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道鏡

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道鏡

道鏡(どうきょう、700年? - 宝亀3年4月7日 (旧暦) 4月7日(772年5月17日))は、奈良時代の法相宗の僧。物部氏の一族の弓削氏の出自で、俗姓が弓削連であることから、弓削道鏡(ゆげのどうきょう)とも呼ばれる。兄弟に弓削浄人。施基皇子の子とする異説もある。
河内国若江郡(現在の大阪府八尾市)に生まれる。若年の頃、法相宗の高僧義淵(ぎえん)の弟子となり、良弁(ろうべん)から梵語(サンスクリット語)を学ぶ。また大和国(奈良県)の葛城山に篭り密教の宿曜秘法を習得したとも言われる。
看病禅師として内道場に出仕し、天平宝字5年(761年)、保良宮において孝謙天皇(女帝・後の称徳天皇)の病気を治して以後重んじられた。藤原仲麻呂の乱の後、763年に少僧都に任じられ、765年(天平神護元)に太政大臣禅師、翌年には法王となり、仏教の理念に基づいた政策を推進した。豊前国(大分県)の宇佐神宮より天皇の位を道鏡に譲れとの神託がくだったが、和気清麻呂が勅使として参向し、以前の神託を否定し、即位計画は破綻して皇位が護られた。770年に称徳天皇が病死すると、道鏡は下野国の(現・栃木県)薬師寺別当に左遷され、ここで没した。宝亀3年4月7日 (旧暦) 4月7日(772年)、都に道鏡死去の報が届いた。

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日本の女帝の物語―あまりにも現代的な古代の六人の女帝達 (集英社新書 506B)

橋本 治 
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遠かった奈良時代に、血の通っている人たちを見ました。

『日本の女帝の物語』は奈良時代の日本史でもあります。
歴史好きといえども、奈良時代が一番好きという人はいないのではないか。個人的にも、幕末>戦国>江戸>古代>明治>平安>鎌倉>安土桃山>室町>奈良? くらいの感じです。それぞれの人によって色々あると思います。あとは、司馬遼太郎さんを初めとする、フェイバリットを産む作家たちの影響によって、このランキングが変動するでしょう。

幕末や戦国時代が好まれるのは、自らの意思で歴史を勝ち取るのだという、キャラクターが立っている時代だから。
キャラが立っているなんていうと安っぽく感じるかも知れませんが、何かを好きになったり嫌いになったりする入り口は、大抵この周辺から受けるインプットをどう処理するかによってきまります。
もっと楽にいえば、理屈ではないところで好悪の感情がよばれてきます。

この本を読んで奈良時代の女帝たちのキャラは、かなりの立ち具合だということがわかります。
遠くから見て魅力的な人は、大抵ちかくにいるとめんどくさい人なのですが、特に孝謙天皇は、こわいくらいです。
ここでいう”こわい”とは、やはり男は女性の本質を理解できないところからくるこわさです。

作者は僕の心理を見透かしたように194ページでこう書きます。
(奈良が女帝の時代であると同時に、藤原仲麻呂の時代という前段があり)……”この男が、根本のところで「独身のまま権力をふるう誇り高き女性をバカにしていた」というドンデン返しがあって、女帝の時代は終わってしますのです。”

一番遠かった時代が身近に感じてくる一言でした。
この文章にある”この男”は、もちろん藤原仲麻呂なのですが、現代にいる僕たちでもあるのです。

まだあるのですが、このへんで!


知らなかった話

あまり知られていない古代史にメスを入れて 更に読みやすくしているだけでも非常に価値がある本です。歴史物として続きが読みたくなりました。今回の本は橋本治しか出来ない仕事がじゃないかと



橋本治氏が読み解く、女帝の時代だった古代日本史

著者が「おわりに」で述べているように、「双調平家物語」の副産物であり、「あまりにもおもしろい話だらけ」で「あまり知られていない」古代の女性天皇6人・8代の時代を解説する。各女帝の現代的側面を捉え、各々が「見えない壁」、つまり周囲の「男達の考え方」に行き当たる様を描く。特に考謙天皇は「男女の機会均等」を前提にしながら、その状況整備がいい加減なため「中途退職」を余儀なくされる女帝だとするあたりは橋本治節全開。

本書は分かりやすい比喩や現代語を多用しつつ、11枚の系図で人間関係を整理し、応神〜継体天皇の時代に遡って記紀等文献を読み解き、合理的な推論を交えて、天皇の血筋の女性の果たした役割、男女を問わず1人前の皇族なら天皇として認める素地があったこと、当時の天皇は絶対的権力者だったので、一旦即位するとしたい放題の女帝がいたことの指摘も忘れない。史上初の生前譲位をしたのも、上皇になったのも女帝である。そして各女帝の即位の背景(他の天皇即位の阻止や皇統維持)及び後継者を巡る幾つかの暗闘、各女帝の治世の性格(傀儡だったり、統治に積極的だったりする)を前後の男性天皇の時代も若干含めて語る本格的な古代日本史入門となっている。例えば考謙天皇、称徳天皇は別の称号と思っていたが、長い称号1つの前半と後半であり、かつ皇帝と称していたこと、存在感が薄いと思っていた孝徳天皇が意外に陰謀家だったかもしれないことは、本書で初めて知った。

女帝の時代に大きな影を落とすのは天武天皇。天智天皇の娘である持統天皇以降、天武天皇の血筋を遠ざけてきたのは事実。天武天皇の正体や、皇室の菩提寺で天武〜称徳天皇はどのように扱われているか興味がある人は逆説の日本史2を読むことを勧める。

本書での道鏡関係の記述はあっさりだが、それは読んでのお楽しみ。



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女帝の手記―孝謙・称徳天皇物語 (4) (中公文庫―コミック版)

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愛に生きるか非情の権力か

誰しも一旦権力の座に上りつめると、どうしてもそのロジックに雁字搦めになって行き着くところまで行かなくて納まりがつかなくなるものなのだ。藤原仲麻呂しかり、孝謙・称徳天皇しかり。権力は非情だ。愛は憎悪を同時に育くむという。そのパラドクスを二人は具現した。いいねえ。見事だ。その欠落を補うべく道鏡への愛を注ぐ称徳天皇のいじらしさ。称徳天皇への道鏡の一途な献身。天皇の系譜への執着か、それとも強者の支配が正統であるべきなのか? 女帝というありかたの捩れが至るところで噴出した稀有な時代の物語。登場人物のいづれにしても読み手は感情移入できて引き込まれずにはいない。それにして和気清麻呂はこの物語の特に第五巻の要であるのだけれど、僕はこの清麻呂の苦悩と決断にはさらなる物語が加えられてもおかしくはない何か大切なものがあると思う。なぜ清麻呂が称徳天皇の意に背いたのか? 面白いところだ。
現世で成就されない愛の悲哀と美しさが克明に描かれたメロドラマの秀作であることは間違いない。


歴史の真実は誰にもわからない

道鏡といえば、傾国の悪僧。そして孝謙・称徳天皇といえば藤原氏や道鏡の愚かな操り人形。私が受験日本史で習ったのはそんな一言で片付けられるものでした。でも、遥か昔の歴史も所詮は人間模様の織り成した結果でしかありません。歴史の真実は誰にもわからないのです。
阿部皇女という一人の女性が、日本を統率する女帝としてあるために、女であることを超えようともがきながら、ついに超えることのできなかった、哀しい物語。女性は愛を道しるべとして生きてゆくから、こういう結果になるのでしょうか。現代社会で自然に男性と同等に働いていると、女性でも発想が男性と同じようになってきますが、この物語は、忘れかけていた女性という生きものの性(さが)を見せてくれます。


そして、女帝の時代は終わる

阿部内親王の物語の最終巻。

道鏡の柔らかな愛を選び、反藤原の宣言をする孝謙上皇と、自分を政治のコマとしてしか愛していなかった仲麻呂との決戦。上皇は勝利し、自ら称徳天皇となり政治を司る。

しかし、天皇の傍らには仲麻呂のあとに道鏡がいる。天皇は藤原の変わりに他氏族をとりたてようとする。行っていることは、本質的には氏が変わるだけで何も変わらない。

遠くから歴史を眺めているから言えるのであって、阿部にそれを要求することはやはり無理だろう。宇佐八幡の信託を(自ら判断し)告げた和気清麻呂と広虫を遠ざけるのも道鏡への愛ゆえなのだから。

「寵臣(ちょうしん)」という言葉がある。「忠臣(ちゅうしん)」という言葉がある。小さい「ょ」と「ゅ」の違いだけだが、こんなにもひびきが違ってくる言葉はそう多くない。

道鏡という忠臣を寵臣とした阿部は女ゆえ、純粋に道鏡を寵した。これが、阿部の「普通の女」への憧れと、自分の立場に対する反抗だったのだろうと思う。

阿部を最後に女帝の時代は終わる。江戸時代の後桜町天皇がその後唯一の女帝である。

古代日本に想いを馳せて

星暦672年の壬申の乱を境に、皇統は天智天皇系から天武天皇系へ移る。そしてまたこの物語の主人公である孝謙・称徳女帝の治世を最後に、再び皇統は天智天皇系へと移る。聖武天皇と光明皇后(藤原不比等の娘)との間に生まれた後の女帝・阿部内親王は、幼いころから天皇家を外戚関係を結び、政治の実権を握ろうとする藤原氏の野望の真っただ中で成長し、やがてその野望のため、藤原氏の力により皇太子となり、一生結婚できないという運命を背負う。

天武天皇系の最後の女帝の生き様と苦悩を描いた珠玉の逸品です。


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弓削道鏡〈上〉 (文春文庫)

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ロマンスではなくロマンを描いた巨編

 とかく性的魅力で孝謙女帝を支配したという噂もつきまとう怪僧・弓削道鏡。これはそうした下世話な要素は排した上で、政争の荒波の中で何かをなそうとした男と女のロマンを見つめた長編小説だ。けっしてでたらめに生きたわけではなく、強い意志をもって時代に果敢に挑戦し、そして敗れていった人々の人生が魅力的に描かれている。


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