巻末の「知里幸恵東京での129日」(幸恵の日記や手紙金銭出納帳によって再現)は良い資料だった。彼女は死の直前まで何を見て何を考えていたのか、推測できるようになっている。特に知りあいのアイヌが死んでとても苦しんだ数日後に、自分が子守りをしていた金田一春彦(当時赤ん坊)が井戸に落ち、九死に一生を得た辺りはひどく感動的である。井上ひさしが劇として脚本を書いてくれたらとても面白いのが出来るのになあ、などと想像してみる。