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クチコミ情報
きわめて中身の濃い一冊鳥取県の片山知事の改革についての本だが、中央、地方行政の問題点についても多くの言及があり、なぜほとんどの改革葉失敗するのか考えるのに非常に有益な一冊。
筆者は片山知事の改革手法は誰にも真似できるものといっているが、それは言い過ぎだろう。片山知事の偉大な点は地方、中央の行政に精通してながら、知事が「オープンな場での議論」という信念を貫いたことであろう。他の知事は頭は良いのかもしれないが、彼のような良い意味での頑固さにかけていると思う。とはいえ田中康夫や石原慎太郎のような個人のカリスマ性や国民の人気に頼らないで、至極真っ当な手法で改革に成功したということは、我々一般国民には大いに勇気づけられるところでろう。
筆者は片山県政の最も基本的なキーワードは情報公開だとしていたが、私は議会重視と言い換えたほうが適切だと思う。片山知事が県議に対しときには庇い、ときには挑発的な態度をとって彼らが本来の仕事ができるように仕向けたことが、改革成功の最大の理由だと感じる。マスコミや議員に事前に情報を公開せず、全て議会で議論すると、自然と正しい意見が通るようになると筆者は言う。そのようにして議員の意欲を引き出した結果、県議が自ら予算の削減を提言し、財政課は予算消化をやめさせ本来の予算を削る仕事ができるようになった。このような点が県議との対立で落選した田中康夫との徹底的な違いであろう。
本書が意義深いのはこのように改革の成果を語るだけなく、改革の痛みや一知事の力ではどうしようもない国と地方との関わりなどにもスポットを当てている点だ。とくに予算を削られて倒産した土建業者の話や地方道路の必要性などは、マスコミが取り上げない話なので目から鱗だった。
国民はマスコミにパフォーマンスを行うタレント知事にすぐ目がいってしまうが、真の意味での改革者とは、片山知事のような高い専門知識を持ちながら市民感覚を失わない人物なのではないだろうか。
鳥取の情報公開の凄さの証拠改革派知事(-2007)として知られる片山氏の仕事・言動・周囲への影響を中心に,公開された内容や取材の結果得た内容をまとめた好著.マスコミ報道の表面をなぞった内容ではなくって「取材に基づき事実を述べる」という態度で書かれていると思う.出版が2004年なので二期目については述べられていない.
本書の良さのほとんどは片山善博という地味でありながら傑出した人物を題材にしたことと,地道な取材に基づいていることにある.タイトルが本書の内容をかなり的確に表しており,タイトルと著者略歴(鳥取勤務を経た新聞記者みたい)から中身を予想して買ったならば買って損したと思うことはない.基本はテレビでも紹介される「徹底した情報公開」なのだが,その意義を伝え,実現させ,波及効果を得る過程が詳しく書かれている.僕は,度胸とまともな人間性と人並の知性があれば,片山氏の手法のかなりの部分はまねできると思った.また,「言葉や駆け引きの極端な上級者であること」と「(知事などの)権限を得ること」なしに真似したら組織によっては相当の嫌がらせを受けるとも思った.
ちなみに,県議会議員や県庁幹部職員の発言は基本的に発言者の実名や肩書や年齢とともに紹介されている.このような内容の本が出ること自体が,鳥取の情報公開の凄さの証拠になっていると思う.
片山知事の改革を読みやすく紹介 片山鳥取県知事はいわゆる改革派知事であるが、口利きの情報公開、議会運営方法などによる議会とのあつれき、国・他の知事などに対する遠慮ないコメントなどがマスコミで断片的に報じられるだけで、「優秀だけどお騒がせな知事」というイメージが強いのではないか。 しかし、この本を読むと、知事が、必要性が高い順に優先する施策を選びながら、周到に手順を踏んで改革を実行していったことがよくわかる。近年、国でも地方でも「改革」がしきりに言われるが、大騒ぎするだけで改革の実があがっていないケースが多い。その意味で、知事の手法はとても興味深いものであり、行政関係者には必読の本といえる。一方、住民が読んでも、適切な知事や市長を選ぶことがどんなに重要かを再認識できる本である。
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