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商品の紹介 時は幕末、庄内・海坂藩の下級武士・片桐宗蔵(永瀬正敏)は、かつて自分の家に奉公していたきえ(松たか子)が嫁入り先で虐げられていることを知り、その身柄を預かった。しかし世間の目は冷たく、やがてきえは宗蔵のもとを去っていく。そんな折、謀反の罪で投獄されていた友人の弥一郎(小沢征悦)が脱獄。家老の堀(緒形拳)は、非情にも宗蔵にその征伐を命じた…。 名匠・山田洋次監督が『たそがれ清兵衛』に続いて藤沢周平の時代劇小説を原作に取り組んだ時代劇。一見前作と似たドラマ展開だが、その実、前作よりも一歩踏み込んだ武家社会批判や、それに対する主人公たちの前向きな姿勢が汲み取れるものとなっており、娯楽的な要素もぐんと増えている。『男はつらいよ』を彷彿させる人間関係図も見え隠れするなど遊び心も多分で、また殺陣の非情なダイナミズムも今回の方が際立っている。永瀬の立ち回りも見事。前作の好評を受けて、さらなる進歩を遂げた傑作である。(的田也寸志)
クチコミ情報
印象的リバイバルで映画館で観ました。初めて時代劇を観ました。すごく引き込まれてしまいました。 永瀬さん演じる主人公がとても魅力的。冴えない感じですが、凛とした佇まいで重みがあります。吉岡さん演じる友人とのやりとりは軽快。周りを固める俳優陣も全く違和感ありません。 信念を持って生きることは素晴らしいなと思いました。
複雑に織り上げられた作品「たそがれ清兵衛」との類似性をよく指摘されていますが、実際の内容は全く違う所にあると思います。藤沢周平の士道物自体、上意討ちを扱いながら、読後感が全く違う作品が複数あるのと同様ではないでしょうか。
主人公の片桐宗蔵とヒロインきえの、日常生活の営みの細かい描写、友人や家族・親戚とのかかわり、それは温かくや時にコミカルな印象さえ受けるのですが(嫁を貰えない宗蔵をなじる叔父達の描写には何度見ても噴出してしまいます)それでいて、主人公は三部作の中でもっとも苛烈な立場に置かれます。
宗蔵自身は、変化を求めず、淡々と、周りの人を大切にして生きることを望む人間でありながら、です。
時代の流れ、身分の違い、侍としての生き様、そして「隠し剣」。この作品の中で描かれているものは多く、複雑に絡み合っています。初見はとらえどころが無い印象を受けるかもしれません。
ですが、どこに注目しての観賞でも、この作品の中に漂う穏やかさや端正さは、心に残るものだと思います。
永瀬正敏さんは感情を抑えながらも、静かに浮かび上がる演技で素晴らしいです。作品中の複雑な要素は全て宗蔵の上に掛ってくるのですが、それらを佇まいの上に纏め上げていました。
どちらかというとトリッキーな役が多い人ですか、「息子」や「学校2」同様、自身の個性を生かした役ではないでしょうか?
細かい描写ですが、神戸浩さん演ずる中間の直太へのさりげない温かさの表現が記憶に残ります。
松たかこさんのきえは、大らかで明るい女性。吸い込まれそうな大きな瞳と、歌うような庄内弁の響きが印象的です。
吉岡秀隆さんの島田左門も愛すべき個性の持ち主。確実な存在感を残しています。
親友であり敵の狭間役の小澤征悦さんは眼差しに凄みがあります。この作品の不満は、後半の核となる狭間と片桐の相克の描写がやや説明不足であるということでしょうか。
しかし、二人の対峙は、「死地」と表現した藤沢氏の文章を思い起こすものだった思います。
山田作品の最高傑作先日、金曜ロードジョーで観ました。 素晴らしかったです。 特に最後のシーンが。 ここまで画面の隅々まで一分の隙の無い程作品世界で塗り固められる映画監督が日本に他にいるでしょうか?
「映画芸術」という言葉を思い出させてくれました。山田洋次監督の時代劇は、娯楽であり芸術作品とも思える様式美が備えられていて「映画芸術」という言葉を思い出させてくれます。昔の武士も今のサラリーマンと同じような境遇だったのだな、と思ったのですが、よく考えると時代劇を借りて、現代を描いていると見るべきなのでしょう。それほど、山田洋次監督作品はリアリティーがありますね。さらに、きれいな日本の風景や美しい日本人像を描いていてくれて、優れた日本映画を求めておられるお気持ちが画面を通して伝わってまいりました。山田作品の現場は大変だと聞きますが、主演の、永瀬さん、松たか子さんをはじめ、どの出演者の方も最高だと思います。それに付け加えて、一部の隙もなく緩んだところもない画面の美しさが本当に素晴らしいです。映画を連続する絵と感じられる作品です。
北の方さ行ぐごど、ね、もうすぐ維新でがんす どうにも、後味の悪い映画になってしまって、「片桐」と「きえ」の先々もまた心配。片桐が禄を藩に返したと見られる文久辛酉年は、1861年。1868年が明治元年だから、もう数年もすれば、維新である。廃藩置県は、1871年。今、蝦夷へ行って商いの経験もない者が愛する者と共にとは言え、商売をして幸せになれるという心算はあるのか。
既に他のレビュアーの方が述べていたが「演技は素晴らしいと思います。内容ですね」。このような、映画館から出ときに、吐息混じりの声が自然と出てしまいはしないか。全体像からの印象だが、出演者はこの主人公二人以上に、見た目のなり、手足ばかりでない演技、ことばの発し方等々において優れていた。一例だが、表情の乏しい片桐と狭間の立ち合いでは、狭間のぼろぼろの褞袍姿が勝っていたと見るのが自然だ。
身長165cmの大柄のきえを背負うシーンが欠かせないものなら、それなりの配役が欲しかった。病の身でしがみつく手は撫で肩から滑り落ちそうで、垂れ下がる足は床に付きそうで、腰を深くして見ていられない。あるいはまた、小間物屋でのきえは、片桐が言うほどにやつれていたか。少なくとも、やつれた黒髪と表情であったか。かつ、そのような努力がほとばしっていたか。
山田監督はもう若くはない。作れる映画にも限りがあろう。国際映画祭向けの作品作りなら、日本人以外の文化的・歴史的・宗教的な背景を考慮したもので一発狙っていただくとして、私達が映画館の終了のブザーが鳴り、館外の光と空気に触れたとき、より高次の心持ちになれるような時代劇が生み出されることを期待する。
本DVDは、特別版のせいだろう、メイキングが大量に付いている。子供向けの菓子ではあるまいし、期待はしていなかったが、あまり褒めたものはない。以上、辛口は山田監督リピータ由に。
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