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クチコミ情報
地裁無罪、高裁有罪、最高裁上告棄却、有罪確定。外務省機密漏洩事件、74年東京地裁判決、被告人三木昭子懲役六月執行猶予一年、被告人弓成亮太無罪。驚いた。第三巻ではそこから76年東京高裁判決、弓成被告懲役四月執行猶予一年、国家公務員法111条「そそのかし」行為に該当し逆転有罪。そして最高裁上告棄却の決定。取材手法に違法性、正当な取材を逸脱、「そそのかし」に該当し有罪確定となった。沖縄返還にまつわる密約を国民に伝えようとした記者の取材には意義があり、密約は協定の実態を隠蔽するものであり、本件報道がなければ、永久に国民と国会の討議はなかったことになる。しかし同時に人間として記者として見下げた輩の烙印を押される。公共的使命を扱う報道機関の記者として取材の正道を逸脱、その社会的非難は大きかった。後に毎朝新聞は弓成事件で会社更生に行くはずだ。弓成は尊大で一方的で「そそのかし」は執拗で、囁きと酒で一線を越えても毎日のように電話で執拗に書類を「頼む」の一言、これが毎朝新聞の記者なのだろうか。こんな弓成の為に三木昭子は馬鹿なことをしたものだ。弓成は、三木昭子は当然、その主人琢也氏、弓成の妻由里子、二人の子供、実家の両親、皆に余計な大変な迷惑と損害を与えたことは忘れてはならない。弓成本人は実家の北九州の弓成青果に帰るが、経営はうまくいかず結局九州青果に吸収となる。落ちるまで落ちた。女性事務官の人格の尊厳を著しく蹂躙したこと、何の条件も付けず、親しくもない社進党の横溝議員に対し、部下に電信コピー現物を持たせるなど、これが毎朝記者だろうか。米国の方針は、沖縄返還後も米軍基地機能に支障がないこと、カネは一切出さないことだった。国民は国家機密も知らずに、平和裡に祖国復帰させたことで佐橋元総理はノーベル平和賞を授与された。
非常に読ませるストーリーだが著者にはもっと期待したい 沖縄密約に関する政府の秘密保持対国民の「知る権利」を争うの裁判が展開されていく。熾烈な論戦が裁判所で交わされる一方で主人公は職業的に抹殺され、家族も崩壊の危機にさらされる。検察、弁護士、外務官僚、政治家たちがそれぞれの立場でそれぞれの組織原理や正義を貫いてゆくドラマチックな展開を堪能できる。
確かに面白い小説なのだが、これまで著者の作品で読んできた「不毛地帯」「白い巨塔」「華麗なる一族」「大地の子」「沈まぬ太陽」などに比べると、ズシリと腹にくいこんでくるような人間や社会存在の描写が少ないように思われる。裁判経過が多く、公判答弁や判決文などの文章が多いからだろうか。本事件は行政判例100選に掲載されているような有名な事件であり、その法律的解釈に関する説明よりも、著者の抜群の構想力が発揮される人間ドラマにより重点を置いてほしいと思った。
緊迫の公判場面。人を裁くというのはなんと難しいものなのか?改めて思う。人は時として不可解な行動をする。
弁護士の論理の組み立て方、論点をどこに持っていくかで人々に与える印象もかなり違ってくる
のも事実であろう。法の解釈というのは人々の捉えかた、個々人のベースとなる思想や主義によっても
千差万別の答えが出てくる。また、情に訴えかけられると弱いのも人間である。
弓成が堕落していく様は他人ごとではない気がする。こういうことは誰にでも降りかかってくる
可能性のあることではなかろうか?ましてや家族の方々に同情を禁じえない。
4巻の発売が待ち遠しい澤地久枝の『密約』を読むと、実名がすべてわかります。
弓成記者が極秘文書を渡した議員は、あまりにも軽率だったと思います。でも、まだ議員やってるんですね。
そそのかされたのは、日本国民。今も昔も権力の構図は変わっていません。いや、弓成さんのような記者はもういないから、今の方がひどい。アメリカでは当時の文書が公開されているのに、麻生首相「密約はなかった」だって。
あー、早く4巻が読みたい!
啓示山崎氏の作品は、いずれも小説の域を超え、実話に基づいた社会問題、国家や大企業の欺瞞を緻密な取材と筆力で暴く壮大なストーリーで常に我々に何かを啓示している気がする。氏の書かれる題材・スケールにはその都度圧倒され、私たちの気付かぬ、また立ち入る事の出来ない分野に、作家という腕力を持って敢然と立ち向かい挑戦し続けている。この小説にも年齢を重ねても衰えることのない信念と情熱を感じる。沈まぬ太陽が日航であったのと同様、運命の人は憲法21条言論・出版の自由という基本的人権と国家権力を問う壮大な物語だ。正義を貫こうとした主人公弓成は国家権力に捻り潰される正に運命の人である。しかし弓成は潰されるだけでなく、自らが犠牲になることで言論の自由・メディアのあり方を訴え続けるという近代史にも類稀な運命を背負って生きることになるのだ。誰のための国家機密か。誰のための政府か。報道機関の意義とは何かを山崎氏は問い質したかったのではないだろうか。氏がいなくなれば誰が筆力を持って現代社会の歪を正すのか不安さえ感じる。時の総理大臣佐橋は在職中の痕跡として、なんとしても沖縄返還という金字塔を成し遂げたかった。己の名誉のためには国民のことすら一顧だにせず密約を交わす。その命を受けた外務大臣は米国の理不尽な要求を呑み、外務省幹部も皆ひた隠す。警察庁・最高裁をもコントロールする国家権力、検察の驕り。この問題がこのまま過去の出来事と葬り去られていいのだろうか。記者生命を賭して報じた沖縄返還の裏・外務省極秘電信分。権力は国家の犯罪すら巧妙に下世話な『情通』に掏り変え、世論をコントロールし、弓成一家の運命をも歪める。国民を欺くために秘匿した国家機密。それ自体が最大の犯罪ではないのか。最高裁にも控訴棄却されたこの問題を、氏は小説を通じ世論に問いかけているのではないか。この小説で最高裁の判決が果たしてすべて正しいのだろうかとも思える。憲法21条をもう一度問い質す作品だ。政府は国民のためにある。政府の欺瞞を暴く事は報道機関の役割ではないのか。ストーリーよりもこの作品には、いまだ『密約はなかった』と嘯く政治家・国家権力を正す一石をなることを期待したい。メディアの役割。主人公弓成の運命の真の意義を現実のものにして欲しい。
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