![黒薔薇昇天 [DVD] 黒薔薇昇天 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/21JSQAKXR8L._SL500_.jpg)
|
クチコミ情報
岸田森という畢生のファナティック演者と、谷ナオミという最上のエロスを体現する女性が、名監督神代辰巳のもとで作り上げた稀代の映画芸術 何を今更日活ロマンポルノなのかと思う人も多いかも知れません。性欲処理の実用品としても、鑑賞すべき作品としても過去の遺物となってしまった訳ですし。しかし70年代ポルノの名作は「今だから発見できる新たな価値」を探せる、映画表現の宝庫なのです。
この作品も当初の興味は敬愛する名優岸田森の壮絶な演技が見られるという所にありました(ロマンポルノに出ていたというのがそもそも衝撃でした)。そして実際見てみたらこれがまた怪演で作品の規格をぶち破る存在感で本当に見事。最高の被写体を求めて半ば脅迫的なやり口で幾代を責める姿は、我々が岸田氏に期待しているあのファナティックさそのものです。そして「京都買います」や『曼陀羅』で演じた“実際の恋愛・痴態の実行者たり得ないインテリの悲劇と断念の愛”をついに本作では突破しました。カメラのフレームを「覗く」側から性の饗宴の「主体者」へ。実生活では結構な女好きだったという岸田森が本領を発揮します。彼のフィルモグラフィー上重要な作品になっていると思います。
そして何と言っても谷ナオミが絶品です。「初代SMの女王」の実作品を見たのは初めてでしたがこんなにもいい女だったなんて!! 「おんな」というものを200%感じさせるいやらしい体つき。高貴な身分を演じても十分な説得力を与える顔立ち。そして何と言っても演技力の確かさがあります。肉欲に堕ちていくその恥じらいと恍惚を艶めかしく、しかしノーブルに体現します。それは性=生の悦び。セクシーアイドルは量産されていますが、若さのみの魅力は過ぎ去るのが早くただ消費されてしまうだけです。青い果実は熟成されて味わい深いワインへ。女性の魅力というものを再認識させられる機会にもなりました。
ポルノも素晴らしいスタッフの手によって最上のエロスを表現し得た時、それは後世に残すべき映像芸術たり得るのだと言うことをまざまざと見せつけます。一級品の映画です。
わいら芸術つくってますねん神代監督、谷ナオミ主演の一見、ポルノですが、精神異常すれすれぶりを遺憾なく発揮した岸田森の存在感に圧倒される作品です。
強請と暴力と猫なで声の岸田森は鬼気迫る演技で、主役を食いまくり、神代監督は岸田森をキャストで選んだ時点でロマンポルノを放棄しているのではないかと思われます。
岸田森はブルーフィルムの監督役で女優の我儘に「わいら芸術つくってますねん」と言いくるめていますが、これは神代監督の抗議そのままでしょう。
この作品では岸田森のイメージであるブルーブラッドはあまり見当たりませんが、アナーキーさに一層、磨きがかかりながらも、陰影を帯びてしまう素晴らしい芝居が見られます。
岸田森ファンのマストバイと思える作品です。
|