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きりひと讃歌 (2) (小学館文庫)

手塚 治虫 
きりひと讃歌 (2) (小学館文庫)
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リアルです

手塚治虫=アトム、というイメージの方にぜひ読んでいただきたい作品です。どろどろしていてリアルすぎる! 人間の描写だけで背筋が凍りつく思いがします。最高。恐怖が奇子ファンにもおすすめです。


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きりひと讃歌 (3) (小学館文庫)

手塚 治虫 
きりひと讃歌 (3) (小学館文庫)
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人間の愛と良心と醜悪なエゴを時にキリスト(教)に照らしながら描いた傑作の最終章(希望編)

醜悪なエゴで人に苦悩を与える存在であった、医長、台湾の闇の権力者、曲芸師の麗花、主人公桐人の同僚であり幼いころからの友人である医師占部は醜悪なまま、或は良心を取り戻したり、良心による呵責に苦しみながらその役割を終えます。

そして桐人とイスラエルの修道女だったヘレンは身体が犬に変形する奇病モンモウ病を抱えながらも従来からの人としての良心に加えて悟りの境地とも言える精神的な強さを身につけ、それぞれの新しい人生を歩み始める中、最後に桐人にはいずみという希望が、ヘレンには新たな生命という希望がその苦難の道に光明を照らしてくれます。

人間とは存在悪として戦争を行ったり、自身のエゴの為に他人を苦しめる醜悪な存在であることを手塚さんは自身の戦争体験等を通して深く知悉しがら、それでもやはり桐人(きりひと=キリスト)やヘレンが持つ人間の良心や愛を信じて希望という形でこの壮大な物語を終えられたのだと思います。多くの人に読んで頂きたい優れた古典文学にも匹敵する作品です。


典型的な手塚作品

手塚氏得意の医学をテーマとし、人物構成も「MW」「アドルフに告ぐ」に似た人物構成で、手塚劇画ファンとしては納得の作品です。
ただ私の年代では、書かれた時代背景が共感を得られない。権威をふりかざし私欲をむさぼる医学界や全共闘運動の話はまったく実感がわきませんでした。

私はこの作品では、「差別」「人間蔑視」を重要なテーマとして読みました。人種差別、病人への蔑視、人間と見られない人たちへの蔑視、それをストーリーに巧みに含んでいます。

これを受けて、巻末で「人種差別と思える表現がある」ということでお詫びが挿入されている。未だにこのような批判をする人がいるということに疑問を抱きつつ、現在未だに差別や蔑視が横行する世の中であることに悲しみを覚えます。

人間はなぜ人間か

モンモウ病という奇病にかかった人を救おうとする、青年医師。あまりにも日本的な組織が、正義を阻む。猛烈な勢いと巧みな構成力で攻める。手塚治虫の得意なジャンル医学がテーマ。


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アラバスター (1) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)

手塚 治虫 
アラバスター (1) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)
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虐げられた者の復讐と危険なエロス

ダークなヒーローものである。はっきり言って「アラバスター」と名乗るこの男は極悪人と言って良いが、読者の共感は得るかもしれない。彼もまた、屈辱と共に、深い心の傷を負い、彼の憎しみの理由も分からぬでもないからだ。
まず、当時(1970年)では現在よりはるかに人種差別が露骨であったろうと思う。アラバスターも黒人であるが、ある理由で、並の黒人よりはるかに大きな苦しみを体験する。
そして、黒人差別だけを問題にしないのが、医学者でもある手塚治虫の構成の幅広さである。
アラバスターは超人的に強い男であるが、亜美という美少女の不幸の原因を作ってしまう。彼女は幼い時からのどうにもならない運命に弄ばれるのだが、手塚治虫は、可愛い女の子にも容赦のない苦しみを与えることもある。あまりに衝撃的なシーンが頭から離れなくなったと女性作家が解説しているが、現在の露骨な性描写と違い、読者に妄想させるこちらの方が後を引くかもしれない。
手塚治虫には、アルビノ(先天性白皮症)が頭にあったかもしれないと思う。虐げられる者の苦しみや悲しみとその怨念を手塚治虫が残酷に描く。


ひょっとしてサム・ライミの「ダークマン」の元ネタ!?

透明になる光線銃を手に入れたはいいが、その光線を浴びて不気味な半透明人間になった元オリンピック選手が、この世の美を破壊し尽くすべく、怪人「アラバスター」となった。光線銃を作った博士の娘である完全透明の体を持って生まれた純真な娘「亜美」にアラバスターの魔手が迫る…。

暗くシリアスなストーリーですが、手塚タッチの絵で描かれているので、ダークに偏りすぎない作品になっていると思います。
江戸川乱歩的世界を目指し始めた頃の「神」手塚氏の作品。最近の戦いだけ漫画に飽き飽きにている漫画好きな大人に是非、オススメです。



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奇子 (上) (角川文庫)

手塚 治虫 
奇子 (上) (角川文庫)
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黒手塚の最高傑作

アトムやリボンの騎士等のアニメ化された所謂「白」手塚作品と両極に位置する作品。

GHQ占領下の日本が舞台となり、下山事件、農地解放等の事件を題材として、その時生きた人の、政治思想、性モラル、道徳価値の変換を物語る。

傑作「アドルフに告ぐ」と同じく、続く戦後という時代の匂いを感じることができます。

観察可能な事実を元に推理小説を書いたのが松本清張、ノンフィクションを書いたのか吉村昭、漫画を描いたのが手塚治虫でしょうか。

作家にとっては結局「事実」が一番面白いネタ元なのかなあと思います。

おすすめです。



















漫画で表現した小説

この作品は上下巻通して読まないと意味がありません。ですからレビューも全編通した内容です。
下山事件やゼネストといった今では歴史になりつつある事件を背景にして旧家の戦後を描き出しているがどれをとっても理解できる人の年齢が高いように思う。もともと昭和47年に発表された作品なのでその時代を知っていれば事件についてはともかく旧家の雰囲気となるとわかる人は少ないでしょう。
手塚氏自身が大阪の旧家の出身ですからその閉鎖的な小社会を見聞きして育っているので読み手にもそれなりの予備知識を要求しています。その意味ではやや作品の紙幅が少なく背景の説明が少ないのがつらいところです。
しかし個々のキャラクターの書き込みはすばらしく背景を気にせずストーリーに引き込んでくれます。この作品は人の業を描くこととそこからの自由、そして業を業として背負う人の強さがテーマです。
ラストのおばあさんのせりふが全てを救います。


昭和の時代

まるで、上質のノンフィクションのような漫画です。漫画の域を超えた質の高い作品だと思います。敗戦後の昭和の時代の闇を描いているようです。私は、下山事件については詳しくありませんが、その謎に迫るような作品になっているようです。この作品を読んで下山事件に興味を持ちました。面白いので、上下巻とも一気に読みました。昭和の時代に、本当にこんなことあったかもしれないと思わされる、地方の資産家の閉鎖的な陰湿さについては、不快な気持ちを持ちつつも、人間の本質を見る思いです。難しいテーマを読者の気持ちを鷲づかみにしながら、描いていくところは、さすが、手塚治虫と思います。また、テーマの選び方が、知性と感性を感じます。

土曜漫画

これは凄まじい。

たとえば、アメリカン・ニューシネマの傑作、『イージー・ライダー』を観終えたあとや、稲垣足穂の『弥勒』を読み終えたあとや、つげ義春の『無能の人』を読み終えたあとなどは、あまりのショックでとても学校や会社など行く気がしなくなってしまう。
これらは、全て土曜日に味わうべきものだろう。

この間はじめて読んだ手塚治虫の『奇子(あやこ)』も、やはりそのひとつで、僕はしばらく立ち直れなかった。
なんでこの手塚治虫という人は、人間というものの弱さや下らなさや醜さをここまで徹底的に救い無く、胸糞悪く描くことができるのだろうか。
こういうものを読むとつくづく、ジョン・レノンにも同様のことが言えるが、手塚治虫が愛や勇気や希望の使者的な扱いを受けているのが不思議でしょうがない。

とにかく、このあまりにも強烈な手塚治虫のダークサイドの美しき結晶に触れてみて欲しい。
この絶望をどう取るかは、あなたの自由である。


真骨頂か。

別の所でも書きましたが、笑いとシリアスとは、本来表裏一体なのですね。コインの裏表みたいに。コメディアンさんのシリアスな芝居がハマり役になるとか。
うーむ。暗い。構成は緻密にしてとことんダーク。GHQや下山(作中では霜山)事件などが絡む戦後日本を舞台に、或る旧家の姿が描かれます。
ヒョウタンツギもオムカエデゴンスもハム・エッグもヒゲオヤジも出て来ません。
主人公奇子に、初めの内は感情移入もしながら読んでいたのですが、段々とそれも辛くなってくるのが凄い。
作家・手塚治虫が、自分の中のレンジの針を、かなり一方に振った作品、と云えるのでしょう。
手塚作品を子供が読むべき模範的な漫画作品、と取り敢えず唱える人は、この作品を読んでどう云う感想をもたれるでしょうかね。
あまりにも救いがないので、星は1点引かさせて貰いましたが…。
一気に読んでしまいました。傑作です。



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アラバスター (2) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)

手塚 治虫 
アラバスター (2) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)
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狂った男と、純真な少女の悲しい結末。

深い悲しみの果てに悪に目覚めた亜美。彼女を慕うゲンと、亜美の兄カニ平の愛は、果たしてアラバスターの手から彼女を救い出す事ができるのか…。
狂気の男アラバスターの結末はどうなるのか。前巻を購入した人は読まずにはいられないでしょう。
重い話でも平気な人は是非。



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鉄の旋律―The best 3 stories by Osamu Tezuka (秋田文庫)

手塚 治虫 
鉄の旋律―The best 3 stories by Osamu Tezuka (秋田文庫)
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鉄の義手、鉄の意思(憎しみ)、鉄の掟、そして鉄の潜在意識。

 人間はどうやっても自分の潜在意識に嘘をつくことは出来ない。それは鉄のように揺るぐことはない。

 留学青年エディに妹アリサを嫁がせることを承諾した青年、壇タクヤ。

ところが、エディはイタリア系マフィアの御曹司で、暗殺事件の証言をした為に、タクヤは彼と彼のファミリーに“落とし前”として腕を切断されてしまう。

拓也は偶然知り合ったバディの紹介で、ESPを研究するユダヤ人教授に能力を開花させられ、ESPで動かす義手で復讐を開始する。

 一見、完全に自分の意思でコントロールできるかに見えた義手が、寝ている間など無意識下で行動して殺人を犯し、主人公を予想外に追い詰めていく恐怖。

 一方で、イタリア系のアメリカ社会での立ち位置をエディに語らせ、日本人妻にしか虚勢を張れず(今でいう、国際離婚の原因のルーツか)、組織の堅い結束の中でしか生きられない屈折した苦悩も描かれる。

 結果的に、アリサの説得で呼び出されタクヤは撃たれ、妹も裏切り者として撃たれ、エディは自らの部下を射殺したところで日本の警察に確保される。

しかし、タクヤの精神に鼓動し、後ろから迫る義手から察するに、この後、現場にはエディの部下を除いて少なくとも3人の死体が転がっていただろう。

「俺はエディが憎い。刑事さんっあんたも憎い。何よりもこんなとこで挫折する俺が心底憎い!」

自分はタクヤの行動に大いに賛成だが、憎しみの是非は読んでご判断を。


ブッタとは対照的な作品

友人の裏切りにより両腕を失った主人公は
己の意のままに操ることができる義手を手に入れて、
復讐の狂気へとのめり込んでいく。

その狂気はやがて義手に乗り移り、
主人公の意思に関わらず、彼の復讐心、
狂気そのものとなっていく。
その矛先はやがて、
悲劇的な結末から己を憎む主人公自身にも向かう

人が誰しも持つ憎しみという負の感情
それが自分自身をも破滅に導くことを
端的に表した作品です。

だから善人になりましょうというのではなく、
人は自己破滅的な部分をどこかに内在している存在
なのだということを表現していると考えます。

そういう意味でブッタとは対照的な作品でした。


苦しみと哀しみ

このマンガ集では人間の残酷さが描かれています。表題にもなった作品では復讐心の空しさ、哀しさが訴えられています。俗に「人を呪わば穴二つ」(呪われた相手と、呪った自分と両方が墓穴に入ることになる)と言いますが、そのことをビジュアルに表現した佳作でしょう。とても哀切な作品です。その他二編でも、人の残酷さ、憎悪心が描かれています。単にショッキングなアクションマンガで終わらせずに、読後に自分の心の内にも巣食う闇に気付かされるのは、手塚治虫氏ならではのことだと思います。

復習の最後には

復習の輪廻というか人間の負のエネルギーというかそういったものをあ使ったものだとおもいますが、そんな事を考えなくても自分では十分に面白い作品だとおもいます。

ある男が復習のためにPK(超能力)をならい、なくなった自分の腕のかわりに義手を自由にうごかせるようになったが・・・ ラストの一こまには戦慄が走る。


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時計仕掛けのりんご―The best 5 stories by Osamu Tezuka (秋田文庫)

手塚 治虫 
時計仕掛けのりんご―The best 5 stories by Osamu Tezuka (秋田文庫)
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大人向け

 扱っているテーマは殺人、閉鎖されたコミュニティ、戦争、幻覚、復讐など、どれも重苦しくハッピーエンドは一つとしてありません。
 漫画なのですぐに読めてしまいますが、良質の短編小説集を読んだあとのような充足感を持つことができます。


この街のモデルは

長野らしい。
信州人としてはかなり、読み方が変わってくる。
四方を山に囲まれた陸の孤島において、交通を遮断し、情報を操作することによる大規模な計画が行われようとしていた。
それに気づいた一人の男がいた。彼はこの町の人達を救えるのか?


時計仕掛けのオレンジという映画がありますが・・・

時計仕掛けのオレンジという映画がある事は知っているでしょうか?これはそれから名前をとったもののようです。(因にこの映画は火の鳥にもちらっと出てきています。)

話はまちの異変から始まるその後まちがまるまるジャック(占領)されている事が分かるが・・・
つまり時計仕掛けの~というのは外から見ても何の変哲もないように見えるが実は中身は機械仕掛けであるという所からきているのです。
ラストまで緊迫して読めます。



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人間昆虫記 (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)

手塚 治虫 
人間昆虫記 (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)
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こんな作品知らなかった

手塚作品にこんなのがあったとは知りませんでした。女の壮絶なサガを描いているのですが、これが後の作品「火の鳥」へ通ずるのだそうです。人間の本質に迫る一冊はいかがですか?

漫画家No1

この人は他の漫画家とは一線を画している。
量も質もすばらしい。アナーキー(あらゆる作品が生み出された当時を考えれば)な所も大好きだ。
手塚治虫の作品はほぼハズレなしなのでいいモノをあげればキリがない。これは手塚治虫中編の中では私的ベスト5に入ります。
主人公の切なさが伝わってくるいい作品だと思います。
何か人生ってちっぽけで切なくて空しいモンだな~。

他、MW、奇子、シュマリ辺りが中編ではかなりおもしろい。

火の鳥、ブラックジャック、ブッタ、ばるぼら、IL、地球を呑む、はるかなる星、アポロの歌、空気の底、クレーター、鉄の旋律、時計仕掛けのリンゴ、アラバスター・・・・・ホントにあげるとキリがない。

残酷な女心を斬る巨匠手塚の野心作!

1970、71年にプレイコミックに連載された、残酷な女の心理を描く巨匠手塚治虫の野心作の文庫版。その昆虫にも似たメタモルフォーゼで、他人を利用しあらゆる分野で成功していくヒロイン十村十枝子の残酷でしたたかな生き方、むなしさを描いている。手塚大ファンのわたしだが、この作品の読後感は満足にはほど遠いものがあった。もちろん絵は素晴らしい。キャラクターも十分魅力がある。しかし、女ヒロイン十枝子の残酷さ、裏切りがあまりに無機的で、そしてまた彼女の行動を裏付ける動機が説明されていなかったのも問題だった。とはいえ、手塚が70年代初頭という変革の時代の波にあって、いままでの勧善懲悪的キャラクターから離れた異色キャラクターを描いたというところに読む価値は十分であるのだが。


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やけっぱちのマリア (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)

手塚 治虫 
やけっぱちのマリア (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)
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現代的な目で見ると

手塚の作品は、時にそれが何十年も前に発表されたことは忘れるほど「現代」を描写している
ことに気がつき、その発想力、創造力に驚かされることがある。
本作品は、学園もので言わばラブコメディ+若干のサイエンス、と言う体をなす作品で初出は
1970年と言うことで、ちょうどここに描かれる学園生活を私も送っていた同時代人なんだなぁ
と、感慨深い。
ただ、とは言えこの作品は「今」改めて出版されている。
正直なところ、今どきこんな生徒と教師の関係はないだろうとか、性教育にあたる知識がみご
とに描かれているとは言え、あまりに牧歌的な学生達の姿は、どうなんだかなぁ、と腕組みす
る。

科学者でもあった手塚の描く、未来の科学技術は、見事に今を予測している。
しかし、人間の心、社会の様子は微妙に異っていることも事実であろう。
昔の初出が少年チャンピオンだったことから、当時は明らかに小中高の学生達向けであったと
思われるが、私はこのマンガが今、誰に向けて出版されたのかがわからない。
逆に、是非今の小中高の学生達にこのマンガを読んでもらって、その感想を聞きたいものだ。
それに、いくらマンガでデフォルメされているとは言え、こう人を殴る、やたらケンカをする、
そんなシーンがなにかと狂言回しのように使われることにも私は違和感があるな。

手塚の作品は、今に全く時代性を失わない、素晴らしいものも数々あるけれど、本作品は性教
育のネタ本にはなっても、それ以上でも以下でもなく歴史的なものと評価されるべきものでは
ないかと思います。
それと、是非今の学生さん達の意見をききたいものです。


なるほど!

しかし,手塚先生も冒険しますね。漫画で性教育ですか。話もかなり(なんてもんじゃない)ぶっとんだ話なのですが上手くまとまってるのは流石です。一気に最後まで読まされました。最後に傷だらけのマリアを川に流すのはマジで切なかったです。もう一つの「アポロの歌」は大人向けですがこの作品は中高生向けの作品ですね。内容も重くなくサラリと読めちゃいます。手塚先生の作品は安心して読める作品ばかりなので大概は何を読んでもハズレはないと思います。

幸せが何なのかを考える

主人公の生き霊がダッチワイフに乗り移った奇想天外な物語。
最後は切なく「本当に本当にその人のことを好きになると、その人の幸せが何なのかを考えるようになる」


問題作は秀作

この本は手塚治虫の問題作と言われている?性教育にメスを入れた作品として物議をかもしたという話を聞きましたが、今読むと作者が真剣に取り組んでいることを感じました。時代が変わって今となっても色あせていません。


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MW(ムウ) (2) (小学館文庫)

手塚 治虫 
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流石!!!

いやーーー・・・
ラストは言葉にならないです。
本当に漫画の神様ですねえ手塚先生は。

主人公は最近の漫画で言うと
デスノートのライトみたいな人です。

なんとなくデスノートを思い出した作品でした。
ずっと前の作品ですけどww
そのくらい古さを感じさせない作品です。


二度と忘れられない

最後の最後で、ニヤリ、ですか…。しかしこれ、本当に三知夫なんでしょうか。もしこれが兄の方だったら?あんなにそっくりに描かれていて、最後の争いで撃たれ死んだのは本当に三知夫の方と断定できるのか?…と、私は思っているんですが、どうでしょう。もしあのニヤリが兄だったら…ヤバいでしょう。MWの「せいで」人格に異常を来したという点だけがマシだったのに、元来ストレートに異常な人物が最後に生きてしまう事になるから…いや?むしろ人格異常は実はMWのせいではなく遺伝で…?。…まあ、考えすぎは承知なんですが。でも私は次なる悪の登場をどうしても考えてしまうんですよ。戯れ言ですがね。 『悪魔も神さまも結局同じものなんじゃないかしら?』…そう、人間は、人間が造ります。戦争も、毒ガスも、罪も、そして愛も。善も悪も全て同じ、人間が産み出しているんです。悪魔とは?神とは?いくら偽善を装ったって、いくら悪を重ねたって、答えは同じ、人間だ、とだけ、手塚さんはここに答えてくれます。 見つめる、という事。できていますか。目を背けたい人にほど、この本がバイブルになるでしょう。

この本が手塚作品の代表作であるかどうか

手塚治虫という人が、一筋縄ではいかない人なんだと実感させられる、大人向けの代表作品であると思う。
いろんな意味で、非常に怖く、また現代的である。
手塚作品には、サイエンスフィクション的に未来を予測したものが多いが、社会・風俗という方面でも未来を見通したものが少なくない。
そして今、手塚の見通した「未来」に生きる我々は、その多くが、手塚の予測通りに実現していることを知っている。その中には、実現して欲しくない未来も含まれている。
この作品に込められた、荒廃した人間像、退廃の宗教観、好戦的な人類像など、いずれも実現して欲しくない未来だった気がする。

どうしても、人に潜む心の恐ろしさを(わかっているんだけど)、こうも赤裸々に描かれたくなく。。。多分文字ベースの小説文学なら許容できても、想像を拒む「絵」である漫画では、人の心の恐ろしさもダイレクトに描かれるようで。。。
僕はちょっとしんどかったなぁ。
しかしとにかく、すごい人だと思う。手塚治虫という人は。 


人間の存在悪を曝け出した非凡なる漫画という形のアート

現在開催中の江戸東京博物館の手塚治虫展で、その内容紹介に惹かれて購入しました。1928年生まれの手塚さんは第2次世界大戦を経験していますが、手塚治虫展の本に収められたインタビュー記事で宮崎駿さんは「空襲や戦争を経験した者は、存在の奥に黒い穴みたいなものが開いているんです。自分ではどうしようもないもの。手塚さんも持っていたはず」と語っており、その「黒い穴」が手塚さんにこの漫画を書かせたのだと思います。

優れた小説、クラシック音楽、絵画にここ数年触れてきましたが、医学部を卒業し、小説や音楽にも造詣が深かった手塚さんのこの作品は、戦争という悪から離れて生きられない人間の存在悪を、かつては無垢なる存在だった主人公の結城の悪行をもって、これでもかこれでもかと曝け出し、結城と身も心も深い関係にある神父の視点を通して我々読者がこの根源的な問題に悩む仕掛けが施されています。優れた文学作品にも劣らない、人間の根源的な問題に肉薄した非凡なるアート(芸術)だと思います。


想像よりも

読後の私見。
手塚治虫の最大の問題作なんてことを伝え聞いたので早速読んでみた。
主人公は幼少の頃微量の毒ガスの影響を受ける。
自己中心的・嘘つき・冷淡・無責任・攻撃的、
退屈しやすくいつも刺激を求める・衝動的で抑制ができない、
いわゆるサイコパスである。
その主人公の暴走を止めようとする神父。
内容は思っていたより平凡で退屈だ。
発表当時は問題作だったかもしれないが、
今の時代刺激的なニュースや事件などのリアル、
映画や小説・漫画・アニメなどのバーチャル、
その双方になれている現代人にとってはそれほど問題作とは感じなかった。
むしろ手塚さんらしさを感じた。
最後のオチもありがちな感じでした。



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