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クチコミ情報
今までに味わったことのない読後感。大満足。前から村上春樹という作家に興味は持っていたのですが、
今回始めてこの作品を読んでみて、最終的に、3巻読了後、
今まで味わったことのない、深い満足感を味わいました。
この小説の主人公は、自分の内面に深く深く、これ異常ないほどに入り込むことによって、
自分を取り巻くカオス(混沌)を解決しようと試み、全面解決とは行かなくても、
外に現れている現実、事象を変えることに成功する。
世の中には、こんな考え方、物事の捉えかた、因果関係の捉えかたをする人がいるんだ、
少なくとも虚構としてであっても、人の内面の世界と、外側の世界には、何らかの因果関係があって、
人の内面の世界はすべてつながっていて、内面が変わると、即座に外的環境も変わる、という何らかの法則を表現しているのかな?と感じました。ジェームズ・アレンの『原因と結果の法則』のように。
少なくともそういう見方ができる人、そういう考え方に慣れ親しんでいる人には、この作品は、
充分に楽しめる本であると思います。
僕はこの作品を読んで、この世の中も、まだまだ捨てたもんじゃないな、と思いました。
こういう小説を書ける人がいるだけで、この日本、この世界もまだまだ懐が深いな、と感じました。
そして、ところどころに出てくる、満州での兵役中の衝撃的な回想録が、真に迫ってきて、
現実味があり、引き込まれました。シベリア抑留についてや、満州での日本兵の中国人虐殺についてなど、
もっと知りたい、という気にさせられました。
全体の満足度としては、1,2巻目は60%で、3巻目読了後に120%に到達。
最後の最後に謎か解ける、というパターンですね。
ねじまき鳥を読んで読んでいくと、物語のせかいへ、入り込みます。
表現の仕方が好きです。
兄の歪んだ欲動に魅入られた妹とその夫の愛と孤独な闘いと救済の物語この3部作に出会えたことで、現在or未来の夫婦が例え一握りでも、離婚という形を取らず、また形骸化した夫婦関係でなく、お互いを支え愛し合える夫婦でいられたなら、小説とは何と大きな力を持ち得るのでしょう。
ある種の人間が持ち得てしまう歪んだ欲動、それは本書の第2次大戦中のソ連の将校・皮剥ぎボリスの欲動であり、自らの妹(主人公の妻の姉)を少女期に死に追い込み、更にその妹(主人公の妻)をそのsurrealな力で性的な方向感覚を狂わせて心身を破壊する兄(ワタヤノボル)が持つ欲動。そしてその歪んだ欲動に魅入られ絶望的な状況に追い込まれる夫婦。
そんな中、弁護士事務所で便利屋として働いていた負け組足る夫(=主人公=オカダトオル)が、エリート一家にあって孤独感を抱えながら育った妻(クミコ)への果てなき愛、何が起こっても何を言われても信じて疑おうとしない自らへの妻の愛、そして自らの力、それらを信じ、底知れぬ遠い暗闇の世界から妻を救い出す物語。
私は本書を読み初めて自らの罪の本当の深さと意味を、そしてそれが取り返しのつかないことを悟りました。もっと早く本書に出会っていれば主人公が妻を救い得たように私のそれもまた違っていたのかも知れません。この救済の物語に出会い、一組でも多くの現在or未来の夫婦が救済されることを願ってやみません。それはまた村上さんの意思でもあるように思えるのです。
構成力の弱さ日常の中に潜む些細な出来事が実は深い意味を持っている。その意味に気づくことは幸せなのだろうか?運命付けられているかのように受け入れるしかないいくつかの出来事。 透明な悪意に満ちた世界にパステル調の色彩のヴェールで紗をかける。そして人の心の奥底にそっとメスを入れる。独自の世界観を大上段に構えるわけではなく、静かに語りかけるように説き続ける筆者。
今、村上春樹を語る時に使われている此れらの修辞は、良きに付け悪しきに付けこの作品にこそ相応しいと思う。
しかし、いかんせん構成、展開ともに凡庸で最後まで読み通した充実感が無い。部分的には印象的なエピソードが多いだけに、はっきり言って途中で読むのを止めても読後感は大差無いかもしれない。
蛇足になるが、主人公がひたすらカタカナフードを飲み食いしているだけといった印象が残る。
現代日本文学の至宝期待感のない小説だ。ノーベル賞をとっても驚きはしないからだ。また読みおえた人を不幸にする小説だ。これよりよいものにめぐりあうことは今後そうないと思えるからだ。それ以外けなしようがないほどの大傑作。これ一冊で村上春樹の偉大さが十分わかる。
奇妙な鳥の声に気づくと間もなく愛猫が姿を消す。主人公岡田トオルの平凡な日常は徐々に変貌し、ついに妻クミコまで謎の失踪をとげる。何かが狂ってしまったなら、もとに戻すしかない。ねじまき鳥の声が止まると、岡田トオルの静かな戦いが始まった。行く手を阻むは綿谷ノボルほかに象徴される悪。時空をこえ世界を支配する強大な敵だ。普通人、岡田トオルは、はたして勝てるか。だが魂の彷徨を続けるなか、彼は多くの人にめぐりあい、学び、力をつけていく。登場人物、エピソードはそれぞれが深い洞察に満ちたメタファーだ。複雑なこの世のすべてが記されているといっていい。さまざまに読みとけるだろうし、それ自体また楽しい。この本の魅力を語るだけで分厚い本が書けるだろうし、事実、出版されている。
一見シュールで難解だが、愛するものを奪還すべく悪と戦うシンプルさが核。古典的で普遍的なテーマを追求した清々しい物語だ。多くの読者をひきつけてやまないゆえんだろう。意味不明だがとにかくこの話が好きという人が多いのは、頭ではなく魂で読む優れた読者をそれだけとりこにしているあかしだ。
物語同様、簡潔な文章は、澄明で流麗。だから読みやすい。これからもより多くの人に愛されることを願う。
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