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クチコミ情報
現代イランの現実 監督アボルファズル・ジャリリが実在する少年の現実を映画化したもの。よくぞこういう不遇な少年を見つけ出し、映画化に成功したものだと感心するし、戸籍のないその少年が学校へ行けるよう救い出したという事後談には少しだけ救われる思いがした。
イラン映画は子供を主役にした映画が多く公開されるけれど、これは大人のあり方、現代イランの現実をも大きく映し出す形となった作品。
主役の少年、ファルハードは両親の愚かさから出生届を出してもらえず、戸籍を持つことができなかった。両親は麻薬中毒で、薬の為には自らの戸籍すら売ることも厭わない。当然定職もない。するとそのしわ寄せは全て子供たちに向けられてしまう。ファルハードは戸籍を持たないために学校へも行けず、仕事にもなかなか就くことができない。頼れる者もほとんどいない。そんな中でわずか10歳くらいの少年が大人社会にもまれながらも、時にしたたかに生きていく姿が印象的で応援せずにはいられなかった。
現在のイランは実に過酷で根深い問題を抱えてしまっている。より良いものであろうとするときの足枷が非常に重いのだ。足の引っ張り合いといってもいい。富裕層の若者たちがその現実から逃れるような形で外国へ流出してしまうのも感情的にわからなくない。
ただ、この映画を通して感じたのは、ここにあるような悪循環を断ち切る術を国レベルは当然のこと、個人の中にも早く見出してほしいということだった。イランには子供たちの働く姿がまだまだ目立つ。それはとても尊いことでもあり、その背景である社会と大人のあり方を考えなければならないはずだから。
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