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隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】

F A ハイエク 西山 千明 
隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】
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自由と計画経済は両立しない

 本書は計画経済論争を知る上で重要な文献です。思想的に読むこともできますが、経済理論の観点から読むと計画経済を根源とする問題がよくわかります。より多くの平等を求める社会主義という理念を実現する手段としての計画経済が持つ欠点が社会主義の予期せぬ結果を招くということです。本書ではあらゆる計画を含む手法を「集産主義」と呼んでいます。


 まず、中央集権的計画経済では社会に分散する情報(知識)を中央当局が集めることは禁止的に困難であって、個人の持つ知識を最大限に活用できないということです。情報をもたない中央当局の計画により経済運営をしても社会の資源は効率的に使われないことになります。一方で、競争のある自由主義経済では各人が持つ知識を自由に発揮でき、資源が効率的に使用されます。以上の観点から個人主義が重要であることがわかります。ここでの個人主義はエゴイズムという意味ではありません。


 さらに計画下では職業選択の自由がありません。計画当局がどれをどれだけ生産するかを決めることから、職業も指定されます。これは個人に耐えがたい仕事を強制することにもなります。さらに、職業間の労働力移動がないため、需要が増大している部門への労働力移動が速やかに行われません。競争社会では成長産業の賃金が上昇するのでインセンティブを与えることになりますが、計画では当局の命令のみです。これでは社会で必要とされる財が不足します。
 

 計画化は政治的な問題も起こします。すべて指導者の計画により運営されるということは、独裁者や官僚組織を必要とし、民主主義ではなくなります。この点で社会主義とファシズムには共通点があることが指摘されます。さらに、意思決定がそのときの状況で裁量的に判断されて、あらかじめ定められたルールが無視されるようになります。あらかじめ定められた抽象的ルールで政府が行動するという「法の支配」が破られていくことになります。社会保障も意図的に保護された集団しか受けられなくなる恐れがあります。ちなみにハイエクは社会保障を否定しているわけではなく、自由を守るための保障は認めています。競争社会でのリスクを減らす保障はするべきだということです。


 本書は他にも当時の思想傾向などにも多くのページが割かれており、読むのは簡単ではありませんが今日の問題を考える上でも参考になります。市民的自由と所得の完全平等を実現するための中央計画は両立不可能だというのが本書の教えることです。その不可能性の中で我々はいかにして経済制度を設計するべきか考えるといいでしょう。鈴村興太郎『経済学全集〈14〉経済計画理論 (1982年)』はこの経済制度設計の問題を解説した名著です。


 ハイエクの考え方をさらに知りたい方は、『個人主義と経済秩序 ハイエク全集 1-3 【新版】』収録の「真の個人主義と偽りの個人主義」・「経済学と知識」・「社会における知識の利用」・「社会主義経済計算」を参照すると理解が深まります。


本当の自由主義

自由主義がとかく自由放任主義だと誤用される傾向が多いのですが、本当の自由主義は、
他者の自由を不当に制限しない範囲で、各個人が自由を自己責任で享受すること、
そのためには特定利益集団が権力を不当に得られないようにするために、権力の分散が必要であること、
更には各個人が競争を通じて、不断の努力を通じて個人だけではなし得ない発展を促進すること、
だとしています。

また、これらを継続して推進していくことは決して楽なことではないのですが、
それを避けるために競争を避けようとする資本家と競争を避けようとする労働者が手を組むことが、
その集団の権力を不当に強化し、他の集団の地位を強制的に貶め、それが全体主義につながる恐れがあることを、
相当な危機感を持って警告しています。

ハイエクの主張は全くの正論だと思いますが、
現在の各国の政治や国際経済を照らしてみると、ハイエクの危惧していることが着実に進んでいるように見受けられます。

本書を読むことで本当の自由主義の考え方を理解し、その上で日常生活で起きていることを理解することが、
今の時代にこそ必要なことだと再認識させられました。


今も価値を失っていない主張

本書は、第二次世界大戦におけるドイツ敗戦の年の前年、1944年に書かれたものです。
内容は、イギリスが、当時のドイツと同様に全体主義化していくことに対して警鐘を鳴らす
ものです。
このように、本書は、特殊な時期において、特定の問題について論じたものにすぎません。
しかし、結果として、本書は、普遍的な問題を極めて説得的に論じたものとなっています。

今や誰もが知っているとおり、スターリン支配下のソ連、ヒットラー支配下のドイツ、
ポル・ポト政権下のカンボジア、毛沢東支配下の中国、そして、金親子支配下の
朝鮮民主主義共和国のような全体主義社会には、次のような共通項があります。
・強大な権力がすべてを支配し、民主主義は機能していない。
・法の支配が否定され、最高権力者の意思が法を超える。
・個人の自由はまったくない。
・殺人すら辞さない人間が指導者となっている。
・真実が歪められ、権力中枢の意思を無視して、自然科学的事実を語ることすら困難である。

ハイエクは、本書において、計画経済がなぜ、全体主義をもたらすのか、全体主義社会が
なぜ、上記のような「1984年」的社会になるのか、そのメカニズムを説明し、
計画経済がそのような結果をもたらすのは、偶然ではなく、必然であることを明らかに
しています。
さらに、ハイエクは、計画経済と自由主義経済との折衷的経済というものが成立することは、
困難であって、計画経済を取り入れると、そのうちに全体主義に至ってしまう危険が極めて
高いことも明らかにしています。

その危険は、過去のものではありません。
今まさに、一部の有力なオピニオン・リーダーが、「公共計画」推進を中心とした社会に
今の社会を作り変えなければならないと主張しています。
「正義」を迅速に実現するには、計画経済を採用し、推進しなければならないという主張は、
極めて「わかりやすい」話です。
しかし、計画経済は、実際には正義ではなく、不正義をもたらします。計画経済を導入して、
推進することは、すべての人を奴隷化することになるということこそが、真実です。
この真実の話はわかりにくいために、やり方を変えれば計画経済もうまく行く、高潔な
人が指導者になれば、計画経済もうまく行くはずだと考える人が跡を絶ちません。

ですから、わかりにくい真実の話を語るこの本には、不滅の価値があると言えると思います。


真の自由への道を求めるしかない

ハイエクの政治学における主著。
集産主義を徹底的に批判し、真の自由を守る闘いに挑んでいる。

集産主義は、統治者の全知と国民の意思の統一可能性という、現実に反する仮定を置かねば成立しない。
その仮定が成立しない現実で無理に集産主義を貫けば、かならずや破綻するのである。
そういう点から、ファシズム・共産主義・ニューディールを「隷属への道」であるとして徹底的に批判するのである。

だからこそ、「目的としての正義」を追究するのではなく、「ルールにおける正義」=「法の支配」に基づいた政治を行うべきなのである。
そうして個人の自由を確保した社会こそが生き残りうるのである。

なお、ハイエクは新自由主義の一人として論じられることが多いが、彼自身は自由放任主義に対しては強く批判している。
政府の介入が必要な場や、自由市場の維持のためには、積極的な介入を認めているのである。
そういう意味では、新自由主義とハイエクをひとまとめにするのは問題であろう。

ハイエクの論は今見ると「なぜこんなに彼は激昂して論じているのか」と思うかもしれない。
だが、彼はこの本を書いたときは、今からは考えられないぐらい共産主義が知識人の世界で猛威をふるっていた時代であった。
実際、彼の反共的姿勢のため、彼の経済学も日蔭者だったし、講演ではよく卵をぶつけられたという。
そういう時代に書かれた本なのである。だから彼の「熱さ」についてはその点を差し引いて読むべきだろう。


読みやすい

The Road to Serfdomの訳書は二つあるが、こちらの方が断然読みやすい。
両方を読んだが、こちらは文章の意味や繋がりがよくわからず、何度も読み返すということはほとんどなかった。
自由とは何か、自由がなぜ重要か、自由はどのように奪われていくか等を知る上で重要な一冊。
すべての人に薦めたい名著。



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隷従への道―全体主義と自由

フリードリヒ・A ハイエク Friedrich A Hayek 一谷 藤一郎 一谷 映理子 
隷従への道―全体主義と自由
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大変な名著

これは、やはり、大変な名著です。原著は、1944年に初版が刊行されていますから、1930年頃に旧ソ連で行われた、一般市民に対する、政策としての飢餓やシベリアへの大量強制移住の後のことです。当時、少なくとも数百万人が死んだと言われています(要するに、旧ソ連当局に殺されたのですが…)。

本書の注釈において、ヒトラーが1941年の公式演説で、ナチズム(国家社会主義)と共産主義(マルキシズム)は、同じものであると述べたことを紹介しています。そしてハイエクは、左翼思想(共産主義)と右翼思想(国家社会主義)が、本質的に同じものであることを見破っています。私も、同様の考えを独自に持ちましたが、もっとはやく、この本を読んでいればと悔やまれました。

ちなみに、この本が広まらないように、社会主義陣営は、あらゆる手段を講じたそうです(当然、非合法活動も含まれると考える)。実際、日本の社会学者や経済学者、特に左翼系の学者が、この本について、ほとんど何も言及しないのは、やはり政治的な意図があるからでしょう。

要するに、左翼の共産主義体制にしろ、右翼の国家社会主義体制にしろ、また官僚社会主義体制にしろ、市場を否定する統制経済体制は、必然的に個々人の自由を否定し、抑圧体制へと至るということでしょうが、ハイエクは、市場を重視するにしても自由放任の立場ではなく、法を遵守した自由の大切さを述べているように受け取れました。その辺も、まったく同感です。

結局、左翼の共産主義にしろ、右翼の国家社会主義にしろ、全体主義体制というのは、要するに、社会全体のためと言いながら、一部の特権階級(ノメンクラトゥーラ)だけが、不当に利得を得られるよう、大多数の一般市民、個々人に対して、多大な不自由と不利益を被らせ、搾取し、結果として、当の、社会全体を疲弊させてしまう、詐偽体制であるとしか言いようがありません。


読まれるべき歴史的書

新自由主義の理論的先駆ハイエク。しかしそのエピゴーネン達らの議論が、異様なまでに空想的で極端で、ブキャナンに至ってはただの資本の専制主義にほかならない議論をするのに対して、集産主義全盛の時代に「少数派」として論陣をはったハイエクの議論は、慎重だ。また基本的に進歩主義の立場に立ち、保守主義とは区別している点も新自由主義とはかなり違う。また自由放任主義的態度をそのまま容認しているのではなく、競争を有効に機能させるための法の構造・支配を重視している、この点においてノージック的なユートピア主義とは区別される。ハイエクの力点は、人間は個々違った価値観を有しているのであって、集産主義は価値の一元化をもたらし独裁を招来するということだ。つまるところ「法の支配」を否定する独裁の台頭傾向を、集産主義的計画化にみるのだだが、結局のところ前提条件が間違っている。19世紀の自由主義礼賛がそれだ。ハイエクは、自由社会が単一目的に服従していい状態として「戦時」をあげる。「リベラル」な社会に生きる者からすると恐るべきテーゼだ。実際、戦時における政治的表現の自由が確保されるようになったのは、ハイエクが忌み嫌う集産主義の時代であったし、今日の市場原理主義の時代においてそれは脅かされつつあるのだ。そしてハイエクは、「法の支配」は語るが「権利」を狭義にしか語らない。彼が理想化する19世紀自由主義のもとでは、人民は政治的自由どころか生存の自由すらなかった。特権層に対する労働者階級の権利獲得、そして大衆的な自由が獲得されていく軌跡が、19世紀自由主義の否定の軌跡とほぼ重なっているということに一切の言及をしていない。特権者の自由を守ること、それがハイエクの議論の要である。

集団主義への警笛

1974年にノーベル経済学賞を受賞したF.A. Hayekが1944年に発表しKeynesが絶賛した名著。社会や国家に一義的な目的を唱える集団主義(個人主義に対峙する意味で)が、現在の経済的繁栄を支えている民主的自由経済と如何に相容れない思想であり、当時のロシア、ドイツのような専制政治へと進展するリスクを訴える。民主主義は個人を守るための基礎であり、個人主義は個人が人それぞれの価値観や嗜好を尊重しそれぞれの可能性を発展させるための基礎であり、自由な市場はその個人の経済活動を円滑に橋渡しする仕組みであることを説明。社会主義が約束する「新しい自由」とは結局のところ「富の再配分」であり、計画経済の実行能力が既存の市場経済の効率に勝らない限り、社会主義は現状の経済発展を維持することさえも困難となることを指摘。民主的社会主義という理想は、その実行手段の問題から必然的に個人の自由、集団に属さない人々の迫害を助長し、経済の疲弊、格差の拡大を生む。また結果として計画経済の最も効率的な形としての専制政治、極端な国家主義の出現を予言し、民主主義と密接な関係にある経済的自由を軽視する風潮に警笛を鳴らす。Hayekは市場経済が効率的に機能する前提として法秩序確立の重要性を主張。Kantの「法律以外の何人にも従う必要がなくてはじめて人は自由となる」を引用する。日本ではHayekについては何かと誤解、偏見があるようで残念。オーストリア人の著者の英語は確かに一見難しいが、that節と倒置法が多いという傾向を頭に入れれば論理的な文章でることが見えるはず。本書が今後もより多くの読者を持つことを切に願う。

centrist Hayek

 今現在の日本で右派からも左派からも批判されるのがハイエクだ。
 ナチスなど全体主義を批判する書であるが、彼の自伝によれば、この本は欧州において評判は普通であったが、米国ではベストセラーとなった。
 ハイエク自身にとっても大変な驚きであり、そのため米国で講演行脚をせざるを得ない羽目になったらしい。
 ハイエク、フリードマンはサッチャーと交流があり多くを語り合ったという。
 彼の邦訳の中では一番手に入りやすい書物であるし是非手にとって読んでみてほしい。


ハイエクの理想から外れた構造改革

隷従への道は政経不可分なるが故にケインズ政策をとっていたナチを念頭に粗相した政策をとる事はナチの如き隷従への道を歩むので国家の経済への介入を全廃せよと言う新自由主義的構造改革の原典の書物。論敵ケインズも賛を送る。ただハイエク自身はハイエクを尊敬してやまなかった構造改革の元祖サッチャーを隷従と戦争を生む政治家として軽蔑してやまなかった。フリードマンが有名だが正統ハイエク派の師F.ナイトとから隷従への道を防ぎ個人の尊厳を守る為の手段としての新自由主義の手段と目的を取り違えていると言う事で破門。虐殺で捕らえられたピノチェト軍事独裁政権に協力しそこから新保守なりネオコンというハイエクの理想を外れた新たなるファッショが躍動し始める。


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ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書)

池田 信夫 
ハイエク 知識社会の自由主義 (PHP新書)
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ハイエクの理解しやすい入門書

本書は自由主義者ハイエクの簡単な入門書である。
ハイエクによると、経済には不確実性がつきまとい、また経済を把握するにはその情報
が膨大すぎて、政府の官僚がいくら優秀でも不可能であるため社会主義経済やケインズ
的政策は破綻する。彼の思想は後にサッチャーやレーガンの政策の理論的支柱となった。

政府は出来るだけ規制を少なくするべきで、むしろ政府は企業や個人が自由な経済活動
を行うための制度設計にエネルギーを傾けるべきだという彼の意見にはなるほどと思った。
また通貨でさえ政府に任せず民間で自由に発行させるべきという自由の徹底ぶりには
驚いてしまう。

本書は著者の池田信夫氏が自分の経済理論の基礎となっているハイエクを紹介する内容
なので池田流ハイエクに矮小化されている可能性もあるが、私には判断できない。

ハイエクの思想はアメリカのリバタリアニズムとの親和性が非常に高いと思う。
ブロック.W (著)「不道徳教育」はオススメのリバタリアニズムの良書で、ハイエクの思想を
おもしろおかしく実感できるのではないかと思う。


ハイエクは読んでもよくわかりませんでしたが

ハイエクは読んでも、そんなにピンと来ていませんでした。
本書は、ハイエクの要点を示しているようで、
本書を読んでから、ハイエクを読み直してみると、
なんだそうだったんだと理解できました。

ひょっとしたら、昔読んだときには、あまり社会経験が無いころだったから分からなかったのかもしれません。


今、なぜハイエクなのかを知るにはいい本

煽情的な帯の文句、「ウェブ資本主義の正体 半世紀以上前にインターネットを予見した男がいた」っていうのに惹かれて、つい買ってしまった。

ハイエクって学生時代には読んだけど(もう20年前だけど)、そんなことって書いてあったかなぁ。まぁ、当時はインターネットなんて知らなかったから、気がつかなかったのかもしれないけど。なんてことを思いながら、読んでみたら、思った以上に真面目な本だった。

世の中的にはハイエク自身の評価はいろいろあるし、私自身は経済学者というよりは法哲学者として読んでいたので、ちょっと違和感があったけど、著者が主張することはよく分かる。著者の主張をハイエクに仮託してるのだろうが、なるほど、よくまとまっていると思う。

20年前の学生時代から、この辺の議論はちっとも追いかけてなかったけど、インターネットの普及により、ハイエクが再評価されるなんて、面白い。

インターネットの出現は、もしかして産業革命以来の出来事ってことか。

新書でこの内容では、もったいないかもしれないな。


インターネットとハイエク

ハイエクに興味があって、読んでみました。
後半のインターネットとハイエク等の(著者の)言説については、非常に面白く読めました。
ただ、ハイエクを紹介するというよりは著者の持論を展開するのにハイエクを引用しているという事になるのでしょうか。


ハイエクって誰?

最近ハイエクという名前をよく耳にしますが、自由主義経済を主張した経済学者と
いうことぐらいしか知らず、どういう人なのかよくわかりません。
そこで、とりあえずどんな人かを知ろうと思ってこの本を読んでみました。

読んでみて思ったのはやっぱりよくわからないということでした。
どうもその人となりというか、具体的なイメージが浮かんできません。
とりあえず一般的なハイエクのイメージとしては、
強力な市場主義者で反社会主義者であり、
ケインズと論争を繰り広げ、当時は敗北してしまったが、
後にイギリスのサッチャー首相が彼の本を重用したり、
ノーベル経済学賞を受賞したりとハイエクは時代の主流となり、
その後のグローバル資本主義への流れに先鞭をつけた人という感じです。

ハイエクの思想の根底には不確実性というものがあり、将来の市場の
動向は予想できないため、政府が余計な介入をして市場を混乱させる
ことはやめて、市場の調整機能に任せるべきだと主張しているようです。
完全な知識に基づく完全な市場などありえないと説き、計画経済を否定し、
全てをコントロールできるという官僚の思い上がりを徹底的に批判します。
各個人が断片的な知識を持って行動すると、あたかも社会が一つの計画に
従うような現象を「社会的な心」として市場のメカニズムを捉えるのは
アダム・スミスと同様の考えのようです。
ハイエクはこのような知識の分業という、今日のネットワーク社会を予見
したような考えを提示しており、現代における知的所有権の問題などに
対しても参考になる部分が多いようです。
私の印象としては、ハイエクの思想はアダム・スミスの思想の現代的展開
という感じに思えますが、どうなのでしょうか。

この本では多数の学者や思想家の名前が出てき、多種多様な概念にも触れて
いますが、知らない人にはちょっとついていけないのではないかと思います。
文体は平易ですが内容はそんなにすんなりとは理解できませんでした。
たぶんこの本はハイエクについての入門書というよりは、ある程度の知識の
ある人が全体の中でのハイエクの位置づけを認識するための手がかりとなる
ような類の本ではないかと思いました。
元々この本はハイエクの本を紹介する目的で書き始めたものがどんどん内容
が膨らんでいったということのようですが、ハイエクの実像を掴むには紹介
されているハイエクの著書を読むか、他のハイエク解説本などを読むなり
する必要があるように思います。
著者の言うように、ハイエクの現代的意味を考えるための一助となる本なの
ではないかと思います。



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最強の経済学者ミルトン・フリードマン

ラニー・エーベンシュタイン 大野 一 
最強の経済学者ミルトン・フリードマン
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フリードマン経済学の知的遍歴の凄み―多面的ドラマの世界がここに!

  昨今の経済危機の元凶とされる市場原理主義(自由至上主義)なるイデオロギーの世界的先導者は誰かといわれれば,文句なしにM・フリードマンの名前が挙がるであろう。本業の経済学と別れを告げた『資本主義と自由』(1962年)や,テレビを通じて世界的に放送され,ベストセラーともなった『選択の自由』(1980年)等の啓蒙書によって、彼の名前は日本でもかなり有名だ。批判の槍玉に挙げられる急先鋒に彼は位置している。望ましい資本主義の形態は3語で表現しうるとし、それを「自由な私有財産(free private property)」とした(308頁)。ここにある「自由(free)」という概念それ自体が彼の経済哲学のほとんどすべてを凝縮している(181頁)。今はフリードマンの経済哲学を再省察する絶好のときなのだ。

  本書はたしかにそうした批判的営為を遂行するための手引きにはなる。が,一読して如実に感じられるのは,研究者,教育者,政策立案(助言)者,そして良き夫や頼もしい父親といった,一人の「人間フリードマン」が辿ってきた壮大な知的ドラマが軽快な筆致で描かれているという点だ。本書の真骨頂はここにある。消費関数論や恒常所得仮説(ケインズ批判)は当然のこと,彼の理論的・思想的変遷とその時代的背景の意味,数多くの友人(スティグラーやハイエクとの関係が特に印象的)とのユーモアに富んだ会話のやり取り等,読み応えるある箇所は数多い。それだけの知的魅力を有しているのは,インタビューを含む著者の周到な取材成果の賜物であるに違いない。本書を読めば,少なくとも固定観念的なフリードマン理解は大きく揺さぶられる。私がそうだった。フリードマンが発する「言葉」は常人の域を遥かに越え,時代を創った。「ミスター・ミクロ」の多面的人間像に迫った力作。彼の貢献を深く「理解」すべく多くの方に推奨したい。批判はそれからでも決して遅くない。



ジャーナリストによるフリードマンの秀逸な伝記

2006年12月に亡くなった、20世紀後半最大の経済学者ミルトン・フリードマンの人生・思想を、歴史的背景や学術的な側面も十分に踏まえた上で、ジャーナリストらしく分かりやすく解説した伝記。主に20世紀前半最大の経済学者ケインズとの対立を軸に描かれている。

小さな政府を標榜し金融政策を重視するフリードマンと大きな政府・財政政策のケインズ。つまりマネタリストとケインジアンの対立。学会ではもはやケインジアンという言葉は死語なのかもしれないが、現実の制度の理解においては、この対立軸の理解は現在でも不可欠である。これらの経済学者の主張は、言語や歴史的背景の異なる日本においては、その結論だけでは理解できない部分も多い為、本書のような秀逸な伝記の存在は大変にありがたい。

本書では、フリードマンの思想がレーガンやサッチャーの経済運営に与えた多大なる影響について詳しく書かれている。それは同時にそれらの政策を模倣した橋本内閣の金融会計ビッグバン、小泉内閣の構造改革において、彼の思想が理論的背景になっていたことを意味する。このような視点から本書を読むと、この10年の日本の経済政策に何が起こったのか良く理解できる。多少の経済学の知識があれば読める本なので、多くの方にお勧めしたい。


反知性主義の「巨匠」

<マネタリスト、シカゴ学派、新自由主義の元祖、レーガン、サッチャー政権に大きな影響を与えたノーベル経済学賞受賞者……。>というのを読むだけでも唾棄すべきエコノミストと思わせるに十分だが、意を決して読んでみた。しかし、さらに・・・・。
フリードマンが、廃止すべき14の政策として掲げた次のような項目が、コイズミ改革と併せて称揚される「反知性主義」には暗澹たる気持ちになる。
●農産品の政府による買取保証価格制度●輸入関税または輸出制限●家賃統制、全面的な物価・賃金統制●法定の最低賃金や価格上限●細部にわたる産業規制●連邦通信委員会によるラジオとテレビの規制●現行の社会保障制度●特定事業・職業の免許制度●公営住宅●平時の徴兵制●国立公園●営利目的での郵便事業の法的廃止●公営の有料道路。

アマゾンがご丁寧にも掲げてくれているこれらの項目を心して見られよ!
ほとんどアナルコ・キャピタリズムの世界である。現に合州国では、●現行の社会保障制度などというものは無に等しい。我がニッポンでもコイズミ・タケナカ路線によって●営利目的での郵便事業の法的廃止が軌道に乗ったことは周知の通り。社会保障については、介護保険の導入を評価する向きもある(上野千鶴子)。それはともかく、社会保険全般において、制度問題のみならずフリードマン路線が着々と進んでいることは、テレビCMのアメリカ保険会社の盛況を見れば明瞭たるものあり。

そういえば、学生時代フリードマンの主著『選択の自由』を読まされたことを思い出した。フリードマンは、ハイエクや師のフランク・ナイトとは異なる。特に後者の師匠に破門されたことをマネタリストシンパは心する必要があるとだけいっておこう。
リチャード・ホフスタッター『アメリカの反知性主義』では、扱っている時代の相違もあってフリードマンには触れていないが、フリードマンこそ現代世界の(勿論ニッポンの)反知性主義の「巨匠」なのである。彼を称揚する御仁は、せめて環境問題のことくらいでも思いを馳せてみればよかろう。
碌でもないアル・ゴアすら、ケネディすらまともに見えてくる。チャベス頑張れと言いたくなるではないか!


為替の変動相場制はフリードマンのアイデア

経済学者が世界を変えていることを初めて実感した。

日本だけは少々事情が違うようだが、金融政策によって景気や物価の安定を図るというごくあたりまえの経済学的な考えを主張し、実行せっしめたのもフリードマンだ。まして、固定制、金本位制だった国際為替相場を変動制にするアイデアをだしたのものフリードマンだ。

まさに最強の経済学者であるといえる。実感した。


20世紀を代表する思想家の1人

経済学や経済について素人の私は、フリードマンの果たした経済学上の功績についてはよくわかりません。しかし、「市場の失敗」ばかりが語られる中で、「政府の失敗」を真正面から論じたフリードマンの思想は、「政府や官なら民間と同等以上にうまくやってくれる」と盲目的に信じていた私に強い衝撃を与えるとともに、昨今のマスコミの報道では彼の思想が如何に捻じ曲げられて伝えられているかを知りました。
 
本書は、そのフリードマンの生涯(家族、友人、大学生活等々)を描いた作品でした。フリードマンに興味を持ち、より詳しく知りたい人向けだとおもいます。また、巻末のインタビューでは彼がここ数年の世界の動きをどのように捉えていたかを知る事ができ、とても興味深く読ませていただきました。
(フリードマンの思想についてはそれほどページが割かれていませんので、彼の思想について知りたい方には「選択の自由」あるいは「政府からの自由」がオススメです)



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職業としての政治 職業としての学問 (日経BPクラシックス)

マックス・ウェーバー 中山 元 
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「職業としての」をセットで読める読みやすい翻訳

誰しも言うとおり、格段に読みやすい翻訳。しかし、改めて翻訳が良くなっても「〜としての学問」のほうが短いが読みにくい事に気付くと思う。「〜としての政治」のほうが、話し振りが躍動感に飛んでおり、テーマに対してやや散漫な気もするが、紹介されるいろいろな事例がおもしろく、講演なのだからそれで良いのだと思う。逆に、「〜としての学問」は、テーマは、第一次大戦後の新機軸を求めて血気はやる若者に、結局「ひきこもれ!」と言っている内容なのに、なぜか、「脱魔術化」「合理化」にまで遡って「今日的な」学問のあり方を説いて「ゆえに〜」とやってしまう、やや迂遠に過ぎる展開で、短いながら「さて、何の話をしているのかな」と思ってしまうほどあんまり流れは良くない。これは原典を読んでも同じことで翻訳が優秀なことに変わりは無い。本書で再読の機会を得て、改めて思うのは、ドイツ人というか、ウェーバーの気質に、違和感を覚えたことだ。つまり、ここまでゴリゴリした思考法、センスというのは、やっぱり現実的な妥当性があるとは思えない。講演であること、時代背景を鑑みればやむなしの感もあるが。あるべき日々の仕事に身を投じ日本的に言えば「職人になる」こと以外、職業としての学問などはありえず、自信の価値観に無自覚なまま、実践や自己の「体験」を教室で訴えるような大学教師はあってはならない、と批判する時、その普遍的な思考には納得するけど、すると、ウェーバーのここでの主張は、まさに主張内容と反してやしないか、と思いたくなる。教室の外だから良いということか。「〜としての政治」にしても、主張内容は、どこかヒットラーみたいな人を容認してしまいやしないか、と思えるほどに、今度は「外的な理由」ではなく、「政治のための」内的価値観(責任倫理であれなんであれ)を非常に重視する。いずれも、別著「プロテスタンティズムの倫理」で展開された元祖「カルヴィニズム」の化身のような態度で、するとあの書物(プロ倫)も、ウェーバーの価値観が相当バイアスだ、と思えてくる。結局、何に付け、「価値」と「実践」の厳格というか幻想的な区別に基づく「価値観」が、引っかかる。極端すぎる主張は、後年、ファナティックな左翼思想家に引っかかり、「理論」と「実践」の区別などありえるのか、とこれまた極端な主張へ展開、不毛な議論となった。几帳面過ぎては、及ばざるが如しと思えてくる。

翻訳の力

あらためて外国語文化の咀嚼について考えられさせられました。岩波文庫版は岩波伝統の悪文でわざと難解にしているとしか思えない。角川文庫版はボロボロで書き込み入り、しかもプレミア価格で購入しました。小見出し入りで岩波版よりはるかに読みやすいですが、やはりウェーバーが頑迷な狂信学者にすら感じられます。それが本書の「ですます調」で、註も通読のさまたげにならない訳で、まったく別の刺激的な世界が見えました。面白い反面、翻訳の怖さを感じました。映画の多くも例えば「戸田奈津子の感じたフィーリング」でしか観ていないのかも・・・。字幕は翻訳よりもっと主観的に短くなりますからねえ。本シリーズは安価で読みやすく、フリードマンやガルブレイスも楽しく読めました。センスのよい装丁が祖父江氏というのも意外でした。

必読書

 『職業としての政治』は難しい。
前半は『支配の社会学』の冒頭箇所を読んではじめて、理解できるような感じである。
内容的には政治学(政治社会学)原論という感じなのだ。

後半でイギリスやアメリカの具体的な話しが出てきて、前半よりもわかりやすい。
オバマのような人が出てくる現代政治の特徴が理解できるようになっている。

 これまでよく読まれてきた岩波文庫版『職業としての政治』は
訳が不親切。だからよけい難しく感じてしまう。

 冒頭に、日常語としての「政治」Politikを基礎にして、
「政治」を定義する部分があるのだが、
岩波文庫版の訳者は、Politikを「政治」「政策」と訳しわけしている。
日本語の訳文しか見ていない読者は、なぜ「政策」という言葉が出てくるか
わからないはずである。
今回の新訳ではちゃんとルビを付けてくれているので誰にでもわかるようになっている。

 岩波文庫版がわかりにくいので、昔の角川文庫版や河出書房の「世界の大思想」『ウェーバー政治社会論集』の清水幾太郎訳で読む人がいたが、入手困難だった。
中山訳は、わかりやすく訳そうという配慮があって好感が持ている。

『職業としての学問』は読んでないので、コメントできません。

 ついでながら、『職業としての政治』におけるヴェーバーの「政治」の定義は理論的定義ではない。あくまで日常語としてのPolitikをベースにした初発的、導入的な定義である。
(講演にあたって、聴衆のために、とりあえず、定義しただけだ)
この点を勘違いしている学者先生が多い。






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市場の変相

モハメド・エラリアン 牧野 洋 
市場の変相
定価:¥ 2,200
新品最安価格:¥ 2,200
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機関投資家や政策担当者は、当然読むべき本だ。新しい現実を理解するために。

サブ・プライム以降の新しい世界金融市場を分析し、投資家や政策当局がなすべき行動、
新時代のリスク管理などについて提言するプロ向けの本。面白い例え話や逸話は少なく、
面白みに欠けるが、「ブラック・スワン」などの新しい研究を取り入れ、正確な記述の
学究的な内容で、実務家には必読の書。

非常に優れた本であり、学ぶべき点は数多いが、特にメモっておきたいと思ったのは、
「明日の世界」を理解するために必要なこととして挙げられた次の3点。

1. 新興国の経済・金融システムが急速に変化しながら重要性を増しており、
  欧米、日本など先進国だけの理解では、不足している。
2. 新たな資産が、政府系ファンドなどの国営投資機関に蓄積されており、
  彼らが、何を買いそうで、何を売りそうか、その理由まで説明できなければ
  ならない。
3. 経済・金融ファンダメンタルズをベースにするだけでは、未来の予測はできない。
  なぜなら、ファンダメンタルズが市場に変化を与えているばかりでなく、逆に、
  金融革新を原動力とした市場の変化が、ファンダメンタルズに影響を与えている
  からである。

この他にも、

・リスク管理はアウトソースするな、
・長期投資において、完全な外部委託は論外だ.
・(サブプライムローン問題があっても)それでも証券化は続く

など、その理論付けも含めて、機関投資家にとって、これをはずすと、
大きく将来の道を誤る内容が数多く記述されている。
読まないではいられない、のではないでしょうか。


ノイズの中のシグナルをいかに見抜くか

サブプライムローンがもたらす危機を予言した本として、『フィナンシャル・タイムズ』および『エコノミスト』が2008年度ベストブックに選んだ書。著者モハメド・エラリアンは、世界最大の債券運用会社である米ピムコのCEOである。

著者は、いまや『市場』というものは根底からその姿を変えつつあり、旧来の市場と新しい市場が衝突しているとする。そして、こうした市場変相の時代における長期投資戦略のあり方を提言している。

本書の経済危機に関する見立てはこうだ。
急速に経済成長を実現した新興国は、自国の金融システムが未熟なため適切な運用スキルをもっていない。そのため、アメリカに投資を集中させた。一方アメリカは、それを原資として過剰消費に走った。
こうして生じた世界的なインバランスにおいて、投資効率を上げるために発達したのがさまざまな金融技術である。しかし、その技術への過信が危機を膨張させ、ついには破綻に至ったのだという。
こうして世界の金融市場は「昨日の市場」と「明日の市場」が衝突する状況に至り、そこから逃れることはできず、いまやシステムそのものの危機が到来しているという。

こうしたシステムの危機においては、市場が発信する膨大な情報のなかに異常値が含まれる。この異常値=ノイズの中のシグナルを見抜くことこそが重要であると著者は主張する。
ノイズとかシグナルという考え方は、タレブの『ブラックスワン』とも共通するもので(実際、本書中にも『ブラックスワン』への言及がある)、昨今の金融市場の捉え方としては非常に納得できるものだ。

いずれにせよ、これからの金融市場を考えるに際しての基本図書のひとつといえるだろう。


問題はどの位の時間がかかるかでしょうか?

米国の債券運用最大手のピムコのCEO兼共同CIOの著者によって書かれた本です。
IMFでの15年間の勤務やハーバード大学基金を運用するハーバード・マネジメント・カンパニーの社長兼CEOとしての2年間の勤務といった経歴がある人だそうです。

タイトルの”変相”は初めて目にする言葉で意味がわかりませんが、原書の"When Markets Collide"(市場が衝突する時)を見るに、そういう意味を示す造語なのかな?と思いました。

いうまでもなく、サブプライムローン危機の勃発から金融危機・世界的景気後退に至る過程での市場環境の激変とその暴落について記した本です。

この本によると、人間は市場で起こった新しい変化がちょっとしたノイズなのか、根底を覆すような大変化の兆候なのかを判断するのが難しく、新しい変化を「無視する」ことがあるそうです。
確かに07年夏にサブプライムローン危機が始まった時、「サブプライム・ローンは米国の住宅ローンのわずかな割合しか占めていないので、大きな問題にはならない」という論調を多々見ました。
要するに相場に水を差すような変化を”無視した”ということです。

今我々が経験しているような未曽有の危機を迎えると予測した市場関係者は、当初ほぼ皆無であったと思います。

確かにこの本の、「米国の借金漬けの消費者に世界中が依存するような世界経済システムは今後再構築できない」とする点や「代わりに新興国の役割が大きくなるだろう」といった指摘はうなづけるものがあります。
問題はそうした主役の変更にどの位の時間がかかるのかといったところでしょうか。


推奨

近年の金融危機の原因と諸様相に焦点を合わせた解説としては、最佳作のひとつ。優れた研究者であると同時に、百戦錬磨の実務家でもある著者の面目躍如たる力作である。原著は秀作ながら、翻訳者の選定を誤ったために読むにたえない訳書も少なくないが、本書は邦訳も優れている。

議論は幅広いが・・・

PIMCOのCEO、Harvard大財団の元CIO、IMFのエコノミストを15年という経歴が物語るように説得力はあるが、議論の幅が広すぎて、また、少々教科書っぽくて、それぞれの内容は些か喰い足りない。総花的過ぎる。例えばテールリスクについて読むのであれば、タレブの『まぐれ』を読んだ方が深いし、何より読んでいて面白い。また大転換を謳うなら、市場参加者としての視点だけではなく、もう少し経済思想史的な価値観を交えて欲しかったが、著者の経歴からは無いものねだりなのかも知れない。近著であれば、比較の対象として不適当との謗りを免れ得ないが、佐伯啓思氏の『大転換』が遥かに深い。翻訳は良い。ただ、説明がやや冗長なことや、著者の自慢っぽい記述(フィナンシャルタイムスに寄稿したの云々は不要)も気になった。読了する価値はあると思うし、書いた時点で、その後の市場混乱をほぼ読み通せていた点では流石。ただ、一気読みさせる迫力はない。


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雇用、利子および貨幣の一般理論〈下〉 (岩波文庫)

ケインズ John Maynard keynes 間宮 陽介 
雇用、利子および貨幣の一般理論〈下〉 (岩波文庫)
定価:¥ 735
新品最安価格:¥ 735
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「教科書通り?」に失敗した日本

一回目に読んだ時にはチンプンカンプン。巻末の解説、さらに他のケインズの解説本を読んだ後、再度読み返してみてほぼ納得したものの、まだ解らない箇所あり。それほど難解ですが、読み込む価値は十二分にある本です。

古典と言うよりは今明らかに通用する提言がなされており、今回の世界金融危機でケインズが見直されることは間違いないでしょう。下巻では貨幣賃金の切り下げがどんな弊害をもたらすか、詳しく論じられています。日本の失敗ぶりなんてまさに「教科書通り」で、「お見事!」と呆れるしかありません。。。


間宮さんの大胆な”意訳”によって画期的に読みやすくなった「一般理論」。 決して訓詁学的には読まないでほしい。,

 下巻ではケインズが批判の対象にしたピグーの「失業の理論」を取り上げています。最後はケインズの社会哲学に触れていますが、これを読むと、ケインズがこの本を書くまでに、過去の多くの経済学者の考えを学んだ上で自ら消化していることが感じられるでしょう。

 また、巻末の宇沢弘文氏の解題は非常に価値のあるものです。この上下巻を読む前に、この解題を読んでおいた方が、より理解が深まると思います。

この本は「一般理論」という題名になっていますが、ケインズ自身は、当時の世界的な大恐慌下と言う特殊な状況を意識して書いたある種「どんな状況にでも当てはまるのではなく、必ずしも一般的とは言えない」”一般理論”であると言うことはよく意識しておいていただきたいと思います。もしも、今、ケインズが生きていたら「一般理論」は、別の書物のごとく全面的に改訂されることは間違いないと思います。他のケインズの書物にも言えることですが、ケインズはその時その時の経済状況・制度等に応じてベストな内容の書物や膨大な数の論文を書き続けていたのです。

 最後に、ケインズの本を読むにあたっては、決して訓詁学的に読んでほしくないと思います。
官庁エコノミストの大物の金森さんの回想によると「一般理論」を何度も読み込んでいた宮沢喜一さんが経済企画庁長官の時、「金森君 こういう場合、ケインズだったらどうするだろうね」と何度もおっしゃったそうです。これこそ、「一般理論」を訓詁学的に読むのではなく、そこからケインズ的考えを学んだ素晴らしい例だと思います。


これぞ、名著!

 ケインズ「一般理論」の新訳という今回のはらはらどきどきの企画、結果的に大正解であった。特に、この(下)巻であの宇沢弘文が解説を書いているのだ。この解説が実にいい。この解説と訳者間宮による「若干の覚書」、これで「一般理論」が現代に通ずる道を開いてくれている。
 (上)巻の間宮による序文に「・・・・・彼の理論もまた決して死んでいない。時代環境に適応できずに自然死したわけではなく、もしも死んでいるように見えるとするならば、それは「殺意」をもって、「殺された」のである。ケインズ理論は、新しい理論によって棄却されたのではなく、新自由主義的世界とそのイデオロギーにとって不都合だから葬り去られたのである・・・・・」という一文に間宮の並々ならぬこの翻訳にかける意気込みが感じられる。
 そして、宇沢の「解題」、決してケインズ賛美ではないところがいい。「イギリスによるインド植民地支配は、人類の長い歴史の中でも、もっとも残忍、冷酷で陰惨をきわめたものの一つであった」と述べ、このことを不問にしてポンドとルピーの為替レートの研究に情熱を注ぐケインズに対して、「つよい違和感を覚える」といっているのだ。
 
 肝心の本文であるが、「一般理論」を読破した事がない者でも、他の一般的なマクロ経済学の教科書でケインズをそこそこ勉強したことがある者にとっては、本書は目からウロコがぼろぼろ落ちる。おくればせながら「ああ、そうだったのか」と納得できる箇所を多々発見することができる。
 そして、なるほど名著とはこういう本のことを言うのだと納得させられる一冊である。


原著を対比させたら間宮訳になる

 「一般理論」の下巻です。後半部分ではケインズが批判の的にしたピグーの「失業の理論」を取り上げています。最後はケインズの社会哲学で纏めて、巻末の宇澤氏の解説で締めくくっています。その解説も非常に丁寧です。塩野谷訳も良いのですが、原典と訳がしっくり来ない部分がありましたが、間宮訳ではこれらが解決されています。間宮氏が上巻で述べているとおり平明な訳文にしたことには大きな意義があります。初学者が手にとっても読みこなせるように配慮されているところが間宮訳の素晴らしいです。残念ながら東洋経済の塩野谷訳ではそうはいきませんでした。塩野谷訳にも親子で手がけた自負があるでしょうが、時代と共に訳は進みます。塩野谷、間宮と2つの訳文が併売されることになります。翻訳が時代と共に良くなるのは明かです。「資本論」も高畠訳、長谷部訳、向坂訳、岡崎訳があり順を追うごとに訳が洗練されています。この「一般理論」もこの様な物と考えれば良いことなのです。東洋経済版と岩波文庫版選ぶのは個人の自由ですが、訳文の正確さ、丁寧さ読みやすさを総合すると間宮訳を強く推薦します。
 今度は「価値と資本」あたりが改訳版が出ると嬉しいのですけど。
一般理論を上下巻読み込んで、ケインズの意図、思想などをこの文庫で十二分に味わって下さい。



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アニマルスピリット

ジョージ・A・アカロフ ロバート・シラー 山形 浩生 
アニマルスピリット
定価:¥ 2,310
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時間の無い方は、第一部の75Pだけでいいと思う

ノーベル経済学賞受賞者のアカロフとベストセラー「投機バブル 根拠なき熱狂」著者のシラーの共著による話題の書が、早くも邦訳出版。まずは、このスピード感ある和書出版を成し遂げた翻訳者に感謝申し上げたい。
本書の原著は、昨秋の金融危機の直後に発刊されたようだ。そこが最大のセールスポイントだろう。
ようやくと行動経済学という考え方が新聞紙上にも出るようになり、効率的市場仮説による経済学を再考する流れになっているが、本書はそのさきがけと言えよう。
「貨幣錯覚」や「物語」が、経済や相場の変動の原因となるのだとする著者等の主張は、一読の価値がある。
よって、時間の無い方にはせめて第1部の約75ページだけでも、お読みになることをお勧めする。


分析はあるが処方箋のない本

行動経済学について、「合理的人間」の誤りを合理的に説明してくれる本
でも、言われてみれば、あたりまえのことが多くなかったですか?
P240 バター戦争の紹介は笑ってしまったが。
人間が不合理な存在であることは何千年も前から言われてきたことだし、
それを理論化できないから哲学者たちや心理学者たちが苦労してると
思うんですけど...
行動経済学一般について何かしっくりこないものがあります。


様々な視点で読める本です。

 自分は原書、山形訳を通じて都合4回本書を読んだのだが、正直どのようなレビューをすれば良いのか悩む本である。
 例えば、行動経済学のテキストという意味で評価すれば、この本は様々な話題を折り込みながらアニマルスピリッツの視点で経済現象を軽やかに解釈した、ということになるだろう。でも、そうだとすると、本書は類書のような「行動経済学チック」な雰囲気は無いので、所謂行動経済学のテキストという意味合いで購入すると物足りなさを感じるのかもしれない。個人的には著者は現代の行動経済学という枠組みをも超えようとしているのではないかとも思うのだが。
 さらに、狭い檻に閉じ込められている現代の経済学を、本来の広い視野・視点にたったものとして捉え直すという意味合いで捉えるのならば、本書は一級の経済学者による反経済学の書籍ということになるだろう。この意味では山形氏の解説が役に立つ。このような解説は米国ではないのだが、なぜ必要かといえば、あまりにも経済学に無知な人間による「反経済学」の本が流布しているこの国の状況によるものか。
 もう一つ、現代の金融危機を考慮に入れるのならば、人間の持つアニマルスピリッツのダイナミズムといった要素を強調する本書は、金融危機を扱ったあまたの書籍の一つとしてみることも可能だろう。著者らが挙げる信頼等の概念は貨幣が家計・企業・政府といった主体間で媒介する際に必要な「信用」の重要性という視点にも繋がる。この「信用」を安定させ、いかに密なものにするかということの重要性を再度考え直す場合に有用な本、という捉え方も可能だろう。


問題提起としては十分だが、解決策の提示がない

著者は、現代の経済学が「アニマルスピリット」(人間の非合理性や愚かさ)を考慮していないせいで
現実の景気変動を十分に説明できていない、そのため「マクロ経済学理論にアニマルスピリットを組み込む必要がある」と主張します。

ただし、本当に人間の非合理性をモデル化することはできるのか?具体的な政策にアニマルスピリットをどう折り込ませればよいのか?といった問いには答えてくれません。肝心な部分が曖昧で惜しいのですが、「訳者あとがき」が非常に優れています。全部読むのは面倒という方もここだけは読む価値があると思います。


志学者向け

人間は経済合理性だけを考慮して選択するわけではなく、時には非経済的要素に翻弄されて動く。
そんな当たり前だけど、今迄余り真剣に取り組んでこなかった事柄をテーマにした本。
学生時代にマクロやミクロ経済学を学び、その理論の単純さやメカニズムに違和感を覚えた経験のある人にはお勧め。
気をつけたいのは、学校で学ぶ主流な経済理論の全てを否定するのではなく、寧ろ認めながらも補完する立場に立った本であること。それに気づかないと著者の意図は理解したことにならないだろう。



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雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫)

ケインズ 間宮 陽介 
雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫)
定価:¥ 945
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しろうとの戯言レビューです。

敢えて、わかった”つもり”でレビューします。
この本のすごいところは、市場が万能でないことを前提としていることでしょう。
需要と供給が一致して価格が決まるという、あれですね。市場が完全でない場合があるのは、当然のこととして。
ケインズは労働市場について述べているが、暗にどの市場もほとんど完全ではないのだと。
理論経済学者にとっては、かなり勇気のいる発言ですから、この辺のスリリングを感じながら読めば、楽しめるかもしれません。しかし理論に興味のない人には退屈かもしれません。

本書の目的として、「全体の産出および雇用の理論」(21章)を挙げているのがすばらしい。
すなわち、これが経済学の目的でしょう。
これを=マクロ経済学と説明している人がいるが、私は違うと思う。
何を目的とするか、それはひとつの思想である。
マクロ経済学なるものがあるとしても、その目的がはっきりしない以上、ひとつの分析手法にすぎないと思う。


英文よりわかりにくい「超誤訳」、だそうです

英文よりわかりにくい「超誤訳」、だそうです。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/ikeda/mamiya.HTML

別の翻訳家からも

深く失望 ― ケインズ著間宮陽介訳『雇用,利子および貨幣の一般理論(上)』

との評価も。
http://homepage3.nifty.com/hon-yaku/tsushin/bn/200803.pdf

買う前に、読む前に、ご覧になったらいかがでしょうか。


「世界の孤児」にならないために

はっきり言って難解です。巻末の解説や他の解説本と合わせて読むことをお勧めします。しかし現代の政治経済を考える上で、恐らくこれは必読の書です。

というのも今回の金融危機以降、世界中で新自由主義からケインズ型への経済政策の見直しがなされつつあるからです。与野党の論争でもケインズ政策が対立軸を成しており、バラマキというよりは所得の分配が争点になっているようです。「アンチ派」は今だに内需より企業の国際競争力を優先し、その為には国民所得の低下も已む無しとしています。

一方ケインズは貿易黒字の利点を認めてはいますが、それに頼った国家運営は「他国の犠牲により成り立つ重商主義時代の遺物」と見做しています。その代わりに何をすべきか?この本には様々な処方箋が、慎重な考察とともに述べられています。


間宮さんの大胆な”意訳”によって画期的に読みやすくなった「一般理論」。 是非、一人でも多くの人に親しみながら読んでいただきたい。

「一般理論」は難渋の書とされ、それを通読した人は意外に少ないであろう。

その大きな理由は二つある。
一つは、この書を書き上げた段階ではケインズの考えは完全に整理されておらず、内容に誤りや、混乱が少なからずあることで、読者の理解を妨げていること。
もう一つは、日本語訳が硬く、日本語の文章としても理解に苦労することである。

私は塩野谷九十九訳、塩野谷祐一訳両方に目を通したが、訳の硬さによる本書に対する親しみにくさは、依然として解消されていなかった。訳に問題があるのかと思い原書を読むと、「やはり、こういう訳にしかならないな」と言うことになってしまっていた。

とにかく、ケインズの原文自体の文章が凝っていて、小林秀雄氏の文章のようであったからだ。例えるなら、小林秀雄氏が数式やグラフを使わずに経済理論を書いた本を読むようなものと言えよう。

今回、間宮氏による大胆な”意訳”の「一般理論」により、訳の硬さによる親しみにくさが大きく克服されたことは誠に喜ばしいことであり、間宮氏の功績を称えたい。

なお、本書が難渋とされる第一の理由であるケインズの考えは完全に整理されておらず、内容に誤りや、混乱が少なからずあることで、読者の理解を妨げていることについては、長年、ケインズの研究に打ち込んでこられた塩野谷祐一氏の訳本の巻末にそれらの問題点を整理した塩野谷祐一氏による解題があるので、是非、そちらを読まれたい。「一般理論」のエッセンスが、まさにそこに集約されている。

 なお、上記の「一般理論」におけるケインズ自身の混乱や誤りを整理する論文を、その後、ケインズは自身が編集長を務める、イギリスの「Economic Journal」誌にたびたび寄稿していった。その集大成は、1939年に同誌に寄稿された短い本の分量に相当する長文の論文「The Alternative Theory of Employment,Interest and Money」として発表された。同論文は「一般理論」を補完するものであり、両者を併せて読んでいただければ、「一般理論」の理解はクリアになるであろう。


難解だが、経済学を学ぶならば読んでおきたい

訳については比較できる立場にはないので、コメントは差し控える。
全体としては訳はわかりやすいと思うが、そもそもケインズの原著自体が難解であることで有名なので、読むのは骨であえる。
遊びがほとんどなく、理論の骨格がずしりと示されているので、本格的ではあるが、素人にとっては読むのは大変であった。

ただ、ケインズというと教科書程度しか知らないというのはもったいない。
ケインズといわれて、「失業対策に公共事業をして雇用を作れといっていた人ね」としか認識されないのではかわいそうだ。

今日では、ケインズというと公共事業で赤字垂れ流しという悪印象も強いかもしれないが、本書執筆当時は、失業率25%というまさに「危機の時代」だったのである。
多くの知識人が、大量の失業に失望し、社会主義・共産主義に傾倒してしまう中で、ケインズは資本主義を諦めなかった。
そして資本主義を復活させるべく書かれたのが本書なのだ。



一応本書のエッセンスだけを自分の言葉に直して記しておく。

有効需要の法則
(以下では、生産にかかる物的費用や機械の維持費はすべて共通なので抜いて考え、人的費用(労働)のみを対象とする)
総所得(個人の給料と会社の利益)は、総売上に等しく、総売上は、総購入費用に等しい。
所得の使い道は2つ、消費するか貯蓄するかである。
購入費用の出所は2つ、消費と投資である。
総所得が増えると、総消費も増えるが、総所得の増加分ほどには増えない(一部は貯蓄に回されるから)
よって、総所得ー総消費は、総所得が増えると大きくなる
さて、総所得ー総消費=総購入費用ー総消費=投資であり、投資は別の要因で決まる一定の値なので、総所得は、総所得ー総消費=投資となる分までしか大きくなれない。
つまり、政府の側が公共事業などで投資を増やさなければ、雇用量(総所得)も増えない。


利子は、我々が貨幣の有する流動性を手放すことの対価であって、貯蓄に対する報酬ではない。
すべての資産のうち自己利子率(現在のその資産の量と、一定期間後に、同じ価値を持つ量との変化割合)が最大のものと、すべての資産のうち限界効率(ある期間中に、そこからの収益・維持費・流動性などによって得る、あるいは失うと予測される割合)が最大のものとが一致したとき、これ以上投資は行われない。
そして、貨幣は、収益と維持費はほぼゼロで、需要が増大しても労働によって新たに作り出すことは出来ず、驚異的な流動性を持つため、自己利子率は全資産中で最大となる。



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大収縮1929-1933 「米国金融史」第7章(日経BPクラシックス) (NIKKEI BP CLASSICS)

ミルトン・フリードマン アンナ・シュウォーツ 久保 恵美子 
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読みたかった本が出版されました

 さて、昨今の恐慌かで色々なものが出版されました。然し、今回本書が出版されました。周知の通り、フリードマンとSchwartzとが丹念にアメリカの金融史を分析し、導き出した結果がその後のマネタリズムになるわけですが、本書でも鋭い分析を読むことができます。なかなか本書を読むことができなかったので、購入して読むべきです。大著「米国金融史」のうち、重要部分とされている第七章だけ訳出されていますが、必要かつ充分な内容です。今般の恐慌で色々な書物が出版されましたが、気軽に購入できて評価のある書物だけに多くの人に読んで貰いたい本です。


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PC・家電・CD・DVD  |  2009/11/26