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切腹 [DVD]

小林正樹 仲代達矢 岩下志麻 石浜朗 丹波哲郎 三國連太郎 滝口康彦 橋本忍 
切腹 [DVD]
定価:¥ 3,990
新品最安価格:¥ 3,161
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時代を超えた名画

あまり知られていない(と思う)が日本映画史上の傑作のひとつに
あげられると思う。
芸術的ともいえる映像美と優れた脚本、仲代達也の卓越した演技。
また、視聴者の先入観を上手にいなす人物設定…と、面白さに
ぐいぐい引き込まれました。

しかし、本作で最も感銘を受けたのは現代にも通じると思われる
社会の矛盾・不条理を見事に暴いた点にあると思う。
圧政に翻弄される人々と形式ばかりを重んじて真実を見たくない(隠す)
権力者。この構図はいま、なお変わらない。


傑作です。見ごたえがあります。

始まりから終わりまで、完璧な筋書きです。
ぜんぜん飽きさせません。
竹光で切腹させられる場面は、さすがに見るに忍びませんでしたが。
みなさんが名作と評価されているのもそのとおりだとうなずけます。
本作品から、仲代さんのファンになりました。
いい作品です。


文句なしに、誰にでもオススメできる逸品

物語も脚本もさることながら
仲代達矢ってすんげーーーー!!!!!と。
もう、その一言です。

彼について知らなかった自分が
恥ずかしい。

ものすごいですよ
みたほういいですよ絶対。


生き様、死に様

俳優陣の素晴らしさ、そして巧みな構成と展開もあって、最初からグイグイと引き込まれて行く。
武士の風上に置けぬということわざもあるが、武士と言えども人間であり、今日のメシの種に困れば、綺麗事だけでは済まされない。ましてや家族を抱える一家の主ともなれば尚更である。
結果、半四郎と娘婿の不器用な生き方が多くの誤解と悲劇を生み出した。
一方の老中も名家の実務筆頭権者として、一連の騒動の後、何事もなかったかのように次々に証拠を隠滅し、美談のみ語り継がれて、その後のお家隆盛にも一役買ったその政治手腕は実に狡猾であり現実的である。
天下泰平の世が生み出した武士の両極端な姿が描かれていたと感じた。浪人と政治家である。


悲惨物語

登場人物のすべてが不幸せな結末になる、なんとも悲惨な物語である。
冷静に考えてみると筋立てに荒唐無稽な感なきにしもあらずだが、観ているときはそれを感じさせないリアリティがあり、
作品世界に引き込まれる。熱演、名演出。
殺陣も迫力満点であるが、爽快なチャンバラではなく、カタルシスにはならない。
楽しい気分にはなれないが、観るべき価値は十分にある、異端の時代劇の傑作だと思います。



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東海道四谷怪談 [DVD]

中川信夫 天知茂 若杉嘉津子 江見俊太郎 中村竜三郎 北沢典子 池内淳子 芝田新 大友純 杉寛 
東海道四谷怪談 [DVD]
定価:¥ 3,990
新品最安価格:¥ 2,980
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怖くない「怪談」

お祭りのお化け屋敷を覗くようなチープな感覚が堪らない、発色の悪い国産フィルムと歌舞伎を模した大仰な演出がリアリティを排除した異空間へと誘う、いかにも半世紀前のオバケ映画として時代を感じさせる。
物語は端的に言えば、どうしようもないクズの男に騙された女が、死んでから化けて男を呪い殺す、というだけの話。親を殺されても毒を飲まされても、死ぬまで気付かない馬鹿な女と、優柔不断で自分からは何も出来ん癖に相棒にそそのかされてずるずると悪事を繰り返す人間の屑の浪人が、どろどろした愛憎劇を繰り返す現代では理解不能な復讐譚だが、「俺なんかと一緒にいないで国へ帰れ」亭主に言われているのに別れようとしないお岩に感情移入出来ないし、妻子がいる男に横恋慕する(果たしてそれを知っていたのか、は劇中語られてはいないが)お梅もどうかと思うし、自らの貞操を代償に復讐を迫るお岩の妹にも同情できない。
自分の女房と間男しろ、なんてそそのかされて喜んで出かけていったら殺されるに決まってると思うが、平気で出かける男の神経も理解不能だし、第一お岩ばかり化けて出て、故なく殺されたお梅とその両親は何故化けて出ないのか、言い出したらきりがないが、まあ江戸時代の怪談ものに現代の解釈を持ち出すのが間違いなのである。あくまで往時のスリラーもの、と割り切って鑑賞せねばならんのだが、お陰で今見ても全然怖くないのはストーリーとして感情移入できない話だからである。あんなしょうもない男にどうして女は魅かれるのか、如何に天知茂が熱演しても納得できんのですよ、なあ。


意外なところに感心させられる正統派四谷怪談

 作品紹介を本などで読むと、ともかく怖いと評判の映画だったので期待していたのだが…
 実際に見てみると、思っていたほど怖くなかったというのが正直な印象である。
 しかし、怖いかどうかなど問題にならないのではないだろうか。誰もが誉める冒頭の長回しを初め,凝った映像は見所満載なのである。その上人物造形がいい。お岩さんの恨みはもとより、優柔不断で突然キレる伊右衛門(天知茂が無表情に好演)の気持ちもわかるのだ。正統派の四谷怪談で、伊右衛門に多少でも感情移入ができるとは思っていなかったので、これには驚かされた。


色彩豊かなセット、メリハリがきいた役者さんの演技、まるで歌舞伎の「四谷怪談」を観てるよう

「許せ」

「お岩、許してくれ」

「お岩、俺が悪かった、許してくれ〜」

伊右衛門は悪い奴です。
しかし、お岩さんには申し訳ないけど、僕は心の底からは伊右衛門を憎めなかったです。

伊右衛門と云う男はプライドは高いが、やや小心者、だから一人では悪いことなんかできない男なんです。
ほんとは、お岩さんを殺したくなかったんです。
でも、だんだん悪の泥沼にはまり込んでいってしまう。
そんな人間臭い伊右衛門に、僕は自分を観てるようで同情しちゃいました。

目の動き、 顔の表情、セリフの言い回し、 終盤の体のヨタツキ、伊右衛門を演じた天知茂の”うしろめたさ”の演技はまさに絶品 !!!

色彩豊かなセット、メリハリがきいた役者さんたちの演技、場を盛り上げる音楽と効果音、映画ではなく、まるで歌舞伎の「四谷怪談」を観てるようです。


究極です

 新東宝が昭和34年に生んだ奇跡の大傑作。冒頭の長い殺人のシーンが、複雑なキャメラワークによりワンカットで撮られていることに気づいたらしめたもの。あとはエンディングまで、中川信夫の絢爛たる映像テクニックにひたすら酔うのみ。資料を読むと、この作品をつくったころは新東宝の経営はかなり傾いていて、製作日数も予算も十分でなかったはずなのに、この完成度にはまったくもって驚きである。

 直助にそそのかされて悪事にのめりこんでいく、優柔不断な伊衛門の天知茂が絶品。直助の江見俊太郎もハマリ役。後半お岩が死んでからの怖さもハンパでない。四谷怪談映画の最高傑作。死ぬまでに一度でいいから映画館で観たい映画です。ちなみに強烈な色彩感に満ちたシュールな画面作りで作品の完成度に大いに貢献しているキャメラの西本正は、後年香港に渡り、撮影技術を香港映画界に伝授し、ブルース・リーの映画なんかも撮っているそうです。必見!!


これは本当に怖い

子供の頃、休日の昼間にテレビで放送してるのをうっかり見てしまい、しばらくトイレや暗がりが怖くてたまらなかった。
大人になってレンタルで発見。懐かしくて見てみた。
かなり古い作品だし、演出もちゃっちいだろう…子供心には怖くても大人になったら…
と思ったら大間違い。

マジで怖い。フィルムによるものなのか、映像の質感も恐怖を増大させてます。
役者の演技、恐怖のタイミング、すべてが完璧かもしれない。
繰り返しますが、とにかく怖い!!

自分はホラーに強い方。リングを見たときは貞子登場場面で笑ってしまったし、その後の日本ホラーなんて全然怖いと思わなかった。

でもこの作品は別格。
ほとんどのホラーはこの作品にはかなわないと思います。
現代日本ホラーや海外ホラー作品なんて子供だましにしか思えなくなります。

部屋を暗くして、できるだけ大音量で見てほしいですね。



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怪談・奇談 (講談社学術文庫―小泉八雲名作選集)

小泉 八雲 平川 祐弘 
怪談・奇談 (講談社学術文庫―小泉八雲名作選集)
定価:¥ 1,418
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名作の数々

すごいです。なにがすごいかって、作品それぞれの格調の高さがです。
大変面白く、読んでいて全く飽きません。
長編小説が苦手な人にはおすすめです。
それと、小泉八雲さんの名前が素敵です。
おすすめします。


おなじみの耳無し方一,百奇夜行、怖いお話の数々

~今日6月27日は小泉八雲の誕生日と言う事でラフカディオハーンとおたきさんの恋物語は有名ですが我々が子供の頃見たり読んだりした絵本の中にも八雲の原作に成る物が多く其の事は余り知られて居ない。
 子供ばかりではなく大人に成ってからでも夏の暑い夜などにビール片手に読むのに丁度良い本では無いだろうか、!  暑気払いを兼ねて子供の頃読んだ絵本と~~思いでがよみがえる事請け合いで有る。~


ラフカディオ!

「怪談」は今までに多くの訳が出回っているが、この本は今までのとは一線を画している。何よりも良いところは、一人の訳者が全てを訳しているのではなく、多くの訳者が訳しているところだ。

そのほかにも、この本には目を見張るべき所がある。

この本には、小泉八雲が実際に読んだと思われる本(ヘルン文庫にある実物)を原文のまま載せている。そのような詳しい作業によって、小泉八雲が人物名や地名をどのようにして間違えたのかが分かる。

恐怖を中心とした怪談ではなく、寧ろ日本風の叙情によって綴られた怪談である。したがって、子供ばかりでなく、大人も、昔ゆかしい小泉八雲の世界に浸れることだろう。

very charming book

ラフカディオ・ハーンの「怪談・奇談」の決定版です。

恐ろしいですねえ、「破約」の物語。 美しいですねえ、「菊花の契り」の念友たち。

大人になるまでにかならず読んでおきたい本です。 もちろん大人になってから読んでも面白い傑作揃いです。


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怪談 【通常版】 [DVD]

中田秀夫 尾上菊之助 黒木瞳 井上真央 麻生久美子 木村多江 
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商品の紹介
三味線の師匠・豊志賀は、美しい煙草売りの男・新吉と愛し合うようになった。しかし、彼女は嫉妬深い女で、弟子のひとりお久が新吉に思いを寄せていることを知るや激怒。そんな豊志賀の態度に嫌気がさした弟子は次々とやめていってしまった。師匠に迷惑をかけたと彼女のもとを去ろうとする新吉。そんな彼を豊志賀が激しく引き止めようとしたとき、三味線のバチが彼女の顔を傷つけてしまう。傷は大きく腫れがあっていき、瀕死に。そんな彼女を重荷に感じていた新吉。やがて彼女は亡くなるが、新吉は弟子から豊志賀の手紙を受け取った。そこには「この先、女房を持ったら殺す」と書いてあった…。
『リング』の中田秀夫監督が初めて手がけた時代劇ホラー。原作は天才落語家・三遊亭円朝の名作「真景塁ケ淵(しんけいかさねふち)。女の愛の深さがひとりの美しい男をがんじがらめにして、地獄に落とす物語。豊志賀を演じるのは黒木瞳。そして新吉を演じるのは尾上菊之助。着物姿、立ち姿、流し目も美しく、色男・新吉役はまさにハマリ役。ほか麻生久美子、瀬戸朝香、井上真央など。『四谷怪談』ほどのオドロオドロしさはないが、背筋がゾクッとする美しい情念ホラー。(斎藤香)


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お手軽映画

落語ブームにのっかって一発怪談映画もこしらえてみました、てな即席映画ですが、やたらと気取った画作りだけで、あとはなーんもない映画です。スカスカ。そもそも怖くない怪談映画じゃ話しになりません。 ところでこの映画のカントクさんの顔写真を見て思わず吹いてしまいました。すごいです。桂南なん師匠もびっくり。中田秀夫カントク主演で妖怪百物語でも作るといいと思いました。なにしろ中田サンは監督よりも俳優さんになったほうがいいかもですよ、こんな「イイ顔」滅多にお目にかかれませんから!!


きれい

大道具さん小道具さん照明さんがいい仕事しています。細部にまでこだわった造りは監督のこだわりでしょうか。手をぬかない良質の映画を観たという印象です。怪奇映画で有名にはなったものの、中田監督はもっとちがった作品を撮りたいのでしょうね。そういう監督の夢と向上心が垣間みれる、気合いの入った作品でした。

「この後女房を持てば、必ずやとり殺す」

怪談の語りで幕開け。「親の因果が子に報い…」を絵に描いたような顛末。武士である新吉の父は、取り立てに来た金貸しの豊志賀の父をを切り落とす。呪いの言葉を吐き金貸しは絶命。武士の家は没落。二人の子供はそれぞれに知らずに育ち、巡り合う。
誠実な煙草売りの新吉と美しい三味線の師匠・豊志賀は惹かれあい同居するが、籍は入れない。いろいろと噂が立ち豊志賀の生徒は徐々に去っていく。仲良しの妹の忠告にも恋に目がくらんでいる豊志賀の耳には入らず二人は絶縁。豊志賀の屋敷で下働きをしている新吉を慕う生徒。あらぬ嫉妬に駆られる豊志賀。やがてその嫉妬に導かれるように新吉と彼女は…

新吉の流し目がキモくて怖いです。これから訪れる不吉な未来を語っているようです。黒木瞳が姐御っぽい気風のよい師匠から嫉妬に駆られる狂気の女への変貌を見事に演じております。質素で真面目だった新吉は、何時から私欲のために人殺しにまで手を染める人間になってしまったのでしょうか。やはり呪いのせいなのでしょうか。人の心模様の恐ろしさを江戸の風俗を交えて描いています。題目もシンプルに「怪談」。非業な幕引きまで目を離せません。


ミスキャスト

黒木瞳は綺麗だし演技もうまい。
役にもなりきっているし見ていて気持ちも入る。
しかしオバケメイクがまったく恐くないのだ。
黒木瞳というソフトで暖かい印象のある実際の人を知ってるし顔が優しいのだ。
個人的には高島礼子なら恐いと思う。
プライベートが見えないし顔も端正で冷たい。
亡くなった師匠(黒木瞳)の体をきれいに拭いている時、
首は上下に揺れているんだが(死人の)目が追っかけてくるシーンは少しゾクっとしました。
このシーンで顔がきれいになってるのはストーリーの整合性に疑問ですが。


素晴らしいほど幻想的

先に言っておきますがまったく怖くはありません そっちの方を期待されている方はやめてください。
ただ怖くない分面白いです非常にエンタテイメントという感じがして 見とれました
非常に昔のホラー映画を感じさせる映画でオールドファンの方は大喜びするでしょう
なによりその幻想的な世界観素晴らしくまったく飽きずに見れます 役者陣も豪華で芸達者な
人たちばかり 尾上菊野助や黒木瞳の熱演にも注目です軽い気持ちで見たけれどもの凄く好き
な作品となりました もう一度みたいです。



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死神の谷 [DVD]

フリッツ・ラング ベルンハルト・ゲッケ リル・ダゴファー ワルター・ヤンセン ルドルフ・クライン=ロッゲ ゲオルク・ヨーン 
死神の谷 [DVD]
定価:¥ 1,980
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真の傑作

一般的な知名度は高くないが、映画史の中でも突出した傑作。

ファンタジックな愛のストーリーに重厚なドラマ、巧みな演出、いつまでも心に残るシーン。
どれをとっても今なお色あせることがない。
何より、無声映画ながら情感豊かであり、結末は涙なくして見れないだろう。


発売してくれたことに感謝を…

先ずはこの作品をこの価格で発売してくれた人と会社(WHD)に感謝であります。
凡百のDVDメーカーなら…世界名作なんたらとか、サイレント名作かんたらとかの冠を乗っけて5千円とか…もしかすると一万円はぼったくるに違いありません。
普段は巨大鼠がど〜したとかゾンビがこ〜したとかの楽しい(?)映画を出してる会社なんでそっち(どっちだ?)の方面のマニアには違和感があるやも知れませんが流石にラング…見所満載であります。

サイレントの名作に興味がある人…フリッツ・ラングのファン…落語の死神が好きな人…WHDさんが出しているそっち系(だからどっちだよ?)の作品が好きな人…このソフトは迷わず買いですよ。


幻想的で美しい映像と20世紀初頭のアジア感

谷にある村に高い塀の居場所を築いた死神。この死神に婚約者を連れて行かれた女性が彼を捜し求めて死神と対峙するというストーリー。前半の死神の築いた塀の前に訪れる死者の群れや、ローソクの間で死神と向き合う主人公の女性シーンは幻想的で美しい。「メトロポリス」でアバンギャルドな映像を打ち出したフリッツ・ラング監督がこの作品では幻想的な映像に誘ってくれる。
死神と主人公の女性の思いに絡めて展開する愛と死という永遠のテーマを表す3つの冒険(オムニバス的な作風)は古典的な悲劇(ある種シェークスピア的なあるいはギリシャ神話的な)ではあるものの、そこに現れる人々の前向きな生き様は主人公の婚約者に対する思いを完全に表現する。
そして、死神の与えた最後の試練は永遠のテーマであり、どの映画作家も追及するテーマでもあるが、これだけ直接的に観る者に突き付ける作品はない。

この作品のもう一つの面白さは、サイレント時代の貴重な作品であるだけではなく、20世紀初頭のヨーロッパのアジアに対する見方が実感できるところ。3つの冒険はアラブ、イタリア、中国で展開されるが、特に中国の描き方(中国人をドイツ人が演じているところも面白いが)は中東とアジアの混在する世界になっているところは当時のヨーロッパから見た不可思議な東の世界がはっきり現れていて面白い。フリッツ・ラングもサイレント時代の作品としては「メトロポリス」とならぶ衝撃的な作品であることは間違いない。

ところで、このDVDで観る限り映し出される映像が正方形であるところが不思議だ。フィルム映像を観たことがないのでわからないが、何故この形なのだろうか?


哲学的な筋書きと浪漫派の画面

Tod (死神)は、中世ヨーロッパにおいては、実生活と密着した考えだった。戦争や病気で死は常に身近にあり、一般市民にとっては抑圧以外の何ものでもないカトリックも重しとなっていた。この映画が作られた当時(90年近く前)では、そのような背景が未だ残っていたことだろう。このように、ゴシックの「死生観」に立った哲学的な筋書きがすばらしい。他方、映像は「メトロポリス」のフリッツ・ランゲが完成させたドイツ浪漫派で、プンクトリッヒな画面構成と相合わさって、完璧なものとなっている。時代背景には奥行きがあり、ベネチア、バクダッド、中国へと広がりを見せる。今日でも色あせない名画だ。

独逸浪漫派の伝統でしょうか!

 『グリム童話』にあり、我が国の落語「死神」(これはシルクロード・中国さらには韓国を経由して届いた説話)にもある設定を根幹として、異国への「憧憬」をラングが心ゆくまで楽しみながら創作しています。ただし、「俊徳丸とハインリツヒ」(いわゆる比較演劇あるいは文学・文化論における「血の伝承」)を肯定するわけではありません。むしろ、その逆説になる映画だと存じます。

 『聖書』の一節が「キーワード」となることも、ノヴァーリス著『基督教社会あるいは欧羅巴』の言辞を彷彿とさせます。E・T・A・ホフマンの著作の叙情的怪異譚もだぶってきます。映像も、現代のSFXと比べても見劣りがしません。いうなれば、古いがゆえに新鮮な感覚。また、最初に登場する役者たちも扮装を変えつつ、登場するという演出も巧妙です。

 「メトロポリス」も確かにすごい作品ですが、私は、こちらのほうが、さらに素晴らしいと感じました。それが、この値段、手に入れてじっくり観なければ「損」だと存じます。




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狼は天使の匂い [DVD]

ルネ・クレマン ジャン=ルイ・トランティニャン ロバート・ライアン レア・マッサリ ティサ・ファロー アルド・レイ デイヴィッド・グーディス セルジュ・シルベルマン セバスチャン・ジャプリゾ 
狼は天使の匂い [DVD]
定価:¥ 5,040
新品最安価格:¥ 3,992
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画質の良いソフトです。

 と書いて終わるのがもったいない位の高画質です。
 1972年公開(日本公開は1973年)の古い作品であるだけに、仮に
ブルーレイじゃない方の『ダーティー・ハリー』程度の画質であっても、
まあ、発売されただけありがたいと思って納得するか、と考えて
購入したのですが……
 観てみると、こちらの想像を桁違いに上回る高画質でした!

 近作のソフトで時々見かけるデジタルペイント的な高画質と違って、
フィルムの質感が十二分に活かされた、STUDIO CANAL謹製の鮮明で
抜けのいい画質。例えば、時折映る鏡や金管楽器等の光り物の艶やかさ
たるや、例え現物が目の前にあってもここまで艶めかしくはないだろう、
と書いても大げさではない位です。(逆に、高画質でありすぎてスクリーン
・プロセスがモロバレだったりしますが…。)

 135分完全版であることに加えて、BDでなくてもここまで高画質にできる
DVDソフトの極上の逸品として(特典映像等のオマケが全く無い、そっけない
作りのソフトですが)、この映画が好きな人・気になる人にとっては
マストバイアイテムと言ってもいいソフトだと思います。


7/25(土)念願叶ってこの作品のDVDを手に入れた!

子供の夏休み期間中という事もあって、中々ノンビリとDVD鑑賞の時間が割けなかったが、漸く8/7(金)に2時間15分強の物語を楽しませてもらった。

私がこの作品を知ったのは、今から34年前のキネマ旬報の別冊における映画評で絶賛されていたのがキッカケであった。
それ以降、この作品をどうしても大画面で観たいがため、名画座での公開を心待ちにしたのだが、大阪ではChanceに恵まれず。
Videoが普及した90年代にはVHS Tapeを中古Shopで探しまくったが、結局見つからず。
いつしかこの作品が私の頭から消え去って久しかったところに初DVD化のNewsが飛び込んできたので、驚いた次第。

で、作品ですが、私は原作を読んだ訳でもないので、内容の比較は出来ません。
映画を観た限りでは、SophisticatedされたFilmnoirとでも言いましょうか。
監督がルネ・クレマン、主演がジャン=ルイ・トランティニャンにFrance映画には珍しいロバート・ライアンですので、似たような題材でも、
監督アンリ・ヴェルヌイユ、主演アラン・ドロン、ジャン・ギャバンの某作品とは全く違います(私はあちらも大好きですが)。
おそらく若い方達には、この作品が全く煮え切らないツマラナイ作品に思えるでしょう。
しかし、我々オッサン世代にはこの煮え切らない部分に男のRomanを感じるのです。
仲間が1人又1人と葬り去られ、Lastでは隠れ家を警官隊に包囲される中、主人公2人がビー玉を賭けて、射撃ごっこに興じる。
場面変わって2人の少年が大粒の涙を流しながらの別れのScene。
冒頭でのビー玉が階段を転がり落ちるSceneとLinkしているが、映画の本題とは全く脈絡のないEpisode。
1つ間違えれば、気障で臭いEndingとなってしまいますが、オッサンにはこのRomanticism溢れるEndingが堪らんのです。

そして「狼は天使の匂い」という素晴らしい邦題。
既にReviewされている方達は誰も言及されていませんが、配給会社のSenseの良さに敬服致します。
昨今のSenseの欠片も感じられない邦題とは違い、この頃の邦題には味が有った...


大人のお伽話

この作品はデヴィッド・グーディスの「狼は天使の匂い」(原題:Black Friday不吉な金曜日)の設定を借りたオリジナル脚色(「ウサギは野を駆ける」)だそうだ。原作をそのまま引き継いでいない脚本のためか、ルネ・クレマンの情緒的な演出のためか、サスペンスというよりも大人のお伽話のような雰囲気がある。
飛行機事故でジプシーの子供を死なせてしまい、ジプシーに狙われるトニー(ジャン・ルイ・トランティニアン)がチャーリー(ロバート・ライアン)率いるギャング一味の中に入り込んでしまったがために、犯罪だけで繋がっていた彼らの関係が微妙に変わっていき、愛情や友情、過去との決別といったそれぞれの思いが表れてくる。
行おうとする犯罪の内容が終盤に至るまでに明かされないため、逆に変貌する人間関係が魅力的に描かれている。特にトニーに惹かれる二人の女(レア・マッサリとティサ・ファロー)の互いの思いやりと抑制された嫉妬といった微妙な関係の描写は素晴らしい(ティサ・ファローの可憐な魅力は最高)。
そして、この作品が遺作となり撮影中も病を患っていたロバート・ライアンの迫力の演技はまさにチャーリーの生き様とかぶり作品に重みを与えている。
ただ、チャーリー一味の仕掛ける大博打は派手ではあるが無謀すぎるのではと感じてしまうが、その他の魅力でカバーされこの作品の魅力を損なうものではなかった。
それより、「不思議の国のアリス」に登場するチェシャ猫のポスターや看板、階段を転げ落ちるビー玉、手彫りのチェス版等の小物や島の風景が物語をよりお伽話に近づける。むしろ、トニー自身がアリスと考える方がこの作品は良いのかもしれない。そんな、不思議な雰囲気の作品で、ルネ・クレマンの70年代の異色作だ。


ああ…ウサギは野を駆ける

原題は「ウサギは野を駆ける」

ルネ・クレマンの晩年の傑作であり、名優ロバート・ライアンの俳優人生の集大成といってもいい演技とトランティニャンの目の演技に痺れるムーディーなフィルム・ノワール。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」や香港ノワールの鬼才ジョニー・トーの作品が好きな方には特にオススメ。

上記に当てはまらなくても日常をぬけだして、ムーディーな気持ちに浸りたい人は買うべきです。

哀愁と憧憬、宿命にもがく男と女たち、そして、男の友情とロマンがあなたを待っている。


映画館で一度観ただけなのに・・・・

子供の頃、映画館で何となく観てしまっただけなのに、深く印象に残っている作品です。アクション映画と思って観ていたら、雰囲気が違って、ちょっと戸惑ったのを憶えています。でも最後シーンは強烈に印象に残っています。ちょうどパッケージになっているシーンですね。
最後の最後に男は子供に戻るのか?
ロバート・ライアンって、いつも哀愁のタフ・ガイって感じがしますね。全てそろっているようで、運には見放されているというか、何と言うか、そんな感じです。ちょっと、リー・マーヴィンに似ているものを感じます。ジャン・ルイ・トランティニャンも同類かも知れません。運に見放されている感じがしますね。
「それでも人生は続く・・・」と吉田美和の歌が聴こえてきそうですが、映画には終わりがあります。



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巨人ゴーレム 新訳版 [DVD]

パウル・ヴェゲナー パウル・ヴェゲナー リディア・サルモノワク 
巨人ゴーレム 新訳版 [DVD]
定価:¥ 500
新品最安価格:¥ 480
『巨人ゴーレム 新訳版 [DVD]』の関連商品を見る
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原点の迫力。

断片的に目にした事はあれど全編に触れたのは今回初めて。作品の完成度がこれほど高いとは嬉しい驚きでした。 ゴーレムが完全な従者ではなく素朴な意志めいたものを有している点など、後発の同テーマ作が盲目的になぞっている感もある位で、偉大なオリジンに感服です。何と云っても文句なくゴーレムかっこイイ! 作中の倫理観やユダヤ人描写をあげつらうのは野暮というものでしょうが、一言だけ。「若者たちよ、いーのか ソレ?」(笑) 現在の観客には多少ストレスを感じる保存状態ですが、未見なら必見です。日本映画には直系の子孫もいることですしね。

ゴーレム!!

その昔、昭和40年代少年誌に写真が載っていてどんな映画だろうと思ってましたがここまで名作だとは!!ゴーレムけっこうかっこいいと思います。

映画ファン必見。

言わずもがなのドイツ表現主義映画の傑作。
同じ監督による「ゴーレム」は実は三部作なのだが、第二次大戦の戦火で焼失し、現在残っているのはこれ一作だそうだ。
最初の作品のタイトルはそのものずばりの「ゴーレム」で、これは資料によると、1914年の制作らしい。
続く第二作目のタイトルが「ゴーレムとダンサー」でこちらは3年後の1917年の制作となっている。
三部作の最後を飾る本作「巨人ゴーレム」は1920年の作品ということだから、同じ監督によって3度、しかも3年おきに制作されたことになる。よほどゴーレム好きの監督なのだろうか?
いずれも映画草創期のサイレントだが、表現は圧倒的で特に後半のクライマックスの迫力には驚かされる。トーキーになってから後に、ジュリアン・デュビビエによってリメイクもされている。
映画ファン必見の一本です。



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小栗康平監督作品集 DVD-BOX

小栗康平 
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アカデミー賞外国語映画賞

「泥の河」はアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされていたそうです。

残念ながら受賞を逃してしまったことと小栗監督のあまりの寡作ぶりがこの映画を日本映画の「影の名作」にしてしまった要因でしょう。

「泥の河」はこんなBOXではなくシングルDVDにして多くの人に観てもらえるようにした方がいいと思います。


強く優しい父のまなざし

大好きな小栗監督の作品を見ると、こう思う。混乱に満ちた現代の日本で、もし父性がきちんと存在しうるとしたら、この監督の映画の撮り方が、まさに父を象徴するものではないだろうか。

よい父の条件はさまざまに考えられるだろうが、例えば「こどもを安心させる力」である。「泥の河」の田村高廣の人物像を見よ。彼は自分の子にもよその子にも、一度も怒鳴ることがない。そもそも、小栗監督の子役の演出の優れていることには、定評がある。
どうしてうまくこどもを演技させられるのか。監督が信頼されているからである。

また父性に戻るならば、動じない胆力である。「死の棘」を見よ。撮り方によっては限りなく陰惨な映画にもなるだろう筋書が、この監督の手になると静謐さとどこかほのぼのとした親しみやすさに昇華する。登場人物の行動は狂っていても、それを見つめる目が、生きていればこのようなこともあるとでも言いたげに優しい。

情緒不安定な人は小栗さんの映画を見ると随分救われた気持ちになるのではないか。それは寡黙で、しかも成熟した父が傍らで見ていてくれる、そのような安心感なのだ。


『泥の河』は、何度観ても号泣です!

 小栗康平監督が撮られた4作品は、どれも質の高い大変素晴らしい映画です。ただ個人的には、『泥の河』だけが欲しくて(仕方なく)DVD-BOXを購入しました。
 『泥の河』は、昭和31年の大阪安治川河口を舞台に食堂に住む少年と、対岸に繋がれた廓船の姉弟とのひと夏の出会いと別れを描いたとても切ない映画です。
田村高廣、藤田弓子、加賀まりこの演技が素晴らしいのは勿論のことですが、3人の子どもたちも大変自然で上手いです。
 この作品は、1981年に公開されたその年のあらゆる映画賞を総なめにして話題となりましたが、私自身もその当時(リバイバル上映を含め)何度も映画館に足を運んだ記憶があります。
 初上映から27年が経った今でも、ずっと忘れられない大好きな映画です。
 まだ観てない方は、ぜひお勧め致します。(ハンカチをお忘れなく!)

 メーカー様にお願いです。
 今後、『泥の河』を単品で発売される時には、チャプターと特典映像(当時の予告編や撮影風景など)は、是非つけてください。
 DVD-BOXは、チャプターもなければ予告編などの特典映像もなく、大変味気なかったですよ。



単品の発売を望む

 小栗康平は多作ではないが、じっくり撮った作品のどれもが秀作である。中でも「泥の河」は映画史に残る傑作で劇場で見た時に、上映終了後の他の観客の満足そうな表情が忘れられない。子供たちの演技も素晴らしかったが、田村高広、藤田弓子、加賀まり子も素晴らしく、特に加賀まり子の美しさは絶品で、テレビのバラエティ番組で見る彼女とは別人である。オーソドックスで抑えた演出だが、けっして古臭くなく、これがデビュー作とはとても信じられない。
 このボックスは小栗康平のファンにはうれしいが、「泥の河」は単品で発売しても一般の映画ファンで購入する人がたくさんいると思う。できれば「泥の河」だけでも単品で発売して欲しい。


何も起こらない

 このBOXの「眠る男」について 話したい。

 主人公は頭を打って 昏睡を続けているだけの 摩訶不思議な存在である。その主人公の周りの人達が 群馬県の静かな田舎町で過ごしている。それだけの話だ。

 群馬県自身が出資したことで有名になった映画だ。その点で それなりにマスコミでも「新しい映画のあり方」という話題にもなったが その中で 作品自体が 異様とも言える「静謐さ」に満ちていることに一種の感動を覚える。それほど何も起こらないし 何も起こらない映画が さように面白いことも不思議な話だ。

 岩波ホールで半年のロングランを打ったという。単館興行収入でも記録を作ったという。こういう映画も作ることが出来、見る人がいるという日本は 映画好きの僕にして 何か誇りに思った。



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暗黒街を描いたメルヴィルの初期の佳作

この作品はジャン・ピエール・メルヴィル監督の4作目で「マンハッタンの二人の男」を撮る前の初の暗黒街ものの作品。
メルヴィル本人も語っているが、この作品はパリへのラブレター(このことはルイ・ノゲイラ著の「サムライ」に書かれている)で特にモンパルナスの風景、そこで生きる人々を丁寧に描写している(「マンハッタンの二人の男」はNYへのラブレターらしい)。
暗黒街ものといってもメルヴィルの後期の犯罪ものというよりは暗黒街に関わった男や女のドラマといったほうが良い。犯罪の完成に期待をもって観るとなんのカタルシスはないかもしれない。むしろ、賭博師ボブの人生最後の賭けを皮肉(ユーモア)たっぷりに描いているといったほうがいいかもしれない。
そして、この作品はメルヴィルがジョン・ヒューストン監督の「アスファルト・ジャングル」に影響を受けオリジナルの脚本を書いて5年後に映像化しただけあって、苦労して練り上げた犯罪計画と努力のむなしさというヒューストン的な発想がこの作品にも盛り込まれている。
メルヴィルの後期の作品にはない女性(イザベル・コーレイ)のエロティシズムを全面に出した描写は、この1950年代の作品としては珍しいし、今観てもひきつけられる魅力的な女性描写だと思う。
また、メルヴィルの作品らしく鏡、ワインの瓶、電話など小物の細かい描写のこだわりが感じられるし、終盤のカジノでの賭博シーンは特に「従業員へ」と言って渡すチップや、ついているボブに「賭けて」と渡す女性とのチップのやり取りなどリアルで男気が感じられるやり取りが魅力的で丁寧に描かれている作品だ。
他のメルヴィル作品と異なり音楽がチョット鼻につくが、メルヴィル特有の洗練された感覚を楽しめられるし、アンリ・ドカエの自然光を活かした独特の映像も堪能できる。日本公開もメリヴィルの死後となった貴重な作品でDVD化はうれしい(他のDVD化も期待したい)。





メルヴィルの傑作!

という評価を良く聞く作品です。
未見ですのでレビューはできないのですが発売が非常に楽しみな作品です。
ユニバーサルさんはこのような昔の佳作を掘り起こしてくれるので非常にありがたいです。
引き続き良い作品の発売を期待しています。



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正直なところ...

一旗揚げようとする戦国時代の百姓たちの物語。
「利益」や「権力」を求めて故郷を出て、その果てに気付く故郷と日常の価値の大きさ。

初めて溝口健二監督の作品をみた。
評価の高い邦画ということだが、
ストーリーがオーソドックスなことと白黒映画に見慣れないことで、
正直なところ少し眠たくなることもあった。

淡々としたストーリーが好みでないということかもしれない。
逆に、原作2編を違和感なくひとつの物語に作り上げたことは素晴らしいと思う。

他のレビューアーの皆さんのようにカメラワークなどに気が回るのは先のことになりそうだが、
もっとたくさん名作を見て目を養いたい。


普遍と特殊

初めて溝口の作品を見ました。映画に求めたいたものはきらびやかな映像美であった私にとり白黒の作品というのはどうも偏見に基づく抵抗があり今まで見ることはありませんでした。海外での評判もしょせん無知に基づくオリエンタリズムがなせるものとの偏見が大きく作用していたようです。他のレヴューアーの皆さんが指摘する映画技術上のポイントは今でもわからないというのが正直な感想です。でもここにはたしかにオリエンタリズムを超える普遍があるというのは見ることによって得た新しい発見でした。この「普遍」が雨月物語の持つ日本の文化のディテールの描写とこのように見事に融合した場合に引き起こしたこれほどの世界的な賞賛は必然だったのでしょう。「権力」や「利益」を求めて故郷と日常から戦国の動乱へ飛び出した男たちが、現実と永遠の幻想の後に見出したものは、故郷と日常の価値の再発見でした。農作業と焼き物の日常が描写される結末のシーンは永遠の真理を現しています。現実の残酷な描写はあくまでも隠喩で描写され、幻想の描写は細かく小道具を使い描写されるのは見事なコントラストです。そして田中絹代と京マチコとの対照的なcharacterisationも見事にそれぞれの女優の個性を反映したものです。

初めて知ったすさまじい衝撃

この映画は、今はなき銀座の並木座で見ました。古い土蔵の白い漆喰の上に映し出されたかのような光と影の”雨月物語”は「映画とはこういうものなのだ」という事を初めて知ったすさまじい衝撃を思い出されます。DVDになると映画と違って映像作品になってしまいますが、それでも地獄の底のような静けさが作品の深いところに常に流れています。これは日本映画の傑作などと言う、ちんけな評価ではなく、この日本という島国に太古から流れている神聖、崇高なたたずまいを光と影で写し撮った世界宝とでもいうべき”映画”です。

幽玄の美、戦乱の中の男の迷いと女の苦しさ・健気さを鮮やかに描いた巨匠の最高傑作

ゴダール監督が好きな監督を3人挙げよ、と問われて「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と答えた有名な話がある。本作はその巨匠溝口監督の最高作と私が考える1953年の作品。ベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した、日本映画史に燦然と輝く大傑作。日本の白黒映画でこんなに美しい作品はない。俳優は大変だろうが、溝口流長回しが画面をひきしめ、視聴者を引き付ける効果は絶大。長回しの間のカメラの移動、フレームに出入りする俳優の場所を計算した均整のとれた構図、光の明滅と影の綾なす様、それらをパンフォーカスで一瞬のぶれもなく画面のすみずみまで捉えた、撮影・宮川一夫を初めとする溝口組の技量に目を見張る。源十郎(森雅之)が荒れた自宅に帰るも無人なので一旦外に出て再び家に入ったときに亡霊の妻・宮木(田中絹代)が囲炉裏で仕事をしているのを見つける1カットはマジックだ。朽木屋敷での幽玄の美も農村の庶民の苦しい生活も鮮やかに撮影され、かつ品格がある。録音状態もよく、字幕は不要。

本作は全九編の情緒ある怪異小説・雨月物語から蛇性の淫、浅茅の宿の二編を脚色している。戦の続く戦国時代の2組の夫婦の話で、どちらの夫も欲(金銭、立身出世)に迷い、源十郎にいたっては幽霊・若狭(京マチ子)に誘惑される。正体を見破られた若狭の表情の変化は女の業の強さが印象付けられる名演技だ。残された妻子は、戦の中悲惨な運命をたどる。が、何れも目が覚めた夫を妻は受け入れる。特に宮木はあの世からさ迷い出て夫との再会を果たし、その後も夫を暖かく見守り続けるのだから何とも切ない。ばかな男と健気な女性(若狭を含めて)の話で、オープニング・タイトルで女性3人を配役の先頭に持ってきたのは監督の女性観の表れか?

最後に、本作は著作権切れの作品。廉価盤の登場はそのため。


雰囲気、たたずまいの映画

人生とは、幸福とは、夫婦とは、教訓めいたものも感じられます。
それに関しては、時代、世代、その人の歩んだ人生、その人の今の状況で賛否があると思います。

しかし、朽木屋敷のたたずまい、そこに住む若狭(京マチ子)の表情、語り口、仕草、振る舞い、そして、源十郎(森雅之)が朽木屋敷から国の家へ戻り、囲炉裏端で鍋の用意をしている妻の宮木(田中絹代)と会話を交わすシーンは文句無しに凄いです。


雰囲気、たたずまいの映画だと思います。



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