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Howards End (Penguin Twentieth-Century Classics,)

E M Forster David Lodge 
Howards End (Penguin Twentieth-Century Classics,)
定価:¥ 1,031
新品最安価格:¥ 626
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いい意味でフォースターらしくない

吉田健一はやっぱり偉かった。こんな格調高いお話の流れを見事に掴んできちんとした日本語にしてくれた…この洋書を読んで。
フォースターらしくなくポップなお話。お堅いフォースターを期待していた方が読むと(?)だろうなあ。
会話がやたらに多い。それはこの小説がコミュニケーションをテーマにしているからに他ならない…というのはどなたにでも感じられるであろう。
それを吉田健一は(私の乏しい知識では「HE」日本語版は吉田しか知らない)あえて邦訳でお堅い日本語にした。わかるなあ。彼はおふざけ文学者のジョイスが嫌いだったから、あのような文体(『フィネガンズ・ウェイク』をお読みください)には決してしたくなかったのだろう。
昨年、「世界文学全集」として改めて手に取ったかたも多いと思う。上述のようなことでなんだが、自分も「ハワーズ〜」はシリーズの中で浮いているかも…とは思った。
なお、吉田健一版を「退屈だ」と思った方も多いだろう。そういう方はまずこのヴァージョンから入るといいのでは。このお値段だし、さほど分厚くありません。



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インドへの道 [DVD]

デイビッド・リーン ヴィクター・バナルジー ジュディ・デイヴィス 
インドへの道 [DVD]
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 1,860
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CD&DVD51で語る西洋音楽史

岡田 暁生 
CD&DVD51で語る西洋音楽史
定価:¥ 1,575
新品最安価格:¥ 1,496
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クチコミ情報

独特の視点から取り上げた音楽の解説が面白い

・ 取り上げたCD、DVDは、「地中海のクリスマス」で始まり、「ベートーヴェン交響楽全集」で終わる。間にはスティングの”The Journey & the Labyrinth” (ジョン・ダウランド作品集)が紹介されている。
・ 優れた点は多数あるが、そのうちの一つはその音楽の作られた時代/文化の背景が述べられていること。例えば19世紀のパリの成金の様子。また、サロン音楽、ヴィルトゥオーソ音楽がどのような位置づけなのかを実に面白く説明している。
・ 資料性にも優れている。国民楽派の作曲家名を記載した地図、主な作曲家70人の生没年グラフ、西洋音楽史の年表(カールハインツ・シュトックハウゼンなどの現代音楽、大澤壽人を含む)、取り上げたCDなどの詳細データがある。
・ 残念な点は、年表の最後は1911年生まれのニーノ・ロータで終わっており、レノン/マッカートニーや米国の作曲家は入っていないこと。

・ 私は、日本の音楽評論には視野が狭くて辟易させられる場合がほとんどだが、岡田氏による本書には、完全ではないがかなり満足した。


クラシック音楽をより深く知るきっかけに

音楽史のポイントが要所で押さえられている良著。
作品周辺の歴史的な背景を知ることで、好きな作曲家以外にもいろいろと聴いてみたくなる。

内容としてクラシックファンに媚びていない雰囲気があるので、初心者のガイド本としては手強いと思う。
中世の音楽に多く紙面を割かれたり、ブルックナーが載っていなかったり。
CDや映像作品の紹介も、売れているかどうかは別として、特徴を表す尖がったものが多い。
この辺り、筆者のポリシーが強く感じられた。

流れや歴史という意味では、同氏による「西洋音楽史」のほうが内容が濃い。
だた、あちらはやや教科書的なので、読みやすさは本書のほう。文章も明瞭で分かりやすい。

クラシック音楽の聴き方を、また違った角度から捉えるきっかけになる1冊。
また、本書から音楽史、ひいては西洋史へと興味が広がるかもしれない。


西洋音楽史の新しいパラダイム

タイトルからしてどこにでもある通俗本かと思ったら、まれに見る名著でした。氏の「西洋音楽史」や「ピアニストになりたい!」にも共通していますが、幅広い社会史的文脈の中で個々の作曲家やその作品に対する演奏のスタイルが、どのような歴史社会学的な文脈から生まれたのかが該博な知識によって鮮やかに記述されています。この本を読んで何よりもためになったのは、自分がどのような時代様式・価値観に立って、いろいろな音楽を評価していたことが明確になったことでした。大阪大・京都大と言えば、西洋史でも川北稔氏、角山栄氏といった社会史の逸材を生み出した由緒あるところです(自身は東京の人間ですが)。岡田氏もそのような中で何らかの薫陶を受けたのでしょう。このような本を出発点に日本の音楽評論も新しいパラダイムへ進むことを期待します。ただ唯一難点をあげると、ある程度クラシック音楽に馴染んだ人出ないとこの本を十分に理解するのが難しいかなということです。その意味で、岡田氏の講義が、放送大学のような媒体で接することができることを願うばかりです。


音楽史としてもディスクガイドとしても秀逸!!!

この本は音楽史の解説としては、稀に見る素晴らしいものだ。中公新書の『西洋音楽史』も好著であったが、具体的なディスクを取り上げ、それぞれの時代風俗や歴史的なカリカチャ等を縦横に配することによって、読み物として圧倒的に面白くなっている。そのうえで著者の鑑識眼に適ったディスクを視聴するというお楽しみもついてくるわけであり、文句なし!!!

圧巻は、従来多くの読者にとって退屈になりがちなルネサンス以前までの14話だ。音楽史の太い背骨が、モンテヴェルディあたりまでに通っており、古典派ロマン派に偏りがちなリスナーの目を開かせるに十二分。

個人的には、新古典派、無調音楽、ソヴィエト音楽を扱った3つが興味深い。中身はこれまでたくさん語られてきたものだが、「使用した和音のせいで処刑される」ようなソヴィエトの社会で、芸術に超越的な価値があるなどという悠長な西側アヴァンギャルド(シェーンベルク等)とはおよそ異なった境遇に生きざるを得なかったショスタコーヴィチの真価を適切に述べている。ただし、疑問点の多い『ショスタコーヴィチの証言』に拠り過ぎた議論なのかも?
このあたり、ローレル・ファーイの本は眺めた程度なので詳しくわからない。

ショスタコのコンパクトなガイドとしては、千葉潤『ショスタコーヴィチ』(音楽之友社)がお奨めだが、あれにはどう書いていたか?


音楽を歴史的に語る実習篇

 岡田暁生の『西洋音楽史』(中公新書,2005年)の実習篇である。
 中公新書が理論篇だったとすれば、代表的なDVDやCDを参考に京都大学(あるいは岡田氏が通史を担当していた神戸大学)の講義を聴いているような錯覚を起こさせてくれる名著である。岡田氏は「音楽を歴史的に聴く楽しみ」を伝えたいと中公新書で書いた。その姿勢はこの本でも貫かれている。
 音楽を好き嫌いで語ると言い放しになって対話が成立しない。音楽を歴史的に語る方法、それを学べる幸福な機会が私たちにもたらされた。
 ありがとう、岡田さん。次の著作も期待しています。



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Howards End: Authoritative Text, Textual Appendix, Backgrounds and Contexts, Criticism (Norton Critical Editions)

E M Forster Paul B Armstrong 
Howards End: Authoritative Text, Textual Appendix, Backgrounds and Contexts, Criticism (Norton Critical Editions)
定価:¥ 1,598
新品最安価格:¥ 1,815
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日の名残り (ハヤカワepi文庫)

カズオ イシグロ Kazuo Ishiguro 土屋 政雄 
日の名残り (ハヤカワepi文庫)
定価:¥ 798
新品最安価格:¥ 798
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もし、あの時

毎日、毎日の積み重ね。「もし、あの時に」と、
別の人生の可能性を思ってしまう。言い古さ
れた表現ですが「ボタンの掛け違い」。
哀愁とユーモアで包まれた、人生の晩秋の深
い思いの、何度も読み返してしまう作品でした。


英国の小説

 作者名がカタカナだったので、日系二世か日本人が英語で書いた小説かなと思って、手に取って見た。作者は五歳のとき英国に渡っているから、英国の言葉、文化のなかで育っているのだろう。本作品でブッカー賞(英国最高の文学賞)を受賞している。思考や感性や生活習慣も英国に適応していることが窺われる。日本的な面がないかと読んでみると、語りの調子が日本的な気がしたが、読みやすくするための訳者の熟達した技なのかもしれない。大雑把な推測であるが、英国貴族の生活を執事が語るという手法は平安時代の宮廷生活を女官が物語るのに似ているのではないかとも思った。
 この物語は日本のものとは違って英国流のユーモアがある。余裕(遊び)があるから解釈の幅が広い。仕事と理想(空理)に生きる男(執事)が現実において女性(女中頭)の心理を理解出来ない滑稽譚と見ることもできるだろう。私はその滑稽さは好ましく、共感出来た。


水になりながら読む

カズオイシグロ作品を読むときには、私はストーリーは
追わない読み方をする。
(ストーリーがつまらないという意味ではない)
これは意識的にしているのではなく、呼吸をするように自然に、
自動的に文章の流れに乗り、静かなリズムやメロディを体感する形に
なってしまうから結果的にそうなってしまう。

非常に静かで体感的な文章だと思う。
陳腐な表現になるが、この作品に限らず
どの作品にも「透明な悲しみ」様のものが
最初から最後まで、静かにヒスノイズのごとく流れている。
なんというのか、この人の文章を読んでいると
さまざまに流れている冷たい水の特性そのものを味わっている感覚になる。
それを見ていて、見ている側がそのものになっていくようだ。
動いている洗濯機をなんとなく見ていてトランスに入っていくみたいに。

こういう文章を味わう読書ができる作家との出逢いは非常に稀で、
個人的には成人してからは5,6人程度。
しかも、洋の東西を問わずカズオイシグロの文章の玲瓏さは極上である。

原文でも同じ感覚を得られるだろうかと原書も並行して読んでみるのだが、
やはり日本語でかんじたままにかなり近い独特の文章世界を感じる。
彼の文章の持つ気のようなものを極力壊さない形で日本語に映していく
翻訳者の方の力量もすごいなと同時に思う。

こういう事を書いて、この作品のレビューとしてなりたつかどうかは別として、
この作家との初めての出逢いがこの作品だった。
そして、この作品からカズオイシグロを読み始めたのは
大正解だったと思うので書いた。


笑える・哀し……アイデンティティクライシス

老いた執事が主人に休暇を貰い、自動車旅行に出て半生を回想する話。
第二次大戦頃は名士の尊敬する主人に仕え、第二次大戦前後の政治局面を決定づけるような会議がその屋敷で行われる中、ただ「執事であること」「主人の至福のときが、自分の人生のゴール、至福」ってな価値観を貫いた執事の中の執事、スティーブンスの物語。
栄華を極めた屋敷ですが、主人亡きあと、アメリカ人に買われて、使用人もわずか四人という祭りのあとな状況説明がプロローグであり、あとは旅の六日間が描かれているけど、道中浸すら回想ばかりしております。
自分の目標の執事だった父上がだんだんトシで仕事できなくなったこと、そして相愛であったのに、執事であるという生き方のために犠牲にした、ミスケントンとの恋……
この執事の語りは
「謙虚な口調のウラの誇り
・流麗な表現(多分原文じゃさぞ格調高きクイーンズイングリッシュが用いられてるんだろう)
・執事の美学
・理論武装」
のキーワードにつきる。
文章自体は非常に拡張高い美文。なんだけど、スティーブンスの語りはとても不正直なんですよ。
「人が減って、ミスが増えた」って長々述べるけど、述べるほど「あぁ、亡き父と同じ『老いによって、自分の唯一の矜持最高の執事として働き続けていること』を失いつつあるって自覚してんのね」と伝わって、その理論武装がほんと悲しいけど……いとおしいんだなぁ……
また、能力云々の前に、アメリカ人の現主人に買われた時点で、彼はそもそも「英国型執事」であることを求められてないんだ。今の主人は「旧家の名執事を持ってる」ってのがいいだけ。全くの成金なんだもの。

物語中で彼は「品格というのは結局、他人の前で服を脱ぎ捨てないことに尽きると思います」って言ってるけど、これは己を抑制する執事の美学であると共に自分が周囲の人間にとって、読者にとって「信用できない語り手」であるという著者の仕掛けなんじゃないかなぁと思います。

さて執事であることを失いつつある彼は自分の人生に疑問を呈し始めます。「主人の望みを最大限に叶え、政治的な話は執事の語るところでない」って生き方は本当に正しかった?
……アメリカ型自己実現の価値観的じゃ「個のない無益な人生」ですよね。邸内でぶたれた「私利私欲から智謀に走らないやり方を我々は品格と呼び未だ重んじているのだ」っていう美しいけど愚かなイギリス人の演説シーンはのちのスティーブンスを暗示しているようにも見える。
でもスティーブンスの語りの含蓄は、この「執事としてあるべき自分」と「本来のミスケントンを恋い父を愛す自分」との長年の乖離に培われた自己矛盾の病だと個人的に思います。それが彼の品格になってるとも

ラストシーン、スッティーブンスは、自分の老いや、人生の欠落をようやく少しだけ吐露します。
そばにいる初対面なのに、ジョークを連発しうちとけてる(とスティーブンスが類推する)若者を横目に、
(あ〜夜なのに、これから朝が始まるみたいにはしゃいどる(←人生の夜だが、今を始まりにもできる、とスティーブンスは考えるのですね)あれはジョークの力かも、自分もジョークを言えるようになって主人を感服させてやろう(英国価値観→アメリカ価値観、を含むような、本人の価値観の転換をし残りの人生を懸命に生きようじゃないか。という心情吐露なのでしょう))なんて考える彼ですが、これ、希望のシーンじゃない。彼は、もう能力落ちてる老人で老いが確実に仕事を阻害してるんだもの。主人は執事とはなにかも理解してない男で、スティーブンスは結局執事であるという誇りと美学は棄てられないのだもの……
(なお、上記のように人生を朝〜夜に例えるのは、「最も人生で輝かしいのは人生の正午(中年期)とのユングのセリフに端を発す発達心理学も念頭に置いてと思われます。類似のセリフがさりげなく文中に類似のセリフも出てくるし)
という悲しい話なのに全体を通しては、著者のユーモアのセンスが抜群で、結構声笑えます。とくに前半部!前半部は本当、声出して笑いますよ。特に、外交相手の息子が近々結婚するので性教育を施してやってほしいと頼まれるスティーブンスが右往左往するのを大真面目に回想してたり(笑)
笑えて読後の悲しい余韻が素晴らしい、間違いなく読み継がれる名作となるでしょう。



JUST JEEVES

Pip pip wot hey. No really it's not like that. This is pretty much Jeeves without Bertie. No Wooster makes Jeeves a dull old boy. Not really so much dull as dignified. If you enjoy PG Woodhouse you will probably like this. It is a fine volume that I read avidly. TODO


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つぐない [DVD]

ジョー・ライト キーラ・ナイトレイ ジェームズ・マカヴォイ シーアシャ・ローナン ロモーラ・ガライ ヴァネッサ・レッドグレイヴ ブレンダ・ブレッシン 
つぐない [DVD]
定価:¥ 3,990
新品最安価格:¥ 3,547
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商品の紹介
軽い気持ちでついた嘘が、大切な人たちの運命を大きく狂わせてしまう…。誰の人生にも起こってしまいがちな過ちを、切なすぎるラブストーリーとして結実させたイアン・マキューアンの原作に対し、そのエッセンスを映像でしか表現できない要素を駆使して表現した珠玉作。1930年代のイギリスで、政府官僚の娘セシーリアと、使用人の息子ロビーが想いを募らせ合うが、セシーリアの妹ブライオニーの嫉妬から生まれた些細な嘘によって、ふたりの運命は切り離されてしまう。タイトルにもなっているブライオニーの「つぐない」は、予想もしないかたちで立ち表れ、観る者の心をゆさぶる。
 映画ならではの表現テクニックが、随所で効果を発する本作。ひとつの象徴的な出来事が、セシーリア、ブライオニー、それぞれの視点で描かれることで、映像が姉妹の深い思いを代弁していく。キャストの演技にも目を見張る。少女時代のブライオニー役で、純粋ゆえの残酷さを表現したシーアシャ・ローナン、短い出番ながらヴァネッサ・レッドグレイブの張りつめた表情は見事とした言いようがない。さらに際立つのが音楽で、タイプライターの音をイメージしたメロディがブライオニーの心理を語るかのように流れ、アカデミー賞作曲賞も当然と納得させられる。(斉藤博昭)


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もひとつ意味がわからなかった・・・。

主人公のせいで姉とその彼の運命を悲劇のものに変えてしまったのは
わかる。そしてその主人公はその彼に想いを抱いていたのもわかる。

退屈なシーンが多くて、はっきりとした場面やセリフがなかったので
すごい残念。現実なのか空想なのかもわからなかった。


つぐない?

まず、こちらは字幕で鑑賞してもらいたいです。
この様な作品は吹き替えでは伝わりきれ難い。
ぜひ字幕表示にして。
かなり見え方が変わって来る。

さて私は命題の「どう償うのか?」
を知りたくて最後まで観てました。笑
果たしてこの映画は本当に「つぐない」になっているのか?…
そこが問題。笑

「真実が分かり、自分自身顧みれて、猛省もした…」
本来ならば姉に対してはそれで私も許されたと思う。
結果よりも、「相手を想ってした不可抗力」が原因だったなら…。

それよりも、初恋の「彼」だったのではないの?
だったら三角関係の「嫉妬に依ってなされた行動」では無かったの?
私は、そちらの「謝罪」の方が視たかった。

例えば
「主人公は生涯、結婚しなかった」
「尼と成った」
とかで良かったんじゃないの?
もし主人公がまだ
「自分が何に対して罪があったのか?」すら認識していない様なら、
…彼女の悩みはまだまだ続くと思う。

一体、本当に彼女は浄化されたのだろうか??笑
私が「日本人」だから解らない「つぐない」の形なのだったのだろうか?


 何とも・・

 
 このお話がどこまで実話なのか、それとも全く架空なのか、
ありそうなお話ではあるし、近年というか昔から?というか、どうも
虚実曖昧なものがあって、実話が虚構化されてしまうし、虚構が如何にも実話化?
されてしまうという、それが何とも・・なのでした。
 わたし的には、虚構ならばうんと虚構拡大で、或いは関係無いけれど、
邦画であれば原作には忠実に!と思うのだけれど、まあ何でも良いか、
この作品が全くの実話であるとすれば、とても苦しいだろうし。
 
 いずれにせよ、全く無い話では無いだろうから、ま、良いか的に、
問題はそんなところには無いし・・。
 時々、時間が逆行するのも面白いかも。
 てか、カント哲学・・違・・、いきなり激しい恋のようで、凄いですわね・・。
 ラストも効いてるし、やっぱ救いが無ければ・・。
 やっぱ恋は映画の中でするもの・・、違・・。
 


Atonement

18歳のブライオニーを演じたロモーラガライさんの熱烈なファンとしては、出番が少なめで不満が残りましたが、ストーリーの重要部分であったと思うし、少女時代の俳優さんも可愛いかった。老年で告白するインタビューシーンも、物語をスッキリとさせてくれたと思います。インタビュアーはあの有名な監督さんでしたね。
轍退シーンが長過ぎのかな?


悲劇の愛の物語

嘘に始まり嘘に終わる物語。少女の頃には嘘をついて使用人を戦場へと追いやり、老女となってからは嘘でその罪を塗り潰した。嘘がまかり通ってしまう理不尽な物語とも言える。女性視点の映画ではあるが男性でも楽しめる。
まず英国の田舎の貴族の館の優雅な日常生活が美しい。
戦場に送られてからは、史上最大の撤退作戦とかいうダンケルクの海岸を埋め尽くす兵士達の長回し撮影が見事!
ロンドンの病院では看護婦達の献身振りが美しく描かれ、虚構の姉への告白シーン、そしてラストの老女の独白へと繋がる。



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眺めのいい部屋 (ちくま文庫)

エドワード・モーガン フォースター Edward Morgan Forster 西崎 憲 中島 朋子 
眺めのいい部屋 (ちくま文庫)
定価:¥ 1,050
新品最安価格:¥ 1,050
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おもしろいけれど納得いかない

読み始めたら夢中で読めるという意味ではほんとうに楽しめましたが、とにかくずっと首をひねり続けながら読みました。主役のルーシーとジョージの恋愛にはまったく説得力がなく、空虚なジョージのどこがいいのか私にはさっぱり。一見鎧のように観念をまとっているように見えて根っこは率直で清清しく、ちょっと可愛らしいようなロマンチストぶりも諧謔も茶目っ気もかいま見せる、複雑なセシルのほうがはるかに魅力的じゃないですか!

セシルのほかにも、ルーシーの幸せを純粋に願っていそうに見えて実はそうでもないヒネた牧師とか、いちいち見事に他人の神経を逆撫でするシャーロットとか、お邪魔虫として登場する人たちはみな本当におもしろいのです。

それに比べて、セシルの真摯な問いに対してジョージの受け売りで答えるルーシー、セシルを貶めるようなことを言ってルーシーに迫るジョージ、とってつけたようにルーシーを“覚醒”させる老エマーソンなどの動き方は不自然きわまりなく、作者がこれらの人たちをどうしたいのかまったく腑に落ちない。

『インドへの道』を読んだときはフォースターはすばらしい作家だと思ったのですが、この作品はわざとらしい口上であふれかえっている感じがしました。にもかかわらず夢中で読まされてしまうところがフォースターの力量なのかな。さんざん悪口書きましたが、おもしろいです。


眺めがよく分かりました。

 映画を観てからこの原作を読みました。
 なので、季節、町並み、風景、表情などは映画のイメージをなぞっているように感じるほどでしたので、逆に映画が原作に忠実だったということが分かりました。
 それに原作ならではの細かい描写が、原作者の表現力というか文章力を感じさせてくれました。
 とくに主人公のルーシーの思考を常になぞって書かれているので、映画を観ただけでは分からない色々な理由を知ることができました…。

 「眺めのよい部屋」から始まり、終わるまでを作者者は眺めているかのように少し離れた視点で描写しているようにも感じて、この題名も納得しました。


中世から現代へ

中世から現代へと移りゆく過程で女性がどうあるべきであったか
また、その中で揺れ動く主人公ルーシーの姿が詳細に描かれています。
大きくくくると恋愛小説にカテゴライズされると思いますが、
ルーシーの細やかな心理描写が魅力でしょう。
情景描写はもちろんですが、彼女の弾いているピアノの作曲家
の違い等といった些細なことですが、そんな些細なことからも
彼女の心境の変化をうかがうことが出来ます。
フォースターならではの、言葉遊びなどを見つけながら読むことは
原書を読んだほうがはっきとわかって面白いでしょうが、
翻訳でひとつのストーリーとして読んでいっても十分楽しめる
内容ではないかと思います。



感動

ビデオとは少々異なる部分などありますが、目に見える形で見たりして、この話を読むと、情景描写などがよりいっそう楽しめるのではないでしょうか。イギリス人の男女二人の恋の行方を読むのはとても楽しいですし、最後は、読者までもほっとさせてくれるような感動的な場面で締めくくられる、ロマンティックなストーリーです。

映画とはまた違った良さがあります!

映画とても素敵だったので原作を読んでみたくなりました。風景の描写は映画の方がよいところもあるのですがやっぱり本の方がストーリーが分かりやすく人物(個性的な人がたくさん出てくるのですが)がより生き生きと表現されています。登場人物を身近に感じることが出来てますますこの物語が好きになりました。


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自負と偏見 (新潮文庫)

J オースティン Jane Austen 中野 好夫 
自負と偏見 (新潮文庫)
定価:¥ 820
新品最安価格:¥ 820
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1800年代の半ばの本だけど古さを少しも感じさせない本

イギリスは階級社会だとおもうかもしれないけれど、1800年代半ばには既に産業革命を経て、
貴族=地主から、商人へと経済の主体が移ってしまった時期にあたる。ビクトリア朝の時代は、
経済の高度成長期にあたり、それまでの、暗い過去(国王の暗殺や、飢饉や、ペスト)からは
ぜんぜんちがった明るい時代にあたる。経済が成長を続けていれば、すべてハッピーなのは、
昔も今も同じことなんだろう。
この本の登場人物もダーシーとその叔母、従兄弟以外は、貴族とはぜんぜん関係のない人たちだ。プチブルジョアと
いわれる商業で財を成した人たちだ。プチブルジョアも働かないことを理想とする価値観を
持っていて、勤勉に働く人たちを低くみている。だから資産はとても大切だ。それがあれば働かずに
生活ができる。女性の場合はとりわけ資産家と結婚することが大切だ。本書を読むことで娘にいい
結婚相手を見つけてあげようとする母親と、結婚だけが人生じゃないとおもっているしっかりした
自分自身をもった主人公と、その姉妹たち、父親からなるプチブルジョアファミリーの生態を
本書を読むことでしることができた。
 主人公はとても賢く、その相手のダーシーもとても賢く、彼らがお互いの腹の探り合いを
する様は読んでいてとても愉快になる。


思いがけずはまってしまった!

小説はあまり好きではないのですが、19世紀頃のイギリスの作品ということでふと読んでみようと思いました。
思いがけずかなりはまってしまい、何回も読み直しました。19世紀の上流階級、中流階級がこういうことを考えてたんだな〜と思う一方、男女の関係は今読んでも共感できる部分があり(というかかわってないのかな?)、現在でも通用する作品だと思います。
物語がわかりやすく、下手なラブシーンがなくても、エリザベスやダーシーの言動にやきもきしながら読んでる自分がいました。むしろ個人的には下手なラブシーンがなくてよかったなと思うくらいです。
小説は中野氏訳のもので、読みやすかったと思います。他の訳は読んでないので分かりませんが…。
とにかく読む価値ありだと思います。しばし現実を忘れてエリザベスになりたいと思ってしまいます。


勝手な「偏見」はよくないです(自戒)

こんなに面白かったとは!
数年前にふと買って読み始めた際は、
十数ページで怒濤のように現われる登場人物(の呼び名)に
混乱、ついに投げ出してしまいました。
その後、映画化されたのを機会に、再挑戦したがやはりダメ。
しょせん、イギリスの古典なんてと思ったりしておりました。

ところがこの年末に、これが最後と思って再々挑戦したところ、
今度はなぜかハマリました。中盤に入り、主人公エリザベスが
ダーシーから求婚されて以降は、手放すことができません。
正月休みを満喫しました。

中野好夫氏の訳は、少し時代ががっていますが、慣れるとそのテンポが心地よく、
素晴らしい(昔、学生時代に氏の生きのいい評論を読んだ記憶も甦って感慨あり)。
19世紀初頭のイギリス社会を描くには、こういう調子もまた一興でしょう。
同時に、かつての良質の日本映画(例えば小津安二郎作品)のように、
時代の刻印がかえって新鮮で、貴重ともいえます。

永年の自分の「偏見」を一掃出来て、何よりでした。


すき。

 分厚く、どうしてこんな本を買ってしまったのかと頭を抱えました。本当になぜだろう。あらすじに惹かれたのだろうか? 恋愛モノが苦手なわたしなのに…いまでも不思議です。
 ありきたりな物語、だけれどもこんなにも惹かれるのはどうしてでしょう!
 格好良く、金持ちでもある男。才女で気が強い女。この二人が惹かれあう。最初は犬猿のごとくいがみあっていた二人だけれど、あるときを境に線引きが変わって…。
 いやにどろどろとしていなくて、さっぱりしていて、すべての恋愛物語に通じる作品。数百ページものあるこの本だけれど、さらっと読める。最高です!


後世への影響は計り知れない

私の場合、読み始めて50ページあたりで物語の結末は大体想像がついてしまい、
実際その通りに話は進んでいく。
そして、途中で劇的な展開があるわけでもなければ、主人公が不治の病にかかる訳でも無い。
それにもかかわらず、不思議と物語に引き込まれ最後まで一気に読んでしまった。
やはり、登場人物の心のすれ違いや葛藤などの心理描写が非常に上手いからなのだろう。
本書は約200年も前に書かれた恋愛小説の傑作であり、
その後の恋愛小説や少女漫画、映画、ドラマなどに与えた影響は計り知れない。
これを読んだ直後、映画「プライドと偏見」も見た。
映画版もそれなりに面白く、原作に忠実に作られていると思ったが、短い時間の中で無理に詰め込んでいる感じも否めない。



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チェンジリング [DVD]

クリント・イーストウッド アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコヴィッチ ジェフリー・ドノヴァン コルム・フィオール エイミー・ライアン ジェイソン・バトラー・ハーナー 
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当時のロサンゼルスの社会背景を描く深い作品

クリント・イーストウッド監督の、ロサンゼルスで実際に起こった話を映画化した
ものである。母親である主人公は一人息子を愛情持って育てていたが、ある日、
その息子が何者かに誘拐される。5ヶ月後、ロサンゼルス警察によって戻された子ども
は、自分で名前も住所も正確に答えるが、別人であった。

その後、ロサンゼルス警察に再捜査を依頼するが、操作ミスを指摘されることをおそれ、
母親を精神病とさえして、病院にぶちこんでしまう…。


実話と知れば知るほど、完全に許すことができない絶望的な腐敗した状況。
犯人への怒りもさることながら、警察への対応に主人公である母親の怒りと絶望の気持ち
と重ねてのめり込んでしまった。

悲惨な殺人、腐敗した警察、民主主義とはいえないロサンゼルスの社会、そして母親の
深い愛…。色々な要素が込められたシリアスな大作である。






最初から最後まで

主人公の、ただ「自分の子供を探してほしい」という訴えは、結果そのものを問わないとすれば、
訴えそのものはシンプルなはず…。
けど、その思いが届くのが、こんなに困難だとは…。
ヒトに対するつじつま合わせなんて、成り立つはずもないのに…。

でも、このつじつま合わせがどこか身近に思えてしまって、自分でもちょっと怖くなりました…。


悲しいというよりは苦しいという感じです

この映画はストーリーを味わう、その雰囲気を感じるもの、というよりは、その重い暗い事実をみっちり時間内に集約して「現実にはこんなにも悲惨なことがある」というのを訴えかけてくる、ドキュメンタリーやニュースを見ている感じでした。作品内での殺人や警察、精神科病棟での出来事など、どれもあまり救いのない状態でした。最終的に、物語内では一応その悪も収束を見せますが、しかしそれが事実であると謳っているゆえに、それが物語内だけでなく現実でこの事件の他にも起こっていうるという可能性を突き付けられ、私にとっては後味の悪い映画でした。何かを考えるきっかけになると言えるかもしれませんが、しかしこの映画上に出てくる悪というのは、あまりにも悲惨でそして種類も豊富であったので、世の中の普段知らずと感じている悪のちょっと悪めの具体例を挙げてもらっているような視聴感で、「考える」というのも何か違う気がしました。

問題提起の作品

イーストウッドはアメリカの「正義」というものを信用している、映画監督である。いや、アメリカの現実が、彼の理想とは違うから、いつまでもこういう作品を作り続けねばならない。「愛」や「勇気」が映画や小説のテーマになりうるのは、それらが現実に、あまりにも希薄だからだ。「権力」というシステムは、個人を抹殺してしまえるほど強力だ。警察の腐敗を裁く司法も、殺人犯を死刑に処する司法も、無関係の人間を精神病院に送りこむ警察も、全てがシステムであるには変わりない。システムの前に、個人はあまりにも無力である。それを、告発し続ける力が市民社会にあるのかどうか、そのことを強く意識せざるを得ない映画である。長丁場だが、飽きさせないし、各人のキャラがよくたっている。映像も、当時の雰囲気をよくとらえていると思う。周防正行の「それでも僕はやってない」と重なるところがある作品である。

「希望」を可能にする「残酷」について

 まず、これが実話だという事実に身の気がよだつ。

 犯罪者と警察組織に徹底的にイタぶられる主人公の人生。絶望的に救いがない状況で、社会的に主人公を救ったのは田舎刑事やラジオ伝道師、熱血弁護士、そしてデモに参加した一般人達である。映画を通して描かれる、こういった人々の正義心には素直に打たれる。(無言で見守る職場の上司もいい味出してます。)でも、息子に再会できない限り、主人公の魂は救われないのだ。だから、警察上層部や犯人が裁きを受けても、全く主人公の顔は晴れない。
  
 「自分を信じる」「希望を持つ」という類の言葉を口にすることは簡単だが、限界状況で「希望を持ち続けること」がどれだけ複雑かつ大変なことか。この主人公の場合、息子の生死がはっきりしておらず、それゆえ息子を諦めることができないという境遇に置かれている。「諦めることができない」ということをポジティブに言い換えたら、「いつか息子に再会できるかもしれない」という希望になるのだが、この希望は「真実を知ることができない」という非常に過酷な境遇の裏返しにより可能なのだ。真実が謎に包まれている以上、どんなに辛くても絶望なんかできる訳がないではないか。だからこそ、主人公はより過酷な道を選ぶしかなかったんじゃないか。「親は強い」とかそういう薄っぺらな感動話なのではなく、半ば「それしか選択肢が無かった」のだと思う。

 このお話は、絶望を希望で超克するという類の、よくあるお涙頂戴話ではない。悲劇と感動の物語だと思ってみると裏切られます。でも、何十年にも及ぶ映画産業キャリアで、一貫して「生死」を描いてきたイーストウッドだからこそ、「希望を持ち続けること」を深掘りし、その希望の背景となる複雑さ、残酷さも織り込めたのだと思う。こんな複雑な色合いを持つシナリオが、ハリウッドみたいなアホな場所で映画に仕上げられたということは、奇蹟的なことだ。こんなことを可能にするイーストウッドの存在自体が奇跡みたいなもんじゃないか。

P.S.
 僕はこのレビューを書きながら、ふと「大人の事情」で解決が棚上げになっている某国による拉致事件の被害者家族のことを思い出した。全く同じ状況なんじゃないか、コレ。



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くまとやまねこ

湯本 香樹実 酒井 駒子 
くまとやまねこ
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うちの子も気に入ってます

酒井絢子さんの本を検察して、たまたま見つけました。
「大切な存在の死」という重いテーマですが、うちの娘(小1)は大好き!です。
内容も絵も子供には向かないかな、と思いながら読み聞かせてみると、子供なりに理解しながら読んでいて、決して向かないことはないようです。
モノトーンと絵のタッチが、子供にも強く訴えるようです。
特に、くまの作ったきれいなはこの中で、死んだことりが花いっぱいに包まれているシーンは、いつも「すごい・・」といってじっと見入っています。
最後はくまがやまねこと前向きになって話が終わるので、「くまとやまねこ音楽団がここにも来るかなあ」と、何となく楽しくなるあたりは、やはり「大切な人の死」に直面していない子供だから、でしょうか?


子供にもきちんと伝えたい

湯本さんのコメントを読んで更に本からのメッセージが深く伝わってきました。
大切なものや、大切な人をなくした時、
『時が解決してくれるよ』
『時間が過ぎれば、悲しみも忘れられるよ』
などと言葉で伝えられても、悲しみの最中にいるとき、素直には受け止められないでしょう。

でも、くまの悲しみを同じように感じる人々が、この本を手にした時、素直にそのことを受け入れ、明日へ生きていこう気持ちを持てるのではないか、持てたらいいな…と思いました。

『死』を子供の絵本にすること、以前はタブーだったと思います。
でも、この本を読んで子供が
「くまさん可哀そう…」と泣いたり、
「くまさん良かったね。」と笑えることが大切なんでしょうね。
小さな子どもには、この本を、小学校高学年になったら『夏の庭』を読んでもらいたいと思います。


やってくる明日のために

書店で何気なく手に取ったこの本。
読んで泣きそうになりました。
大切なものを失い、嘆くくまの姿に胸が痛みました。
そして、その後に訪れる温かな救い。
失っても、残るものがある。
いつか、悲しみは癒される。
必ず、明るい朝が訪れる。
かすかな痛みと、幸福な予感が胸に残ります。


私はあなたのやまねこになれるのでしょうか

 くまはことりを愛していたし、ことりのために最善を尽くしました。ことりもそんなくまの愛情をきちんと受け止めていました。しかし迎えたことりとの永遠の別れ。くまの悲しみは深く、それはなかなか癒えません。誰もがくまを慰めたかったけど、くまは心を閉ざしてしまいました。
 時間は流れて、ある天気の良い日に、くまはやまねこと出会います。
「きみとことりにために…」
自由なやまねこの、思いやり深いことば。
くまにとって、ことりとの日々は大切な思い出。あふれる思い。忘れなくていい。何一つとして。
それでも、くまにはその思い出を胸に、いちばんすてきな「きょうの朝」を生きて欲しいのです。
「おいでよ、くまくん」
そして一緒にどこまでも行こう。

わたしは、あなたのやまねこになれるのでしょうか。



 


<いのち>とは<ぬくもり>

新聞で紹介されていたのがきっかけで手にしました。
ペ−ジをめくったとたん、ことりの死の場面からお話が始まります。
ちょうど一年前の我が家での出来事と重ねながら読み進みました。
我が家でかわいがっていた手乗り文鳥の死。
子どもの手の中で、静かに目をつぶっていく小鳥の姿が浮かんできました。
<いのち>とは<ぬくもり>だということを実感した瞬間でした。

  くまは、仲良しの小鳥の亡がらを箱に入れ、肌身離さず持ち歩く。
  森の動物たちには「わすれなくちゃ」と言われるばかり。
  真っ暗な部屋にとじこもる。
  ある日、バイオリン弾きのやまねこと出会い、歩き出す――。

そんな物語です。
花びらがしきつめられて小さな箱の中には、小鳥の亡がらが収められています。
やまねこの持っている箱の中から出てきたのは、バイオリンです。
その二つが並べて描かれている見開きペ−ジがとても印象的です。

  「きみとことりのために、一曲えんそうさせてくれよ」
といって、やまねこが弾いたのは、どんな曲だったのでしょうか。
  「バイオリンの音楽はゆっくりと、なめらかに、つづいています。」

  「大切な人やものをなくしたとき、自分のある部分も死に、時間は凍りつく。
   その止まった時計を持ち、生きるのもありでしょう。
   でも時計はひとつじゃない。ときは流れ、変化をもたらし、新しい何かが生まれる。
   動けば他者に出会い、自分が見えてくる。
   くまが部屋から出て、やまねこと出会ったように、
   その繰り返しが生きていくことではないでしょうか。」

こんな作者の言葉が新聞記事で紹介されていました。
モノト−ンの絵とあたたかい語り口のおすすめの一冊です。



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