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長谷 敏司

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あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

長谷 敏司 
あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
定価:¥ 1,680
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「死」をテーマにしたSFの傑作

なんという物語だろう。初めて読む作家だけど、この小説は今年読んだSFの中でもベスト1に挙げてもいい。

死に直面した研究者が人工知能と向かい合い、死とは何かを見つめていくという小説は、甘いところは一切ない、硬質で無機質なもの。迫りくる自分の死への恐怖の描写が真に迫り、読んでいても、自分の末期を想像させられ、恐ろしくなった。

ここまで、死と向き合うSF小説は読んだことがなかった。SFでも、人間は将来、肉体という枠から解放され、人格転送といった形で永遠の命を得るというようなものはよくあるが、この小説は、そのアンチテーゼともいえる。
AIや人格転送といった技術が発展し、人間の脳や人格をコンピュータ上で再現できたとしても、それは肉体を持たない以上、人間にはなりえない。

救いのない結末だが、最後に「wanna be」と呼ばれる仮想人格との会話は切ない。彼女のための「あなたのための物語」は、この結末なくしては完結しなかったろう。

再読するのが、ためらわれるような衝撃を受けた作品だった。



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円環少女 10 運命の螺旋 (角川スニーカー文庫)

長谷 敏司 
円環少女  10 運命の螺旋 (角川スニーカー文庫)
定価:¥ 660
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凄まじい、の一言

今回の要点は、舞花の帰還、悪鬼と魔法使いの合同会議、メイゼルの過去、そしてラストの大展開です。
本書の多くを割いて語られる、メイゼルと円環世界に起こった出来事は、戦慄としか言いようがない凄まじいもの。
相変わらず回りくどかったり、大仰に繰り返したりする説明、表現ですが、これはもう、そこだけは絶対に譲れない物語の要点であると認識し、「そういうものだ」と理解して先に進むほうが良いです。
この辺の読みにくさ、難解さがまた、円環少女の魅力の一つでもありますし。
仁のバトルはもう凄惨で、首の皮一枚どころか、無理やりだろ!と突っ込みたいものですが、
この辺のボロボロ感もまた、円環少女の魅力の一つでもありますw
 
各勢力のトップも舞台に立ち、とうとうクライマックスへのお膳立ても整いました。
これだけ強者が出揃うと一つ気がかりなのが、今回もいい味を出していた「コロッケ人間」ことエレオノールの活躍の場があるのか?ということです。
ナイスキャラが乱立する円環少女の中でもベストキャラだと思うので、是非今後も出張ってもらいたいですね。



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円環少女 (角川スニーカー文庫)

長谷 敏司 
円環少女 (角川スニーカー文庫)
定価:¥ 580
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読み応えを求める方へ

この作品は、ライトノベル至上最高傑作だと私は思います。
よく、難解とか文章自体が読みにくいと言われますが、ライトノベルだけでなく、普通に文庫小説等読む人ならば問題ないレベルだと思います。
とっつきにくい理由は、文章が難解だからではなく、設定自体が難解・複雑だから、というのが大きいでしょう。
魔法使いと人間の関係のみならず、多数ある魔法世界の魔力の出現の仕方までこと細かに説明するものだから、この第1巻は読者にとって非常に高いハードルとなっているのだと思います。
しかしその複雑さこそが、読者に想像の余地を広げ、読解の力を与え、深く心に刻み付けるのです。
一人ひとり立ちまくったキャラ設定、心沸き躍る魔法バトル、国際的・政治的な対立の構図。
全体のプロットもかなり緻密で、読み進めるほどにのめり込めます。


秀逸な舞台設定と読者に挑戦する文章

「円環少女」は、現在を舞台に魔導師らの戦いを描いたファンタジー。
ここまではよくある設定なのだが、秀逸なのはその世界観です。
舞台となる地球は、魔導師達にとっての地獄。
登場する魔導師は、異世界から島流しにあった犯罪者、もしくは侵入者。
人類とは、観測するだけで強大な魔術をも打ち消してしまう、魔導師達が恐れる60億もの悪鬼。
普通の主婦に、学生に、何の特殊能力のない人々に、ただ見られただけで、聞かれただけで、五感により認識されただけで“神の奇跡”は霧散してしまう。

すごくないですか?この設定。
魔導師にとっては、見つかったら終わり、60億の敵という絶望的な状況下で展開されるメタルギアソリッド。
はたまた、マトリックスに侵入したザイオンの戦士――ただし、周り全員がエージェントスミスみたいな。
魔導師と人類をこのように定義したところが面白い。

あらすじは――
敵対魔導師100人を打ち倒さねば許されない罪を背負う主人公メンゼル。
それぞれ別の目的を持った、幾千を数える魔法勢力同士の抗争。
魔導師たちは、人知れぬ山中を選んで強大なマジックバトルを繰り広げます。
ところが、その戦闘は人類側の国家機関の知る事となります。
魔法発生を感知すると同時に、日本政府は地の利、数的優位を活かし、1個小隊もの対魔導師特殊作戦部隊を投入します。
部隊員は、全員が魔法を効率よく無力化する訓練を受けており、最新テクノロジーを投入した兵装で魔導師を殲滅しに向かいます。
悪鬼の中の戦士。鏖殺戦鬼(スローターデーモン)部隊。
もちろん、魔法を無力化された魔導師らに対抗する手段はありません。
≪沈黙≫と恐れられる戦闘技術により音も無く殺されるか、捕獲され研究材料とされるだけ。
鏖殺戦鬼部隊到着までの30分が勝負。
円環大系の使い手メンデルは、最強の聖騎士エレオノールは、染血公主ジェルヴェーヌは、
それぞれの敵を打ち滅ぼし、目的を達し、鏖殺戦鬼部隊の魔の手を逃れきる事はできるのか!!!!

・・・てな、展開を途中まで想像していたんだが――
全く違いました。(上のあらすじは半分以上間違いです)
思ったより人類側が弱いというか・・・。
進んで不利な戦闘を繰り返しているというか・・・。
もっと特殊設定を活かしてほしいというか・・・。
過度に期待しすぎただけでしょうか?
でも、複数のリミテッドな舞台装置を使った方が、よりスリリングになると思ったんですけどね・・・。

それから、他の方もいっている通り、作者は文章が下手なのかもしれません。
読み進めるうちに、主語や目的語を見失うと言うか・・・混乱すると言うか・・・。
私は、P132〜133の流れが、誰の身に起こった出来事なのか分からなくなり、5分間立ち止まりました。

先のレビュアーさん達が書かれた、「何をやっているのかわからないが、何をしたいのかは伝わってくる」や「描写力が無いのか?読解力が無いのか?」は至言です。


美少女、恋、魔法、戦い

「灼眼のシャナ」と「絶対可憐チルドレンズ」が合体したようなお話です。
一般の人には知らされていないが、世界には古より魔法使いが多数来訪している
という設定の現在の日本が舞台。
魔法使いたちは、2つの陣営に分かれて、時に人間を巻き込みつつ戦いを繰り返
している。各国政府は魔法使いの存在を一般人には秘密にし、魔法使いを保護し
つつ利用している。

そんな世界の気の強い小学6年生の魔法使い(円環魔法を使う魔女)が主人公です。
この少女を保護監督している政府の保護官(20代前半の男)任務の範囲を超えた
真剣さで命がけで少女をまもる。そして少女は、そんな保護官に恋してる。
でも、保護官はエージェントが、少女を守る理由はのは大人としての正義感と
使命感。

魔法使い同士の戦いと、大人に恋する少女の物語です。
少女の恋のライバルとなる女子高生、敵の美少女、幼なじみのお姉さまたちなど
の魅力的な女性を登場させ、恋、戦い、といった楽しいライトノベルのお約束もしっかり守っていて、そこそこ面白い。

文章が下手なので、やや読みにくいのですが、アニメにしたら見栄えがしそうな
作品です。


メイゼルに比べ、仁は地味だが【だいじょうぶ】。

幾千もの魔法世界から「地獄」と呼ばれ最も忌み嫌われた場所―地球。
「地獄」に堕とされた一人の少女魔導師・鴉木メイゼル。彼女の受けた刑罰は、「地獄」で敵対魔導師100人を倒すこと―。

この作品、なにより前提として鴉木メイゼルを受け入れられるかどうかにかかっているように感じる。
魔導師、小学生、時折みせる素直さ、幼さからくる背伸び、そして…サディスト、嗜虐嗜好の持ち主。
この少女が受け入れられないなら、この作品はただの凡作に簡単に成り下がる。
それと同時に、受け入れることができ、仁を中心としたきずなや京香との団欒を楽しめるなら最高の作品に化けます。

必ずしも欠点ではないが、他のノベルに比べ地の文での漢字の使用率が高く、あまり使われない独特な言い回しを使用したりするので、あまり文章を読む機会がない人が読むと二の足を踏むかもしれない。
普段あまり文章を読まない人は、もっと入りやすいノベルを読んで慣れてから読んだほうが無理なく読めると思う。

仁とメイゼルの二人で決めた秘密の合図。これはこの作品の見所の一つだと個人的に感じる。
読んでいて微笑ましくなるというか、心温まる一場面をみられる。
人に薦めるというより、ぜひ読んでもらいたい作品の一つだ。


だが、それがいい。

重いよ 暗いよ 描写が設定が細かすぎるよ、が売りの魔法ファンタジー。
いまどきこれだけ重い描写をしたがるラノベ作家はなかなか居ないだろう。
改行も台詞も少なく、ページの下までびっしり活字で埋まっている。

まさにこの首まで浸かる 暗さ、息苦しさが、長谷敏司の持ち味。

お願いだから「フリーダの世界」続きも書いて下さい



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