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生きる [Blu-ray]

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生きる [Blu-ray]

黒澤明 志村喬 小田切みき 小堀 誠 金子信雄 千秋 実 菅井きん 宮口精二 加東大介 
生きる [Blu-ray]
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「泣ける」映画ではない

この映画で「泣ける」という人には全く共感出来ません

主人公の渡辺は、本当に「生きた」のか?
あれだけ名前を連呼するほど息子を想っていたのに結局分かってもらえず仕事にうちこむしかない
「ハッピバースデー」のシーンでは渡辺に向けられてると思わせておいて実はすれ違う女の子に向けられていたもの
BGMとして「ハッピバースデー」を流せたものを、わざわざ誤解を招くような底意地悪い演出
この映画の裏テーマの「すれ違い」を一瞬で最高の見せ方をした黒澤の手腕に脱帽

通夜のシーンの酔っ払いの同僚達の滑稽な姿は明らかにコメディタッチだし
ラストの全員泥酔気味に奮起した直後の「土木課」も思わず笑ってしまう
仕事にうちこむ志村の演技はもはや狂気的であり視線がこの世に無いように見受ける
手柄を横取りされて周りは哀れみの目で見ているのに、当の本人は公園でゴンドラの唄を歌っていた。こんなホラーはない
彼にとっては手柄も周辺住民もどうでも良かったのではないか
同僚達の行き着いた感傷的な結論も「すれ違ってる」のではないか
どんなに言葉で飾り立てて通夜で泣こうと、渡辺は結局一人寂しくあの公園で死んでいったのである

この映画を見て「人生を無駄にせず生きよう!」と思われる方も中にはいらっしゃるようだが
それを実現出来る人、した人が果たして何人いるのか?
劇中でも「死に直面しなければ到達出来ない領域」と何度も念押しされている域に、人間は行けるのか?
あの「土木課」を聞いてこんな事をやすやすと決意する人の気持ちが私には理解出来ない

人間の「生」に対する黒澤の容赦無い冷笑的な視線が恐ろしい
黒澤はこの映画を見て泣く観客を笑っているのではないだろうか
あの男の姿にそんな安っぽいヒューマニズムを見出だしたのかと
そんな疑問が頭をもたげて仕方がない



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PC・家電・CD・DVD  |  2009/11/26