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クチコミ情報
機関投資家や政策担当者は、当然読むべき本だ。新しい現実を理解するために。サブ・プライム以降の新しい世界金融市場を分析し、投資家や政策当局がなすべき行動、
新時代のリスク管理などについて提言するプロ向けの本。面白い例え話や逸話は少なく、
面白みに欠けるが、「ブラック・スワン」などの新しい研究を取り入れ、正確な記述の
学究的な内容で、実務家には必読の書。
非常に優れた本であり、学ぶべき点は数多いが、特にメモっておきたいと思ったのは、
「明日の世界」を理解するために必要なこととして挙げられた次の3点。
1. 新興国の経済・金融システムが急速に変化しながら重要性を増しており、
欧米、日本など先進国だけの理解では、不足している。
2. 新たな資産が、政府系ファンドなどの国営投資機関に蓄積されており、
彼らが、何を買いそうで、何を売りそうか、その理由まで説明できなければ
ならない。
3. 経済・金融ファンダメンタルズをベースにするだけでは、未来の予測はできない。
なぜなら、ファンダメンタルズが市場に変化を与えているばかりでなく、逆に、
金融革新を原動力とした市場の変化が、ファンダメンタルズに影響を与えている
からである。
この他にも、
・リスク管理はアウトソースするな、
・長期投資において、完全な外部委託は論外だ.
・(サブプライムローン問題があっても)それでも証券化は続く
など、その理論付けも含めて、機関投資家にとって、これをはずすと、
大きく将来の道を誤る内容が数多く記述されている。
読まないではいられない、のではないでしょうか。
ノイズの中のシグナルをいかに見抜くかサブプライムローンがもたらす危機を予言した本として、『フィナンシャル・タイムズ』および『エコノミスト』が2008年度ベストブックに選んだ書。著者モハメド・エラリアンは、世界最大の債券運用会社である米ピムコのCEOである。
著者は、いまや『市場』というものは根底からその姿を変えつつあり、旧来の市場と新しい市場が衝突しているとする。そして、こうした市場変相の時代における長期投資戦略のあり方を提言している。
本書の経済危機に関する見立てはこうだ。
急速に経済成長を実現した新興国は、自国の金融システムが未熟なため適切な運用スキルをもっていない。そのため、アメリカに投資を集中させた。一方アメリカは、それを原資として過剰消費に走った。
こうして生じた世界的なインバランスにおいて、投資効率を上げるために発達したのがさまざまな金融技術である。しかし、その技術への過信が危機を膨張させ、ついには破綻に至ったのだという。
こうして世界の金融市場は「昨日の市場」と「明日の市場」が衝突する状況に至り、そこから逃れることはできず、いまやシステムそのものの危機が到来しているという。
こうしたシステムの危機においては、市場が発信する膨大な情報のなかに異常値が含まれる。この異常値=ノイズの中のシグナルを見抜くことこそが重要であると著者は主張する。
ノイズとかシグナルという考え方は、タレブの『ブラックスワン』とも共通するもので(実際、本書中にも『ブラックスワン』への言及がある)、昨今の金融市場の捉え方としては非常に納得できるものだ。
いずれにせよ、これからの金融市場を考えるに際しての基本図書のひとつといえるだろう。
問題はどの位の時間がかかるかでしょうか?米国の債券運用最大手のピムコのCEO兼共同CIOの著者によって書かれた本です。
IMFでの15年間の勤務やハーバード大学基金を運用するハーバード・マネジメント・カンパニーの社長兼CEOとしての2年間の勤務といった経歴がある人だそうです。
タイトルの”変相”は初めて目にする言葉で意味がわかりませんが、原書の"When Markets Collide"(市場が衝突する時)を見るに、そういう意味を示す造語なのかな?と思いました。
いうまでもなく、サブプライムローン危機の勃発から金融危機・世界的景気後退に至る過程での市場環境の激変とその暴落について記した本です。
この本によると、人間は市場で起こった新しい変化がちょっとしたノイズなのか、根底を覆すような大変化の兆候なのかを判断するのが難しく、新しい変化を「無視する」ことがあるそうです。
確かに07年夏にサブプライムローン危機が始まった時、「サブプライム・ローンは米国の住宅ローンのわずかな割合しか占めていないので、大きな問題にはならない」という論調を多々見ました。
要するに相場に水を差すような変化を”無視した”ということです。
今我々が経験しているような未曽有の危機を迎えると予測した市場関係者は、当初ほぼ皆無であったと思います。
確かにこの本の、「米国の借金漬けの消費者に世界中が依存するような世界経済システムは今後再構築できない」とする点や「代わりに新興国の役割が大きくなるだろう」といった指摘はうなづけるものがあります。
問題はそうした主役の変更にどの位の時間がかかるのかといったところでしょうか。
推奨近年の金融危機の原因と諸様相に焦点を合わせた解説としては、最佳作のひとつ。優れた研究者であると同時に、百戦錬磨の実務家でもある著者の面目躍如たる力作である。原著は秀作ながら、翻訳者の選定を誤ったために読むにたえない訳書も少なくないが、本書は邦訳も優れている。
議論は幅広いが・・・PIMCOのCEO、Harvard大財団の元CIO、IMFのエコノミストを15年という経歴が物語るように説得力はあるが、議論の幅が広すぎて、また、少々教科書っぽくて、それぞれの内容は些か喰い足りない。総花的過ぎる。例えばテールリスクについて読むのであれば、タレブの『まぐれ』を読んだ方が深いし、何より読んでいて面白い。また大転換を謳うなら、市場参加者としての視点だけではなく、もう少し経済思想史的な価値観を交えて欲しかったが、著者の経歴からは無いものねだりなのかも知れない。近著であれば、比較の対象として不適当との謗りを免れ得ないが、佐伯啓思氏の『大転換』が遥かに深い。翻訳は良い。ただ、説明がやや冗長なことや、著者の自慢っぽい記述(フィナンシャルタイムスに寄稿したの云々は不要)も気になった。読了する価値はあると思うし、書いた時点で、その後の市場混乱をほぼ読み通せていた点では流石。ただ、一気読みさせる迫力はない。
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