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雨月物語

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雨月物語

『雨月物語』(うげつものがたり)は、江戸時代の代表的な読本(よみほん)。
上田秋成作。五巻五冊。1768年(明和5年)成稿、1776年(安永5年)刊。日本・中国の古典から脱化した怪異小説九篇から成る。
白峰(しらみね)
菊花の約(きくかのちぎり)
浅茅が宿(あさじがやど)
夢応の鯉魚(むおうのりぎょ)
仏法僧(ぶっぽうそう)
吉備津の釜(きびつのかま)
蛇性の淫(じゃせいのいん)
青頭巾(あおずきん)
貧福論(ひんぷくろん)
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雨月物語 [VHS]

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クチコミ情報

人間の業。

すでにどなたも仰られているようにDVDを出して欲しいです。
本作品は、人生の教訓を寓話として語られていますが、演出手法として、出演者のセリフによる「説明し過ぎ」が気になって仕方がありませんでした。ラストの田中絹代のナレーションは、「死して尚、ささやかな幸せを願う女の哀しさ」が表れているのですが、観る側の「想像する楽しみ」が完全に奪われてしまって正直、ガッカリさせられました。あのナレーションは要らなかったと思います(観る側の想像に委ねるべき)。


いい映画でした

この名作の見所や映像美、様式、俳優、カメラワーク、などの優れたところをあげていくときりがないし、いろいろな人が語りつくしているようだから他に譲るとして。
死者や亡霊、怨念、執念、復讐そういったものにつきもののおどろおどろしさがまったくないのがとても新鮮に感じる。
雨月物語にある人間の業や悲哀といったものを、髑髏やおぞましい演出で仕上げないところにこの映画のひとつの価値がある。
最近のホラーになれている人にはとても退屈に感じるかもしれない。
しかし、海外で高い評価を受けた理由のひとつは、ここに日本人の情念がしっとりと描かれたことであると思う。
ケレン味のない上品な妖しい物語。日本はかつてこういう映画を作っていたのだ…。
世界の流れに迎合するのもご時世だろうし、柳の下の泥鰌を何匹も追うのもありだろう。それでよしとするなら仕方がないけど。
この独自の文化を作り出す人々が失われたまま継承されないことの無念が、見終わったあとに感動と共に押し寄せた。
ヴェネチアもこのころは審査員の質も高かったんだろうなあ。


お願いします!

日本映画3大巨匠といわれる溝口健二監督の作品を、早くDVD化してください!日本人なんだから。

溝口健二の最高傑作

溝口健二の最高傑作は、西鶴一代女・雨月物語・近松物語という意見が多い。溝口監督は、落ちた人間を描くのが非常に上手で、しかも映像の美しさは見る者をうならせる。私が思うに、落ちた人間を描く点では西鶴一代女がベスト、映像の美しさでは雨月物語がベスト、脚本の見事さでは近松物語がベスト、である。

西鶴は大映作品ではないので、有名な撮影監督の宮川さんとは組んでいないが、他の二つでは組んでいる。だから雨月と近松の映像は特に美しい(宮川カメラマンは羅生門で黒澤監督と組んでいる)。特にゴダールも言うように雨月の映像は美しいのである。
さらに、戦争により名誉欲や金銭欲をかきたてられた人間が、欲望に翻弄されるストーリーも心をうつ。

最後に、この作品はお能のように霊的な世界が重要かつ美しい映像としていくつか出てくるが、ここに日本の精神文化が凝縮されていて、それが海外で評価される所以であろうと思う。

ゴダールも感涙

天皇、皇后両陛下は23日午前、皇居・御所に第14回世界文化賞の受賞者らを招き、約40分間、御所の広間で和やかに懇談された。

 天皇陛下はジャン=リュック・ゴダール氏に「日本の映画監督で好きな人はいますか」とたずねると、ゴダール氏は溝口健二氏の名を挙げ、「『雨月物語』などを見ると、映像の美しさに5分で涙が出てくる」と話した。


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クチコミ情報

正直なところ...

一旗揚げようとする戦国時代の百姓たちの物語。
「利益」や「権力」を求めて故郷を出て、その果てに気付く故郷と日常の価値の大きさ。

初めて溝口健二監督の作品をみた。
評価の高い邦画ということだが、
ストーリーがオーソドックスなことと白黒映画に見慣れないことで、
正直なところ少し眠たくなることもあった。

淡々としたストーリーが好みでないということかもしれない。
逆に、原作2編を違和感なくひとつの物語に作り上げたことは素晴らしいと思う。

他のレビューアーの皆さんのようにカメラワークなどに気が回るのは先のことになりそうだが、
もっとたくさん名作を見て目を養いたい。


普遍と特殊

初めて溝口の作品を見ました。映画に求めたいたものはきらびやかな映像美であった私にとり白黒の作品というのはどうも偏見に基づく抵抗があり今まで見ることはありませんでした。海外での評判もしょせん無知に基づくオリエンタリズムがなせるものとの偏見が大きく作用していたようです。他のレヴューアーの皆さんが指摘する映画技術上のポイントは今でもわからないというのが正直な感想です。でもここにはたしかにオリエンタリズムを超える普遍があるというのは見ることによって得た新しい発見でした。この「普遍」が雨月物語の持つ日本の文化のディテールの描写とこのように見事に融合した場合に引き起こしたこれほどの世界的な賞賛は必然だったのでしょう。「権力」や「利益」を求めて故郷と日常から戦国の動乱へ飛び出した男たちが、現実と永遠の幻想の後に見出したものは、故郷と日常の価値の再発見でした。農作業と焼き物の日常が描写される結末のシーンは永遠の真理を現しています。現実の残酷な描写はあくまでも隠喩で描写され、幻想の描写は細かく小道具を使い描写されるのは見事なコントラストです。そして田中絹代と京マチコとの対照的なcharacterisationも見事にそれぞれの女優の個性を反映したものです。

初めて知ったすさまじい衝撃

この映画は、今はなき銀座の並木座で見ました。古い土蔵の白い漆喰の上に映し出されたかのような光と影の”雨月物語”は「映画とはこういうものなのだ」という事を初めて知ったすさまじい衝撃を思い出されます。DVDになると映画と違って映像作品になってしまいますが、それでも地獄の底のような静けさが作品の深いところに常に流れています。これは日本映画の傑作などと言う、ちんけな評価ではなく、この日本という島国に太古から流れている神聖、崇高なたたずまいを光と影で写し撮った世界宝とでもいうべき”映画”です。

幽玄の美、戦乱の中の男の迷いと女の苦しさ・健気さを鮮やかに描いた巨匠の最高傑作

ゴダール監督が好きな監督を3人挙げよ、と問われて「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と答えた有名な話がある。本作はその巨匠溝口監督の最高作と私が考える1953年の作品。ベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した、日本映画史に燦然と輝く大傑作。日本の白黒映画でこんなに美しい作品はない。俳優は大変だろうが、溝口流長回しが画面をひきしめ、視聴者を引き付ける効果は絶大。長回しの間のカメラの移動、フレームに出入りする俳優の場所を計算した均整のとれた構図、光の明滅と影の綾なす様、それらをパンフォーカスで一瞬のぶれもなく画面のすみずみまで捉えた、撮影・宮川一夫を初めとする溝口組の技量に目を見張る。源十郎(森雅之)が荒れた自宅に帰るも無人なので一旦外に出て再び家に入ったときに亡霊の妻・宮木(田中絹代)が囲炉裏で仕事をしているのを見つける1カットはマジックだ。朽木屋敷での幽玄の美も農村の庶民の苦しい生活も鮮やかに撮影され、かつ品格がある。録音状態もよく、字幕は不要。

本作は全九編の情緒ある怪異小説・雨月物語から蛇性の淫、浅茅の宿の二編を脚色している。戦の続く戦国時代の2組の夫婦の話で、どちらの夫も欲(金銭、立身出世)に迷い、源十郎にいたっては幽霊・若狭(京マチ子)に誘惑される。正体を見破られた若狭の表情の変化は女の業の強さが印象付けられる名演技だ。残された妻子は、戦の中悲惨な運命をたどる。が、何れも目が覚めた夫を妻は受け入れる。特に宮木はあの世からさ迷い出て夫との再会を果たし、その後も夫を暖かく見守り続けるのだから何とも切ない。ばかな男と健気な女性(若狭を含めて)の話で、オープニング・タイトルで女性3人を配役の先頭に持ってきたのは監督の女性観の表れか?

最後に、本作は著作権切れの作品。廉価盤の登場はそのため。


雰囲気、たたずまいの映画

人生とは、幸福とは、夫婦とは、教訓めいたものも感じられます。
それに関しては、時代、世代、その人の歩んだ人生、その人の今の状況で賛否があると思います。

しかし、朽木屋敷のたたずまい、そこに住む若狭(京マチ子)の表情、語り口、仕草、振る舞い、そして、源十郎(森雅之)が朽木屋敷から国の家へ戻り、囲炉裏端で鍋の用意をしている妻の宮木(田中絹代)と会話を交わすシーンは文句無しに凄いです。


雰囲気、たたずまいの映画だと思います。



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殺伐とした戦国時代の「妖しくも美しい日本」を見事に表現。

 溝口健二の作品を初めて観ました。冒頭から惹き込まれました。殺伐とした戦国時代を背景に「妖しくも美しい日本」が見事に表現されています。予告編の「映画界最高のスタッフを得て」「文芸最高巨篇」という言葉に全然偽りはありません。ところで、最初に観た時に小津安二郎を彷彿させましたし、成瀬巳喜男に似ていると思いました。原作は読んでいませんでしたが、これから読みたいです。

 京マチ子は、平安風のメイクや衣装がよく似合っていますし、予告編にある「陶酔を秘めた魔性の女」という雰囲気がとても出ています。「お姫様」という役柄は、演技力だけじゃなくて女優自身にも気品が無ければ演じられませんが、「妖しくも美しいお姫様」を見事に演じています。毛利菊枝演じる右近も、「この世の人間ではない魔性の者」といった感じでゾッとさせられました。
 森雅之は、『浮雲』で観ましたが、今回も特徴が有る声や台詞回しですぐ森雅之と分かりました。『浮雲』とは違うタイプですが今回も駄目男を上手く演じていて、駄目男を演じるのが上手い俳優だと思います(『浮雲』もお薦めします)。
 田中絹代は、森光子みたいにハキハキした声質なのかと思っていたので、柔らかい声質で驚きました。市原悦子を彷彿とさせます。吉永小百合に通じる何かを感じます。庶民的で可憐なスターとして一世を風靡したのも頷けます。
 小沢栄は野心家の男を好演。水戸光子はハキハキした声と台詞回しで熱演しています。


最高の映画

溝口作品の中で最も好きな作品です 映像美を含めストーリーもかなり面白くあっという間に
時間が過ぎます 役者陣もそれぞれの良さを最大に発揮しています 音楽も何もかもが完璧
ラストは本当に凄くて感動しました。 もうどういっていいか解らないぐらい素晴らしい
是非見てください それしかいえません


永遠の名作!

 ヌーベルバーグの監督たちが評論家時代に、日本映画最高の監督は「ミゾグチ」である、と位置づけたのは、この映画を観てからである。エイゼンシュテインのモンタージュ理論の対極に位置する、溝口の「ワンシーン・ワンカット」の撮影技法の迫真性は言語や文化の壁を軽々と乗り越えて、トリュフォーやゴダールなどの「若造たち」の心さえもをわしづかみにしたのだろう。クレーンを使って登場人物を俯瞰で捉えて、移動しながら撮影するという溝口の普遍的なキャメラワークは、その後のゴダールやベルトリッチ、さらにはアンゲロプロス等の作品に容易に見出すことが出来る。

 田中絹代、森雅之そして小沢栄太郎らの名演技に加え、白黒のコントラストに絶妙の冴えをみせる宮川一夫のキャメラ等、見所満載ですが、美術が水谷浩でないのが唯一の心残り?それでもやっぱり何もかも失った森雅之が自分の家に帰ってからのモノ凄い演出にあらためて脱帽、最敬礼です。

 でも、個人的には戦後の溝口のナンバーワンは昭和26年に新東宝で撮った「西鶴一代女」。その次に昭和29年の「近松物語」。そして本作かな。それでも色あせぬ永遠の名作。必見です。


世界に誇る映像作家

おぼろげな灯りを背景に浮かび上がる幽霊の影、真っ暗闇の中にきらめく白刃、夜明けのあばら家の隙間から差し込む朝日。モノクロ映像ではあるが、ライティングにかなり高度なテクニックを駆使しているのが伝わってくる作品だ。溝口監督の代名詞となっている<長回し>が封印され、非常に短いシーンのみで構成されているのは、物語の流れよりも映像の美しさを優先させた結果なのかもしれない。

商売の成功や立身出世のために家族を捨てる藤兵衛と源十郎。その犠牲となる女房の宮木と阿浜。本作品は、藤兵衛にとり付く若狭役の京マチ子の妖艶な演技がクローズアップされがちだが、藤兵衛の女房・宮木を演じた田中絹代の地に足のついた演技が印象的だ。まるでNHKの女子アナのようなしっかりとしたしゃべり方は、当時早口でしゃべる俳優が多い中で一人異彩をはなっている。けっして美人ではないが、不思議な存在感のある女優さんだ。

上田秋成の原作9編の中から2編を抽出し違和感なく合体させたオリジナルの脚本は見事。陶器職人の藤兵衛を慕う2人の女を、同じ幽霊として登場させながら対照的に描き出した演出もすばらしい。ヌーベル・ヴァーグを牽引した世界の名だたる映画監督たちがリスペクトを寄せる、巨匠・溝口健二の世界を十分に堪能できる傑作だ。



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改訂版 雨月物語―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

上田 秋成 鵜月 洋 
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ロバートキャンベルさんも読んでいるなら

テレビのJブンガクで取り上げていました。
外国人のロバートキャンベルさんが読んでいるならと、
読み始めようと思いました。

ちょうど、現代語訳もついて、内容の理解と言語の理解の両方をしなくてもよいのが助かります。

また、コロンビア大学で英語になっているとのことで、英語で日本文学を読む気になりつつあります。


江戸時代の優れた奇譚集

現代語訳が無いとなかなかこのような古典を読む気にもならないものですが、本書はとっても読みやすい現代訳が付いていてお得な値段の文庫になっています。

お奨めは、最後の、「貧福論」です。お金というモノが徳とは全く別の解釈で、増えたり減ったりすると言う解説は、現代に於いても通用し、なかなかの奥深さを感じさせます。全9作すべてが味わい深く、じんわりと心に届きます。


読みやすく情報満載でリーズナブル

雨月物語は、他の文庫にもあるが、今回の改訂で、現代語訳とあらすじ、原文と注釈、最新成果を反映した補注、作者年譜と、読書案内の情報が満載さてれた。読みやすく、しかも値段も他社よりはるかに安い。初心者にも、ディープな読者にも両方対応していてオススメ。新しい解説は、今はやりの同時代画家伊藤若冲との関係にも触れていて読み応えあり。


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新釈雨月物語;新釈春雨物語 (ちくま文庫)

石川 淳 
新釈雨月物語;新釈春雨物語 (ちくま文庫)
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「座右の書」としたい本

どうしてこんなに「雨月物語」に惹かれるのか?
その答が、巻末に載せられた「雨月物語について」と言う三島由紀夫の文章にあると思います。
とにかく、その美しい文章と、それが描き出す「美」、そしてその裏にある反抗精神に魅せられるのでしょう。

傑作「白峯」の冒頭の美しさは何とも言えません。
その美しい文章が、リズムを刻むように流れてゆきます。
三島の指摘を待たずとも、「夢応の鯉魚」の琵琶湖を泳ぐ魚の目からの風景を表す文章の見事さは、完璧としか言いようがありません。
もちろん、現代語への訳者石川淳の文章力も、流石としか言いようがありませんが・・・。

とにかく、三島ではないですが、「座右の書」として何度も読み返したい本です。


時代を超えて読み継がれるべき傑作

上田秋成の文学として最もよく読まれるのはやはり「雨月物語」でしょう。

これはとにかくすごいです。
まず最初の「白峯」の書き出しに圧倒されます。
読者を一気に物語に引きずり込む運動感のある文体、巧みな文章構成と緻密な言葉の配置、西行と上皇とのテンポの良い掛け合い。

どこにも隙がありません。

その後も、死して霊となってまで再会の約束を果たす男を描いた「菊花の約」や、人間の羈絆を脱して鯉に化した僧の眼にうつる絶美の自然をえがく「夢応の鯉魚」など、有名作品がずらりと並びます。
どれをとっても、完璧なまでの仕上がりで、全く文句の付けようのない奇跡のような短編集です。

江戸時代にあって、前衛的な短編集をこれほど完璧な形で表現し切った上田秋成に対し、私たちは完全に言葉を失います。

ところが、です。

その一方で「春雨物語」に目を転じると、なんとも状況ががらりと一変してしまうのです。

まず「血かたびら」「天津をとめ」と歴史的なエピソードを淡々と書き連ねる短編が並びますが、どちらも浅く軽い。
紀貫之と海賊との歌論の掛け合いを描いた「海賊」も、よくできてはいますが「雨月物語」で見られたような精密な構成美はもはや存在しません。

なぜ上田秋成文学はこれほどまでに変わってしまったのでしょうか。

そのことを理解するためには、上田秋成自身が変化の中に一生を送ったことに目を向けねばなりません。

彼は若い頃は放蕩生活、その後俳諧の世界に入り、商売を家業とした後に医者になり、次第に短編を執筆しつつ、一方で歌も詠み国学も修めた、そんな人なのです。
そして文学作品そのものも、茶の本から戯文、怪異譚に随筆まで、ありとあらゆるジャンルに挑戦しています。

つまり、「春雨物語」における文体や文章構成の大きな変化は、新しい文学(一種の散文ですね)を開拓するための必然的な変化だったということなのでしょう。
本書を通して「雨月物語」「春雨物語」の2編を読むことにより、私たちは上田秋成の底の深さをこそ感じるべきなのかもしれません。

さて、話はそれだけでは終わりません。
実はここからが本題だと言ってもよいでしょう。

「春雨物語」の最後に収録された「樊噲(上・下)」を読むに至り、読者は確実に再度この上田秋成文学に圧倒されることとなります。
「春雨物語」という散文形式による新しい挑戦が、なんとここで完全に完璧な形で完成されているのです。

つまり、上田秋成が「春雨物語」によって試みた散文形式による小説の終着点が、その最後の作品においてすでにくっきりと示されているわけなのです。

「雨月物語」に対して相対的に存在感の薄かった「春雨物語」が、最後に「樊噲(上・下)」を配することにより、ぐっとその重みを増す。
二大物語としての両輪がしっかりと地を捉え、文学が美しく立ち上がる瞬間を、ぜひ感じてみてください。


もはや石川淳の作品。

名訳である。本書が凡百の現代語訳と一線を画するのは、その訳文にちりばめられた夷斎石川淳先生のエッセンスに由来する。先生一流の名文は物語を飲み込み、「現代語訳」であるといった違和を感じさせず、あたかも雨月物語を己の作品としたかのような風情である。

しかし、そうは言っても、かなりアクの強い訳であることは事実であり、先生が不要と感じた表現は一切これを切り捨てて惜しまない。よって、原典の細部まで忠実に訳したものを所望する読者には、本書をお薦めすることは出来ない。


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雨月物語 〔菊花の約〕(石田彰朗読CD)

上田秋成 石田彰 
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とても良い作品です。

石田彰さんの朗読CDを初めて購入したのですが、流石プロだけあって
上手です。彼の優しい声と感情を込めすぎない読み方がとても
心地よく、作品を引き立てていると思いました。
古典作品が苦手な方でも、すんなりと聞ける内容になっています。
お勧めの一枚です。


名作に名声優、たまりません

まず、これが石田彰の朗読作品だということが、たまりません。
そして、この内容が石田彰でならなかったわけも納得します。
恋心を思わせる、契りなんですよね。
これの解釈って、人それぞれですけど、つまり男同士の愛(?)がテーマでしょ??
受けも攻めもやられて極められた石田彰ならではの、男同士の熱い思いを耳でご堪能くださいませ。


アニメのアフレコではなく、「朗読」の演技。

いつもアニメ等でよく聞くような演技はしていません。
朗読として声を出されてますね。

でも、とても聞きやすく、朗読という、
新たな石田彰さんの声が聞けてよかったです。
満足です☆


内容としては、
語り手として物語を読んでいく途中途中で、
人物のセリフが入るという感じです。
セリフは少し演技をしながら読まれています。
語り手から登場人物まで、全部石田さんがやられているので、
1人…5役ぐらいでしょうか。

生活の音等、動作や場面に合わせてBGMが流れています。
なので、鮮明に情景が浮かんできますよ。


個人的には、主人公が泣き叫ぶシーンがドキっとしました。
セリフほど大きな音量ではなくBGMぐらいで、
石田さんが泣き叫ぶ演技をされています。


話に聞き入ります。
いつまでも聞いていたいような、透明感です。
是非、買ってみていただきたいです。


私は、買ってよかったです☆


石田さんファンも雨月物語ファンも楽しめます!

話に引き込まれるような語り口調に驚きました。語りだけではなく、何役もこなす演技力もすごいです。もともと石田さんファンの私ですが、この作品は贔屓目なしにとても良くできた作品です!!

妖しくも美しく哀しい古典ホラーを音で聴く。

人気声優の名作の朗読CD企画「うずらっぱ」の幻の第1作。前回は販売がうずらっぱサイトに限定され小部数販売だった為、長い間購入不可だったが、この度遂にamazonでの再発売が決定。本作は石田彰氏が、上田秋成・作『雨月物語』の一篇「菊花の約(ちぎり)」を朗読。信義のためには死をも辞さないという重いテーマである。旅の途中で病に伏した見ず知らずの赤穴を、左門が看病し、やがて教養溢れる二人が、語り合い、義兄弟の契り(敢えて現代語でこう書く。)を結んでいく過程を想像しながら聴き、微笑ましく感じた。しかし、再会の約束を交わし、ひとたび故郷に帰った赤穴は、政治的な抗争に巻き込まれ、縦にも横にも動けない程に追い詰められる。最終的に、大切な親友左門との再会を果たすために赤穴が取った手段に、聴く側の涙が止まらず。そしてその悲しみの果てに、左門の取った行動にまた、涙を押さえられず。エピローグはただただ涙。
以前から、アニメ声優として活躍する石田彰氏の流麗な音楽の旋律にも似た発音・言語の運びを「彼は朗読にも向いているのでは?」とずっと感じていた。今回「菊花の約」での石田彰氏は従来の作品よりも骨太の声と抑えた演技で、本作品を格調高く読み上げている。今回は同年代の男性の登場人物が殆どで、それらを人物の性格や、セリフに込められた感情を把握して、大仰にならず、しかし微妙な表現力で見事に演じ分け切っている。石田氏と言えば、優しく繊細な声質の魅力が注目されがちだが、今回の作品で、その演技力の幅の大きさに、圧倒され、ただただ称賛の拍手を惜しまない想い。是非、更に朗読の機会に挑戦していただきたい。石田彰ファンのみならず、「雨月物語」のファンも必携。



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PC・家電・CD・DVD  |  2009/11/24