ラストより途中が泣ける

前田吟の息子と笠智秋の老いた父との駅での別れのシーンが哀しい。笠智秋の「おまえも元気でなぁ、・・・・もう会えんかもしれん」だけでも、涙がちょちょぎれそうになるのに、その言葉にハッとなり、パッと視線をあげた息子の目には・・・。その後、いまいましそうに車を運転する姿も、その気持ちわかるわかるという感じ。山田洋次はああいう庶民の気持ちをきちんとわかっている所が凄いと思う。

嗚呼!倍賞千恵子(その2)

「1970年」の日本の春を見事にきりとった問題作、昭和45年ではなくあくまでも大阪で万国博覧会が開催された「1970年」の映画、「クレヨンしんちゃん、モウレツ大人帝国の逆襲」とともに70年代初頭の日本を回顧するためには無くてはならない映画、

映画として類稀な熱気をはらんだ最高の作品だとは思うのだが、ご都合がよすぎる物語、子供の就学に間に合わせるのでもないのに4月上旬に北海道へ行く、わざわざ国鉄(現在のJR)利用、子供の急病に救急車を呼ばない、などなどに物語自体は破綻しているともいえるのだが、見始めればけっして目を離すことのできない何かに取り付かれたような異様な迫力がうむ映画を見ることだけが呼び起こす興奮はまさに最高の映画だけが持つものともいえる、出演者とスタッフたちの今この作品を撮らなければ、という激しい情熱がフィルムに結晶したとも表現できるとおもう、

出演者たちの俳優らしさをできるかぎり排除したような演出もドキュメント・タッチの迫力の原因、そんな中で登場するだけで喜劇役者であることを全身で主張してしまう渥美清の出番は不用だったのではないだろうか、森川信の嫌味な旅館主人のうまさと好対照だと思いました、

山田作品、故郷・家族・遥かなる山の呼び声、は倍賞千恵子演じる民子三部作と解釈できるでしょう、音楽で同じ旋律の引用が繰り返されていることも重要とおもう、

劇中盤の教会シーンの直前に上野・下谷神社の祭礼が映る、祭礼は通常5月11日頃であるから、劇の4月上旬の設定にはずれがある、雪の消えないうちに北海道から撮影をはじめ、上野のシーンは5月に撮られたのだとおもう、


70年高度成長期の日本を描いた傑作!!

北海道に辿り着いた後、男泣きの夫(井川比佐志)に妻(倍賞千恵子)が声をかけるシーンには、涙がとまりませんでした。
亭主関白に見えて実は気弱な夫、そんな夫を支えるしっかりものの妻、穏やかな、でも時に息子を叱咤する祖父(笠置衆さんが素晴らしいです)、幼い男の子とその妹(赤ちゃん)の家族が長崎の小島から北海道の開拓村まで日本縦断の旅をする。今風にいえば全編旅のロードムービーです。ドキュメンタリータッチで高度成長期1970年の変わり行く日本の風景、その時代の人々を描いた傑作です。現地の人々(素人)を多数出演させた山田監督の意図が見事に効果を上げています。悲惨な物語でもあるのですが、登場人物それぞれの気持ちが痛いほど伝わってきて、いつの間にか映画の中の人々と同じ気持ちになっている。旅の途中で出番は少ないながら出てくる前田吟扮する次男坊の気持ちなどなど抑制されてはいるが、でも丁寧に描かれているからでしょう。倍賞千恵子さん、この時代の日本女性をリアルに演じていて素晴らしいです。そして美しいです。
この映画に描かれた日本が、現在の日本につながっているわけですが、この日本列島改造の時代に何か多くのものが失われた、そんな風にも思いました。でも前向きに希望を抱かせるラストの倍賞さんの笑顔が象徴するものは、いつまでも失ってはいけない普遍的なものに感じました。
山田洋次監督が自作を語る20分程度の特典映像と予告篇が付いています。デジタルリマスター版です。


映画の中に入り込んで見ることができました

一番強烈なのは大阪のシーン。みんな疲れ果てているのに、万博を外から見に行ったりして、本当にバカかと苛立ちを感じ、映画の中に入りきっている自分を発見した。こういう感覚は、洋画や最近の邦画では感じることができない。倍賞千恵子や笠智習の演技もすごい。土着のヒューマニズムを感じる。


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たそがれ清兵衛 [DVD]

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商品の紹介
   時は幕末、庄内地方の小さな藩の下級武士・井口清兵衛(真田広之)は、ふたりの幼い子どもと老母の世話をするため、勤めが終わるとすぐに帰宅することから「たそがれ清兵衛」と同胞たちからあだ名される冴えない男。しかし、幼なじみ朋江(宮沢りえ)の危機を救ったことから、実は剣の腕が立つことが世間に知れてしまい、ついには藩命で上意討ちの討ち手に選ばれてしまう…。
   時代小説の大家・藤沢周平の短編『たそがれ清兵衛』と『竹光始末』『祝い人助八』をベースに、これが時代劇初演出となる巨匠・山田洋次が監督。当時の時代考証を綿密に行いつつ、ささやかな家族愛や忍ぶ恋心、そしてダイナミックな殺陣シーンなどを見事に具現化している。人間本来の美しい心のありようを、決して押し付けがましくではなく、優しくささやかに問いかけてくれる、日本映画でしかなしえない必見の秀作。真田の素朴さと宮沢の清楚な美、両者の好演も特筆ものである。(的田也寸志)


クチコミ情報

何回見ても好きな映画。

あらすじを公開してしまいそうで感想を書くのは難しいです!
田中さんの鬼気迫る迫力にはまったく脱帽。
『やっぱりおぬしが来たか』と、相手の実力を認めるあたりが大物ですね。
お互いつらい目を生き抜いてきたもの同士、和やかなムードになりかけるのですが、
清兵衛が何気なく漏らした言葉が善右衛門の誇りを著しく傷つけるのです。
暗闇の中で光る眼。
そのあたりからが圧巻で、何度見ても興奮します。


静かな哀愁

真田広之よいですね。渋い。
貧乏で謙虚、欲のない武士、しかし剣の腕は一流。

静かに哀愁漂います。


哀愁と優しさに満ちた時代劇

 日本に存在する著名な各映画賞を総ナメにした、山田洋次監督の初時代劇作品。
 時代性の捕らえ方、2時間という上映時間の中での起承転結、老若男女問わずの分かり易さなど、ハリウッドやアニメにばかり目が向きがちな邦画界の面々は、括目して山田技法を学ぶべし!

 物語の舞台は、幕末の東北の小藩「海坂藩」(モデルは米沢藩らしい)。
 そこで平侍として暮らす井口清兵衛は、労咳で妻を亡くし、幼い二人の娘と、ボケの始まった母親と4人で暮らしている。生活の貧しさから内職に勤しむ必要もあって、清兵衛は毎日勤めを終えると、同僚からの遊びの誘いも断って、家路につく生活を送っていた。そんな彼の事を、同僚は「たそがれ殿」と呼び、変わり者扱いしていた‥‥‥。

こんな武士が本当に居たのかどうか、その資料の少なさから定かではないようですが、外見の貧しさがすなわち、内面の貧しさではないという一本の筋が、ヒシヒシと伝わります。そして、清兵衛の幼馴染・朋江が登場し、山田監督お得意の、純粋過ぎる位に純な恋愛模様が描かれます。
 個人的には、宮沢りえという女優は余り好きではないのですが、それは私の色眼鏡の度合いが強過ぎるだけで、可憐で優しく芯がある朋江像を、良く演じていたのではないでしょうか。惜しむらくは、ラストの泣き崩れるシーンとか、ね。この辺がもう一段、上手い演技だと感動の度合いが増すんですけど‥‥‥。

 各映画賞の新人賞を多数獲得した、これが映画初出演とは思えない、前衛舞踏家・田中泯氏の演技が、実に素晴らしい。一見すれば、怖さとか不気味さが目に付く役柄なのですが、そんな風に一括りに出来ないような哀愁が、その立ち居振舞いから溢れています。清兵衛との死闘一連と、その結末における一人芝居は、本職:前衛舞踏家の面目躍如たる顔が見えたような気がします。
 そしてそれをわざとらしい芝居に見えないよう、実にリアルな演出で彩った、殺陣シーンが初撮影とは思えないような山田監督にも、拍手を贈りたいですね。

 画はビスタサイズのスクイーズ収録。昨今の映画はCGが溢れ、デジタル編集が可能なハイビジョンカメラなどで撮影されていますが、本作品を見て「フィルムは良い!」と感嘆の声を上げてしまいました。
 本作もCGにて作成された場面は当然存在しますので、何らかのデジタル処理が施されているとは思うのですが、画面の落ち着きというか、空気感を伴う細部のぼやけ方が、やっぱりCGはCGであって、フィルムには敵わないなぁと感じました。
 この映画は明暗のコントラスト、特に中間の色合いがポイントです。

 音は、DD5.1ch、DTS5.1ch、DD2.0chの三つを収録。
 音場感や低音感、そしていつも気になるDD5.1chとDD2.0chが両方収録されているソフトにありがちな、DD2.0chの収録音量の絶対値が、DD5.1chよりも低く聞こえる(ボリューム位置を固定したまま、音声をDD5.1ch→DD2.0chに切り替えると、スッと音が小さくなる)現象がなかったので、DD2.0chの方がより自然な音と感じました。
 生活描写の各種SEなど、サラウンドの使い方も上品で、腰の据わった印象です。


貧乏ざむらい

真田広之主演です。宮沢りえが後添えとして出ています。山形県庄内藩が舞台です。学問もあり、剣にも優れているが、認知症の母と娘2人を抱え、妻には先立たれ、石高も少なく貧しいけれども、満ち足りた生活を送っている武士の話です。この武士の生き方が心を動かされるものがあります。それが、家老の命令で、ある人を斬りに行かなくはいけなくなります。断るのですが、武士社会で断れず、斬りに行くことになります。このときの相手も、武士社会の犠牲者みたいな人間でそんな2人が切り合うシーンはジーンと来ます。武士社会の話ですが、現代のサラリーマンや官僚社会の問題と同じテーマがはめ込まれています。とても面白く、社会的な寓意を含んだ映画でした。

幕末武士の悲哀

武士とは様々な映画・ドラマのように格好良いものではなく、武士間の身分の違い、主命に嫌とは言えぬ宮使いの苦悩の中で細々と生きている姿を見事に活写している大傑作である。

主人公の清兵衛は、月代も剃らぬ、風呂にも満足に入れぬ、虫かごの内職をしなければ幼い2人の娘や年老いた母の生活を賄えない程の昼行灯で貧乏侍。
しかし、一度剣を抜けば天下一流の使い手。
やはり身分の違いから恋する女性と結ばれぬ悲恋、主命による上意討ちをしなければならぬ清兵衛。

そしてラストの愛する女性との再会と、清兵衛の満ち足りた人生を回顧する娘。
見終わった後に感動と清清しさを得ることのできる、日本映画屈指の傑作である。



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勉強の意味とは

笑える、泣ける。

日本の映画って良いなあと思わされる作品です。

勉強とは、何か。


希望は人を輝かせる。

人は、夢や希望を実感するときに幸福であり、輝く。

さまざまな事情で義務教育を受けなかった人が通う「夜間中学」が舞台だ。

若者からおばあちゃんまで、幅広い年齢の生徒が通う。

人生と向き合い、人生を深める「生徒」と教師の物語。

いい映画だ。


幸せって何だっけ

『フリーダム・ライターズ』では問題少年たちに教師がプラグマチックな処方箋を渡したのに対し、社会の片隅でひっそりと生きる老若男女に対する黒川先生(西田敏彦)の接し方はとても情緒的で湿っぽい。社会の辛酸をなめつくした生徒たちに表面的に接してもバカにされるだけ。胸襟を開いて自らの人間性をさらけださなければ相手にされない、というのが夜間中学校のクロちゃんこと黒川先生の持論なのである。

シンナー中毒のみどり(裕木奈江)や、清掃屋で働きながら学校に通うカズ(荻原聖人)、不登校になったえり子(中江有里)たちのエピソードがカットバックで挿入されるのだが、やたら深刻ぶった演出をさけ低い目線から日常を描いているのはいつもの山田洋次流。殺された友人の数を競わせるようなショッキング療法よりも、腹が減っていればタンメンを作ってくれたり、きつい仕事を一緒に手伝ってくれる方が、われわれ日本人にとってはよっぽどいい先生なのだ。

相も変わらず“五郎”節で押し切る田中邦衛は競馬好きで字が書けないイノさんを怪演しており、清楚な数学教師を演じた竹下景子同様、観客の期待そのままの役柄で水戸黄門的な安らぎを与えてくれる。ただし“イノさん故郷へ帰る”のお涙ちょうだいシークエンスは、予定調和がすぎていただけない。無理やり幸福論などを生徒たちに論じさせなくても、映画冒頭に語られたクロちゃんが夜間中学校に居座り続けたがる理由の謎ときだけで十分幸せな気分になれる1本だ。


NO.12「か」のつく元気になった邦画

<元気コメント>
 この映画は、学校というのは誰でも勉強をしたい者が来る場所であり、人間の幸福についても語り合える場であることを教えてくれました。
 新しい知識・技能の修得に挫折しそうになった時、今の自分は不幸なのではないかと考えさせられた時、この映画は元気づけてくれました。



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クチコミ情報

松たか子さんに惚れ惚れ(‾o‾)

何回観ても、松たか子さんの美しさに惚れ惚れしてしまいます。
高峰秀子さんとタメをはるほど素晴らしく美しいと思います。


藤沢周平映画の最高峰

「武士の一分」までの一連の藤沢周平映画の中で、この「隠し剣 鬼の爪」がベストだと思う。

まずなんといっても、ヒロインの松たか子が素晴らしい。「女性の品格」という本が売れる
現代だが、このきえという女性は「品格」よりもっと大切な何かを仄かに薫らせ、愛おしい。

また永瀬正敏も良い。各作品の主人公の中でも、飛び抜けストイックで無駄な動きもなく、
田舎の小さな藩の下級武士という感じが一番する。

緒形拳も、各作品の悪役の中で最高のワルである。(最悪のというのが正しいのかな?)
監督は山田洋次でないが、「蝉しぐれ」ではとても善い人だったのでその落差が面白い。

さらに、タイトルは勇ましいが、立ち回りの時間は短くそれでいて深く印象が残るシーンだ。
後から思うと、こういう題名を付けてしまう事はリスキーだが、そうでないと見逃すほどだ。

いささか書き過ぎてしまった。
もう一度言う。松たか子のきえは邦画史の1ページを、ひそやかに飾るヒロインである。



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商品の紹介
   山田洋次監督による『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』に続く、藤沢周平原作小説の映画化。役目のため失明した下級武士を支える妻と中間、そして一分を通すため復讐に挑む侍の姿を描く。主役の武士に木村拓哉。その妻に映画初出演の壇れいが扮し、新鮮な存在感を見せている。
   山田監督の作品は、一点一画を疎かにしない、きちんとしたドラマを描くことに定評があるが、『武士の一分』においてはそれが堅苦しさではなく、娯楽映画としての完成度を高める方向に作用している。前半。城中で毒味をする武士たちが、横一列に並んで役目を果たす、その軽快な動きの楽しさ。木村拓哉という絶妙な素材を得た山田監督の演出ははずみ、時折“SMAPのキムタク”をも見せて笑いを誘う。ドラマが佳境に入ると同時に、徐々に緊張感が増してくるが、息苦しさを感じさせることはない。木村の侍が復讐をとげる、その決闘シーンは良質なアクション映画さながらのテンションと迫力を誇示。その後に描かれる、ほろりとさせられる結末。そしてどのような武士にも守るべき一分があることをさりげなく示唆する、その優しさと余韻の豊かさ。娯楽映画として、完璧な出来である。(斉藤守彦)


クチコミ情報

an-an購読者のみへの作品か!?

やっちゃった!?って感じの作品。三部作を見事にぶち壊した、キムタクって一体。。。スマスマで、少しシリアスな場面がある時代劇コントを観たぐらいの印象しかない。脇を固める役者さんは頑張ってるが、主役があれではなぁ〜。まさに存在感のドーナツ化現象(笑)当作品鑑賞後、ロンバケでも観て、キムタクに名誉回復の機会を与えてあげて下さい。

「盲目剣谺返し」のタイトルで良いのでは??

「武士の一分」が2008年4月にアメリカでの上映が決まった。日本の雰囲気を伝える映画を観て貰えるのは嬉しいが、内容は理解されるだろうか?この映画全編に流れる日本の空気を映し出したかのような撮影は素晴らしい。しかし、ストーリーは陳腐だ。原作は藤沢周平の「盲目剣谺返し」でその文中に「武士の一分がたちもうさん」という台詞が一言出てくる。それが本作のタイトルになっている。本作では原作にはない山田洋次流「武士の一分」が出てくる。お毒味役の長は「武士の一分」で自害し、敵も「武士の一分」を尊重する。原作の一言が映画では「一分」だらけで鼻につく。第一、あれほど卑劣な敵が「一分」を尊重するはずがない。また主人公は「武士の」って言うが、あれほどのことをされたら町民でも農民でもサラリーマンでも復讐するだろう。武士で思い浮かぶのは忠義などだが、この映画での武士とはプライドのことを言っている。「自分のプライドがたたない」だから妻も追い出す。こうしたスタンスがアメリカ人に理解できるとは思えない。自分しか知らない妻の不祥事だし、妻も被害者なのだから守ってあげるべきだろう。あの出来の良い従者がいなければ妻はのたれ死になっていた。変な話だ。

完成されすぎてマイナスに

「たそがれ清兵衛」で
藤沢剣劇を見事に映画化した
山田洋二監督……

在野の不遇な剣豪、
波乱を含む純愛。

「隠し剣・鷹の爪」で
さらに尖鋭化させ、
「武士の一分」では……

残念なことに
「たそがれ清兵衛」で
ほとんど完成されしまっているので、
ワクワクドキドキ感が薄かった。

山田監督の手腕が凄すぎて、
「新しいワクワク」が
入る余地がないなんて……。

ただ、トレンディドラマでは
味わえない木村拓哉の
本物の男の色気は必見!


映画俳優「木村拓哉」

TVで「夫婦道」なるドラマが現在放映中ですが、この映画こそお互いを愛し尊敬しあう夫婦道の物語ではないでしょうか。素直に良かったです。皆さんご指摘の通り、加世役の壇れいさんの映画初出演とは思えぬ演技といい、笹野高史さんの相変わらずの名脇役ぶり、登場人物たちの田舎っぽい方言が誠に良い。そして主役はもはやTVタレントの「キムタク」ではなく映画俳優としての、TVでは見られない「木村拓哉」を見せてもらいました。彼の才能は所属しているグループの中でもやはり別格の物があると思います。そしてさすがはベテラン名監督。メイキングを見ると監督や役者さん達の作品にかける情熱と思いがよく解ります。こうして良い映画が出来るのだと。結末がちょっとうまくいきすぎの感はありましたが、それがまたこの作品の良い所であり、こんな爽やかな感動を味わえる時代劇があっても良いと思います。

木村拓哉でなければ観なかった映画

物語は、時代劇を観ている私にとっては真新しいものではありませんでした。1時間半ぐらい経ってからが面白かったです。木村さんの現代劇での独特のセリフ回しが「地方のなまり」によって封印された事で、先入観なく観る事ができました。ところで、緒形拳さんは何故なまってなかったんでしょうか?緒形拳さんと木村さんとの道場での立合い稽古のシーンと、ラストあたりの決闘シーンはよかったです。木村さんと笹野(徳平)さんの二人だけになった家での「徳平のまっずい飯を食わされている」期間の掛け合いが面白かったです。ラストは、観る側に「そう思わせる」短いフリだけでよかった様に思いました。


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説教くさくない好さ

山田洋二というと日本映画の名匠であり、
名作シリーズは日本国民のこころの映画
として文部省までも推奨していて彼のつく
った映画は常に名作であり世間では彼が監督
とあらば全部が傑作であり、感動的
ともてはやされているせいか私のなかで最近
では評価が低かった。
十五才の不登校児が一人で旅にでて旅先で出会った
さまざまな人の温かみにふれてかわっていくという
現代ならではのいかにものテーマだったが本編を見て
もう一回巻き戻して見たくなった。
これを見てすべての大人は不登校は深刻でないと笑い飛ばし、若者はこれを観ていい自分になりましょう!


いいですねー

久しぶりに”いい映画”を見ました。

素朴に淡々と話が進むのだけど、見ていて飽きない。
主人公が屋久島へ向かう途中で出会う人々はそれぞれ個性的、
だけどみんな人間的な暖かみがある。
確かに、世の中こんな親切な人ばっかじゃないだろうし、
2週間でこれほどの”濃い旅”をすることは難しいのかもしれない。
けれども、この映画を見終わった後に、今度屋久島に行こうかなと思うほど、人との出会いの素晴らしさや自然の壮大さが凝縮されている。

そして何より、15才主人公の優しさ、正義感、素直さに感動しました。見習わなくては・・・と思わされました。

この映画に出会ったことで全てが変わった

将来何をしたいか決まっておらず、同じような日々を過ごす毎日。
そんなとき出会ったのがこの映画でした。
自分も中学3年のとき同じ考えをもっていてとてもこの少年の気持ちがわかって涙がぼろぼろでた。20分に1回は泣いていたと思う。
そして、見終わって思った。
「自分も屋久島に行こう!」
この少年のようにヒッチハイクではないが、飛行機にのっていってきた。
宿は相部屋のとても安い宿だったが、いろんな人に出会った。
縄文杉も見てきた。見た瞬間、「・・・怪物だ」と思った。
宿で会ったおっちゃんは言った。
「金も勉強も大切だけど、人と接することが一番大切だからそれだけは忘れずに帰ってくれな」
屋久島の芋焼酎を飲みながらそんな言葉を聞いた。
翌日初めて飲んだ焼酎のせいで二日酔いになりながら帰った。
自分も映画のような体験ができたのだった。
あれ以来休みのたびに一人旅にでかけるようになった。
色々な人に出会い、色々な事を学ぶ。
旅は奇跡の連続である。
ありがとう!屋久島!そして、おっちゃん!
ありがとう!学校Ⅳ!


スローライフのすすめ

スローライフが人々に憧れの対象として受容されるようになって久しい。経済の低迷、それが起因となった倒産や不本意な解雇、心身の疲れやあきらめなどが、人々に、高度成長以降見られた競争を基調とする生き方でなく、人生の過程を楽しめるようゆっくりと歩を進める生き方を選択させるようになった。人々は、スローライフとはいかに楽しくすてきなものであるのか語り合い、体験を分かち合うようになった。日本の戦後の発達を築いてくれた先人たちへの感謝を忘れてはならないと思うが、日々の小さな出来事や心の移り変わりを味わえるスローライフの醍醐味は、いったん知ってしまったら、それを捨てのは、なんだか、もったいないような気がする。この映画の中にも、自称「日向の国浪人」というひきこもりがちの少年が書いた詩が紹介されている。この詩が、不登校で家出までしてきた15歳の少年の生き方を変えることになるのだが、この映画の鑑賞者もおもわず一緒に詠じてみたくなるような、心に残るものである。主人公の少年が経験した屋久島まで旅は、羨ましいほどにすてきなものだった。出会った人々は、みな、悩みを持ちながらも、いたわりの気持ちがあり、優しい。大人になっても、この世に対して納得いかないこともたくさんあるし、少々無茶な旅をして自分を見つめなおしてみたい、屋久島の樹齢何千年の杉が元気のおすそ分けをしてくれるなら、出掛けていってすがってみたいものだという衝動もあるものなのだ。ラストシーンは、旅で自信をとりもどした少年が、登校し、それを喜んだ担任教師が出席を採るというもので、「くん」「さん」の尊称の違いはあるものの、男女混合名簿が使用されていた。学校の様子が垣間見られたことも、この映画の収穫のひとつである。

頑張ろうって思えた。

前にテレビでやってたのを偶然見た。
学校に行かないでひきこもってる人って今の時代かなりいると思うが、
この主人公もそのうちの一人だ。

この映画は屋久島に行く途中で出会ったことが色々描かれているが、ちょっと旅をするだけで人ってかなりかわるんだなと思えた。

見知らぬ土地で、泊まるあてもなく旅をするってかなりきついことだと思うが、主人公にはそれで人生をかえる出会いをしたと思う。

ちょっとしたことで変われるんだから、自分も頑張らないと、って思える映画だった。


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PC・家電・CD・DVD  |  2009/11/08