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クチコミ情報
歴史のダイナミズムを味わえる歴史が嫌いになる大きな原因の1つが
1つひとつの出来事が連鎖して歴史を織りなしている、
ということが実感できないからであると思う
かくいう私もハズレの歴史教師にばかりあたり
歴史は年号を覚えることだという認識で大人になった
これでは面白いはずがない
しかしこの本は教科書で見かけた出来事が
見事な一幅の絵巻物のように織り込まれていて
なるほどなるほど、とするすると読めてしまう
ジュニア新書なので、文章も非常にやわらかく
読む者をこばまない丁寧な語り口で
歴史初心者には敷居が低くてよい
歴史の面白さを知る1冊
砂糖は世界を動かしたこういう本こそ、長く読み継がれてほしい。すばらしい歴史啓蒙書である。
砂糖が中世にイスラム世界からヨーロッパに伝わったときには、コショウなどと同様に宝石なみのぜいたく品だったらしい。しかし、その純白の魅力と、どんな食品よりも強烈な甘さのために、砂糖の需要の伸びはとどまることを知らず、大量生産の方法が開発され、やがて「世界商品」として流通することになる。本書は、その生産と流通の広がりにいかなる人々が関わっていたかを、わかりやすくも精密に解説していく。
大航海、プランテーション、植民地支配、奴隷売買といった近代ヨーロッパ史の重要事項は、このような魅力ある商品の開発と、それをめぐる人間の果てしなき欲望を横糸として、ダイナミックにつながっていた。そして、もちろんわれわれが現在享受している消費生活も、そのダイナミズムのさなかにある。したがって、資本主義の原点を知るという意味でも、本書は格好の入門書であろう。
このような近現代にまたがるマクロな視点からの解説の巧みさもさることながら、著者はイギリス史の専門家なだけに、紅茶に砂糖を入れて飲む習慣がロンドンのコーヒーハウス(コーヒーだけでなく外来のさまざまな嗜好品を提供していた)を中心として一般家庭にも広がっていった様子など、都市生活に的をしぼった描写も見事である。
あとがきによれば、本書のように歴史から個々の事象を取り出すのではなく、ひとつながりの流れとして捉える手法を「世界システム論」というそうだ。読者に新しい歴史像を見せてくれる点で、世界を民衆生活の様態から捉える「社会史」の手法にも通じている。非常に興味深いジャンルである。
砂糖を通して知る甘いだけではない世界の歴史「現代の世界はひとつだとは、よくいわれることですが、その意味を正しく理解することはなかなかむずかしいことです。しかし、『世界商品』の生産から消費までをじっくりたどれば、それも十分に達成されるはずなのです」。
タイトル通り、砂糖を中心に世界の歴史をたどる。特に、ヨーロッパとそれ以外の地域との間の結びつきが、砂糖、プランテーションの発展、お茶など関係する様々な物資の交易との関係、文化や政治変化、産業革命と人々の食生活の変化といった様々なポイントとともに包括的に理解できるように書かれている。
適時、白黒写真や、グラフや、地図も入っていて、理解を助けてくれる。高校生向けに書かれていて読みやすい。教科書とはちょっと違う角度から世界史を眺めることができる。もちろん、大人用としてもそれなりに面白く読める。
砂糖は元々高級品だったとか、薬として使われていたとか、紅茶に砂糖を入れることになった経緯も紹介されている。ローマ教皇庁の枢機卿が「チョコレートは液体だから、それを飲んでも断食に違反したことにはならない」という回答を考えたという、ちょっと笑ってしまうエピソードも載っている。砂糖の原料としては長年さとうきびが利用されていだったが、南方に拠点を持たない国々がヨーロッパでも栽培可能なビートも原料にできるように研究開発したという話は興味深かった。もちろん、日本と砂糖のかかわりについても書かれている。
主に西洋史を扱っている以上、主要な人物名や用語については、付録でいいから英語索引もつければよかったと思う。
基礎知識不要でスラスラ読める。 友人の世界史教師が薦め、雑誌『諸君!』の推薦図書にも挙げられていたので、暇な時に少しずつ読んでいった。高校生あたりを読者に想定したらしい、「ですます調」の文章は基礎知識を全く必要とせず、寝転びながらでもスラスラ読める分り易さ!
でもって、「へえ〜」と思わせるような歴史上のトリビアが頻出。ただ本書を読んだからといって急に世界史の成績が伸びる事は無いと思う。扱っている事項は世界史のごく狭い範囲です。ただ本書をキッカケに世界史上の出来事の有機的繋がりを意識するようになるのが効用でしょう。
図版の多い点も高ポイント!
難しい話をわかりやすくという困難な課題に挑戦砂糖を通じて近代史の一側面を語る好著である。
「あとがき」にもあるとおり世界システム論と歴史人類学の手法をもって記されているが、難しい専門用語はほとんど出てこない。平易な言葉で、文字通り高校生にもわかるように記されている。大航海時代、植民地、プランテーション、奴隷制度、三角貿易、産業革命といった高校世界史の教科書や参考書には必ず出てくる重要用語を使い、高校世界史と学問としての世界史の接点を作ろうとする試みに好感が持てた。
本来、「砂糖あるところに奴隷あり」というように生産に集約的な労働を必要とする砂糖はプランテーションや奴隷制度といった近代ヨーロッパの植民地支配の手法と非常に相性がよかったということも新たな発見であったが、イギリスやフランスの植民地支配の主要な手段となっていたことはある種の驚きでもあった。本書に紹介されているような砂糖プランターの膨大な富というものは初めて知ったことである。
また、砂糖が紅茶やコーヒー、チョコレートといった他の世界商品と結びついてヨーロッパ世界に定着していく過程も興味深かった。新世界からの新しい、そして高価な商品の組み合わせは当時の世界では光り輝くような魅力を持ったものと想像できる。大量に輸入した紅茶と組み合わせることによって大量に砂糖を消費するようになったイギリスと植民地で大量に砂糖を生産するも自国であまり消費せずに輸出するフランスといった各国ごとの砂糖の受容が異なることも面白い。
まさに砂糖は近代世界システムの寵児であったといえるだろう。そして近代の終焉とともにその地位を下げたことも印象的である。
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