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浦岡敬一

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東京裁判 [DVD]

小笠原清 奥村裕治 南とめ 東京コンサーツ 武満徹 小林正樹 稲垣俊 本間明 西崎英雄 浦岡敬一 
東京裁判 [DVD]
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襟を正してみる歴史

同時代に生きた日本人にとってはあまりにもなまなましく大きな痛みをともなう記憶であったために、この時期の史実の公開と評価はこのころまで待たねばならなかったのだろう。だからかもしれないが、戦後生まれた日本人は基本的な前後関係と事実すらあやふやにしかしらない。だが戦争の記憶をもって生まれ育ってはいない世代の日本人は、襟を正して見るべき映画だと思う。

東条被告が裁判にのぞむ毅然とした態度とその弁明からあきらかになる良識、責任感、愛国心は、私が漠然とうけていたA級戦犯の暗いイメージとは異なっていたし、アメリカのブレークニー弁護人の日本人被告に対しての公正さを求める一貫性、登場人物のそれぞれが異なった立場からそれぞれの使命をこの裁判においてまっとうしようとしている姿に、深い感銘を覚えた。

日本人でいることは、その過去の栄光と挫折、残虐行為と自らの犠牲の上に生きることだと思い出させてくれる秀作。



とにかく観よう。判断は私たち。

とにかく、観よう。
このDVDを発見した 私たちは幸せ。
あの時代を語る人たちが 今や、地球上からいなくなっている。
ましてや、目と耳で記録されている資料がこれだけ残っていたとは。

宝物の中から、取捨選択、とにかく まとめあげた制作者諸氏よ。
心より、感謝。
ありがたや、ありがたや。
鬼畜米英、日本国民を駆り立てた馬力。
膨大なフィルムは残っていたのは当然と言えば当然。

私たちは
知らなすぎることが多すぎる。
「百聞は一見に如かず」
日本国のあの時代を、
キチッと私たちなりに整理して 判断しないといけない。
「東京裁判」を映像化するという大冒険。

最後の判断は私たちがしないといけない。
それにしても、小林正樹監督、膨大なる資料をまとめあげる総責任者として歴史に残るだろう。
ナレーターは佐藤慶。。
佐藤慶にとっても人生に二度と出会えぬ大仕事。
映像と、ナレーション。
大東亜大戦争に突入前、突入後、最後。その後。
そもそも。
「戦争」を裁判することは可能なのか。
ここに宝物あり。
昭和天皇の終戦の詔が朗々とひびいてくる・・・


極東裁判「再考」

この映画を観て思ったことは、
1)この裁判が「政治のショー」であったということはその通り。一般市民への無差別爆撃や原爆投下を行った米国の所業が、ナチスドイツのホロコーストの所業との意味合いの違いを言い立てても虚しく無意味なのは万人が認めると思う。すると、その米国が日本を裁くという行為は、もとより容認できるものではない。2)しかし、310万人とも言われる日本人の犠牲者の多くが一般市民の死と、兵隊の餓死・戦病死で占められていると言う事実を考えると、当時の日本の軍部、特に陸軍が、「国防」以上に、自分たちの利権や存在理由の為に国民を犠牲にした点は否めない。すると誰かが裁かずには形にならない以上、たとえ「ショー」であっても、戦勝国以外に裁く主体は存在しないのだからやむを得なかった点もある。またアジア諸国の犠牲者は一概に日本軍だけのせいではないが、その責任を日本は否定できないのだから自国で自国を裁くことは出来ない以上戦勝国に裁かれる外は無い。「平和に対する罪」という事後立法による裁きの不整合を言い立てても、やってしまった所業の前では、それは小理屈に過ぎない。3)昭和天皇の存在は、戦後日本の復興に間違いなく大きく寄与したのだから、この類稀な帝王を存命せしめたことは結果的には良かったが、筋論として端から「法廷外」に置いたことはおかしい。これは政治的配慮あって、論理的整合性は無い。4)戦勝国米国の各担当は、日本の立場をかなり慮って復興に寄与し、裁判の弁護も徹底してくれたことは評価できる。5)第2次大戦終結まで、或いはベトナム戦争終結まで、「大国の暴力による制覇」が国際社会の「文法」だったことは間違いない。戦前日本の身に余る軍備と大陸進出は、斯様な「弱肉強食」の世界の中での上手とは言えない対応だった。だが今日の尺度で、日本だけを悪徳国家のように裁く発言は、明らかにおかしい。そういう発想は思想の問題ではなく、単に間違っている。
多くを考えさせてくれる良い映画だ。


■戦争因果をレビューする稀有な「視点」を持つ戦争法廷映画

■やはり戦争は、不毛である。このような裁判は、戦争の無意味性の中で死んでいった人間に対する新たな冒涜になるのかもしれない。つまり、このような裁判をする理性のある文明同志が、国家の発動による戦争を引き起こし、多くの生命や資源を戦争目的に徴発していったという愚かな事実を、死者たちはどのようにも受け止められないと思うからだ。戦後の復興、経済的発展の今を考えると、ますます先の戦争で亡くなられた人の「無意味」「無念」に、思いが沈んでしまう。東京裁判は、本来、戦争参加国、総懺悔の恥ずかしいイベントでなければならなかったのだろう。この映画は、できたら、そのような「参加国総懺悔史観」で、企画編集してもらいたかった。戦争を引き起こした日本が、改めて「戦勝国主導裁判」を批判する映画を作っても仕方がないと思う。

■日本国憲法の「国家の発動による戦争」を禁じることに民意が共感するのは、この映画のように、人間を、「妙な覚悟」に駆り立てて、相手を殺さなければ、自分や同胞を守れないという戦場空間・環境に、強制的に人間を徴発するからである。戦場は、本人の覚悟に関係なく、戦争継続を意思する相手を殺すことで、相手の自分への攻撃を終わらなければ、殺し合いが終わらないゲーム空間である。国家に、このようなゲーム空間を作る決断、そこに国民の生命・財産を強制投入できる権限を与えるか、否かが、「憲法9条」の選択の本質である。自らの自衛権の制限にまで及ぶ、「平和憲法」=「9条」の非武装非戦思想は、このような悲劇の反動として確立されたのだろう。改めて戦場という環境を作り出さない努力、すなわち平和の維持の大切さを痛感させる、本当に秀逸な「戦場」映画だった。


魂を鎮めるための儀式

世界のどこかに絶対的な善があり
その対極に絶対的な悪があるという事がないのなら
何かが何かについて絶対的な裁きを下すという事もありえない。
そして絶対的に<公正な裁判>もまたありえない。
対峙する者達がどの地点で納得し妥協するか
ただそれが<裁かれる>だけだ。
ならば法廷とは
多かれ少なかれ
原告と被告を主人公として
その法に縛られるその社会の人々に向けて
判例を演じさせる舞台でもあるのだろう。

では「東京裁判」とはどんな舞台だったのか?

人類史上最大の戦禍があり
多くの国の多くの人々がそれに巻き込まれた。
戦争は終ったが
そこで燃え上がった炎は
まだ怨念の熾火として熱いままだった。
「東京裁判」は
世界中に残されたその炎に
まだ焼かれながら苦しむ魂を鎮める
巨大な儀式を行うための舞台だったのではないのだろうか。

私にはこの裁判の行われた法廷が
世界自身の未来を紡ぎ出すための
苦痛の炎を吐き出す蚕だったのではないかと思える。
裁かれた者たちは
忌まわしい記憶とともに純白の繭の中に封じ込められた。

もしA級戦犯たちが<公正な裁き>の下
無罪になっていたら
敗北を諦めきれない人々により日本国内は分裂し
アメリカも中国も日本への攻撃を再開したのではないかとも思う。

「東京裁判」で日本は死んだ。
日本人自身も含めて
とりあえず世界はそれに納得した。
だから次の戦禍は
日本の頭上をかすめて通り過ぎたのかもしれない。



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日本の編集の第一人者・浦岡敬一氏の回顧録

「サイコ」などの作品を細かく分析しながら編集技術を解説したり、小津、大島、今村など各巨匠との仕事を回想しています。
理論らしきものはそれほどなく、どちらかと言うと体験談なんですけれど、とても参考になりましたっ。



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