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朗読者 (新潮文庫)

ベルンハルト シュリンク Bernhard Schlink 松永 美穂 
朗読者 (新潮文庫)
定価:¥ 540
新品最安価格:¥ 540
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商品の紹介
スイスで出版された原書を、キャロル・ブラウン・ジェンウェイが格調高い英語に翻訳。セックス、愛、朗読、戦後ドイツの不名誉についての、短くも豊かな物語。15歳の少年ミヒャエル・バーグは、謎めいた年上の女性ハンナとの激しい恋の虜になる。だが彼女の身の上についてはほとんど知らないうちに、ある日ハンナはミヒャエルの前から姿を消してしまう。…二度と彼女に会うことはないと思っていた彼だったが、戦慄(せんりつ)の再会が実現する。ナチスの過去を裁く法廷の被告席に、ハンナがいたのだ。彼女が筆舌に尽くせぬ重罪を犯していたことが明らかにされていく、その裁判の進行を追いつつ、ミヒャエルはとてつもなく大きな難問に取り組みはじめる。ホロコーストを知った自分たちの世代は、どう対処するべきか?「理解に苦しむものを理解できると思ってはいけないし、比較にならないものを比較してはいけない…。ぼくたちは、嫌悪と恥辱と罪の意識を抱えたまま、ただ黙っているべきなのだろうか?何のために?」
本書はボストン・ブックレビュー誌のフィスク・フィクション賞を獲得した。たぐいまれな明快な文章で、少ないページ数のなかで多くの悪の精神の問題に挑んでいる。世界がかつて知り得たなかで最悪といえる残虐行為に加担したのが親や祖父母、あるいは恋人であった場合、彼らを愛するという行為はどういったことなのか?文学を通しての贖罪(しょくざい)は可能か?シュリンクの文体は簡潔であり、比喩表現、会話といった文章の属性を問わず、余分なものはことごとくそぎ落とされている。その結果生まれたのが、ドイツの戦前と戦後の世代、有罪と無罪、言葉と沈黙の間に横たわる溝を浮き彫りにした、厳粛なまでに美しい本作なのである。


クチコミ情報

あんまり現代小説を読まない者の感想です。

 刑務所のなかのハンナに向けてテープを送り、主人公が演じ続けた「朗読する坊や」の役割が、かつて彼女自身がおこなった「おきにいり」の少女たちに課した朗読と重ねられ、それからの解放が同じく死の宣告となるといふ結末の符合。囚人を朗読者として看守生活の“隙き間”に入れてゐたのが、今度は反対に囚人として、朗読者の生活の“隙き間”に入れられる破目になったことが、主人公自身によって語られてゐるのが、実に皮肉に感じられました。朗読だけを聴き続けるといふ、思惑を超えて主人公から与へられることになってしまったともいふべき、その「罰」の内実が、しかし苦しみとしてではなく、言葉を覚える喜びとして、反省の学びへと真摯な彼女を向かはせる。しかも「罰」は「罰」として顕れ、彼女を最後に自殺に追ひやることになってしまふ訳ですね。この小説の苦味の背景にあるのは、戦争と貧困の問題といふより、時代に翻弄される人間のどうしようもない運命のやうな感じがします。思ふに、文盲であることを隠す生き方を貫くことは、実はハンナ一人が選んだといふより、その事実を暴露しなかった主人公とともに選んだ誤りとも云ふべきで、二人の責任です。ですが、そのせゐで、刑務所といふ閉じた環境に守られた彼女にとって、主人公といふのは「ただの朗読者」であり続ける限り、依然自らが優位に立つ思ひ出の中の「坊や」のままであり続けることができ、(さう思ふのは彼女の自由なのですが)、主人公の側もまた「坊や」からの成長を見せず、そのやうに演じ続けなくてはならないと思ひ込んでしまったところに、二つ目の誤りがあります。もっともそれは彼の「罪」ではないのですが、刑務所の女所長さんが「どうして手紙を書かなかったのか」と非難したときに、一番こみあがるものがありましたね。その次のカタルシスはもちろんハンナが裁判長に詰め寄るシーンでした。

物悲しいラブストーリー

一気に読みました。戦争の理不尽さに翻弄された男女の物悲しいラブストーリーに感じました。映画ではどのように描かれるのでしょうか。

人間の記憶って・・

物語は、「ぼく」がハンナと過ごした日々を回想するところから始まる。物語の中核となるべき大恋愛なのに、「ぼく」は記憶があいまいで、すべてを明確には覚えていない。
大恋愛だったのなら、なぜしかっり覚えてないのだろう?その程度の恋愛だったのか?

読み進めていくと、ハッキリ覚えていないことがむしろ自然に感じた。純愛ものにありがちな、あの大恋愛だけは明白に覚えている、忘れられないんだ、という世界観が崩れていった。

読んでよかった。また、何年か後に読みたい。


読みやすい英語。

英語勉強用の小説としてわかりやすい、読みやすい 200ページの分量も努力すればいける。 もとはドイツ語で書かれたものを英語翻訳しているので、英語の癖がなく、勉強用の小説として薦められる。TOEIC800点レベルの人が900点を目指すために読むという感じ。

散漫すぎる

女性がハンナでならなかった理由、
他の女性や囚人や他人の過去とは違う理由、
時代の移り変わり・・・

それらが全く読めず、ただ主人公の男性が思い出にすがって
自己中心的な思考を前後左右にめぐらしているだけ。

この作品の中では『生』も『死』も重みが無い。

ハンナが隠した秘密はあまりにも決定的な根拠に欠け
時代背景や過去にさかのぼる犯罪と繋げるのは難しい。



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レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで (ヴィレッジブックス)

リチャード・イエーツ 村松潔 
レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで (ヴィレッジブックス)
定価:¥ 809
新品最安価格:¥ 809
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クチコミ情報

居場所の居心地の悪さ以前に、居場所のない私の感想

映画を見る前に原作を読みました。映画はほぼ原作どおりでした。映画も見ようと考えている方、先に映画を見た方がいいかもしれないです。もちろん原作と映画は別物だと理屈では分かっていますが、映画を見た後で原作を読むとなるほどという感じだと思いますが、逆に原作を先に読むとそれに引きずられて映画を見てしまいそうなんです。つまり、それだけ映画はきわめて映画的で、原作はきわめて小説的だということなのです。
どういうわけか全く同時期にハヤカワ文庫でも出ていまして、訳者と値段が数円違うようです。どちらをとるか、あるいは読み比べるか、ですね。私は村松氏の訳を読みたかったのでこちらを選びました。読みやすかったですよ。
あとがきにありましたが、昨今の八方ふさがりの経済状況を反映してかアメリカでも再評価の兆しが高まっているようです。日本でプロレタリア文学が再び注目を集めているのと同じでしょうか。
ですので50年代のアメリカの平凡な夫婦と平凡なご近所さんたちのひたすらダークサイドばかりが滑稽に暴かれる本当に救いのない小説なのですが、今の時代に読むとなんだかぴったりしすぎているほど理解されて怖いくらいでした。
各人の本当に事細かな内的独白は自分を棚に上げた恐ろしいまでの身勝手さと恐ろしいまでの滑稽さに満ちています。私はこの病める人々の告白を半ば馬鹿にしつつ、半ば共感しつつ読み進めるのをとめることができませんでした。
平凡であろうとしてそこに安住できない夫婦の話が柱ですが、私はその平凡な役を得たこと自体一度もないのです。彼ら以上に終わっているのかと思うと途方に暮れました。。。



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My Sister's Keeper

Judi Picoult 
My Sister's Keeper
定価:¥ 769
新品最安価格:¥ 831
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商品の紹介
ピクート(『Second Glance』ほかの著者)の11冊目となるこの本は、子どもが重病と診断されたときに家族がしなければならない選択を、哀感と思いやりをこめて描いている。安楽死(『Mercy』)や10代の自殺(『The Pact』)、衛生保護法(『Second Glance』)のような議論の余地のあるテーマに取り組んでいる著者は、遺伝子設計や病気治癒を目的に子どもをもうけることと、その結果生じる倫理的、道理的問題に目を向ける。

ケイト・フィッツジェラルドは珍しいタイプの白血病を患っている。彼女の妹アナは、体への負担がしだいに大きくなっていく治療に代わるものとして、血液や臓器のドナーになることを目的に作られた子どもだった。13歳の時、アナは弁護士を雇い、腎臓移植の計画に関して、自分の体をどう使うか自分で決める権利を求めて両親を訴えることになる。一方、なおざりにされていた長男ジェシーは家を出て放火し、消防士をしている父ブライアンが必然的に、それを消し止めることになる。著者は、それぞれの登場人物の意志や見解を明らかにするため、複数の視点を導入しているが、その推移はいつものようになめらかではない。フラッシュバックの場面は唐突で、子どもたちの母親セーラは、これまでの作品の人物たちほどリアルには描かれていない。セーラが献身的にケイトに接するのは理解できるが、裁判にいたるまでのアナの苦境をまったく理解してやれないというのは信じがたいし、むかし取得した法学位を持ち出して、このような複雑なケースで自己弁護することになるというのも受け入れがたい。それでもピクートは、入り組んだテーマを、明瞭、果敢な姿勢でみごとに深く掘り下げ、胸を締め付けられるような予想外の展開で物語を締めくくっている。
Copyright © Reed Business Information, a division of Reed Elsevier Inc. All rights reserved.


クチコミ情報

touchingで泣けました・・・・

非常に感動的な本で、満足なんですが・・・。最初は、1人称で語り部がころころと変わるのが辛かった。しかも、一人や二人ではなく、Anna, Campbell, Sara, Jess, Brian, Julia…と、主要な登場人物が入れ替わり立ち代り、10ページずつくらい過去と現在を交錯させながら語っていくので、それについていくのに、すごく疲れた。こんな風に話し手を変える必要性はあるのだろうか?(作者にとっては都合がいいのだろうけど)と、腹立たしくもあったけれど・・・。でも、我慢して読んでいくにつれ、やぱりこの物語のよいところの一つはキャラクターデベロップメントであり、それはこの一人称の形式のおかげでもあることがわかってきた。人物が本当に一人一人よくわかって、「この人はこういう人」って、自分の中で彼らのイメージを作り上げることができた。

と、同時にストリーラインは・・・白血病のKateのDonorとして生まれてきたAnnaが、腎臓提供を拒んで母親のSaraを告訴する、という、いかにもアメリカでありそうな話なんだけれど、ことの真相は意外なところにあり・・・。そして、そこに犬を連れたクールな弁護士CampbellとJulliaの恋愛が同時進行して、これまた忙しいんだけど、エキサイティングでロマンチックな香りを添えている。

それから、この小説の優れているもう一つの点は、物語のそこここにちりばめられているアナロジー的なエピソードの数々。登場人物の置かれた状況や心情を「あ、そういうことか」って、納得できるようにしてくれる美しいエピソードが、すごくよく描けていると思う。この辺りが、著者の力量なんだろうな。セリフ回しも、すごく良かった。

英語は、医学的な専門用語が多いのと、カジュアルな口語表現が多いので、正直難しかった。でも、後半はどんどん読み進めたし、何度も泣くほどtouchingなストーリーだった。子の親として、家族を亡くした経験を持つ者として、共感的に読んだからというのもあるけれど、いろいろと考えさせられることは間違いない。小説を読んでいてこんなに号泣したのは初めて。それくらい、のめりこんでしまった、ってことだろうと思う。


だれかを犠牲にして命を救うという究極の問題をつきつけます

ピクートの小説は初めて読みましたが、人物の描写も丁寧で
物語にすっと入っていけました。
弁護士の元彼女が絡んでくるサイドストーリーはあまり必然性は感じませんでしたが・・・。
物語は登場人物が代わる代わる一人称で語られます。この手法には好き嫌いがあると思いますが
この小説の場合、登場人物の心情が細やかに描写されていて効果的だと思います。

ストーリーはほぼ予想通りに展開するのですが、
油断していたら最後で驚きの結末を迎えます。

キャメロン・ディアスが主演して(母親役)映画化され、最近米国で公開されたようです。
多分日本でも公開されると思いますので、楽しみです。
弁護士役はアレックス・ボールドウィンだったと思います。(イメージと違うけど)


読み応えのあるドラマ

白血病の姉のドナーとしての存在に疑問を持ち始めた妹、なんとしても長女を助けたい母親、自然の摂理に従って娘の余命を尊重しようとする父親、妹(長女)の発病からずっと家族の中で存在間を失った長男・・・それに加えて妹が雇った弁護士、法廷が指定したGALなど様々な立場から書かれていて、読者をどんどん吸い込んで行く話の展開だと思いました。
最後まで病気の長女の立場からの話が分かりませんが、そこがまたこの小説の粋な部分だと思いました。結末までそれを溜めておいて、結局家族とは、姉妹とは、そして命とは・・・と、読者にいろんな問題を投げかけているように感じました。

判事が判決を下す内容がとても印象的です。人の命と倫理、そして個人の尊重は、なにを根源に考えるのか・・・難しい課題にいろんな立場の人たちがこれぞ最前と思って戦っている法廷で、判事は見事に真髄を語ってくれます。


英語もわかりやすい

最近出た翻訳『わたしのなかのあなた』を読んでとても感動したので、原書にチャレンジしてみました。
医学用語を除けばとても読みやすい英語で書かれており、語り手ごとに英語の書体を変えて今誰が話者なのかがわかりやすい仕組みになっていました。アナと母親のサラとの会話など、とても生き生きとしていて、英語ではこういう言い回しをするのかと感心しながら読み終えました。
翻訳を読むよりは時間がかかりますが、原書で読むというのは著者が伝えたいことがダイレクトに伝わってくるのでいいですね。もちろん翻訳を読むようにはすらすらいかないし、英語力の不足から誤読する場合もあるわけですが。
それからタイトルがとても意味深長に思えました。My Sister's KeeperのMyとは誰なのか、姉のケイトなのか妹のアナなのか? 最後にそれが明かされる仕組みになっています。邦題の『わたしのなかのあなた』も同様に「わたし」が誰で「あなた」が誰かが謎になっており、原題をうまく生かしたタイトルだと感心しました。
原書と翻訳版『わたしのなかのあなた』セットでお勧めです。


私は三児の親だが、このような場合にはどうするだろうか

驚きと賞賛をもってこの本を読み終えた。この本はアマゾン・コムのホームページをなんとなく眺めている時にたまたま見つけたもので、星五つの評価とカスタマーレヴューに惹かれて注文した。

 13歳の少女アンナは産まれてこの方健康体であるにもかかわらず何回か手術をしてきた。それは彼女の3歳年上の姉、ケイトの白血病治療のためにリンパ液や骨髄を移植してきたからである。

この話はこの小説の内容に近いある実話を元にして作られたと言うが、まず私が驚くのは、親として今居る子供への支援を求めるためにまだ居ない子供を作るなどということが、人道的に倫理的に赦されることだろうか、ということである、いや、そのようなことを問う前に、人間としてこういう発想を果たしてするだろうかということである。

作者は、母親の取った行動を責めるわけにはいかない、ということを言おうとしているが、そのあたりの母と子、サラとアンナ或いは息子のジェスとの接し方の表現が細やかに伝えられていないと私は感じた。このような感情の表現は日本の作家の方がうまいかもしれない。それに対して父親・ブライアンのアンナに対する接し方は粗い表現のなかにも親と子の信頼関係を読み取ることができて感じがよかった。
アマゾン・コムでの評者のうちの一人が言っていたが、多くの人に読んでもらいたい本である。



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The Time Traveler's Wife

Audrey Niffenegger 
The Time Traveler's Wife
定価:¥ 1,257
新品最安価格:¥ 807
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クチコミ情報

The Book is Better than the Movie

I bought this book knowing that I would be watching the movie soon. I'm glad I read the book first as it contained a lot more to the love story of Henry and Clare compared to the movie version. This is the love story of Henry and Clare. Henry is a time traveller (and the author actually explains it so that it makes sense and seems normal!) and first meets Clare when she is 6 years old. This is a very thick book, which traces their lives together. The focus is on Clare and her encounters with Henry.

Sometimes it was difficult to know who was talking as the author had characters talking but no names next to the dialogue. Sometimes I had to look back to see who started the conversation and count the lines. Also, each section had a heading so you knew how old Henry was and how old Clare was at the time of each encounter. Each section was pretty short, so it was easy to put the book down and take a break. I didn't have to wade through any long chapters.

It was a good read, and I would recommend this book to others.


It was good.

Every time I Google this book I see hundreds of raving reviews. I just don't feel it. It IS a good love story that involves time travel in a unique way but it's a little redundant, way to long and just lacking something. Halfway through I felt like "I get it he can travel in time already!!"

It's not a terrible book but it's not the best book I've read this year it's average. I seen it's being paired with The Kite Runner and to be honest I much preferred that.

I did really like all the music, as a huge fan of the Violent Femmes it was cool to see their songs throughout and I did like the cover.


A Must Read!

Wonderful, wonderful story. I was hesitant at first to buy this book but after reading such great reviews about it, I finally did. And yes, it is definitely worth it. Will be on top of my favorite books of all time.

Great book

This is one of the best books I have read for some time. It is beautifully crafted, well written and truly memorable. I have been telling all my friends about it as I want to share the experience. It is about love and longing, enforced separations and questions how much control any of us have over the path our lives take. More than anything it is a moving and powerful love story but with enough guts to keep male readers satisfied! It manages to balance tragedy and humour perfectly so even in the bleakest moments there is hope. The human condition prevails over everything that fate (or God if you prefer) can deliver. The characters of Henry and Clare are well developed and their flaws and failings make them believable. The story hops through time and space but never falters or drags. I found it hard to put this book down and days after finishing it I still found myself thinking it over. A stunning novel! Read it! I'd also recommend reading the mesmerising and highly evocative novel The Fates by Tino Georgiou.

An amazingly fun reading

シカゴのNewberry Libraryに勤めるHenry DeTambleは、実は幼い頃から意図せず突然に時間線を過去へ未来へとタイムスリップしてしまう“time traveler”であった。彼はいわば遺伝子の突然変異によって偶然誕生した「新種」である。Henryが36歳の時、迷い込んだ過去で6歳のClareと出会う。突如として現れ、そして消失したHenryに幼いClareは恐れと好奇心を抱く。しかし繰り返し現れては消える未来のHenryとの奇妙な関係はClareが成人するまで続き、そして二人はついにお互いの「現在時間」に出会いを遂げる。しかしHenryはこの時28歳、Clareの存在などまったく知らない。そして想像を超えた「未来」が二人を待ち受ける.....時間を隔てた恋愛ファンタジーにはフィニーの傑作など少なくないが、Niffeneggerは意思に反してタイムスリップを繰り返す男と、彼に翻弄されながらもお互いに心強く結ばれていく女性との切ない愛を、現代的な感覚でヴィヴィッドに描いている。かといって!安っぽい荒唐無稽な恋愛ドラマなどではない。時間SFとして読んでも傑作の部類に入るだろうし、何より作者が描くのは出会い、喪失、苦悩、一途な愛、誕生、死、謎、家族、驚き、といった人生のドラマである。神出鬼没のHenryと妻Clareの人生はそれこそハプニングと困難の連続だが、そこに見えてくるのは誰もが生涯を通して経験する人間臭い感情であり、だからこそ強く心を揺さぶられる作品となっている。新基軸のSFやファンタジーが読みたい人、一途で切ない不滅の愛の物語を読みたい人、娯楽小説が好きな人などすべての人に読んでいただきたい作品だ。


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Confessions of a Shopaholic

Sophie Kinsella 
Confessions of a Shopaholic
定価:¥ 769
新品最安価格:¥ 831
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クチコミ情報

サザエさん的な陽気さで底抜けにコミカル

 Rebecca Bloomwoodは、ロンドンに友達Suzeとアパートに一緒に住み、経済雑誌の出版社に勤めている20代のどこにでもいる明るくてウキウキした女性。しかし、彼女は、ファッションや雑貨などのブランド物に目のない買い物中毒者で、仕事で立ち寄った街でも、買い物をしようとするものだから、毎日のようにカードの督促状が送りつけられてきます。そこで彼女は、負債を返そうと、様々な妙案で問題解決に乗り出します・・・。
 しかし、お金持ちのTarquinには、フラれてしまい、一番憧れているRuke Brantonにもバカにされ、全く自信を失ってしまうのですが、さて、Beckyはどのようにこの窮地を打開するでしょうか?これは、自分で読んで確かめてください。きっと、以外な結末が待っていると思います。
 巻頭にあるレビュー集には、「昔でいうI Love Lucyのどんちゃん騒ぎに似た陽気なお話」とあるけど、どちらかというとルーシーの声をやっていたカツオ(?)の出演しているサザエさんの方がイメージしやすいと思います。いたる所にユーモアがあって、さらに、物の考え方っていうか、思考回路が日本人に近いようで、米国人作家より内容や気持ちが理解しやすいみたいです。
 また、英語の難易度ですが、John Grishamの後に読んだからかも知れないけど、非常に表現がやさしくてわかりやすい!一語一句、わからない単語がないくらい(おおげさかも)しかも、模範的な表現や文体の英語が多いので、中学生の英語の教科書にしてもよいくらいだと思います。洋書の初心者からベテランまで、誰もが楽しめる秀作でしょう。


おもしろい!!けど。。。こんな女の子周りにいたら大迷惑!?

金融ジャーナリストとして働くレベッカの悪癖はずばりお買い物。
もらってるお給料以上のお金を使っちゃうもんだから、当然
支払いに四苦八苦。銀行から催促の手紙が山のようにやってくる
のに、開封もせずゴミ箱へ。。。
倹約生活を始めなくちゃ!と実行できもしないことを始めては
すぐ挫折。。。転職しよう!と思い立ってはフィンランド語が
話せるなんてうそをつく始末。。。サイドビジネスとして始めた
好きなブランド服の売り子、でもねらってた服を客にとられそうに
なって横取りしちゃったり。。。
もう目もあてられない有様です。考えが浅はかすぎます。これ
他人事だからおもしろいんだけど、ね☆
そんな折、会議で出会ったルークはPR会社を持つお金持ち!!
はてさて彼との恋の行方は。。。?
ひょんなことからフィナンシャルプランナーとしてテレビに出始めた
レベッカ、でも山のように催促状を送ってきていた銀行の人と
ばったり。。。!!さあ、どうやって金融危機(笑)を乗り越えるのか?!

最後まで軽いのりで、ついつい、あ〜もうレベッカ!だめだめ、
ベッキー!とつっこみたくなるところ満載です。読んだ後は
すっきり!お買い物大好きなら気持ちわかるよねえ。。。?


もだえ苦しむ買い物中毒者地獄の酒蔵

ははは
愉快な作品です
買い物中毒者の心情が良く表現されています
まあ良くもこんなに買えるものですね
感心しました


・・・えぇ???

すごく面白いと友人に言われ、読んでみたけど、さっぱり!
何でこれが面白いの??って感じでした。
私も買い物が大大大好き!!だけど、Beckyの気持ちが分からない。
むしろ、計画性もないし、適当に生きてる感があるし、友達でいたら絶対いらいらするタイプ。
その割りに男が寄ってくるってどういうこと?
最後も結局、Beckyのいいように終わっているし。
読み終わって「・・・えぇ???」っていう感想しか出てこなかったです。


なぜこんなに人気なの?

飛行機に乗ってる間の暇つぶしとして購入しました。
が、読んでてイライラすることが多く何度も「もう読まない..。」と本を閉じました。(結局読み終えましたが)

取り合えず、主人公の弱さにイライラします。
あまり詳しく言うとネタばれになるのでいえませんが、友達も家族も巻き込み迷惑をかけ、反省しても同じ事の繰り返し..。
同じ女性として全く共感出来ず、こんな友達絶対欲しくないですね。
でも、これは私がshopaholicではないからかもしれません。

結末もまさしく思った通り!!!!
久々にお金を無駄にしたなと思わせてくれた一冊でした。



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レボリューショナリー・ロード―燃え尽きるまで (ハヤカワ文庫NV)

リチャード イエーツ Richard Yates 青木 千鶴 
レボリューショナリー・ロード―燃え尽きるまで (ハヤカワ文庫NV)
定価:¥ 819
新品最安価格:¥ 819
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クチコミ情報

浮気する男の心理が分かる

レオナルド・デカプリオ主演で映画化が決まったこの作品。
はっきりいって、面白くもなんともなく、
むしろ、すべてが不快なくらいなんだけど、
非常に感慨深い作品である。

衝撃的なのは、女である私が、
「愛して止まない妻がいながら、浮気に走る男の気持ち。」
「世間の風習に縛られて妻は持ったものの、Aクラスの女に憧れ浮気する男の気持ち。」
この2パターンがそれなりの共感とともに理解できる点である。

憧れの美しく聡明な妻と結婚し、
人も羨む理想の家庭を築いたかに見えるフランク
30歳を迎え、人生の全貌が見えるにつれて、
彼とその妻、エイプリルの日常へのイライラは募っていった。
ある日妻は唐突に気づくのだ。
このイライラを打破する絶好の策、パリへの移住を。

夫はこの生活に腐っているだけで、本当はもっと才能のある人だ。
妻は夫の能力を信じ、夫は自分の実力を知っていた。
それが二人の不幸だった。

浅はかな夫が言葉巧みに妻や愛人を操ろうとする様が、全く持って、小賢しい。
最もらしく聞こえて、すべての優先順位は自己弁護のみであるのに、
不幸なのは、その言葉を妻が真剣に聞こうとしたことだ。
そして夫が本当に妻を愛していたことだろう。


「小市民的な幸せな」生活に満足出来るか?

フランクはニューヨークの一流企業に勤め、郊外でエイプリルと二人の子供と、一見「幸せな」家庭を築いています。

ところが、地元劇団の初公演の失敗から、そんな「幸せな」生活が破たんをきたし始めます。
「愛している」ことと「嫌いではない」ことの違いに目を瞑り、お互いに背伸びした生活であったことに気がつきます。
そして、そうした現状を打破するためにヨーロッパ移住を計画しますが、それもエイプリルの妊娠で挫折します。

この「小市民的な」そして退屈な「幸せな」生活に満足出来なくなった時、ひとつの家庭が崩壊に向かいます。

しかし、考えてみれば、ほとんどの家庭がそんな生活ではないでしょうか?
エイプリルのように「張り合いのある」「生きがいのある」生活を求めすぎれば、誰も満足がゆかないでしょう。
完璧な家族などと言うものがあるのでしょうか?
そんな風に考えてしまうのは、私自身が「小市民的な幸せな」生活に満足しきっていると言うことでしょうか?



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The Curious Case of Benjamin Button: The Inspiration for the Upcoming Major Motion Picture

F Scott Fitzgerald 
The Curious Case of Benjamin Button: The Inspiration for the Upcoming Major Motion Picture
定価:¥ 942
新品最安価格:¥ 403
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フィッツジェラルドらしくないけれど

『グレート・ギャツビー』ほか、最近では村上春樹さんや小川高義さんの翻訳で(原書で読むのは2冊目)フィッツジェラルドさんの作品に親しんできた者としては、へえ、こんな作品も書いていたのかと驚かされました。ジャズ・エイジのきらめきと悲しさを本領とする作家だと思っていたので、小品ながらこのSF的な発想には、やはり物語作家としての才能が豊かにあった人なのだなあ、と。
英語は読みやすく、長くないので、せっかくだから原書で楽しみたいという方にはお薦めです。


大人向けの寓話として面白い。

老人の姿で生まれ、若返って最後は赤ん坊として死ぬ男の物語が、僅か52頁の小冊子とは驚きだが、ボリュームがクオリティーを左右する訳ではないから、若さを先に失うか後から失うかという大人向けの寓話として面白く読んだ。家庭ドラマに大人びた子供の存在は不可欠と言えるが、本書の主人公は祖父に瓜二つの皺くちゃ老人にしか見えず、隠れて葉巻まで吸うのだからその範疇を超えている。

家で子供を生むのが当たり前だった19世紀中頃、主人公ベンジャミンが麻酔薬の匂う「病院」で生まれたのは両親が進歩的だったからだという冒頭の記述が特に興味深い。医療制度の発展が少なくとも家族の一員として主人公が無事に引き取られることを後押ししたと判るからだ。もし家で出産したのなら、衝撃が強すぎて何か災いが起きたのではあるまいか。現に映画では父親が醜悪なわが子を捨ててしまう筋立てだと聞く。

著者フイッツジェラルドが生きた時代の父系重視の社会構造が反映されたのか、健在する母親が会話に登場しないのが奇妙に思える。小説とはいえ母親の戸惑いや拒絶反応を描き切れなかったのか、乳母が面倒を見る当時の習慣で母親の姿を不要と考えたのか。

父親の母校イェールで新入生登録係から疑われ、在校生に罵詈雑言を浴びせられて追い返される悲劇に見舞われたベンジャミンに、やがて<青春のときめき>が訪れる。地元ボルティモアでの仮装舞踏会で運命の女性ヒルデガードに出会ったのだ。
「細身で可憐な娘。その髪は月の光に蒼ざめ、ポーチで爆ぜるガス燈の灯を受けるとハチミツ色に輝いて見えた。黒い蝶柄の柔らかそうな黄色いスペイン製スカーフがその娘の肩口まで覆い、その足先にはスカートの縁飾りのボタンが煌いていた。」

父親をベンジャミンの兄弟だと勘違いしているヒルデガードは「年配の男性の方が好ましいですわ。大学でどれだけシャンパンを飲んだとか、やれカードの賭け事で大金を摩ったとかを得意気に話す若い人は阿呆だとしか思えませんもの。」と語る率直な娘だった。イェールでの苦い屈辱の経験から彼女の誤解を解くのをベンジャミンは躊躇った。
ヒルデガードに恋をした彼は夢見心地でダンスを楽しんだあと、「金槌と釘の次に着目すべき商品は何だと思う?」との父親からの問いに、「それはLove(愛)です。」と上の空で答えて、「Lugs(取っ手)だって?!」と父親を呆れ返させるこのやり取りがとても面白い。

最愛の女性を伴侶に迎えビジネスに邁進したベンジャミンは、ハーバードを卒業した息子ロスコーに家業(銃鉄器卸売店)を譲るが、若返って元気一杯。米西戦争に際して入隊し、大尉から少佐を経て中佐にまで昇進したり、自らもハーバードに入学し、フットボールの試合で憎っきイェールの選手たちをフィールドで薙ぎ倒し一人で七つのタッチダウンを奪う大活躍を見せたりするところは「フォレスト・ガンプ」の主人公を彷彿とさせ楽しめる。

逆回転の人生を辿ろうが、人はいつか死ぬ定めだから、得たもの(家族との思い出など)と失ったもの(別の選択肢での可能性)との帳尻がプラスである限り幸せなんだ。単純にして深遠なこんな人生哲学を本書から学び得た気がする。



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Eat, Pray, Love: One Woman's Search for Everything Across Italy, India and Indonesia (international export edition)

Elizabeth Gilbert 
Eat, Pray, Love: One Woman's Search for Everything Across Italy, India and Indonesia (international export edition)
定価:¥ 1,109
新品最安価格:¥ 896
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読み終わりたくない本です

一人の女性の恋愛・人生の旅についての素晴らしい本です。
一年間イタリア・インドネシア・インドを旅しながら
様々な人に出会い、人生とは?自分とは一体なんだろう?
と自分とひたすら向き合う姿に私は共感できました。
ヨガスタジオで知り合った女性に勧められ購入しましたが、
期待以上の本でこの先また何度も読み返したい本です。


本を読みながら著者と一緒に「心の旅」をしました

本当に本当に「愛して病まない」本に出会いました。
間違いなく私の2008年のベストブックです。

この本の著者、

エリザベス(リズ)は、誰もがうらやむような生活をニューヨーク郊外でしている。お家、旦那様、作家としてのキャリア。全てがそろっているように見えるのに、その生活に「息が詰まる」。眠れない夜をすごし、夜中に突然バスルームで崩れ落ちる。自分の中の「神」との対話。その後、離婚をし、恋人との恋愛関係に悩み、色々な思いを抱えて、全てを置いて、旅に出かけるのです。

そして、ここからは、題名の通り、

イタリアで、eat

インドで、pray

そして

インドネシアのバリで、love

沢山傷ついて、でもなんとか自分を見つめなおし、自分を探し出そうとするリズの旅行記。

彼女のウィット、ユーモア、優しさ、大胆さ、全てに共感できます。

英語も簡単!簡単!というレベルではないかもしれませんが、優しい、美しい文で、そして何より、面白い。

くすくす笑い、時には涙したりしながら、じっくりゆっくりと味わいながら読めます。

人生と、魂に関する沢山の教え。
説教ではないのですが、読んでいると、「ずーん」と胸に来る良い言葉が満載です。

お勧めです。
私はこれから一生、この本を何度も読み返すことになると思います


共感できます。

仕事、結婚、マンハッタンのマンション、恋愛・・・
たくさんの人の望む「素敵な人生」を送っていても心が落ち着かず
いつもunstableだったLizが自分探しの旅ともいえる
合計1年間の海外生活を送る話です。

私は日本人だし、夫もいないし、仕事で成功してもいないし、
これだけ旅をするお金もない。でも、とても共感できるのです。
張り詰めていた糸が切れそうになった瞬間を、
私も経験しているからかもしれません。

イタリア、インド、インドネシアと旅を重ねる彼女は、
心から自分が楽しいと思える毎日を送ります。
彼女が「生き返っていく」姿が素敵でした。
自分や、大切だったものを取り戻していく姿が。

彼女の言葉の選び方が好きで、先へ先へと引き込まれました。
今でも忘れられないのが、とても単純な文章。

「だから、私はイタリアが好き」

ただそれだけで彼女のイタリアへの愛情が伝わります。

英語で分厚い本ですが、英語自体は難しくないと思います。
ただ1つ1つのお話が長く、たまに中だれするので、
それを乗り越えられればどんどん楽しくなってきます。

何度も読みたいです。



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Unaccustomed Earth

Jhumpa Lahiri 
Unaccustomed Earth
定価:¥ 930
新品最安価格:¥ 972
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これは傑作短篇集です。

しばらく前に話題になった著者のデビュー作『Interpreters of Maladies』はさほどの印象を受けず、数編読んだままになっていた。第2作『The Namesake』が出ていたこともほとんど知らなかったし、その後あまり注目していなかった。が、たまたま「クリック中身!検索」で本書の冒頭の数頁を読んで、あちらとこちらの波長が合ってしまった。すばらしい書き出しである。(未購入の方は、ぜひともこの冒頭だけでも読んでみられることをお薦めします!)

この作家の紡ぎ出す世界に数日間没頭することができた。これは相当な完成度のある短篇集であると言わざるをえない。不思議なのが、楽しい話はほとんどないし、トーンは一貫して短調であるのに、ぐいぐい読めてしまう。デビュー作を数編読んだだけだが、この作家は短篇作家として驚くべき成長を遂げているといってよいのではないだろうか。

印象に残った一節を引いておく。

And yet he felt justified. Wasn't it since Monika's birth that so much of his and Megan's energy was devoted not to doing things together but devising ways so that each could have some time alone, she taking the girls so that he could go running in the park on her days off, or vice versa, so that she could browse in a bookstore or get her nails done? And wasn't it terrible, how much he looked forward to those moments, so much so that sometimes even a ride by himself on the subway was the best part of the day? Wasn't it terrible that after all the work one put into finding a person to spend one's life with, after making a family with that person, even in spite of missing that person, as Amit missed Meagan night after night, that solitude was what one relished most, the only thing that, even in fleeting, diminished doses, kept one sane? ("A Choice of Accomodation", p.115)

ここには子供ができた後の夫婦の有り様が述べられている。要するに「子供ができると夫婦の中はそれ以前にはもう戻らない」というある種の真理について述べたものだが、ここまで的確に重厚な英語で述べられてしまうと、「はい、そのとおりです」と言わざるをえない。結婚して子供を授かったものにしか分からない悲哀がにじみ出ている。

ちなみに、本書冒頭にホーソーンの言葉が引用されており、それが本書を貫く通奏低音となっている。これはなかなかうまい引用だと思う。タイトルのUnaccustomed Earthという言葉もそこから取られている。


デビュー作を圧倒する中身! 素晴らしい!

 デビュー作である短編集「Interpreter of Maladies」で一躍有名になった彼女です。私も「短編の名手」と絶賛させて頂きましたが、その後長編「The Namesake」でまたびっくりさせて頂きました。3冊目がこの本、短編集です。5つの作品からなる「Part One」と、一組の男女をテーマにして書かれた三部作の「Part Two」。中身は・・・?
 彼女自身がそうであるNRI(インド非居住インド人)のお話であることはデビュー作以来一貫して変わりがないのですが、中身は毎回進化して、この中にある8つの作品全てが、これまでの二冊に比べ、より深みがあり奥行きがあり味わいのある圧倒的な内容となっています。彼女の成長と飛躍が手に取るように分かった、と言うより、彼女が世界有数の語り部の一人になったことが嬉しかった、と言うべきでしょうか。とにかく、表題作となった冒頭の「Unaccustomed Earth」で心を鷲掴みにされてしまった私は、最後まで残りの7作を貪るように読んでしまいました。
 NRIならではのエピソードが鏤められています。NRIならではのストーリー展開です。その節回し、コブシは、NRIにしか出来ないもの。でも、そこの描かれていることは、NRI特有のものではなくて、人生、というものに対する「深い理解」なのです。そしてその理解ある面、「愛情」というものを遥かに越ちゃってます。例えば表題作。おじいちゃんの静かで穏やかな立ち振る舞い、その彼になついてしまった孫息子のちょっとした悪戯、二つが重る焦点に娘であり母である主人公が貼り付けたものは・・・。
 これから先、彼女の出す作品は「全て即座に読むぞ」という固い決心をさせてくれた一冊でした。


母の死と父の再婚をめぐる変奏!

『停電の夜に』は案外面白く、読み終わってからも小説の場面を時々思い出すことがあった。それでどうも新刊が出ているようなので取り寄せて読んでみた。・・・ジュンパ・ラヒリの小説を、皆が好きだと思う。彼女の小説を悪くいう人にはお目にかからないだろう。しかし、今度この『馴じめない土地』(2008年4月刊)を読んでこの見方が変わった。成熟というか社会観が広がったというか、読む人によって好みが分かれると思う。

『馴じめない土地』は、八編の短編から成り立っているが、そのうち四編が“ニューヨーカー誌”に発表された。他の四編が書き下ろしのようだ。・・・アメリカにおけるインド人社会のすさまじい上昇志向のなかでアルコール中毒となりドロップアウトしていく「弟」についての物語も印象深かったし、父親の再婚相手の連れ子との葛藤を描いた短編も夢中で読んだ。しかし、僕にとって一番味わい深いのは何と言っても冒頭の“馴じめない土地”だ。特に、今は引退生活を送っている父親が、憑かれたように園芸店から花やいろいろなものを買い込み庭を充実させていくエピソードは奇妙な面白みがあり、その父親が植物に水をやる音を聞き、その音にある種の寂寞を感じるところが何とも素晴らしい(故郷喪失と父親の老いを連想させる)。この父親は、今は旅行を趣味とし余生を楽しんでいるのだが(アンネ・フランクの隠れ家の前で記念写真をとったりする)、どうも自分には隠して恋人がいるようで、母親の死が生々しい娘にとっては心に複雑な影を落としていく。

今回僕はクノップ社版の本を買った。ハードカバーで二千数百円。こんな美しく中身のある本が二千数百円で買えるなんて何と言う僥倖だろう。裏表紙のJLの顔写真を見れるだけでも価値がある。JLを好きな人は、いますぐこの本を買うべきだと思う。



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The White Tiger

Aravind Adiga 
The White Tiger
定価:¥ 755
新品最安価格:¥ 834
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けっこう衝撃的、でも読みやすかった

すでに書かれているように、中国の首相に送る手紙という形態で、その内容は赤裸々な告白、暴露であるので随所で衝撃的でしたが、非常に読みやすかったです。この内容が数十年前ではなく、今現在ということで、改めて色々驚かされました。
急激な発展をとげつつある新興国にいてさえ、長年の因習や宗教的価値観に基づく過去のしがらみは、自分で気がついてみてもなかなか振り払うことが困難であることが、わかりやすく書かれていますね。また、使用人根性の抜けない自分、格差社会の現実との狭間で格闘しつつ、”闇”から”光”へと転身しようとしている主人公が、鮮やかに描写されていますね。
たとえ、ほんの少しの間だったとしても、召使でないことがどんなことかわかったのだから、だから主人を殺したのは意味があるのだというところに、根が深いことが読み取れるようでした。

どこもかしこも、彼を取り巻く世界が賄賂とたかりだらけであることに、圧倒されてしまいます。子供でさえ、そういうことをいつしか覚えてしまうのですから・・・。また、せっかく犯罪を犯してまで”光”の世界へ身を転じたのに、起業してその後も会社を存続させるのに、またしても、賄賂という手段を使わざるを得ないのかと思うと、これもまた、なんとも言えないものがありますね。
とにかく、21世紀の今でも地方にいまだに根づく因習と、実情に全くそぐわない無理な発展に伴う社会の矛盾に、考えさせられます。
同じ急激な経済発展をとげつつある中国の首相に送るというのが意味深ですね。


面白かったよ

貧しい村に生まれ、「boy」という意味の名前しかもらえなかった主人公が、やがてお金持ちの運転手となり、最終的には事業家として成功していく物語。
主人公が訪印する中国の首相に宛て、一方的に送りつけた手紙という形で語られます。

こう書くとありがちなサクセスストーリーみたいですが、主人公の語り口は皮肉とユーモアが利いていて、インドの現状についての知識が乏しい私のような者でも、非常に面白く読めました。

主人公は面倒をみてくれた主人を殺し、その金を奪って起業します。
自分が将来人を殺すことを、彼は話の早い段階で打ち明けてしまうので、いったいどうやって事が起こるんだろう、と結構はらはらしながら読みました。

読みやすい簡潔な英文で、単語の難度もそれほど高くないと思います。
話のテンポも、余分な情景や心情の描写が少なく、速いので、一気に読んでしまいました。

英語が読める方、原著でぜひ。


worth reading but sounds black.

Balrum Halwai, the protagonist in this story, after many a strife, becomes an "entrepreneur", and this is a tale to tell us how to be one; I dare not mention here what it means in this story: to be an entrepreneur. As for the title of this novel, Balrum is in this novel “The White Tiger” in two senses; I dare not tell you how.
Adiga laments that "something anywhere in the world” entraps our daily lives, and he grieves about the fact that "something else" in the world chains our entire lives. He is so powerfully negative in this novel that I sometimes really felt like cheering him up, but he, through his quite black humor, makes this story as powerful a burlesque of our real life, thus ironically letting us feel hopeful about our future.
This tale I think is worth reading in general terms, though I myself did not really like it rating his humor as a little too black. However, not rich as I am, this is a quite cautionary tale, from which I have had many lessons. Thank you, Adiga.


最近のお気に入りです

Audio Bookで聞きました。インド英語が楽しく聞け、英語の本を読むのが困難な私でもほとんど理解できました。先の方がくわわしく書かれていますが、私には気楽に読めて、ユーモアたっぷりであり、あっという間に読み終えると思います。楽しく、ストーリー展開もあり、また現代について(インドだけでなく)、階級について、考えさせられると思います。難しい本より、こういうのが大部分の読者を満足させるのだと思います。私はコメディーと思って読みました。ただ、小説としては人物の描き方に少し、detailが欠けるきらいがありますが。主人公のご主人様は私にはごく普通の、人のいい人物に思えました。現代の罪と罰といったところでしょうか?

どこがalternative indiaなの???

今年のbooker賞受賞作だそうです。インド関係の作品としては久しぶりです。インド人の受賞者としては10年ぶりでしょうか。だいぶ構えて読み始めたのですが、作品の宣伝から受ける印象とはだいぶ違った読後感を持ちました。まず第一に余りジョークやコメディという印象はうけませんでした。言葉遣いや文章はだいぶ目新しいのですが、決してわかりにくいという作品ではありません。主人公が印度を訪問中の中国の首相に手紙を一週間に渡って送るという形式を取っているので、むしろあっという間に読めてしまいます。第二に、alternative indiaの呈示と描写という点でセンセーションを引き起こしたという賛辞が満載ですが、私にとってはまったくalternative indiaという印象を与えることはありませんでした。これこそが著者の言うとおり"mainstream india"だという点ではまったくの同感です。第3に、舞台は、3箇所に別れます。最初は主人公が育った村の話であり、次に中心となるのが著者がdriver(車の運転手という訳になりますが、これが印度の文脈の中では独特の含意を持つのです)として主人に連れて行かれるニューデリーです。このアメリカナイズの真っ只中にあるニューデリーが話の大部分が展開される場所となります。最後はIT産業とアウトソーシングの中心となるバンガロールです。第4に、この作品の売りは、新しいインドの中産階級の背後に潜んでいるインドの現実の描写となっていますが、主人公は決して中産階級の人間ではなく、あくまでも中産並びに上流階級の主人にservantとして使えるその他大勢の下層階級の出身です。印度のニューデリーで40年近く前に少年時代を過ごした私にとっては、本書のストーリー展開については何も驚くべきことがなかったというのが実感でした。印度は何も変わっていないのです。たしかにショッピングセンターや高層マンションはたくさんできているようです。でもニューデリーの高級住宅街の地名にはほとんど変化はなく、そこで繰り広げられるカーストに規定された人間と社会関係の不条理と残酷さは子供心に痛切に感じたままのとおりです。変わったのは、走っている車がambassadorではなくhonda cityであり、ニューデリーの町の交通地獄であり、排気ガスに侵された空気だけのようです。重要な小道具の役割を果たすのが、johnnie walkerのblack labelの瓶というのも意味深だな。


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