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クチコミ情報
多くの悪と、わずかな光山崎豊子氏による、実在航空会社をモチーフにした、限りなくノンフィクションに近いフィクション。
「アフリカ編」「御巣鷹山編」をバックボーンとした完結編。
本作は、国民航空の再建を担う新会長国見とそれをサポートする主人公恩地による、腐敗への戦いを描く。
大企業を蝕む腐敗の根は深く、国民航空OBをはじめ、政財界の黒幕たちにまでも翻弄される国見と恩地。
企業再建の基礎となる絶対安全の確立、組合統合への道のりは、遥か遠い。
はっきり言って、悪いやつが多すぎる。逆風が強すぎる。
しかしそんな中でも和光や志方のような、志を同じくする者達がいるのが救いである。
長かった本作も、終盤でわずかな光明が見えたような気がした。
10月には映画も公開される。
恩地役の渡辺謙は、ハマリ役かもしれない。
是非観て確かめたいと思う。
ちょっと毛色が違うようなよく3巻は毛色が違うとありますが、4巻も前3巻とも毛色が違うような気がします。
主人公はいったん影を潜め、脇役たちの横領や悪事の流れなどが説明されていて一種、告発本のような内容になっているような・・・
これはこれで、航空会社や業界の狡さ等が見えていいと思いますが
退屈な人には退屈な内容になっているのかもしれません。
けどこれを読むと全5巻を通して、筆者が訴えたいことの全容が見えてくるような気がします。
ただ、1,2巻は小説、3巻はドキュメンタリー、4巻は告発本みたいになっているように思えますので
本の性質がコロコロ変わっているように思えるので人によってはつらいのかも。
けど、だからこそ全巻通して言いたいことがあるように思えます。
国民不在の国民航空会長室編では、御巣鷹山の墜落事故後、組織の建て直しを図るため
首相に請われて国民航空の会長に就任した国見正之を中心として
物語が展開する。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。
国見会長は建て直しの手始めとして分裂している組合の統合を目指す。
整備士や機長など各部門から会社の現状について意見を聞くのだが、
その中で、「自分達の理想像」を熱く語る者はいても、「お客様にとって
の理想像」を語る者はいない。
一例を挙げれば、ある機長が、「昨年ソウルで着陸復行をした際、乗り
合わせた大蔵大臣から機長のアナウンスが無かったと指摘された為、
オペレーション・マニュアルがアナウンスをするように改定された。
しかし、安全上、課業順位最下位とも言えるアナウンスを、神経を最も
使う着陸復行、最進入の途中で課すなど考えられない。このように我々
の立場にたって考えてくれない職制である」と憤る。
この機長は、自分達が乗せているのが荷物だとでも思っているのだろうか。
乗客の立場にたって考えてみれば、アナウンスも無く着陸復行をされたら
不安を感じるのは当然である。機長が忙しければパーサーがアナウンス
すれば良いだけの話ではないだろうか。
このように、この会社の社員はお客様の立場にたって考えるという意識
が欠落しているのである。まるで社会主義国の航空会社のようだ。
上層部の腐敗や癒着などより、社員のこのような考え方の方が利用者
としては怖い。まさに国民不在の国民航空である。
この航空会社を国民航空と名付けたのは、作者である山崎氏の痛烈な
皮肉なのではないだろうか。
著者会心の傑作!企業の利益優先と人間性の欠如は現在も多くの人命を奪っている。
JR脱線事故、安曇野の観光バス事故、多くの長距離トラックの事故など上げたら数限りなく出てくると思う。
20年前に警鐘とも言える事故を経験しながら、この国はどうなって行くのかと不安になる。
刑罰的人事を描いた1―2巻での企業の腐敗、人道の欠如は520人を人柱にする大事故に発展した。
著者は見事な取材で、3巻にあの忘れてはならない未曾有の大事故を立体的に描ききり、当時報道されきれていなかった事実をも描いている。
この4巻では、うわべだけの謝罪をすませ、のうのうと私欲をむさぼる、役人的特殊法人と言う”お役所”と改革に立ち上がる人々の戦いが始まった。
この巻では個人的に組合活動をささえる家族たちに頭が下がり、事故現場に一周忌に集まった遺族たちの叫びに涙した。
人が良心を取り返し、金銭意外に人生の目標を持たなければ、事故の本当の解決は遠いのではと思う
この事件を知らない若い世代の方にも是非読んでいただきたい作品であり、その際”クライマ−ズハ-横山秀夫”も一緒にお読みいただけましたら、この事件の社会的影響がより理解できるはずです
こんなことが日本社会で行なわれていたとは・・・ここまで日本社会が腐っているのかとまざまざみせつけられたことはない。
この話ははるか昔のことだが、いまだに同じようなことが行われていて、
特殊法人を民営化するのに断固として反対する族議員や、
公共事業の利権をむさぼる政治家・官僚・企業の実態をみるにつけ、
ほんと日本はどうしようもない腐敗に満ちた社会なのだということを、絶望的に思い知らされる。
ただ最後に社員の告発によって、その腐敗の一端が暴かれるものの、
それを突き詰めていくと、前総理大臣の金稼ぎにまで及んでしまうことを考えると、
捜査が進んだところで、いかようにも圧力をかけ、腐敗を闇に葬ってしまうことができることを考えると、
日本社会に正義はないのかとまたも絶望感を覚える。
この本を政治家・官僚・企業は読んで悔い改めるべきだと思う。
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