1986年8月に行なわれた安全地帯・井上陽水の伝説的ジョイントコンサートの模様が収録されている。場所も当時の音楽会場として初となった神宮球場で行なわれ、巨大な会場のスケールと真夏の野外特有の解放感で満ち満ちている。両者は「夏の終りのハーモニー」で有名なコンビだと思うが、なぜ安全地帯と井上陽水の組み合わせなのかというと、安全地帯の下積み時代に陽水のバックバンドを担当していたという経緯があったことからなのだそうだ。それだけに、陽水のバックバンドから遂に一流のアーティストになり同じ舞台にそれも4・5万人の観衆を集めたであろう神宮球場に一緒に踏めた時の安全地帯は感無量であったに違いない。
冒頭は安全地帯のソロが演奏される。「青空」は初めて聴いたがとても素晴らしいバラードで癒されるし、あまりの心地よさに涙しそうになった。横浜スタジアムの「風」と双璧を成す名曲だろう。「エクスタシー」はアルバム曲であるが、ノリの良いマイナー超の曲でライブではお馴染みの曲。「プルシアンブルー」は、玉置の純白の渋いドレスと搾り出す様に歌うパフォーマンスに釘付けになるだろう。その後陽水に移る。「ワインレッド」は陽水が歌っているのがミソだ。勿論彼が安全地帯に提供した訳なのだが、渋い陽水の声にのせまた違った大人の味わいを感じさせる曲だ。
その後二人のデュオ曲という事になるが、6も二人の掛け合いが成す美しいバラードだ。9・10の陽水の曲を両者で歌うとまた違った味わいも感じる。そしてラストの「夏の終りの~」は何度聞いても、見ても素晴らしい曲だと痛感する。両者の交互の癖のある声からサビで重なるのはまさに絶妙のハーモニーだ。
当時絶頂で他に寄せ付けない人気だった安全地帯は、観客の黄色い声援からも頷ける。また、今でこそPV等での映像技術は素晴らしいが、15年以上前の本映像はそのような技術は無いもののインパクトのある映像効果を狙った創作をしており中々だ。例えば、「青空」の美しい空の挿入映像や「プルシアンブルー」で玉置が後ろを向いて後退する部分を別の角度の映像を交えてシンクロさせたりする部分は玉置の渋みを更に感じさせる。「夏の終り」のバックの新宿高層ビルの挿入映像も曲との相反故に、感慨充分に足る映像効果となっている。