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隠し剣 鬼の爪 [DVD]

山田洋次 永瀬正敏 松たか子 吉岡秀隆 小澤征悦 田畑智子 藤沢周平 朝間義隆 
隠し剣 鬼の爪 [DVD]
定価:¥ 2,800
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クチコミ情報

松たか子さんに惚れ惚れ(‾o‾)

何回観ても、松たか子さんの美しさに惚れ惚れしてしまいます。
高峰秀子さんとタメをはるほど素晴らしく美しいと思います。


藤沢周平映画の最高峰

「武士の一分」までの一連の藤沢周平映画の中で、この「隠し剣 鬼の爪」がベストだと思う。

まずなんといっても、ヒロインの松たか子が素晴らしい。「女性の品格」という本が売れる
現代だが、このきえという女性は「品格」よりもっと大切な何かを仄かに薫らせ、愛おしい。

また永瀬正敏も良い。各作品の主人公の中でも、飛び抜けストイックで無駄な動きもなく、
田舎の小さな藩の下級武士という感じが一番する。

緒形拳も、各作品の悪役の中で最高のワルである。(最悪のというのが正しいのかな?)
監督は山田洋次でないが、「蝉しぐれ」ではとても善い人だったのでその落差が面白い。

さらに、タイトルは勇ましいが、立ち回りの時間は短くそれでいて深く印象が残るシーンだ。
後から思うと、こういう題名を付けてしまう事はリスキーだが、そうでないと見逃すほどだ。

いささか書き過ぎてしまった。
もう一度言う。松たか子のきえは邦画史の1ページを、ひそやかに飾るヒロインである。



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たそがれ清兵衛 [DVD]

山田洋次 真田広之 宮沢りえ 小林稔侍 藤沢周平 朝間義隆 
たそがれ清兵衛 [DVD]
定価:¥ 2,800
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クチコミ情報

山田洋次、真田広之、宮沢りえの卓越した技量

私は元々の藤沢作品ファンです。
勿論「たそがれ清兵衛」もよみました。
大筋は似ていますが短編ですので3作ほどを一つに纏められた作品となっております。

原作では見所の一つである主人公のせこい駆け引きもカットされ幾分残念な気持ちもありました。
しかし2度3度と本作を観る内に真田広之さんの瞳に引き込まれました。
城へ上がる時の目立たないようにする情けない瞳、下男や卑女と話す時の気さくな笑顔、家老の訪問を受けた際の所作と即答する断りの潔さ。
追い込まれて断れなくなり引き受けた後の退去の所作。
真田広之さんは武士の所作について能や文楽で勉強されたのでしょうか、様式美と元肉体派である彼の機敏な動きや表情だけで原作にあった「普段は定刻の黄昏時に帰るたそがれ清兵衛」知る人ぞ知る「藩内遂一と噂される剣豪」を見事に演技分け、本人の性分である不甲斐なさから婚儀に至らなかった女性への「死出の化粧の簡潔な依頼」そしてそれを黙って駆けつけ涙も見せずに迅速に処理する女。
送り出した後「生きて戻ることを毛ほども疑わない強い女」とボロボロになって戻る男。涙を流して抱き留める女と身内。
どれをとっても藤沢作品に共通して流れる静謐な空気感が醸し出され巨匠山田洋次の別の顔が伺えます。

ジャケットにもなった太刀を研ぐシーン、無言の中に様々な葛藤が伺え涙ぐんでしまいます。

黒澤作品と並び世界に誇る日本の名作だと感じます。


そんなに感動するかなあ。

風采があがらない男が実は剣の達人、というよくあるパターン。
ラストは、全然、それまでと関連がない。
最後にいきなり、それまで出てこなかったばあさんが出てきて、時代は変わった、というオチは、「感動のラスト」って言えるのかなあ。
しかも、3年後には、死んだという設定なんでしょ?
せっかく手に入った幸せがすぐに去っていってしまう、ってことが、また、一つのテーマになるのだから、どちらかといえば、その死に様までを映画にすべきなんじゃないかなあ。

竹光であることがわかったとたんに、殺し合いが始まる、というのも、そんな程度の男を清兵衛は殺しに行くのか、という気がするぐらいで、私は、理解に苦しむ。
突然の豹変が意味することはなんなのだろうか。


なるほど、の出来具合

山田監督初の時代劇ということですが、気合が入りすぎた恣意的な盛り上がりやドラマチックなものも極力省かれていて淡々と幕末の田舎侍の生活や風俗が描かれていたと思います。チャンバラの場面も結構リアルだし。単なる娯楽時代劇というものではない、まじめなメッセージ性の高い映画だと思います。感受性の貧弱な人が見るとつまらない映画にしか見えないと思いますけど。

なんと美しく哀しい、素朴な人生

子育てと介護、目を覆うような厳しい貧乏生活を続ける清兵衛。
風呂すら入れず、衣服もぼろぼろ、けれども子供達には元気さを見せ、痴呆になった母親ともわりきったつきあいをしている。子供達にとっては、ぼろぼろになる父親の姿を見るのは辛かっただろうが、なぜか彼の目に、貧困の色は見えない。

これは、平凡で真摯な男が生きる素晴らしさを教えてくれるストーリーだ。出世を望まず、家族を愛し、恋人を愛し、人生を愛することを信じ続ける意志の強さは、次第にそれを理解する人に伝わり、愛されるということを教えてくれる。

平々坦々と進むわりに、エンドロールが流れると、胸が締め付けられるように重い。つらい日常を歩む全ての人たちに送る、応援歌のように思えてならない。


NHKドラマみたいなんだよなぁ

映画ならではのメッセージ性が全くないですね!少しはサブカルチャー的要素やオーラが欲しいです。映画なんですから まぁボンボン監督山田洋次では仕方ないですかねぇ NHKのじゃないんだからさ まぁこの監督は危うい文化的背景を感じさせるオーラというか、映画として外に向けて発する魂のメッセージみたいな映像の雰囲気は全く感じないですねぇ。まぁそういったものを期待するのは初めから無理なんですがね この人と同世代だと大島渚や深作欣ニなどは戦後の焼け野原や経済発展や学生運動やフォークソングなど一連の社会現象や文化の移り変わりなど、その当時の世間や常識と戦ったものだけが到達するサブカルチャー系の不思議な空気感や緊張感など伝わってくるものがありますが・・山田洋次には全くないですね・・・灰色の空気感の中で研ぎ澄まされることにより何かを感じたがゆえの苦しみそして光を探し求めたある種の悲しきロマンとでも言えるようなオーラが・・ この世代特有なものとして時代を真剣に生き抜き、そして戦った生き様や誇り、意地みたいなものが・・・山田洋次から伝わるものはNHK的なものやサザエさん的なものや水戸黄門的なものばかりです。恐らくは萩本欽一に似たタイプの偽善者なのかもしれないと思ってしまうのは私だけでしょうか・・・・もしかしたら自称映画評論家の【おすぎ】や萩本欽一と同じA型の人間かもしれません


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たそがれ清兵衛 [DVD]

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たそがれ清兵衛 [DVD]
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蝉しぐれ プレミアム・エディション [DVD]

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蝉しぐれ プレミアム・エディション [DVD]
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クチコミ情報

泣けました。

原作もドラマも見てない者の感想。厳しめのレビューが多いようだが、私はいい映画だと思う。

まず、少年時代の文四郎とその友人、そしてふくたちの生活・周囲で起こる事件を、時間をかけて描いているのがよい。父と文四郎の最後の会話の場面は構図的にも面白いし、少女時代のふくのひたむきさに心うたれる。特に坂道で荷車を引く文四郎に手を貸す場面。まずここで涙腺がゆるむ。この少年・少女時代の丹念な描写があるからこそ、後半の成長した文四郎とふくとの再会、そして悔いを残したままの別れにジーンとくる。

そして斬り合いシーンのリアリズム。1本の刀で多くの人を斬れないから、多人数の敵を相手にするときは刀を多数用意しなければならないが、この映画ではその点もぬかりない。原作やドラマがこの場面をどう描いていたか知らないが、真剣勝負の迫力は十分あった。

思いを秘めたまま、運命にさからわない凛とした態度。そして農村の美しい四季。2時間ちょっとで、日本、そして日本人の原点に気づかせてくれる作品だ。


痛い…

映画っていうのは、演出だったり、カメラワークだったり…。この作品では全てが及第点に達してません。物凄く陳腐です。見続けるのが凄く大変でした。だめだこりゃ!

切なさが伝わらない蝉しぐれ・・・

映画だけあって背景は美しかったです。
市川染五郎は苦労知らずの坊ちゃん的風貌でこの主人公(文四郎)の雰囲気とは違うと思いました。彼は「阿修羅城の瞳」のような役の方が似合いますね。また、ふく役の木村佳乃はコメディタッチの映画の方が似合います。それは彼女の「笑(えみ)」が少々ふざけた感じがあるからかな、と。藤沢周平がふくが側室となって見につけた「品」を感じなかったです。

お蔭さまで、小説→NHK時代劇→この映画、と3通り楽しめました。NHKの脚本を書かれた方が監督をされたようで、NHKで7回の放映回数に合わせて詳細な解釈を入れたのとは逆に、映画では最後の対面、「ふく」と昔通りに呼び捨てることでサラリと終わらせた。NHKで思い切り「切ない」思いをさせられた一視聴者としては、やはり拍子抜けでした。甘酸っぱい切なさが伝わってこないのです。大人になったからこそ、二度と会えないからこそ、今度こそこれが最後のケジメになる切ない哀愁が伝わってこなくてとても残念でした。


おふく役に難…

おふくの子役、佐津川愛美のかわいさが全くなくなってしまう大人の配役はどうにかならなかったのか。眼の大きい浜田翔子なんか良かったかも。

少年時代は

文四郎の少年時代を演じる石田卓也さんは良かったと思いますよ。二人で父の遺体を運び坂をあがる、あの長い長い無言のシーンはこの映画の中では秀逸だと思います。そりゃ欲をいえば色々難点もあるけど、痛々しい少年の心情はよく伝わって来ました。この年令の俳優さんです。私は見事だったと思うんですよ。


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隠し剣 鬼の爪 通常版 [DVD]

山田洋次 永瀬正敏 松たか子 吉岡秀隆 小澤征悦 田畑智子 藤沢周平 朝間義隆 
隠し剣 鬼の爪 通常版 [DVD]
定価:¥ 3,990
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商品の紹介
時は幕末、庄内・海坂藩の下級武士・片桐宗蔵(永瀬正敏)は、かつて自分の家に奉公していたきえ(松たか子)が嫁入り先で虐げられていることを知り、その身柄を預かった。しかし世間の目は冷たく、やがてきえは宗蔵のもとを去っていく。そんな折、謀反の罪で投獄されていた友人の弥一郎(小沢征悦)が脱獄。家老の堀(緒形拳)は、非情にも宗蔵にその征伐を命じた…。
名匠・山田洋次監督が『たそがれ清兵衛』に続いて藤沢周平の時代劇小説を原作に取り組んだ時代劇。一見前作と似たドラマ展開だが、その実、前作よりも一歩踏み込んだ武家社会批判や、それに対する主人公たちの前向きな姿勢が汲み取れるものとなっており、娯楽的な要素もぐんと増えている。『男はつらいよ』を彷彿させる人間関係図も見え隠れするなど遊び心も多分で、また殺陣の非情なダイナミズムも今回の方が際立っている。永瀬の立ち回りも見事。前作の好評を受けて、さらなる進歩を遂げた傑作である。(的田也寸志)


クチコミ情報

原作と全く異なるあらすじに違う道を見いだしている

藤沢周平ファンで原作の大半を読破しており、本作の原作も大好きな一冊です。
本作を購入し観た時ストーリーのあまりの違いに愕然としました。
というより同じ部分を探す方が難しいくらいに違う物語になっていました。
原作の、藤沢周平に強い思い入れの在る方には抵抗を感じる作品と思われます。
原作にある特有の暗さと寡黙さとミステリー的な要素、圧倒的な強さは全く描かれていません。
藤沢作品の短編4つ程度を纏めて一つの映画としておられるのですがベースとなるのはタイトルのモノとは異なります。

しかし、原作に囚われずに映画として観ると非常に優れた佳作と感じます。
「たそがれ清兵衛」では真田広之さんと宮沢りえさんが突出している作品でしたが本作は永瀬正敏さんと松たか子さんだけが目立つ作品ではありません。
むしろ周囲の人々に強い個性を与え群像劇になっています。
殊に吉岡秀隆さん、田畑智子さんは台詞回しを含めて素晴らしい仕事を見せてくれています。
藤沢作品に群像劇は見受けられず、そういった点からもやはり本作は「山田洋次の作品」と考えるべき作品です。

徹頭徹尾貫かれる松たか子さんのお転婆だが健気な役作りにも胸を打たれました。
素晴らしい俳優陣が秀でた監督により纏められた秀作です。


3部作中もっとも辛口

最初、全体の完成度、見ごたえ、感動は、武士の一分、たそがれ清兵衛、そしてこの鬼の爪の順だと思った。ところが、2度3度と見直すうちに逆になった。

この鬼の爪が一番辛口で、2度目も3度目も泣いてしまった。黒澤を踏まえたような、笑いと凄みのコントラスト。殺陣は、さすがに清兵衛ほどの見せ場になっていないが、最後の隠し剣は、殺る側殺られる側ともに決まっていた。それに、安易ではない辛口のハッピーエンドもいい。ただ、松たか子って背が高すぎ。


お前行くなら わしゃ何処までも 蝦夷や千島の 果てまでも

『篤実に 胸に秘めたる 鬼の爪 苦労言いつけ 幸は望まず』

個人的には、藤沢周平3部作で一番好き

悪役がいて、終盤に向けて悲壮感とともに緊張が高まってくる展開がいい。そして、謎の必殺技「鬼の爪」が決まる瞬間の描写。確かに一瞬で、引き目の絵といい、下手をすると見落としてしまうほどなのだが、これが決まったときに、この映画を完全に好きになってしまった。

本当に頭を剃り、しかもそこから少し髪が伸びた状態という永瀬正敏の役作りも、ちょっと笑ってしまうほどのインパクト。きつい山形弁といい、泥臭い庶民武士のリアリティがいい。昨今のハリウッド映画のようなテンポはないし、リアリズムを突き詰めた結果か、風景も何だか地味なのだが、結末も含め、見て良かったと思える作品。


東北武士

主演の永瀬正敏さんの東北弁は、なかなかすばらしいですね、、、。他の出演者は、所々、標準語っぽい発音もありましたが、『はざま』を『はんざんま』という発音にしたり、役者陣も、相当練習したんでしょうね、、、。しかし、身分違いの恋がメインのはずが、松たか子扮する『きえ』が、苦労しているシーンがあまりにも少なくて、宗蔵達と暮らしていた頃と、商家に嫁いだ後と、どれくらい『きえ』の内面に変化があったのか、ちょっと分かりにくいために感情移入しずらい部分が、いくつかあり、最後に決闘する狭間との交流が、いまいち深く描かれていないのが、ちょっと残念ですね、、、。もっと、狭間との決闘前の平和なシーンが多ければ、かつての仲間と決闘しなければならない辛さが、もっと伝わったような気がします、、、。後、最後のセリフで、ようやく宗蔵が、きえにプロポーズするシーンで、『プロポーズが、命令なら、承知するしかない、、、。』という意味のきえのセリフが、あまり生きていなかったような、、、、言葉に出来ずも、本当にお互いの事が、好きで好きでたまらなかった風の行間(きえの涙の一粒くらい)が、欲しかったような、、、。これは、逆に3話か4話のドラマ形式にした方が、良かったような気が、、、。全体のストーリーや、配役は良かったと思います。


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たそがれ清兵衛 [DVD]

山田洋次 真田広之 宮沢りえ 田中泯 藤沢周平 朝間義隆 
たそがれ清兵衛 [DVD]
定価:¥ 4,935
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商品の紹介
時は幕末、庄内地方の小さな藩の下級武士・井口清兵衛(真田広之)は、ふたりの幼い子どもと老母の世話をするため、勤めが終わるとすぐに帰宅することから「たそがれ清兵衛」と同胞たちからあだ名される冴えない男。しかし、幼なじみ朋江(宮沢りえ)の危機を救ったことから、実は剣の腕が立つことが世間に知れてしまい、ついには藩命で上意討ちの討ち手に選ばれてしまう…。
時代小説の大家・藤沢周平の短編『たそがれ清兵衛』と『竹光始末』『祝い人助八』をベースに、これが時代劇初演出となる巨匠・山田洋次が監督。当時の時代考証を綿密に行いつつ、ささやかな家族愛や忍ぶ恋心、そしてダイナミックな殺陣シーンなどを見事に具現化している。人間本来の美しい心のありようを、決して押し付けがましくではなく、優しくささやかに問いかけてくれる、日本映画でしかなしえない必見の秀作。真田の素朴さと宮沢の清楚な美、両者の好演も特筆ものである。(的田也寸志)


クチコミ情報

何回見ても好きな映画。

あらすじを公開してしまいそうで感想を書くのは難しいです!
田中さんの鬼気迫る迫力にはまったく脱帽。
『やっぱりおぬしが来たか』と、相手の実力を認めるあたりが大物ですね。
お互いつらい目を生き抜いてきたもの同士、和やかなムードになりかけるのですが、
清兵衛が何気なく漏らした言葉が善右衛門の誇りを著しく傷つけるのです。
暗闇の中で光る眼。
そのあたりからが圧巻で、何度見ても興奮します。


静かな哀愁

真田広之よいですね。渋い。
貧乏で謙虚、欲のない武士、しかし剣の腕は一流。

静かに哀愁漂います。


哀愁と優しさに満ちた時代劇

 日本に存在する著名な各映画賞を総ナメにした、山田洋次監督の初時代劇作品。
 時代性の捕らえ方、2時間という上映時間の中での起承転結、老若男女問わずの分かり易さなど、ハリウッドやアニメにばかり目が向きがちな邦画界の面々は、括目して山田技法を学ぶべし!

 物語の舞台は、幕末の東北の小藩「海坂藩」(モデルは米沢藩らしい)。
 そこで平侍として暮らす井口清兵衛は、労咳で妻を亡くし、幼い二人の娘と、ボケの始まった母親と4人で暮らしている。生活の貧しさから内職に勤しむ必要もあって、清兵衛は毎日勤めを終えると、同僚からの遊びの誘いも断って、家路につく生活を送っていた。そんな彼の事を、同僚は「たそがれ殿」と呼び、変わり者扱いしていた‥‥‥。

こんな武士が本当に居たのかどうか、その資料の少なさから定かではないようですが、外見の貧しさがすなわち、内面の貧しさではないという一本の筋が、ヒシヒシと伝わります。そして、清兵衛の幼馴染・朋江が登場し、山田監督お得意の、純粋過ぎる位に純な恋愛模様が描かれます。
 個人的には、宮沢りえという女優は余り好きではないのですが、それは私の色眼鏡の度合いが強過ぎるだけで、可憐で優しく芯がある朋江像を、良く演じていたのではないでしょうか。惜しむらくは、ラストの泣き崩れるシーンとか、ね。この辺がもう一段、上手い演技だと感動の度合いが増すんですけど‥‥‥。

 各映画賞の新人賞を多数獲得した、これが映画初出演とは思えない、前衛舞踏家・田中泯氏の演技が、実に素晴らしい。一見すれば、怖さとか不気味さが目に付く役柄なのですが、そんな風に一括りに出来ないような哀愁が、その立ち居振舞いから溢れています。清兵衛との死闘一連と、その結末における一人芝居は、本職:前衛舞踏家の面目躍如たる顔が見えたような気がします。
 そしてそれをわざとらしい芝居に見えないよう、実にリアルな演出で彩った、殺陣シーンが初撮影とは思えないような山田監督にも、拍手を贈りたいですね。

 画はビスタサイズのスクイーズ収録。昨今の映画はCGが溢れ、デジタル編集が可能なハイビジョンカメラなどで撮影されていますが、本作品を見て「フィルムは良い!」と感嘆の声を上げてしまいました。
 本作もCGにて作成された場面は当然存在しますので、何らかのデジタル処理が施されているとは思うのですが、画面の落ち着きというか、空気感を伴う細部のぼやけ方が、やっぱりCGはCGであって、フィルムには敵わないなぁと感じました。
 この映画は明暗のコントラスト、特に中間の色合いがポイントです。

 音は、DD5.1ch、DTS5.1ch、DD2.0chの三つを収録。
 音場感や低音感、そしていつも気になるDD5.1chとDD2.0chが両方収録されているソフトにありがちな、DD2.0chの収録音量の絶対値が、DD5.1chよりも低く聞こえる(ボリューム位置を固定したまま、音声をDD5.1ch→DD2.0chに切り替えると、スッと音が小さくなる)現象がなかったので、DD2.0chの方がより自然な音と感じました。
 生活描写の各種SEなど、サラウンドの使い方も上品で、腰の据わった印象です。


貧乏ざむらい

真田広之主演です。宮沢りえが後添えとして出ています。山形県庄内藩が舞台です。学問もあり、剣にも優れているが、認知症の母と娘2人を抱え、妻には先立たれ、石高も少なく貧しいけれども、満ち足りた生活を送っている武士の話です。この武士の生き方が心を動かされるものがあります。それが、家老の命令で、ある人を斬りに行かなくはいけなくなります。断るのですが、武士社会で断れず、斬りに行くことになります。このときの相手も、武士社会の犠牲者みたいな人間でそんな2人が切り合うシーンはジーンと来ます。武士社会の話ですが、現代のサラリーマンや官僚社会の問題と同じテーマがはめ込まれています。とても面白く、社会的な寓意を含んだ映画でした。

幕末武士の悲哀

武士とは様々な映画・ドラマのように格好良いものではなく、武士間の身分の違い、主命に嫌とは言えぬ宮使いの苦悩の中で細々と生きている姿を見事に活写している大傑作である。

主人公の清兵衛は、月代も剃らぬ、風呂にも満足に入れぬ、虫かごの内職をしなければ幼い2人の娘や年老いた母の生活を賄えない程の昼行灯で貧乏侍。
しかし、一度剣を抜けば天下一流の使い手。
やはり身分の違いから恋する女性と結ばれぬ悲恋、主命による上意討ちをしなければならぬ清兵衛。

そしてラストの愛する女性との再会と、清兵衛の満ち足りた人生を回顧する娘。
見終わった後に感動と清清しさを得ることのできる、日本映画屈指の傑作である。



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クチコミ情報

三部作の中で一番良い

 山田洋次監督、藤沢周平3部作の第2作目。3つの作品で一番好きな作品。

 永瀬正敏さんの演技がとても良い。「きえは俺の刀さかけても守る!」と怒気を含んだ声で言い切るシーンが隠れた見所かもしれない。

 やりきれなさをいっぱいに感じた後は、爽快な後味を残してくれます。


シナリオが素晴らしい。永瀬が絶品。

タイトルは、鬼の爪であるが、短編「雪あかり」が入っている。
藤沢作品で私の五指に入る作品である。

芸達者揃いで安心してみていられた。
それにしても、永瀬の演技が素晴らしい。
濱マイクも見ているが、これほどうまいとは思わなかった。
後は、やはり殺陣が素晴らしかった。

武士社会、修行仲間、家族、愛する人、秘技、
生き方と己の哲学、抱える物が「たそがれ」より、
少し多く、そして「秘技」がある分、影があると思う。

どちらが好きと聞かれても困る。どちらも見るべきである。
個人的には、松たか子より宮沢りえが好みです。

永瀬の地毛の髷に感服です。


三部作だが

「武士の一文」のレビューで、よく引き合いに出されていたので、
遅ればせながら拝見させて頂きました。
これで三部作すべてを見たんだけど、重複して出演してる役者さんが多いんですよね。
チーム山田って感じ。
そのチーム山田が、「寅さんシリーズ」撮ってたというのを最近知りました。(汗)
武士三部作にも見られる、ほのぼのとした笑いは、そこから来てたのかと納得。

さて、
今回の主役、永瀬正敏さんですけど、
これ見るまではどうも印象が薄かったんですよ。
小泉今日子さんの元旦那という認識あるだけで、
演技見るのは今作が初めてだったんですが…
良い役者じゃん?!
なんでもっとメジャーな作品に出ないのか(より好みしてるのか?)
不思議に思ったくらいです。
そしてヒロイン役の、松たか子さんにしても
この作品を観るまで、演技でさえ気にも留めた事は無かったんですが…
着物も似合うし、とにかく笑顔が可愛かった!
こんな女性にだったら、世の男達は喜んで命を張るだろ!
という演技を魅せてくれてます。

個人的には、三部作の中で一番好き。
解り易い時代劇です。
気になってる方は是非!





個人的に満足

世間的には「たそがれ清兵衛」の方が評価が高いのでしょうね
僕もたそがれの方が好きなんですけど これはこれで中々良いです
最後に永瀬正敏が鬼の爪でさっとやるシーンも凄く良い
個人的にすごく満足できた映画です


其の後200年が過ぎて、例の「倫理規範体系」は如何為ったのか。

「其の後」と言うのは、17世紀前半を
舞台にした、仲代達也主演の『切腹』で
あり、其の時代の「武士道」が、
200年以上過ぎた、1860年代初めには
どうなったのか、と言う意味である。

本作の舞台は、山田洋次が監督した
前作の時代劇『たそがれ精兵衛』と
同様、幕末の東北である。

さて、『切腹』では、仲代に
「人を斬った事の無い剣術等、
所詮は、畳の上の水練」と
哂われた、太平の世の剣術だが、
本作の主人公の永瀬は、
「手入れをする時以外には、
刀を抜いた事も無い」との事である。

トクガワ・サムライ・ガバンメントが
近世日本に齎した250年間の平和は
結局の所、「鳩時計を
生み出しただけだった」。
時代は、既に1861年、アメリカ市民戦争が
始まっていて、初期タイプのガトリング・ガンが
実戦運用されている。

主人公の永瀬を始めとする
数十石の禄高の下級武士達は
「藩命」により、西洋式の
「軍事操練」の訓練を受けている。
「砲術」に始まり、西洋式の
「行進」、更に「ナンバ歩き」や
「ナンバ走り」を矯正して、
西洋式の走法を身に付けるのに
豪い苦労をしている有様。

更に、永瀬達にとって、重要な問題は
「社会共同体」内部での、
自分の立場であり、士農工商の
身分制度の手前、主人公永瀬は
互いに想いを寄せる、松たか子
と、「自由恋愛」も「自由結婚」も
出来ない。前作『精兵衛』が、
経済的事情で、禄高の低い下級武士の
真田広之が、百石程度の武家の娘である
宮沢りえと、最後の最後まで、
結ばれなかったのと、比べると、
永瀬の方は、まだ、経済的な余裕も有るし、
身分を言うならば、武士の娘ではなく、
農民の娘の松たか子にとって、
貧乏暮らし自体は、別段、如何と言う事も無い。

では、一体何が、問題なのか。事は非常に単純であり、
単なる「共同体論」的問題に過ぎない。
コミュニティの中での自分達の
ポジションが、他の共同体構成員に
認められるか如何か、と言う様な、
近代ならば、殆ど問題に為る事の無い
「身分を超えた恋愛」が、「一寸した
泣かせる話」に為って居ると言う
其れだけの事。要するに「世間様の目」
って奴を気にし過ぎているだけなのだが、
そう言う「前近代性」に、まだ
ノスタルジーを感じている日本人が
多いらしい。『精兵衛』が、『国家の品格』
の路線だとすると、此方は『バカの壁』の
路線か。

「剣の決闘」のシーンは、長くなるので
このレヴューでは割愛するが、タイトルにある
「鬼の爪」は、戦国時代に実戦で用いられる様な
代物では、丸で無かった。
此れは、言うなれば「特殊な暗器」に
拠る、非常に洗練された暗殺法であり、
刃渡り数センチ程度のナイフと
同じく、「近接戦」でなければ、
用を為さない。此れで、主人公の永瀬が、
家老の緒方拳を一撃で倒すのだが、
若しも、実戦でこの位の小刀を
使うのならば、鎧甲冑の隙間を
衝いている暇など無いので、
普通は、頚動脈を切る。敵が馬上に
居る等、間合いが遠すぎる場合は
別だが、近接格闘戦ならば、
敵が鎧を着ていても、首の周りは
隙だらけなので、頚動脈を狙うのは
必定である。しかし、この映画では
戦闘の「場所が場所」である。城内の廊下で
緒方拳の頚動脈を切ったら、
辺り一面血の海になるし、
永瀬本人は確実に返り血を
浴びるだろう。其処で、「鬼の爪」の
出番である。幸い、太平の世が続いた
自分の藩内の城中なので、
緒方拳は甲冑などは付けては居ないし、
油断し捲くりであり、永瀬との
距離にして、数十センチの所まで
近づいて来てくれる。永瀬は、羽織袴だけの
緒方拳の心臓を、ピンポイントで
衝くのだが、「鬼の爪」の
構造上の特殊性と、永瀬の「衝き」の
訓練の賜物で、緒方拳の胸には
出血らしい出血が、殆ど無いまま、即死に
至らしめる。

此処で描かれているのは「暴力の洗練」である。
「社会的な場」を超えた所で
実行される、純然たる「力」が、
如何なる精錬加工も施されては居ない
「純粋なる『原』暴力」であるのに
対して、或る「文化的なコード・システム」に
支配された「社会的構造体内部」では、
其の「記号体系」に基づいて
ソフィスティケイトされた
「記号的暴力」を実行しなければ
為らない。関が原以前の戦国時代から
比べれば、江戸末期日本の社会自体の
成熟とも考えられるし、観客の中には、
「此れでは、藤枝梅安と
同じ。」と受け取る者も居るだろう。
しかし、この映画の時代は
『仕掛人梅安』よりも、更に
後なのだから、19世紀後半の
「文化的な場で行われる『戦闘』」と
言うものが、この位洗練されているのも、
当然かも知れない。

何れにしろ、映画前半場面で
「時代状況」を田中邦衛に語る
永瀬の台詞の中に
「源平以来、700年に
亘り、刀と槍、弓矢しか使わない
戦闘を、ずっと続けて来た」
と言う言葉が、有るとおり、
カノン砲や、ライフル銃、
そして最初期の重機関銃も
実用化されている1860年代の
戦争が、片方に有り、もう
片方に、西洋諸国が既に実際に戦っている
「生の戦争」とは異なる、鎖国社会日本の
極めて特殊な状況下で戦われる
「文化的洗練を受けた江戸末期の『戦闘』」が
有ると言う「二重写し」の
「幕末期日本」を描いた映画だが、
もう一つ、「剣での果し合い」と言う
17世紀初頭の戦闘形式まで、
絡んで来るので「三重に錯綜した
1860年代近世日本の『戦争の絵姿』」が
描かれているとも言える。
そして、最も重要な事は、この
「トリプル・シゾフレニック」な
戦闘を、主人公の永瀬、詰まり、
「一人の人間」が、3つの次元で
重層的に「戦う」と言う事である。

恋愛や人間関係は、「前近代的」で
単純極まりないし、山田洋次と言う人は
「悪人を描く事が、殆ど出来ない」らしいので、
兎に角「時代状況と『戦闘』」の
部分が、「錯綜的」と言えるほど
複雑な描き方・・何しろ、700年分を
圧縮して描こうとしているので
当たり前なのだが・・其れが、滅茶苦茶な
「複雑さ」を提示しているのに対して、
人間関係を中心としたドラマトゥルギー部分は、
すっげーシンプルなのである。



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商品の紹介
時は幕末、庄内・海坂藩の下級武士・片桐宗蔵(永瀬正敏)は、かつて自分の家に奉公していたきえ(松たか子)が嫁入り先で虐げられていることを知り、その身柄を預かった。しかし世間の目は冷たく、やがてきえは宗蔵のもとを去っていく。そんな折、謀反の罪で投獄されていた友人の弥一郎(小沢征悦)が脱獄。家老の堀(緒形拳)は、非情にも宗蔵にその征伐を命じた…。
名匠・山田洋次監督が『たそがれ清兵衛』に続いて藤沢周平の時代劇小説を原作に取り組んだ時代劇。一見前作と似たドラマ展開だが、その実、前作よりも一歩踏み込んだ武家社会批判や、それに対する主人公たちの前向きな姿勢が汲み取れるものとなっており、娯楽的な要素もぐんと増えている。『男はつらいよ』を彷彿させる人間関係図も見え隠れするなど遊び心も多分で、また殺陣の非情なダイナミズムも今回の方が際立っている。永瀬の立ち回りも見事。前作の好評を受けて、さらなる進歩を遂げた傑作である。(的田也寸志)


クチコミ情報

印象的

リバイバルで映画館で観ました。初めて時代劇を観ました。すごく引き込まれてしまいました。
永瀬さん演じる主人公がとても魅力的。冴えない感じですが、凛とした佇まいで重みがあります。吉岡さん演じる友人とのやりとりは軽快。周りを固める俳優陣も全く違和感ありません。
信念を持って生きることは素晴らしいなと思いました。


複雑に織り上げられた作品

「たそがれ清兵衛」との類似性をよく指摘されていますが、実際の内容は全く違う所にあると思います。藤沢周平の士道物自体、上意討ちを扱いながら、読後感が全く違う作品が複数あるのと同様ではないでしょうか。

主人公の片桐宗蔵とヒロインきえの、日常生活の営みの細かい描写、友人や家族・親戚とのかかわり、それは温かくや時にコミカルな印象さえ受けるのですが(嫁を貰えない宗蔵をなじる叔父達の描写には何度見ても噴出してしまいます)それでいて、主人公は三部作の中でもっとも苛烈な立場に置かれます。
宗蔵自身は、変化を求めず、淡々と、周りの人を大切にして生きることを望む人間でありながら、です。


時代の流れ、身分の違い、侍としての生き様、そして「隠し剣」。この作品の中で描かれているものは多く、複雑に絡み合っています。初見はとらえどころが無い印象を受けるかもしれません。
ですが、どこに注目しての観賞でも、この作品の中に漂う穏やかさや端正さは、心に残るものだと思います。

永瀬正敏さんは感情を抑えながらも、静かに浮かび上がる演技で素晴らしいです。作品中の複雑な要素は全て宗蔵の上に掛ってくるのですが、それらを佇まいの上に纏め上げていました。
どちらかというとトリッキーな役が多い人ですか、「息子」や「学校2」同様、自身の個性を生かした役ではないでしょうか?
細かい描写ですが、神戸浩さん演ずる中間の直太へのさりげない温かさの表現が記憶に残ります。
松たかこさんのきえは、大らかで明るい女性。吸い込まれそうな大きな瞳と、歌うような庄内弁の響きが印象的です。
吉岡秀隆さんの島田左門も愛すべき個性の持ち主。確実な存在感を残しています。
親友であり敵の狭間役の小澤征悦さんは眼差しに凄みがあります。この作品の不満は、後半の核となる狭間と片桐の相克の描写がやや説明不足であるということでしょうか。
しかし、二人の対峙は、「死地」と表現した藤沢氏の文章を思い起こすものだった思います。


山田作品の最高傑作

先日、金曜ロードジョーで観ました。 素晴らしかったです。 特に最後のシーンが。 ここまで画面の隅々まで一分の隙の無い程作品世界で塗り固められる映画監督が日本に他にいるでしょうか?

「映画芸術」という言葉を思い出させてくれました。

山田洋次監督の時代劇は、娯楽であり芸術作品とも思える様式美が備えられていて「映画芸術」という言葉を思い出させてくれます。昔の武士も今のサラリーマンと同じような境遇だったのだな、と思ったのですが、よく考えると時代劇を借りて、現代を描いていると見るべきなのでしょう。それほど、山田洋次監督作品はリアリティーがありますね。さらに、きれいな日本の風景や美しい日本人像を描いていてくれて、優れた日本映画を求めておられるお気持ちが画面を通して伝わってまいりました。山田作品の現場は大変だと聞きますが、主演の、永瀬さん、松たか子さんをはじめ、どの出演者の方も最高だと思います。それに付け加えて、一部の隙もなく緩んだところもない画面の美しさが本当に素晴らしいです。映画を連続する絵と感じられる作品です。

北の方さ行ぐごど、ね、もうすぐ維新でがんす

 どうにも、後味の悪い映画になってしまって、「片桐」と「きえ」の先々もまた心配。片桐が禄を藩に返したと見られる文久辛酉年は、1861年。1868年が明治元年だから、もう数年もすれば、維新である。廃藩置県は、1871年。今、蝦夷へ行って商いの経験もない者が愛する者と共にとは言え、商売をして幸せになれるという心算はあるのか。

 既に他のレビュアーの方が述べていたが「演技は素晴らしいと思います。内容ですね」。このような、映画館から出ときに、吐息混じりの声が自然と出てしまいはしないか。全体像からの印象だが、出演者はこの主人公二人以上に、見た目のなり、手足ばかりでない演技、ことばの発し方等々において優れていた。一例だが、表情の乏しい片桐と狭間の立ち合いでは、狭間のぼろぼろの褞袍姿が勝っていたと見るのが自然だ。
 身長165cmの大柄のきえを背負うシーンが欠かせないものなら、それなりの配役が欲しかった。病の身でしがみつく手は撫で肩から滑り落ちそうで、垂れ下がる足は床に付きそうで、腰を深くして見ていられない。あるいはまた、小間物屋でのきえは、片桐が言うほどにやつれていたか。少なくとも、やつれた黒髪と表情であったか。かつ、そのような努力がほとばしっていたか。

 山田監督はもう若くはない。作れる映画にも限りがあろう。国際映画祭向けの作品作りなら、日本人以外の文化的・歴史的・宗教的な背景を考慮したもので一発狙っていただくとして、私達が映画館の終了のブザーが鳴り、館外の光と空気に触れたとき、より高次の心持ちになれるような時代劇が生み出されることを期待する。

 本DVDは、特別版のせいだろう、メイキングが大量に付いている。子供向けの菓子ではあるまいし、期待はしていなかったが、あまり褒めたものはない。以上、辛口は山田監督リピータ由に。



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勝新太郎主演で知られる名作時代劇に、世界に冠する北野武監督が挑んだ話題作。今回、北野武=ビートたけしが演じる盲目のあんま、座頭市は、なんと金髪。しかも仕込み杖は朱塗りというところがしゃれている。内容の方は、凄腕の人斬り服部源之助(浅野忠信)とおしの(夏川結衣)夫婦や、遊び人の新吉(ガダルカナルタカ)、そして美しい旅芸人姉妹などと市が出会い絡み合っていくというもので、注目の期待の殺陣シーンは十分合格点だが、特に浅野忠信の殺陣が実にお見事であった。
総体的に、勝新太郎版をさほど彷彿させず、むしろコントもあれば歌も踊りもあるといった往年の娯楽時代劇を多分に意識した作りになっているのが成功のポイントだが、結果として時代劇と呼ぶよりも、むしろソード・アクション・エンタテインメントとでもいった雰囲気を醸し出しているのが、今の時代ならではというべきか。(的田也寸志)


クチコミ情報

ハリウッドの武士道マニアはコレで学べ!!

北野作品は映画マニアなので当然全部制覇している。この座頭市は日本では公開初日に観に行ったし、当時パリに行った時もわざわざ一人で観に行った。
北野作品のなかでも非常に娯楽性の高いのが本作である。
浅野忠信が出ていることが今回最大の特徴といえるだろう。いままでになかった試みだ。話は至って簡単で、悪が正義にやられるというだけのものであるが随所に北野作品特有の演出がある。
まずはタイトルバックで驚かされる。筆で書いた『座頭市』の文字。赤く強く書かれたそれはまさに女子供はお断りといった雰囲気の男気を感じる。
そして殺陣。ものすごい速さで切っていくのも今までになかった時代劇だ。時代劇というよりもバイオレンスな活劇に近い。ヤラれる敵も半端じゃない量の血しぶき(CG)をあげる。まさにこれはブレイド(ウィズリースナイプス主演)ではないか!
思えばあれもある意味すごい作品だった。『黒い舘ひろし』との異名を持つウィズリースナイプスが日本刀を持ち盆栽を育てている時点で宇宙を感じたのは僕だけではないはずだ。まさに履き違えた武士道。
履き違えた武士道といえば『ゴーストドッグ』も捨てがたい。動ける黒いデブであるフォレストウィティカー(出演作 フォーンブース、パニックルーム、スモーク、フェノミナン・・etc)が「葉隠れ」を愛読し、真剣を素振りする様にもおなじく異様な緊張感を感じた。
しかし、この座頭市はまじりっけなしの男の中の男が創る武士道がある。日本人でなければこの空気はきっと作れないだろう。
そしてタップとの融合。
タップしているだけなのに泣けてくるのはなぜだろうか。ラストは必見である。
この作品を観てタップを習おうとした者がどれほどいるだろう。
僕もその一人だ。


http://www.yoyogicafe.com/


久しぶりに観たわ〜

舞台そのものを映画の中に詰め込んだような感覚。
座頭市の侠気ストーリーはこれからもリメイクされていくんでしょうね。


タケシ映画にしてはまし

クソ映画しか撮れない能無し監督としてはましな方だと思います

これぞエンターテイメント時代劇

まさにエンターテイメント時代劇という表現がピッタリの痛快娯楽作品。
金髪の座頭市はビートたけしが演じるからなのか、不思議と違和感を感
じません。
スピーディで流暢な殺陣は見応え充分だし、アクションと笑いが上手く
融合してると思います。ラストのタップも時代劇とは到底かけ離れた
もののはずなのに、これまた祭りのワンシーンとして違和感なし。
本作で北野武監督流の時代劇をもっと観たいと思った人は結構多いので
はないんですかね?
個人的にはたけしが演出する「忠臣蔵」なんか観てみたいです。




エンタテイメントとして一級品

明るい日差しの中で雨に打たれながらの殺陣、
石灯籠も切り裂く刀など、
現実にはあり得ない所作もリアリティに描いている、エンタテイメントの一級品。


座頭市と対峙する浅野忠信の存在感もいい。
悪役もそのクセの強さで引けをとらない。

殺陣がカッコいい
演技も素晴らしい
妙に肩の力の抜けた笑い

ラストの大団円(タップダンスを初めとする踊り)

これだけの要素をそつなくまとめ上げた監督の手腕には脱帽。
素晴らしい作品です。



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クチコミ情報

ジャンルを超えた、とんでもない逸品

ほとんどこれは、「わび、さび」の世界
でないでしょうか。時代劇にありがちな
説明を極力排しています。ネタばれで
書けませんが、殺伐なんて言葉では表現
できないリアルな殺陣。台詞のやり取
りに鳥肌が立ちました。
「憂い」の返答は、ストーリー全部を
飲み込む圧倒的せつなさでしかありません
でした。
この後の、山田監督=藤沢作品は大変でしょうね。



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