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それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ
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表紙には「高校生に語る」とあるが、内容はかなり高度


 東大大学院教授で日本近現代史を研究する著書が、神奈川県の中高一貫私立校の生徒を相手に5日間行った講義の内容をまとめたものです。

 序章の「日本近現代史を考える」は大変興味深く読みました。
 戦争とは相手国の憲法を書きかえるものであるというルソーの考えは、言われてみれば頷くところの多いものです。
 また過去の記憶である歴史(ソ連に接近した中国が共産化することを許した)を誤用することによってベトナムという新たな戦地に深入りしていったアメリカという解釈も、歴史を学ぶことの面白さと危うさが背中合わせである様子を見る思いがしました。

 序章に続いて著者は、日清・日露の明治期の戦争、第一次世界大戦、満洲事変と日中戦争、そして太平洋戦争と、各時代の日本政府がどのように戦争への参加を決定していったかについて大変詳細に語っていきます。
 その内容はかなり高度なもので、高校生はまだしも、中学生にはなかなか理解が進まないのではないかと心配になるほどです。
 しかし講義を聞く生徒たちからは、これまたかなり高度な内容の質問が発せられ、この生徒たちの学力の高さが伝わってきます。
 本書によって広く日本の中高生が、いかに戦争が選択されていったかについて等しく理解を深めることができるというわけではなさそうに思います。

 私自身、本書を読了しても「なぜ」日本人が戦争に突き進んでいったのかその理由について了解できたとまでは言えません。
 著者自身がいみじくも終盤で記すように、日本人には先の大戦に対して加害者意識よりも被害者意識が強く残っていて、そんな日本の読者にとって本書は、戦争に積極的にコミットしていったのは、やはり「日本人」というよりは「おかみ」であったという意識を強化するだけではないかという気がします。

 ですからタイトルは「それでも、日本は『戦争』を選んだ」というほうが似つかわしいような印象が残りました。


「戦争」を選んだのは、当時の権力者、指導者、決して普通の「日本人」ではない

多くの書評で、テレビ放映で好評なので、読んで見た。正直、またかと思った。残念ながら若者への公平な書と受け取られるべくいろいろな工夫をしてあるものの、反日の書といわざるを得ない。まず、日本の「世界最高の頭脳」や「普通の人」が「もう戦争しかない」と思ったという著者の結論に導かれる文献、データ、意見のみを取り上げている。公平、公正とはいえないだろう。もっとも、「普通のよき日本人」は、著者の文献検索に引っかかるような資料は残していないからだろうが。

確かに現在、普通のよき日本人は戦争に反対だ。それは、あの太平洋戦争の末期に物資欠乏に、空爆に、沖縄の地上戦に、最後は原爆に、未曾有の大きな被害を受け、これが戦争というものなら、猛反対しかないと思ったからだ。決して中国などの諸国に戦争で被害を与えた、申し訳ないという倫理面からの反省からではない。戦争の中身は、本質的に、残虐、非道であり、勝者は敗者にましてそうであったから勝者になったといえる。一方、敗者にとってはそれしか残らない。しかし、この戦争に勝った米国、中国などの現国連常任理事国には、それを超えた利点があったし、今もそれを生かし続けている。敗者日本が勝者中国にこれほど姿勢を低くして配慮しなければならないのだろうか。

普通の日本人が、知らなければならないのは、到底勝利に至らない戦争に駆り立てた権力者、指導者、最高の頭脳が、当時存在したということだ。反省しなければならないのは、そのような人間を再び日本のトップに位置させる過ちをしないことだ。


戦争を知らない大人が真面目に読める本

“高校生に語るー日本近現代史の最前線”という帯タイトルに惹かれました。
東大教授の著者が、栄光学園の中学一年生から高校二年生の歴史研究部の
メンバーに特別講義した内容を再編したものとなっています。
9.11テロの話から歴史を観る楽しさを説き起こすという冒頭から、興味をそそられます。
普通の“戦争を知らない大人”から観ると、かなり歴史通のようなお話が満載ですが、
単純に自虐史観とか、愛国史観とかいった一方的な記述に終始していないことで、
最後まで楽しく読ませてもらいました。
ところどころに挟まれている挿絵や一言解説も、ちょうど良いアクセントになっています。
何より学生さん達の問いやコメントがすばらしく、感心させられます。
歴史の見方には色々あるので、本書の内容にも異論は多いと思いますが、
日本の近現代史を通じて、自分の歴史観を真面目に振り返るには打って付けの内容だと思います。


素晴らしい著書なるも、日中戦争以後には陰り

高校生を相手に、大学教授が授業をすると言うことは素晴らしいことだと思う。
高校の授業は概して教科書に囚われてしまいがちで、十分に合理的な説明がなされず、
それ故高い関心を持つ生徒にとっては欲求不満の残るものとなってしまうからだ。
だから、加藤先生が栄光学園に出向いて最新の研究に基づき講義を行ったと言うこと自体、価値あることだと思う。

内容としても、前半は迫力のあるものだった。
日本が置かれた政治経済的な状況を眺めた上で、政策担当者や知識人、当時の人々の思考をトレスしていくという手法は
「なぜこうなったのか」を実に明快に説明できているし、地政学的な視点は教科書に全く欠如しているものだと思うので、
その点も新鮮である。

しかし残念ながら、日中戦争期以降については精彩を欠いていたように思う。
他のレビュアーの方も書かれているように、マクロな経済的視野が少なくなってきていることも一因だろうが、
「各政策担当者がなにを考えていたのか」ということは述べられていても、「なぜそのような思考に向かったのか」
たとえば陸海軍と対立であるとか当時の官僚制とか、そういった構造の分析が少ないことも理由に挙げられるだろう。
胡適と日本の政策担当者を比較する時に、彼らのおかれていた状況を比較しなければ現代への意義ある洞察は得られない。

ともあれ、総体としては非常に面白い本だった。自分も高校生の時にこの様な授業が受けられればよかったのに、と切に思う。


歴史を考えるのによい本だ

美人歴史学者 加藤陽子先生が中高生(超難関校 神奈川 栄光学園)に、日清戦争から太平洋戦争までの日本の戦争を5日間講義したのを本にしたものです。私はこの時代を扱った歴史書(小説に非ず)をよく読みますが、作家の方の作品が多いです。本書は研究者が俗説を排して書かれているので、今まで知らないことが多く、興味深く感じました。胡適の日本切腹中国介錯論、水野広徳の日本は戦争する資格がない論。松井洋右が国際連盟と妥協するよう外相に打電していたというのにも、へーと思ったが、これは加藤先生の前作、「満州事変から日中戦争へ」に載っているのを忘れていただけでした。登場人物の大半の写真を載せているもの、歴史を身近に感じさせてよいと思います。ただし、本書はそうした人物の言動よりも統計数字により多くを語っているのが、さすが研究者の本と思わせます。作家の方の作品のように悪いのはこいつだーという決めつけがなく客観的事実を積み上げる手法で、ハイレベルな内容を平易に語っています。興味ある方は、是非御一読を。


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読むだけですっきりわかる日本史 (宝島社文庫)

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クチコミ情報

中学生からお勧め

中学レベルの日本史の知識が網羅されている本です。
読みやすく分かりやすい。
中学生から読めるでしょう。
高校受験のための講義か何かがベースになっていると思われます。
語り口が親しみやすいのにも好感が持てます。
しかし、この本で基礎的知識を身に付けたら、高校レベルの日本史へと段階を進めていくべきだと思います。

なお蛇足ながら、67ページでの軍隊を持たない国は日本だけだという記述に抗議をしておられるレビュアーの方がいますが、この記述に問題があるとすれば、自衛隊が軍隊であることを無視している、つまり、いかにも中学生向けの当たり障りのない建前論になっていることでしょう。


日本国憲法は1947年(昭和22年)5月3日に施行されています。

さらに、コスタリカに軍隊はありませんが、武装警察が存在していて、明らかに軍隊の役割を果たしているし、外国の調査機関からも、この武装警察は”軍隊”と認識されています。一時期、非武装中立を宣言した政府もありましたが、この国の政府は一貫して親米政権で、南北アメリカの国々の平和と安全保障を目的としたOASにも参加しています。


歴史嫌い、歴史ビギナー対象としては…

良い点はこの低価格で日本史の内容を一通り、しかも一冊で学習できることです。残念な点は、他のレビューにもありましたが内容面で明らかに誤りであったり、今教科書はそんな理解になってないよという点が結構あるところです。著者自身も「正確さよりわかりやすさを優先した」と述べてはいますが、公にするならまず正確さが追及されてしかるべきでしょう。また対象を歴史嫌いや歴史ビギナーとしていますが、細かい字がびっしり詰まった300ページ超の本書が、本当に歴史嫌いにマッチしているのかは疑問です。歴史嫌いは中身よりも、歴史参考書の膨大さにまず辟易するのだと思います。どちらかというと本書はそこそこ歴史に興味ある主婦や社会人が、広い理解を身につけるのに向いていると思います。

誤った記述が・・・

67ページの1行目〜2行目に「ちなみに今でも世界でも軍隊をもたない国は日本だけだよ」とありますが、日本だけではありません。

例えば中米のコスタリカ。
Wikipediaで調べたら、「1948年に、憲法の規定によって軍隊を廃止した世界初の国である」とあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%AB

内容がちょっといい加減なのが気になります。


何度も読み直したい

歴史は苦手なので、自分のために日本史を再確認しようと思い買いました。

まだ明治維新のあたりまでですが、頭の中が整理されていくのを感じます。単に史実だけでなく人物の思いなんかも補足しながら解説されかつ時代の繋がりを読者にわかってもらおうという著者の思いが伝わります。学校で学んだときはそれぞれの出来事を単独で暗記してただけでしたがこの本を読んで点が結ばれ線になっていく感じがします。

先の方のレビューにもありましたが重要事項が太字になってるのが(参考書的ではあるが)メリハリがきいて、これも読みやすい工夫だと思います。たまに取り出して何度も読み直したいと感じてます。

また、これをきっかけに気になる時代の本を読みたくもなってきてます。日本史を見渡すための羅針盤にもいいと思います。


文庫本一冊で小学校から社会人までの常識を、苦痛なく網羅

文庫本一冊で小学校から社会人までの常識を、苦痛なく網羅できる、こんな本を探していました。すっかり日本の歴史は忘れちゃいました、私ですが、子供の受験用に買いましたが、子供に渡す前に私がまず読もうと思っています。

覚えるべきこどばは太字になっている事が教科書じゃないのに、わかりやすい。ああこの言葉は常識なんだあ・・OKOK知ってるって思いながら読んでいると
ああ勘違いしていたという部分が出てきたりして、

楽しく、学べ、日本人としての常識問題を歴史に対してクリアできそうな気持ちになります。

子供のときに歴史嫌いだった大人(私)や今歴史嫌いの学生、生徒が苦痛なく、物語感覚で読めますが、一気に読まないように、ゆっくり電車の中の友として読んでいます。



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坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)
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商品の紹介
   同じ松山で生まれ育った正岡子規と、日露戦争で活躍した秋山兄弟。子規は病と闘いながら俳諧の革新に挑み、秋山兄弟はそれぞれ日本の騎兵、海軍の技術向上に尽力した。当時最強とうたわれたロシアのコサック騎兵を打ち破るべく、ひたすら仕事に打ち込む兄好古と、文学の世界に未練を残しながらも海軍に入隊し、海軍戦術を研究し続けた弟真之。2人のまじめな努力の成果は、歴史が証明している。誰もが立身出世を目指した時代に、彼らがどうやって自分の人生の意義を見出したのか。そんな視点から読んでみるのもおもしろい。

   司馬遼太郎の大河小説の中でも、本書は特に評価が高く、ビジネスパーソンをはじめ、多くの人々に読まれている。改革の時代にこそひも解きたい、そんな1冊である。(土井英司)


クチコミ情報

膨大な資料をもって、明治期を再構成! 凄い。

言わずと知れた、司馬遼太郎の代表作、そして大作。
彼はこの本の為に10年の歳月を掛けたそうです。正に魂が込められた作品。
文庫本は全8巻で、私も読み切るのに半年かかってしまいました(途中で休憩しつつ)。
そういう意味でも、覚悟の上で読んでもらいたいですね。

この作品はあくまで小説です。しかし切り口によって、
伊予青年の成長を追う物語にも、日清・日露戦記にも、ビジネス書とも読めます。
歴史好きな私としては、当時の日本そして世界の事情が、
司馬流解釈であるかもしれませんが、大局的な視点で示されていて、
解り易い教科書に出会ったような感激がありました。

日清・日露戦争の背景、帝国主義の背景そして、当時の政治力学が丁寧に説明されています。
(筆者の断言的な記述も、説得力あります)
これは膨大な資料・証言から、筆者が組み立て直した堅固な結論があるためのようです。
世界情勢を捉え切るところに、筆者の力を感じ、ただただ感心するばかりです。

歴史小説は先人に学ぶ手段のひとつ。
先人を越えていく宿命を持つ我々には、必読の書かもしれません。
これだけ良い近代歴史小説を読める、日本人は幸せなんじゃないでしょうか。


温故知新

戦争を美化しないでほしいといった司馬遼太郎さんの遺言がわかる作品!
すぐれちゃんも感激していた!


司馬作品は読みやすい

 司馬遼太郎の小説は、歴史小説であるにもかかわらず、終始、いま現在とリンクしている。例えば山崎の合戦の箇所を説明する段になると、「新幹線から見える大山崎辺りのサントリーの工場・・・・・」って感じで、今を生きる日本人の股間を刺激する文章で、これがまた心地よい。だから、よく読まれ、人気があるのだろうか。歴史小説であるのに、歴史の順番に書き連ねていくって言うふうではなく、思いつくまま、寄り道しつつ主街道を歩んでゆく。

 というわけで、国民小説にまでなってしまったこの「坂の上の雲」、第一巻の最初の章は、秋山信三郎好古の幼少の頃から騎兵に志願するまでが一気に進行する。次の章では、弟の真之。ここも、スピード感一杯で、生い立ちを述べたかと思いきや、いきなり日本海海戦幕開けの有名なキャッチ・コピー「天気晴朗ナレド浪高シ」は、この真之が起草したものであるということが、第一巻の三分の一もいかないところではやくも紹介されている。こうなると、このエピソードは、ここで、忘れないところで、書いておこうという感じで書いているようである。

 もう一人の主人公、正岡子規の紹介も手抜きがない。明治の偉大なジャーナリスト、陸羯南の必要最小限の紹介文も早くも現れてきて、これまた読者にはうれしい。
 司馬遼太郎は登場人物の個性を書き分けるのが、頗る達者なので、またしつこい位にその出てきた個性を根掘り葉掘り書き連ねるので、顔と名前が一気に一致する。だからたとえ脇役であっても、そう簡単には、登場人物の名前を忘れない。司馬の作品は読んでいて、個性が浮かび上がる・風貌が目の前に立ち上がる・ビジュアルであるという特徴がある。だから大河ドラマに何度も取り上げられるのだろう。


見事な『歴史』の小説化

舞台は明治維新後30年目くらいの日露戦争の頃の日本、主役は全編を通して陸海軍でそれぞれ司令官、参謀として活躍した秋山好古、秋山真之兄弟。正岡子規が同郷(伊予)の友人として歴史の傍観者になる。有名な秋山兄弟の伝記というよりは、明治の日本人のメンタリティや価値観、ロシアの侵略に対抗するために国民が一丸となって、それこそ死ぬ気で戦った当時の世相が等身大で書かれているのが人気の要因だろうと思った。 特に、戦争に徴用された一般の若者が命を賭して日本を守るために相当勇敢に戦ったようで、まさに世界にデビューしたばかりの弱小国が国民一丸となって戦ったような世情がリアルに伝わった。

明治の世相観以外にも、戦記ものとしても充実している。東郷平八郎、乃木希典の2大英雄にも当然フォーカスが当たるが(秋山真之は東郷の参謀)、敗戦までは国民的英雄で神として祀られた乃木将軍を無能だったと描写されるが、これには歴史家の間では今でも賛否両論。ただ、一小説としては英雄無能説は興味深く読めた。そもそも、日露戦争では陸戦ではほとんどが負け戦で、壊滅寸前に海軍の勝利で戦争が終結したとの物語になっていた。その象徴が乃木将軍無能論に著されているようだ。

後半は戦記もの的比重がかなり重いが、前半の明治の青春群像ともいえる秋山兄弟と正岡子規の物語は普通に面白い。戦争ものが嫌いな方にも前半はお勧めする。


知らない日本の近代

「戦争」といえば、祖父母の話やテレビ、本で見るのは主に「第二次世界大戦」「太平洋戦争」です。その当時の日本の動きに少し興味を持ってみていくと、司令官の無謀さ、先読みの全く無い国の舵取り、傲慢さ(虚勢)などが目につき、「何でこんな人たちが国を引っ張っていたのか」と嫌な気持ちになりました。
60年前の戦争時代に戦場で戦って死んでいった人たちの死の大義は「皇国日本のため」でした。ですがそれも、空虚なもので同調はできませんでした。

「坂の上の雲」は、NHKがかなり気合を入れて映像化するというので、興味を持って読み始めました。8巻、長いですがあっという間に面白く読みました。
あの昭和の戦争の時代と、明治のつながりが分かりました。
どうして昭和のあの時に日本はあんなにおかしくなっていたのかというのが分かりました。
同時に、日露戦争で戦う人たちがとても魅力的に思えました。のちの、日中戦争〜太平洋戦争時代の、傲慢で偏狭な軍人に通じるような登場人物もいますが、戦う人たちは「国を守らねばならない」という、本当に切実な思いでロシアに立ち向かっていました。むやみに神格化されてしまった国のために死ぬのではなく、日々の生活がある場所を守るために何をしてでも立ち向かわなければならない必死の姿がとても良かったです。



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坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)
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クチコミ情報

これは小説じゃありません

 第二巻は、出張先の小田急・本厚木駅前の書店で買った。司馬は関西だけで人気があるのかと思いきや、ここでも人気で特別のコーナーが設けられていた。2009年秋からのNHKの大河ドラマの影響大であることは否めない。

 本書は、長編小説ということになっているが、小説と言うより、むしろ歴史ルポルタージュである。3人の主人公の生き様を歴史の順番に追っていくという形を取っているが、例えば、ロシアの成り立ちの歴史がいきなり登場してきたりして、作者は縦横無尽、あれもこれ持って感じで、筆を進める。
 ところで、本書にいう秋山兄弟は、秋山家の3男と5男であるが、そのことは一切触れられていない。長男、二男は何してた? 日清・日露の両戦争を描きたかったからともいえるが、もう少し二人の生い立ちなるものを書けなかったものか・・・・・。まあ、いいけど。

 それやこれや・あれやこれやで、第二巻は日露戦争勃発前夜までが書かれる。


日本初の対外戦争(日清戦争)から

 第一巻では秋山兄弟、正岡子規の葛藤や情熱が描きながら、それを中心に「明治日本」をいうものを表現していた。
 第二巻では日清戦争、米西戦争などが起こり、それらの経緯を描きつつロシアを中心とした世界情勢が書かれている。

 この間で印象に残るのは、十九世紀末の帝国主義。
 二十一世紀の今考えると、「なんて馬鹿な考えだ」と思ってしまうが、この時代があったから今の時代があると考えるべきなのだと思う。

 三巻で、世界情勢はどのようになるのだろうか?
 日露戦争にはどのようにして突入していくのだろうか?
 次巻も目が離せない。


日清戦争を契機に俄然注目される日本

 意外な勝利となった日清戦争であるが、この勝利により、日本国民は国家という存在を体感し、諸外国から注目されると同時に、ロシアの壁にぶち当たった。
 日清戦争の勝利は、日露戦争へのスタート地点に過ぎなかったのである。


正岡子規のすごみ

日清戦争前後のお話。

こういう時代にあって、秋山真之は留学を重ね軍人として着実に成長しています。
一方、学生時代には移り気で何をやっても物にならない正岡子規ですが、
俳句というものに出会い、文人として一気に大成しました。
特に死を意識してからの彼の行動は鬼気迫るものが感じられます。

人間、熱中できるものを見つけた時の力を思い知った気がしました。


時代のうねりが伝わってきます。

日清戦争以降の時代の大きなうねりの中で、秋山好古、真之、正岡子規がそれぞれの境遇、立場の中で、感じ、行動する様の対比がおもしろい。
滅び行く清や、日本の前に立ちはだかろうとするロシア、そしてそのような状況の中で日本はどこへ行こうとしているのか、時代背景が手に取るように伝ってくる。



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坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)

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正岡子規と秋山兄弟

 日本が明治維新により、ヨーロッパにおける歴史観にいう「近代(Modern)」を迎え、新しい主権国家体制がスタートした明治時代を背景としているのが「坂の上の雲」。江戸時代以前は現在における「国家」とは何かの概念に相当するような「国」ではなかったのが日本であり、イタリヤと同じような(都市国家の乱立)諸大名ごとに領国が分かれていた時代が続いていた。
 歴史書には時代の出来事とその意味が述べられているに過ぎないものが多いが、司馬遼太郎さんにより、実在の人物を主人公として、例えば正岡子規により、俳句が言葉を凝縮させた文学として江戸時代の作者による恣意的な側面をもつものから、より体系的(若干の疑問もあるが)なともいえる規則性を持つに至るきっかけとなって(完成度を高めていったのは高浜虚子)いったことなど、病身の子規のことに多くのページを割かれているのが「坂の上の雲」の(1)(2)(3)。
 明治時代の初期から中頃にかけて国防という観点からの国力が殆んどゼロに等しい日本が、清国という東アジヤ地域における老大国の衰亡、ロシヤという大国の「南下の願望」を実現するための侵略とそれに便乗しようとするヨーロッパ諸国の植民地政策などを時代背景として秋山兄弟が愛媛県松山を出て、兄は陸軍、弟は海軍の軍人となる経過が、兄弟の人間性を具体的に描きつつ話が展開されて行く。
 兄は明治の日本陸軍が黎明期に騎兵集団を持つに至る中心的役割を果たす人となって行き、弟は日本海軍の実戦における戦術を体系的に確立した唯一の人となっていくという、二人の職業軍人としての成長の過程が描かれていく。但し、二人の活躍は立場的にも戦略次元のものではない。
 面白いのは、二人を通じて明治維新を主導した薩摩、長州の軽輩が明治初期の陸・海軍の幹部となり、ロシヤやヨーロッパ諸国の侵略を前にして意識の切り替えができない人々が消えて行かざるを得なかったことなど、歴史の表面には出てこない人間模様が描かれている。
 司馬さんの書かれた物としては、文体や表現が「竜馬がゆく」などの場合とは、かなり違っていて「街道をゆく」の各巻と共通するものになっているように感じられる。つまり、小説の筋書きを追っていくことよりも、その節々における司馬史観とも言える主観的記述が圧倒的に多くなっているということを感じる。
 このことが、時代の歴史の細部を捉えるものとして興味深いものになっていると感じる人も多いのではないだろうか。司馬さんの作品が他の作家と大きく違う点であり、文化勲章を受賞されたのは私見として当然と感じる。


「謙虚」さの大切さと  第三巻

 第三巻で特に印象的なのは、日露戦争に対するロシアの姿勢。

 この巻を読んでいると、この時代とにかく列強の日本に対する評価は低かったことがわかる。
 特にロシアは、「日本がロシアに対して戦争を起こすはずがない、なぜならば負けるとわかりきっているからだ」など、日本を「敵」としてもみていない。
 しかし、結果がわかっている今だからいえることだが、ロシアは「傲慢」だったということが分かる。
 ここから今に生きる私たちが学ばなければいけないことは、「謙虚に生きなければいけない」ということだ。
 
 「余裕は大事だけど、余裕も過ぎると「油断」になってしまう」「常に危機感を持って考え、行動することが大事」という教訓をここでは与えている。

 しかし日露戦争についてはあまり詳しくなかったので、「日露戦争はたぶん五巻くらいからだろう」と思っていたのに三巻にしてもう始まってしまった。
 今後どのように進んでいくのかみていきたい。



司馬遼太郎の歴史認識が語られている

 この巻で遂に日露戦争に突入するが、同時に作者の歴史認識を垣間見ることができる。
 帝国主義時代に日本が列強を目指さざるを得なかった状況、大国ロシア相手に戦争を起こさざるを得なかった理由、白色人種のアジア系民族に対するサディスティックな感覚など。
 また、日本の軍部指導者が第二次大戦時の指導者と比べて、いかに合理的であったかも語られている。兵隊たちの士気の高さとともに、国家として成長を遂げつつある日本の清清しさを感じることができ、とても気持ちがよいと思うのは私だけではないだろう。


日露戦争

正岡子規の死から日露戦争開戦までが描かれています。

戦争といえば、圧倒的な国力の差を気持ち一つで埋められると
考えた太平洋戦争した思い浮かびませんでした。

日露戦争も同じようなものかと思っていましたが、
国家を守るために今何をしなくてはならないのかを第一に、
冷静に状況を判断し事態に対処していく各々の姿に熱くなるものがあります。

同じ戦争でも、携わる人によってこうも性格が異なるかなと考えさせられます。


もはや成功・不成功を論じているような余裕などない

日露戦争開戦に向けての意思決定と開戦準備がテーマ。
当時大人と子供ほど国力の差があったロシアに対して、なぜ日本が開戦を決意するに至ったのか、当時の人々の深刻且つ切実な葛藤・決意が臨場感を持って伝わってきます(「このまま時が移れば移るほどロシア側に有利で日本側に不利です。今なら何とかなる。日本としては万死に一生を期して戦うほか、残された道はない」)。
国に対する愛情だけでなく客観的・冷静な彼我分析のもとに、日本がなけなしの総力を結集していく過程には思わず心が動かされます。



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著者の乃木嫌いが顕著に表れた巻

 第4巻を読んでいて感じたことは二つ。
 ひとつは「世界の中の日本」、二つ目は「著者の乃木嫌い」だ。

 これまで読んだ司馬作品では(特に戦国期の作品では)外国人の名前が出てくることはなかった。
 しかし、本作は日露戦争を描いた作品だけあって外国人の名前が数多く出てくる。
 そのことを考えながら読んでいると、「世界の中の日本」を思わされる。
 特にそのことを感じたのは日露戦争が「ロシア革命」に関わっている記述だ。
 この部分を読んでいると、「やっぱり鎖国はよくなかったのか」と考え、また「世界の中の日本」を再認識させられた。

 司馬遼太郎と言えば大の乃木希典嫌いとして知られている。
 しかし、私がこれまで読んできた司馬作品からはそれを感じることはできなかった(強いて言えば「飛ぶが如く」)。
 しかし、本作は違う。乃木批判のオンパレードだ。
 ここまでこき下ろしていると、「乃木希典はよほどの愚将だったんだな」と思ってしまうが、逆に乃木を「名将」としている人もいるのでよくわからない。
 ここからわかるのは、「良く見るも、悪く見るもその人の考え方次第」ということ。
 「人の意見に左右されてはいけない」ということをここから学ぶことができる。

 さあ、「坂の上の雲」も折り返し地点についた。
 今後どのように歴史が展開していくのか。目が離せない。


気力、運、敵失、全てが日本に味方した

 黄海海戦、遼陽会戦では敵失もあり、勝つことが出来た。その一方で旅順は膠着する。
 作者がうまいのは、陸戦、海戦だけでなく、外交、スパイ、日英同盟、戦費調達など、日露戦争を巡る全ての要素を同時に進行させていることだ。
 実力で劣る日本がいかにして勝てたか。勿論明治人の冷静な計算、士気が勝っていたことも確かだが、運や敵失にも助けられている。本当に薄氷を踏むような戦いだ。


乃木 希典の評価

日露戦争において英雄か凡将か評価が両極端に分かれる乃木希典。

司馬先生は凡将の立場で旅順攻略戦を描いており、
乃木の評価に対する議論を紛糾させる契機になったといわれてます。
とにかくこの本では正面から突撃あるのみです。

大将の心理を含め、日露戦争を丹念に描いています。
ロシアのクロパトキンもそうですが、
個人の感性や性格に戦局が大きく左右されていく姿に興味が惹かれました。


日露戦争に勝ったことで日本が残った。

○読み始めたきっかけ

 司馬遼太郎の歴史モノが好きで、その中でも経営者を中心に愛読者の多い、
「坂の上の雲」を読んでみました。

○心に残る言葉

 日本の砲弾は、敵艦船の装甲を打ち破るのではなく、甲板で炸裂し火災を起こさ
せ砲台を無力化することを目的としている。兵力の少ない日本海軍にとって、最も
効率的に戦闘する手段の一つ。

 日露戦争当時では、一軍の統率は司令官がその人格力をもってやる、作戦の方は
参謀長が受け持つ。基本的にすべて参謀長に任せる。二者択一を迫られた時か、戦
況が紛糾した時のみ司令官が決を下す。

p.184 農業社会=有能無能の価値基準はなく、自然の摂理に従って、きまじめさと
精励さ嵩が美徳。

 狩猟社会=それぞれの能力によって部署に配置され、全体の一目標のために機能
する。その中では指揮者が必要。この社会では人間の有能無能が問われる。世界史
的にみて、狩猟民族は軍隊を作ることに熟達している。

p.256 敵よりも大いなる兵力をもって敵を圧倒撃滅するというのは、常勝将軍と
いわれるものが確立し実行してきた鉄則。

 日露戦争に勝ったことにより、日本がロシアの植民地にならずにすんだ。しかし、
その成功体験が太平戦争での軍部の過信を生んだ。

○どんな人に読んでもらいたいか。

 過去の日本人の行動や歴史を知ることで、将来の日本の問題について考えるきっか
けとなる。できるだけ、多くの日本人に読んでもらいたい。


ちょっとした記述が妙に面白い。

良さについては沢山のレビュアー様がおっしゃっている通り。
個人的には北進軍の中の黒木部隊の記述「まるで別の人種の部隊に率いられていたかのような強さ」というところで思わず吹き出しました。
司馬遼太郎、時々面白い表現しますよね。。



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ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 上

山田 耕介 山田 侑平 
ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 上
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執筆の努力は認めるが。

文藝春秋社が販促でヨイショしてるほどの作品とは、個人的には認め難い。資料のチェックの労力、関係者へのインタビューの努力は評価しえても、朝鮮半島、ベトナム、アフガン、キューバと西漸して深刻化していく冷戦、代理戦争、局地戦の中で、ソ連邦の恐怖の求心力というべきもの(広い意味でのスターリニズムや、大国志向、徹底的な権力崇拝、巨大な社会的絶望感)が、書き手には未消化に思えるためだ。政治原理への理解も欠ける。時代背景は違うが、FLアレン、オーウェル、チャーチルあたりならもっと出来た内容のはず。悪い意味でのジャーナリズムを出てない。形容詞を多用し主観的に塗りつぶされ、文章は繰り返しばかり。逆に、というか、本書の出版が、冷戦の過程、太平洋戦争後、半世紀を冷静に醒めた眼差しで見ていた、日本人の思想家評論家を逆照射する。当事者たる朝鮮半島の関係者を納得させ切る筆力はない。なぜなら、ロシア、中国、朝鮮語ハングルの一次資料にも当たらずに、『最後にして最高』の作品らしいので。その程度のやっつけ仕事を、高く評価している人たちも全く凄いが(笑)。 今現在あまり本代のない人や、真面目な人には、新潮文庫の『ザ・フィフティーズ』の第1巻のほうがオススメ。あちらの4、5章の焼き直しなので。

マッカーサーを打ち破った農民の将軍、彭徳懐のなんと魅力的なことか

 原著にもない写真が魅力的な邦訳ですが、彭徳懐将軍が配下の兵士と談笑している写真には引き込まれました。東京で君臨していたマッカーサーは仁川上陸作戦の成功で念願の大統領の座にさえつけそうなぐらいな高みに登ったのに、農民出身で学校にも通ったことのないこの彭徳海将軍の待ち伏せに遭って一気に攻め込まれ、やがてトルーマンから解任されます。

 中国は、いや毛沢東は、朝鮮戦争にはぜひとも参戦しなければならないと考えていました。それは、もし介入しなければ、古い中国と同様に西側からあなどられる、と考えたからです。台湾海峡には第七艦隊が待ち構えているので台湾上陸は出来ないけれども、自分たちの力を、どうしてもアメリカにみせつけてやらなければならない、とも考えたのでしょうか。一方、マッカーサーは制空権を持っていない中国の人民解放軍など、米国の空軍力をもってすればたちどころに排除できると考えていました。しかし、その中国軍は夜間にタバコ一本吸うことなく25kmも移動し、日中は手で掘った穴に潜んでいることができる軍隊で、米空軍はその存在すら発見できなかったのです。

 20世紀がヨーロッパからアメリカに覇権が移った世紀ならば、21世紀は中国に移る世紀なのかもしれません。そういった意味からも、米中が本気で戦火を交え、がっぷり四つのままで38度線でなんとか停戦して終わった朝鮮戦争を振りかえるという意味でも、貴重な本かもしれません。


1950年代アメリカを描く、最高の本

 1950年代日本の隣では朝鮮戦争が行われていた。しかしベトナム戦争と比べ語られることは少なかった戦争。それをハルバースタムが描く。しかしこの本の本当の主題は(文藝春秋11月号にあるように)マッカーサーの評価を覆すことにあったことが読んでいけばよくわかる。またトルーマン大統領に対する見方もかなり変わった。ビルクリントンが「私はトルーマンのようでありたい」と発言した意味を少し理解できた。
 それにしても文藝春秋のこの本にかけられた並々ならぬ愛情には、ほだされる。文藝春秋社に思わず感謝してしまうほどのできばえだ。訳者が誰にしても、この本には間違いなくD・ハルバースタムを感じる。人物描写もあのハルバースタム流で思わず引き込まれてしまう。
 個人的には、間違いなく今年読んだ本の中でも最高におもしろい本で、これほどの本は「敗北を抱きしめて」以来かもしれない。この本がハルバースタム最後の著作になってしまったのは非常に残念でなりません。



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ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 下

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学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈下〉1901~2006年

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社会主義と 共産主義が 問題だ

1.内容
1901年から2006年までのアメリカの歴史を、主流派とは違った観点(と言っても、主流派の観点は知らないが)から説いた歴史書(もっとも、詳しくは、『民衆のアメリカ史』(TBSブリタニカ。全3巻)に書いてあるのだろうが)。二大政党に対する批判や、貧困の問題も鋭いが、全体的には、社会主義、共産主義が結構詳しいと感じた(アメリカでも活動していたんだ・・・・)。
2.評価
(上)同様、こんな見方もあるのかと感心した(星5つレベル)。ただ、アメリカ大陸における社会主義や共産主義は肯定的に評価しているが、p128やp129で共産主義に対してネガティブに書いたのは矛盾していないのだろうか?また、随所で資本主義と貧困を結び付けているが、再分配は当然としても、おおむね資本主義だから豊かなのではないか?つまり、社会主義や共産主義に対する評価のブレが気になる。内容的に重要だと思うので、星1つ減らして、星4つ。


誰が大統領になっても同じだったアメリカの歴史

第1章 階級なき社会であるはずのアメリカで
第2章 第一次世界大戦
第3章 狂乱の一九二〇年代、そして大恐慌
第4章 第二次世界大戦と冷戦
第5章 立ちあがる黒人と公民権運動
第6章 アメリカにとって最初の敗北となったベトナム戦争
第7章 反戦から女性解放運動、そして一九六〇年代のインディアンたち
第8章 激動の一九七〇年代
第9章 一九七〇年代後半から八〇年代、政府は国民の不信感を払拭できたのか?
第10章 一九七〇年代後半からの反戦運動と労働運動
第11章 世界最大の武器輸出国アメリカ
第12章 超大国アメリカと”テロ”
第13章 素顔のアメリカ
第14章 人々が選ぶアメリカの未来

20世紀初めからブッシュJrまでの歴史が綴られています。初代大統領からブッシュJrまで、誰が大統領になったとしても、アメリカは変わらなかっただろうと思いました。それはP.151に簡潔にまとめられています。

『民主党出身であれ共和党出身であれ大統領はみな、権力の座にとどまる手段として、国民一般の怒りの矛先を、自分の主張を口に出せないグループへと向けさせてきた。そのグループとは、犯罪者、移民、社会福祉を受けている人たち、あるいはイラクや共産主義の国キューバのような、アメリカ合衆国に敵対的な外国だ。政界のリーダーたちは国民の関心を、将来、驚異になるかもしれない存在へ向けることにより、アメリカの社会体制の欠陥に気づかれないようにしてきたのだ。』

初の黒人大統領であるバラク・オバマ氏が、今までの大統領と違う大統領であることを祈りたいです。



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学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈上〉1492~1901年

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目からウロコの、とっても面白いアメリカ史の本を見つけた!

簡単に手早くアメリカ史のことがわかる本があれば、とずっと思っていたが、やっと見つけた。それも、猿谷要さんでもチョムスキーさんでもなく、あの分厚くて難しい本しか邦訳されていなかったハワード・ジンさんのものだ。

スピード感のある物語風で(歴史書なのに!)、上下巻を一日で一気読み! えーっ、アメリカってそういう国だったのか、そういう考え方もあるのか、と読みやめられなくなった。たとえば、インディアンや黒人の話。彼らへの迫害は見知っているつもりだったが、迫害されている側からの見方を示されて、胸がチクチク痛んだ。日本人も彼らの仲間、いわゆる「有色人種」なのだから。

 それに、この本のすごいところは、学校では教えてくれない(大学入試に出ないから?)戦後アメリカのことが、易しい言葉で丁寧に書かれている点。どの大統領とどの戦争がどんなふうにつながり、今のオバマ政権が出来たのかがよくわかる。

 今の日本は、無意識に「アメリカは世界で一番よい国だ」と洗脳されている気味があるから、この本のような見方はとても大切だと感じた。また、中・高校生も読めるように、ルビや注釈もあり、とても良心的。できれば、歴史書コーナーではなく、普通の新刊書や翻訳本のコーナーに置いてもらいたい。


アメリカに 自虐史観が あったんだ

1.内容
「『民衆のアメリカ史』(TBSブリタニカ。全3巻。清高注)の若い世代向けバージョン」(p2)。主に「権力者に抵抗し、あるいは団結した時の物語」(p21)が書かれている。アメリカにおける侵略行為、人種差別、戦争、不平等などが書かれており、なおかつ、権力者やアメリカ国家に対して批判的なトーンで書かれているので、某団体が言うところの「自虐史観」によって書かれたアメリカの歴史といったところか。
2.評価
(1)p20、21に歴史観について参考になる記述がある、(2)アメリカの国の形成がわかる、(3)アメリカ人にとっても批判的な書物が有益、といった長所がある一方で、(1)著者がどれくらいの実力がある歴史学者かわからない(この記述は一つの見方だが、成り立つか判断できない。もっとも、私の責任)、(2)どこの国でもそうだろうという反発も感じる、以上2点により、星1つ減らして、星4つ。


侵略と征服の歴史

第1章 コロンブスがはじめた征服の歴史
第2章 アメリカの大問題、人種差別と奴隷制のはじまり
第3章 ひと握りの金持ちのための社会
第4章 「建国の父」たちの素顔
第5章 合衆国憲法は本当に画期的だったのか?
第6章 初期アメリカの女性たち
第7章 欲深き指導者たち
第8章 メキシコ戦争
第9章 アメリカ政府が黒人奴隷にしたこと
第10章 政府は誰のもの?
第11章 格差のピラミッド
第12章 軍事介入好きな国、アメリカ誕生

コロンブスが大西洋を横断したときから19世紀末までのアメリカの歴史が、淡々と書かれていました。それは侵略と征服の歴史であり、自由を求めての歴史ではありませんでした。コロンブスは偉大な探検家ではなかったし、リンカーンも偉人ではありませんでした。また、アメリカの奴隷制や人種差別がどのように生み出されたのか、よく分かりました。私は独立戦争や南北戦争をやや美化していたところがありましたが、それが一切なくなりました。そして昔も今もアメリカという国は変わってないと思いました。

今のアメリカを知るには歴史を遡る必要があり、それはコロンブスまで遡らなければ知ることができないと思いました。下巻(20世紀のアメリカ)を読み始めたところですが、おそらく20世紀のアメリカだけを切り出して見ても、アメリカという国は分からないと思います。

アメリカという国がどのように作られていったのか、またなぜ今のようなアメリカになったのか知るのに良い本だと思います。



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