TOP > Amazon 関連商品検索  

晩春 [DVD] COS-021

小津安二郎 笠智衆 原節子 月丘夢路 杉村春子 青木放屁 宇佐美淳 三宅邦子 三島雅夫 坪内美子 桂木洋子 
晩春 [DVD] COS-021
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 580
『晩春 [DVD] COS-021』の関連商品を見る
クチコミ情報

美しい国、日本

小津安二郎「紀子三部作」の1作目。嫁ぎ遅れの娘(原節子)とその娘を心配する父(笠智衆)の交流を親密に描いた本作品は、“近親相姦一歩手前のあぶない映画”のような評価のされ方をしている。これが普通のホームドラマならば、自分がお嫁に行った後一人残される父親とそれを心配する娘の間に、亡くなった母親の回想シーンなどワンクッション入れたりするものだが、母親はおろか紀子が結婚するお見合い相手も、小津は一切登場させていない。

後妻をもらった叔父さんを「汚らしい」と言ったり、「(お嫁に)行っちゃえばいいのよ」と結婚を促す友人に怒りとも思える感情を爆発させる紀子。しかも、お見合いを勧める父親には、「私このままがいいの。お父さんとこのまま一緒が一番楽しいのよ」なんて台詞を言わせるし、有名な狂言観劇シーンで後妻候補を盗み見する原節子の視線に明らかな殺意がこもっている。そんなこんなで、こりゃ度のすぎるファザコン娘の話なんじゃないかと観客(特に外国人)は想像せざるをえないのだ。

結婚前に訪れた京都の宿で一つの部屋に布団を並べて父と娘が眠るなんて行為も、当時の習慣からすればある意味“異常”であり、論争まで引き起こしたという“壺”にいたっては、紀子の性倒錯的欲求不満のシンボルなどと揶揄されてもいたしかたない演出を、あえて小津は選択している。笠智衆が「泣けませんなぁ」と断ったラストで、もしも周吉が監督の指示どおり号泣していれば、「やっぱり、あんたもそうだったの」と納得して終りなのである。

前年に東京裁判があったばかりの敗戦後間もない頃に発表されたこの映画には、GHQ占領下であることを全く感じさせない日本の美しい原風景がおさめられているが、紀子が頑なに守ろうとした(近親相姦的とも思える)純潔と重なってみえなくもない。だとすればこの映画、占領下政策によってアメリカに次々と“股を開いていく日本”に汚らわしさを感じ、<美しい国、日本>の復権を試みた小津のささやかな抵抗とみることはできまいか。


怪獣映画より面白いな!(^^)!

こんな父娘が、いて こんな会話してたら、怪物君だ。演出さんも役者さんも
異常ですよ。怖い怖い映画です。Cinema Scapeがとっても言い
タイ放題でためになりますなぁ。http://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=1766


萌えアニメにリライトできる

父と娘の家庭。
父は娘が(嫁に)行き送れることを心配しているが、娘はこれからもずっと父と一緒にいたい。
それどころか、潔癖症で、妻を亡くした男性が再婚することを「不潔」とすら思っている。

「私は結婚なんかせず、ずっとお父さんと一緒にいたいんです。」
この設定だけで、「今の萌えアニメにリライトできるんじゃね?」と、アホなことを思ってしまう。

この映画は、その後の日本のホームドラマの一種の教科書のようなものになりました。
この作品に限らず、小津監督の映画は、半世紀前の日本と日本人のサンプリング、記録のようなものだと思う。
資料性すら感じてしまう。

その他、
・「壺のカット論争」については、蓮實重彦の意見に賛成です。
・ラストシーンは、笠智衆が唯一、小津監督の演出に反対したのだそうです。曰く、「明治生まれの男は、簡単に泣いたりはしない」
・昭和24年(1949年)の鎌倉、北鎌倉、江ノ島近辺が見られます。松竹の撮影所が現在の大船の某マンション群がある場所にあったためなどからです。
・米軍占領下の日本なので、そこら辺も伺えるシーンがあります。


理屈をこねず、原節子の輝きを味わいましょう

 仲の良い父と年頃の娘が迎える縁談話を扱ったストーリー。ジェンダー批評の視点を取らずとも、ヒロインがあまりに父親思いの清楚な娘であるところが、限りなく男目線の映画ではある。(ただし、父離れできない娘に対する父親の優しさが、そのような薄っぺらな批評をかなりの割合で帳消しにしてくれるのが救い。)

 そして、この脚本を支えるべくその魅力が全面的にフィーチャーされている原節子は、モノクロ映画ながら輝くばかりに美しい。和装&洋装のギャップ、酒の相伴シーンでのオヤジ殺し、海辺の自転車デートでの爽やかな色気、等など、彼女の魅力に完全にオンブした構成になっている。が、それで良い(笑)。

 なお、父娘の感情の機微を過剰に読み取ろうとしたポストモダン批評の象徴的事例として、終盤の京都旅行のシーンで現れる「壷のシルエット」を巡った論争がある。(詳細は日本版wikiを参照。)色いろな解釈が述べられてきたシーンだが、そこに精神的な性的関係を読み取ろうとする解釈も結構行われている。が、やはり普通に余情を盛り上げる1風景カットとしてみるのが自然だと思う。

 80年代のポストモダン映画批評が無いと小津シネマの再発見など無かったことは確かだが、どうも偏愛の果てに妙ちきりんな議論にこの映画は晒されている気がする。大根スレスレな老け芝居を見せる笠智衆演じる父親のように、素直に原節子の魅力を愛でながらストーリーのやるせなさを味わえれば、それで十分良いと思うのだけど。。

 星が1つ足りない理由は、僕が考える小津シネマの魅力は、ほのぼのしたヒューマニズムと冷徹な社会派リアリズムのバランスにあるのだが、この作品では後者の要素が無い。だから興業的に成功したということもあるのでしょうが、この点が個人的に減点対象でした。が、しみじみした良い映画だと思います。


最高に輝いている原節子に接することのできる、お得な作品

小津安二郎の最高傑作といえば東京物語を挙げる人が多いでしょう。私も異論はありませんが、小津安二郎が原節子を起用した作品で一番好きなのはどれかと問われれば私は本作を選びます。父から離れたくないと心情を吐露する娘に、父が幸せは夫となる人とこれから作っていくのだ、それが歴史の順序だと諭す場面がハイライトとなる、縁談を巡る父と娘の物語。様々な本等で解説されているので私のやぼなレビューは短く切り上げますが、最初1/3ほどの原節子の笑顔がほとんど途切れない場面の連続に惹かれます。それと戦後すぐの人の少ない鎌倉の風景(特にサイクリングの場面最高!)等、高度成長期に突入して変貌をとげる前の古きよき日本の描写が魅力的です。

それにしても、この名画のDVDをこの低価格で入手できるとは! 著作権が切れた影響が大きいのでしょう。松竹が出していたDVDを観たことはありませんが、本作の画質は悪くありません(少なくとも昔に銀座並木座等で繰り返し観た画面より遥かにきれい)。音質はさすがに昔の映画故S/N比の点で仕方ない面もありますが、一応ドルビー・デジタルです。パッケージを開けるとディスクが1枚入っているだけの素っ気なさですが、お得な1枚であることは間違いないでしょう。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:麦秋 [DVD] COS-022 | 東京物語 [DVD] COS-024 | お茶漬の味 [DVD] COS-023 | 父ありき [DVD] COS-018 | 戸田家の兄妹 [DVD] COS-017 | 
関連商品を探す:『晩春 [DVD] COS-021』

お茶漬の味 [DVD] COS-023

小津安二郎 佐分利信 木暮実千代 鶴田浩二 笠智衆 淡島千景 津島恵子 三宅邦子 柳永二郎 十朱久雄 望月優子 
お茶漬の味 [DVD] COS-023
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 550
『お茶漬の味 [DVD] COS-023』の関連商品を見る
クチコミ情報

正調日本語物語(^_^)v

 ストーリーはさておき、会話の楽しさ、茶目っ気のある姉さん達。
何とも可愛いですね。人が楽しく暮らしていくことの見本のような物語。
世知辛い今の暮らしと比べ何と楽しいのでありましょう。感心しきり


小津監督映画屈指の、心に染みる名場面・名台詞

1952年の作品。白黒。心に染みる名場面・名台詞が多く、小津監督の映画の中で私にとってベスト5に入る作品だ。小さな危機を迎えた夫・茂吉(佐分利信)と妻・妙子(木暮実千代)が、映画終盤でひょんなことから深夜にお茶漬けを作り、茶の間に運び、お茶漬けをすすりながら会話をし、夫婦の絆を確認する二人芝居が見事。自分の勝手な行動を謝り、夫が好む、遠慮や気兼ねのない気易さがやっとわかったと云う妻に対して、夫は「もう何も云うな。」と制し、「夫婦はお茶漬けの味なんだよ。」と夫婦の本質を語り、お前と一緒になって今日ほどうれしいことはない、と心情を吐露する名場面だ。名台詞・名場面は他にもあり、例えば見合いを封建的だと嫌がり、恋愛にあこがれる節子(津島恵子)に対し、登(鶴田浩二!)が、大きな神様の目から見ればどっちだって同じ、と語る場面。最後に妻が職業婦人の友人・アヤ(淡島千景)達との会話で、妻は夫の一部しか見ていない、夫は家では鈍感に見えるが、外では競争が大変なんだと夫達を見直す場面。妙子が節子に対して、婿選びでは、外観ではなく、男の人の頼もしさが一番大切だと説く場面。シンプルだが今にも通じる箴言が多く、現在夫婦である人、これから夫婦になる人には是非観てほしい映画だ。

華やかな女優の競演はもちろん、妻の小さな嘘を見抜きつつ、妻を大きな愛情で包む、朴訥な頼もしいサラリーマンの夫を佐分利信が好演。彼岸花と違って、節子の見合い嫌いに理解を示す役回り。小津映画の基本パターンは本作でも踏襲され、小津ワールドに心地よく浸れる。戦後の銀座、大磯駅、後楽園球場等に加えて、パチンコ、競輪等のサラリーマンの娯楽の情景が織り込まれており、興味深い。笠置衆は、茂吉の戦友・パチンコ店の主人役。戦後の復興の中でも戦争の陰は本作でも微妙に投げかけられている。茂吉のパチンコ論も面白い。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:麦秋 [DVD] COS-022 | 戸田家の兄妹 [DVD] COS-017 | 晩春 [DVD] COS-021 | 長屋紳士録 [DVD] COS-019 | 一人息子 [DVD] COS-016 | 
関連商品を探す:『お茶漬の味 [DVD] COS-023』

東京物語 [DVD] COS-024

小津安二郎 笠智衆 東山千栄子 原節子 杉村春子 山村聡 三宅邦子 香川京子 東野英治郎 中村伸郎 大坂志郎 
東京物語 [DVD] COS-024
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 580
『東京物語 [DVD] COS-024』の関連商品を見る
クチコミ情報

原節子と杉村春子。

 小津安二郎作品は、『お茶漬の味』『秋日和』『晩春』『麦秋』『東京暮色』『お早よう』と結構観ているのだが、どれもこれも退屈だった。小津作品は「退屈」と言いながら何作も観ているのは、「東京山の手モダニズム」的な美意識に共鳴したからかもしれない。今作の『東京物語』もあまり期待しておらず、美しい風景を映したドキュメンタリー的な映像だし、内容は平凡なホームドラマだが、何故か飽きずに観られた。

 今作の小津安二郎の一番の功績は、原節子を綺麗に撮ったことだろう。小津安二郎と原節子が組んだ作品は、『秋日和』『晩春』『麦秋』『東京暮色』と結構観ているのだが、あまり魅力的に見えなかった。しかし今作の原節子はとても美しく見えた。西洋美人的な美貌と、「日本の聖女」「永遠の処女」的イメージを最大に活かした演出が良いアクセントになっているので、「わたくし、ずるいんです。どこか心の隅で、何かを待っているんです。ずるいんです」と笠智衆に告白して泣くシーンが衝撃になるのだ。あのシーンで泣きそうになった。
 杉村春子は、類型的なキャラが多い中で、今作で唯一「役を生きている」「役に命を吹き込んでいる」俳優で、実際にいそうな女性だとリアリティが感じられた。いつも上手い。杉村春子が泣くシーンにも泣きそうになった。


杉村春子さんだけ普通かも(‾o‾)

杉村さん演じる姉さんは、市井にいくらでも棲息してると思います。
その他の方々の役は、異常かもと思いますが、何回観てもどこがいいのか
全く解りません。よく解らなくて普遍だから全世界で観てもいいのでしょう。
何が何だか解らない謎だらけの物語です。原節子が美人とはどうしても
納得いきません。あのオホホ笑いは、恐ろしいです。皆さん普通の映画を
楽しみましょう。邦画に、良い映画たくさんありますから。小生は、
酩酊して、原節子に同化しながらでないと、素では観れません。(T_T)


DVD商品として・・・・。

作品自体は他の方々が御書きになっている通り、映画史に輝く名画である。
しかしながら、このDVD、チャプターなし!ビックリ!
まあ、このような名作がこんな有難い価格なのだから、チャプターの有無をどうこう言うのは野暮かもしれないが。


冷めきった「ホーム・ドラマ」。

 個人的には学生の頃に初めて見て以来、何度か観ているはずなんだけど、社会人になって親を失くしてから観た今回が一番印象に残った。(当たり前か。。)この映画の中の子供達の身勝手さ加減には本当に腹が立つんだけど、実際、それに近いことを犯してしまった経験を僕は持っている。そして、その後悔は二度と取り返しがつかない。

 誰もがそれぞれにとって「家庭」という言葉に纏わる人生ストーリーを持っていると思うが、大抵の後悔やドラマは投影できるくらいリアルなストーリーにこの映画は仕上がっている。「ホーム・ドラマ」=「ほのぼの」という構図は、単に頭の悪いテレビ・ドラマ脚本家の一群が作った弊害であるということがよく分かる、どこまでも冷め切ったホーム・ドラマです。このやるせなさが、小津シネマの味なんですよね。


小津監督の映画は数多いけれど

小津監督の映画は数多いけれど、「東京物語」は「早春」と並んで最高傑作だと思う。かつて世界中の映画監督が集まって映画史上の10大名作が選ばれていた時に、必ずと言っていいほどその中の一つに選ばれていたのが東京物語だった。これほど日本的な映画でありながら、世界中の人々の心を打つのには、やはり親子の絆や、人間の情の厚さや脆さといった普遍的なテーマを現実的に、かつ淡々と物語っているからだろう。特にラストシーンは圧巻で、チャプリンの「街の灯」やキャロル・リードの「第三の男」に匹敵する名シーンだと思う。

蛇足になるが、最近、昭和を扱った映画が多い中で、CGも安っぽいメイクもない、本当の昭和がこの映画の中に凝縮されているというのも是非、昭和を知らない世代の人々には見て欲しいところだ。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:晩春 [DVD] COS-021 | 麦秋 [DVD] COS-022 | お茶漬の味 [DVD] COS-023 | 父ありき [DVD] COS-018 | 一人息子 [DVD] COS-016 | 
関連商品を探す:『東京物語 [DVD] COS-024』

戸田家の兄妹 [DVD] COS-017

小津安二郎 高峰三枝子 藤野秀夫 葛城文子 吉川満子 斉藤達雄 三宅邦子 佐分利信 坪内美子 近衛敏明 
戸田家の兄妹 [DVD] COS-017
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 550
『戸田家の兄妹 [DVD] COS-017』の関連商品を見る
クチコミ情報

肉親とは(‾o‾)

 利害が絡むと殺戮にまで及ぶ肉親の修羅場が、理性と分別によってバランスされた時、
この物語の真価があるように思います。受け入れることの大切さを思い知らせれました。
小津監督さん、お見事。『出来ごごろ』も併せて推薦。父子のとっても素敵な物語です。


小津監督が描く「細雪」の世界といったところでしょうか?

1941年、戦争前の作品なのに、そんな感じがまったくうかがえません。裕福な家族が、家長の死をきっかけにばらばらになっていくという作品です。
佐分利信、高峰峰子の若いのにはびっくりです。
話の筋は別としても、戦前のお金持ちの生活、 着物が主流の生活、生活の日常がわかります。
女姉妹は4人ですし、「細雪」のイメージとダブリます。ちょうど、谷崎潤一郎が「細雪」をかきだしたのもこのころですので、妙にダブって見ていました。作品がカラーだったら、よかったのにとおもいました。


結婚を迫られる男

笠智衆は、後期小津作品にあっては、『父ありき』以来、『お早う』や『麦秋』
といった作品を除けば『晩春』で代表されるように、一貫して、妻を亡くした
男やもめの役をやっています。
『東京物語』でもこの役柄に忠実に最後に東山千栄子と死に別れることに
なります。
一方、佐分利信は、『父ありき』、『お茶漬けの味』、『彼岸花』、『秋日和』
といった出演作品を思いだしてみれば、小津作品では、結婚して妻がいることが
はっきりとわかる存在です(ただし『父ありき』では、同窓会のシーンで間接的
にそうとわかるだけです)。
このことは、『秋日和』で例の三人組を構成する北竜二が、男やもめであること
や、中村伸朗は『東京暮色』では山田五十鈴とどうみても正式に結婚している風
ではないことから比較しても徹底しています。
この『戸田家の兄妹』の佐分利信は独身ですが、物語の最後に、妹の
高峰三枝子から結婚を迫られ、相手が唐突としか思われない現れれ方をする
あたりなど、『東京物語』の笠智衆の設定と深い関係があることがわかります。
映画の最後で、一人で海辺にでかけるあたりも徹底しています。

なお、映画の中で、佐分利信は遅刻の常習犯として描かれ、父の一周忌にも
遅れてやってくるところは、再び『秋日和』の冒頭、旧友の七回忌の場面でも
使われています。

小津映画では、戦争が終わって海外から戻ってくる人物はいますが、
佐分利信が『お茶漬けの味』とこの作品で海外に出かける準備をしている
シーンを見るのは、小津作品ではきわめて異例です。

佐分利信のことばかり触れましたが、戦前の小津映画であり、小津のスタイルを
戦前と戦後に安易に分けることが間違いであることを納得させる不思議な
作品です。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:父ありき [DVD] COS-018 | 一人息子 [DVD] COS-016 | お茶漬の味 [DVD] COS-023 | 長屋紳士録 [DVD] COS-019 | 風の中の牝鶏 [DVD] COS-020 | 
関連商品を探す:『戸田家の兄妹 [DVD] COS-017』

父ありき [DVD] COS-018

小津安二郎 笠智衆 佐野周二 津田晴彦 佐分利信 坂本武 水戸光子 大塚正義 日守新一 西村青児 谷麗光 
父ありき [DVD] COS-018
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 550
『父ありき [DVD] COS-018』の関連商品を見る
クチコミ情報

肉親とは何か

 肉親とは...この一言につきると思います。『出来ごころ』の坂本武さんと本作の坂本さんの『鶏先生』。誠に素晴らしい。人生とは、普遍のテーマであることを深くしみじみと味わいましょう。小津監督さん、これもいいですねぇ。

男達の「仕事と家庭」、そして。。

 1943年、太平洋戦争中の作品。「一人息子」が母と息子を描いた映画なら、この映画は父と息子を描いた話である。仕事のため全く一緒に暮らせない父子関係と対比的なタイトルも意味深長だ。東京と地方の対比、学歴信仰、親子のすれ違いと愛情、サラリーマン人生など、他の小津作品と同じエッセンスが見事に凝縮された作品世界は相変わらず見事だ。「職業人≒男」だった時代柄か、徹底して男しか出てこない珍しい映画でもある。

 川のように静かにストーリーが流れる他の小津映画に比べ、時間と舞台がテンポ良く進む本作品の編集は、目まぐるしく転がっていくしかない現代職業人の生き方を表してるようだ。(節目に出てくる川釣りのシーンの象徴的なこと!)60年以上前の作品とは到底信じ難いこのリアリティから、小津の卓越した才能はもちろん、日本の産業社会化は高度成長期の遥か昔から始まっていたということも確認できよう。

 脅迫観念に駆られたように父子の葛藤や家庭の崩壊を描くことが「ステレオタイプ」になったここ20年程の映像作品に比べ、仲の良い父子の愛情を素直に描いた本作品は逆に新鮮だ。(教師と生徒の触合いにも同様の新鮮さを感じる。)

 ほのぼのとしたストーリーと並行して現実の重さを描ききるのが小津映画の特徴だが、本作品では比較的リアリズムとヒューマニズムのブレンド具合が後者に偏っている。このブレンド具合は、仕事に疲れた現代人にオススメの一本といえよう。しみじみ味わえますよ。

<余談>
 この映画の細部を読解していくと、「仕事と家庭」に「戦争」というテーマが巧妙に重なっていることが分かる。(詳しくは1度通して見た後にネットで検索してみてください。)厳しい検閲を綿密な計算で通した構成から、小津映画の最高傑作としばしば評されるのも頷ける。

 仕事人間のための家庭映画としてほのぼの楽しんだ後、反戦映画としてもう一度見ることができるという、驚愕の映画。


人生観が変わりました

 本作は昭和17年製作、つまりは戦時中の作品でありながら、それを示唆するものは一切出てこない。軍服を着た通行人すらも。それだけでもある意味驚異の映画であると思う。それでは何故これで当時の検閲を通過したかというと、メインテーマの「父親の権威」を隠れ蓑にしているからと伝え聞いた。もう少しあとの黒澤の「一番美しく」や木下の「陸軍」などが、軍のプロパガンダに安易に迎合した(させられた?)ために、芸術としての価値をいかに貶めているかを考えると、本作の孤高の地位は際立っていて、やっぱり驚異の映画としか言いようがない。
 
 もちろん映画としての出来も超一流。本人同士の意志に反して離れ離れになって暮らさなければならない笠智衆と佐野周二父子の愛情を極め細やかに、かつ叙情的に描いている。笠智衆は本作が初の老け役。それと当時の日本人がいかに礼儀正しいひとたちであったかが、本作を観るとよくわかります。それは検閲のせいであると反論するひともあるだろう。しかし昨今のTVや映画における不快で下品な言葉遣いにもはや吐き気が出るほどウンザリしている私にとって、本作には文化のオアシスのようなものを感じることができるなんて言ったら言い過ぎか?

 戦前戦中を左翼的歴史観の影響で「暗黒の時代」と一方的に決め付けているひとたちはもちろん、すべての映画ファンは必見。小津自身はそんなことを全然意識していなかったのだろうけれど、今観ると日本及び日本人っていったい何なんだろうと、不意に考えさせられる映画です。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:一人息子 [DVD] COS-016 | 戸田家の兄妹 [DVD] COS-017 | 長屋紳士録 [DVD] COS-019 | お茶漬の味 [DVD] COS-023 | 風の中の牝鶏 [DVD] COS-020 | 
関連商品を探す:『父ありき [DVD] COS-018』

一人息子 [DVD] COS-016

小津安二郎 飯田蝶子 日守新一 葉山正雄 坪内美子 吉川満子 笠智衆 浪花友子 爆弾小僧 突貫小僧 高松栄子 
一人息子 [DVD] COS-016
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 550
『一人息子 [DVD] COS-016』の関連商品を見る
クチコミ情報

??

母親の知らぬ間に、息子が妻子をもうけていたのだが、
それを知って母親は特に怒るでもなし、非常に驚くでもなし、
淡々としていたのはなぜか。今とは社会的常識が全く違う。
そういう時代だったのか?
この辺がよく理解できなかった。


人生の悲劇の第1章は(T_T)

一人息子に久々に逢う母。そこには、初めて逢う嫁と孫。飯田蝶子さんの優しい演技に魅了されます。変わらず繰り返される親と子の繋がり。時代を超えた歴史に残る素晴らしい映像の一つと思います。

センチメンタルなリアリズム

 他の小津映画でもロケ地だった郊外の原っぱと大きな工場群、そしてその周囲の貧しい庶民街。。東京は田舎から夢を抱いて出てきた庶民がひしめき合って生きる「そんな街」なんだということを淡々と映したドラマ。(そして、いつの時代も田舎から出てきた者にとっては、このセンチメンタリズムが「東京の味」である。三重出身の小津だから描ける哀愁だといえよう。)

 寂しいあらすじの中でほんのりと母子の愛情を混ぜる、リアリズムとヒューマニズムのブレンドがこの作品も素晴らしい。(このブレンド具合も悲哀の味に収まってるのが、真摯で良い。)

 時代や国を変えても、この映画で扱われているような人間模様は変わらないから、今でもこの作品は世界中で愛されているのだと思う。「ハリウッドに比べて予算が少ないから邦画が面白くない」なんて意見は作り手の怠慢だということが良く分かる、和服とちゃぶ台の映画。

 なお、この作品は小津初めてのトーキー映画だが、劇中に親子が映画館で洋画を見ながら、息子が母に「ねえ、これがトーキーっていうんですよ」と話しかける台詞がある。(しかし、母親は退屈して居眠りしているのであった。)こんなユーモアと映画への愛情が時折挟まれるのも小津シネマの魅力だ。(なお、引用されている「未完成交響曲」(ヴィリー・フォルスト)はこの映画の3年先に発表された映画である。そんな新しい作品を長々と引用するというのも中々今の映画業界では難しいのではないか。)

 この廉価版発売でもっと小津シネマがポピュラーになってほしい。(現代では文芸ファンの占有物になっている小津シネマだが、そもそもは毎年正月に新作が公開された山田洋二作品のような大衆的存在だったのだから。)まずはこの廉価版DVDの商品企画・販売会社に拍手。


トーキー第一作目にしてすでに高度な完成度を誇る名作

小津安二郎監督のトーキー第一作。 この作品は長い間見たい思っていたのですが、やっと夢がかないました。 時代は変わっても永遠に変わらない親と子の葛藤の物語。 中盤の母子の口論の場面の息をのむような力強さとクライマックスのダイナミックな場面転換、そして映画の定石を踏まえたホロリとさせられる予定調和を入れて観客を安心させつつも、安易なハッピー・エンドには決してもっていかない作家根性。 いやはやまさに映画を知り尽くしたプロの作品です。 小津ファンでまだ未見の方には迷わず購入をお勧めします。 それにしても笠智衆さん演じるキャラクターの描かれ方には空恐ろしいものがあります。

昭和11年作ということで、さすがにフィルムは相当痛んでいますが、映像は一応きちんと見え、聞こえます。 以前はボックス・セットとして販売されていたため手が出せなかったのですが、このような単品発売はうれしい限りです。 メイン・メニューも映像特典もついていないし、終わればループしてまた最初に戻るという仕様の商品ですが、値段を考えれば文句はありません。 むしろこういった廉価版で、古典作品をもっと発売してもらいたい(勿論、このディスクの様な望みうる限りの最上のクオリティで)ものです。 松竹の倉庫には清水宏、島津保次郎、五所平之助といった、戦前の名匠達の埋もれた名作群がまだまだ手つかずのまま眠っているのではないのでしょうか? それらは日本の財産なのですから。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:父ありき [DVD] COS-018 | 長屋紳士録 [DVD] COS-019 | 戸田家の兄妹 [DVD] COS-017 | 風の中の牝鶏 [DVD] COS-020 | お茶漬の味 [DVD] COS-023 | 
関連商品を探す:『一人息子 [DVD] COS-016』

長屋紳士録 [DVD] COS-019

小津安二郎 飯田蝶子 青木富夫 河村黎吉 笠智衆 坂本武 吉川満子 小沢栄太郎 三村秀子 
長屋紳士録 [DVD] COS-019
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 580
『長屋紳士録 [DVD] COS-019』の関連商品を見る
クチコミ情報

リアルなドライさがあるから、人情劇に深みが出る

 戦災孤児を巡る長屋住まいの人々の人情劇。子役の小汚さと暗い顔のリアルさは、不自然なまでに小奇麗で大人に媚びた今の子役達では醸し出すのが不可能な味がある。人情劇とはいえ、最初の方では長屋の人々が子供を押し付けあったり、どこに子供を置いてくるか話し合ったりするシーンがあって、そんなリアルなドライさが前半で描かれているから、後半の人情劇が生きてくるのだと思う。

 また、「一人息子」では朴訥とした物静かな母を演じている飯田蝶子が、本作品ではせっかちで人情味溢れる「長屋のおばちゃん」を演じている。どちらの作品も味がある演技をしているが、キャラが全く違うのに自然に演じ分けられていることに感心した。この作品が気に入った方は「一人息子」の方もオススメします。


たまらんぜ!

人情が暖かいと書いてる方がおりますが、わたしはむしろ人々のあっけらかんとした「つめたさ」にグッときました(笑)。
小津作品の中ではそんなに高く評価されていないみたいですが私は大好きで何度も観てます。
土手で子供を追っかけるシ−ンの間の取り方は最高。爆笑。


小津の戦後第一作

戦後まもない人々の人情があたたかいのにびっくりです。子供を社会が育てるという理想が垣間見えます。今の給食費の未払いする親や、他人の迷惑をまったく顧みない自分第一の人々が増えた現在は、物質的にはめぐまれているが、精神はずいぶんすさんできたことがよく分かります。
あと、笠智衆の  のぞきからくり  ほととぎすが見事です。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:一人息子 [DVD] COS-016 | 父ありき [DVD] COS-018 | 戸田家の兄妹 [DVD] COS-017 | 風の中の牝鶏 [DVD] COS-020 | お茶漬の味 [DVD] COS-023 | 
関連商品を探す:『長屋紳士録 [DVD] COS-019』

風の中の牝鶏 [DVD] COS-020

小津安二郎 佐野周二 田中絹代 村田知英子 笠智衆 坂本武 高松栄子 水上令子 文谷千代子 長尾敏之助 中川健三 
風の中の牝鶏 [DVD] COS-020
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 550
『風の中の牝鶏 [DVD] COS-020』の関連商品を見る
クチコミ情報

女の強さ

 最初から最後まで、田中絹代にヤラレテしまった。とても可愛らしい仕草。男好きのすると言われてしまった表情。うーん、こんなにいい女なんだぁ。性的表現がない分、かえってそそられる。男達の好奇に満ちた表情もとてもリアルでした。やっぱり小津さんは、すごいですなぁ。

田中絹代の熱演と終盤の階段シーンに注目

 田中絹代といえば小津作品よりも溝口映画の方で映画史に残る評価を得ているが、まあ、それは監督の個人的なイレ上げがあったり、溝口映画の演出のドギツさ等の理由も大きい。この作品の田中絹代は貞淑な悲劇の妻を演じているが、こういう役もやはり巧い。今の感覚でいうと、決して美人ではないのだけど、やはり大女優ですね。

 ストーリー的には、序盤の苦難を夫婦二人が各々どう克服するか、という一点だけに焦点が当たっている。シンプルな分、今の映画のテンポに慣れた人は単調で間延びした印象を受けるかもしれない。ただ、この主人公夫婦のようなカップルは敗戦直後の日本にはそれこそゴロゴロいたと思われ、「もっと強く生きるんだ」という終盤での夫の台詞は、そういう同時代人へのメッセージになっていたのではないかと思います。

 なお、終盤の有名な「階段」のシーンは、小津映画には珍しく衝撃的なアクションがあります。このシーンのためだけでも、小津ファンはこの映画を見る価値があるでしょう。


田中絹代 迫真の演技の注目

小津監督戦後間もない作品、復員するはずの夫の帰りを一人息子と待つ妻の役を田中絹代が熱演、階段から落ちるシーンはひょっとすると本人自らではないかとおもう。子供が急性大腸カタルにかかりその医療費をめぐってとった行動は、あっとおどろきですが、責任感の強さは今の親に見せてやりたいぐらいです。
いろんなことをみんなが真剣に考えているのがすごく新鮮です。あと、終戦まもなくの東京の様子、原っぱの空襲のなごりもスクリーンから感じることができます。小津作品のほのぼのさはないのですが、田中絹代の熱演はすごいとおもいます。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:長屋紳士録 [DVD] COS-019 | 一人息子 [DVD] COS-016 | 父ありき [DVD] COS-018 | 戸田家の兄妹 [DVD] COS-017 | お茶漬の味 [DVD] COS-023 | 
関連商品を探す:『風の中の牝鶏 [DVD] COS-020』

秋日和 [DVD]

小津安二郎 原節子 司葉子 岡田茉莉子 佐田啓二 佐分利信 沢村貞子 桑野みゆき 笠智衆 野田高梧 
秋日和 [DVD]
定価:¥ 3,990
新品最安価格:¥ 3,161
『秋日和 [DVD]』の関連商品を見る
クチコミ情報

子供の幸福を邪魔する親という存在

大映に招かれて撮った前作『浮草』では慣れていない場所で作ったせいか作品全体にどことなく緊張感が漂っていたのだが、再び古巣の松竹に戻って小津が撮った本作品は、肩の力が抜けた小津の“余裕”さえ感じられる1本だ。今までの「父と娘」というテーマに少し変化を加えたこの『秋日和』、定番娘役の原節子がお母さん役となって登場し、その母を思いやる娘役に若き司葉子が扮している。

いきなり父親の7回忌からはじまるこの映画、娘のアヤ子(司葉子)から「おじ様」と慕われている亡父の友人3人組(佐分利信、中村伸郎、北竜二)が、父不在のこの映画で父親の代役をつとめている。美人のアヤ子の嫁ぎ先に世話を焼きたがるこの3人、その昔やはり美人の未亡人秋子(原節子)にどうも気があったらしく、なんだかんだいって秋子に対する下心が丸見え。一人ぼっちになってしまう母親を心配して縁談を断り続けるアヤ子を嫁がせるために“ある作戦”を企てるのだが・・・。

定番のローアングルこそ健在だが、切り返しショットや同じ台詞のリフレインといった前衛的手法?はさほど目立っておらず、映画全体に漂うユーモラスな雰囲気が観客をリラックスさせてくれるのだ。早大卒で○○商事勤務、社内のバスケットボールチームのキャプテンで・・・といった絵に描いたようなエリートをアヤ子とくっつけようとするのだが、TVドラマなどに出てくる中身スカスカの主人公たちとはちがってあまり嫌味ったらしく見えてこないから不思議である。

それは、(おそらく学歴コンプレックスがあったであろう)小津安二郎のエリートと呼ばれる連中に対するどこか冷ややかな視線や、一見「母と娘」の美しい親子愛を描いたように見える本作品の根底に、“子供の幸福を邪魔する親の存在”というブラックなサブ・テーマをこっそりと潜ませているからではないだろうか。小津作品を見終わった後にいつも感じる一抹の寂しさは、そのせいなのかもしれない。


ほのぼのと楽しめる小津コメディー

小津作品の中でもコメディーの要素が非常に目立つ映画である。物語自体は「晩春」に類似しているが、父と娘の関係を母と娘の関係に置き換えており、小津監督の女性の心理に対する洞察力に脱帽する。佐分利信を筆頭にした、三人の中年男のやりとりが面白く、笑いを誘う。世代は違うが、縁談に翻弄される原節子と司葉子には、なんとも言えないセックスアピールがある。出色は、岡田茉莉子のキャラだろうか。キビキビとした言動に、当時のOLの中にも、このような人物がいたのかもしれないと想像すると楽しくなる。

星一つ引いた理由は、セットの多用で、構図がスタティックすぎること。おそらく予算の関係なのだろうが「東京物語」などと比べると、ロケが少なく、さながら舞台劇を見ているような気がしてくる。もともと静的な小津映画ではあるが、もう少し映画らしい映画にしてほしかった。


岡田茉莉子ファン必見

それまで司葉子のシャドー的な存在だった岡田茉莉子が、途中、司と入れ替わるように映画の中心人物になるんですねぇ・・・。驚きました。
岡田茉莉子ファンなら絶対に見るべき作品。


「晩春」と鮮やかな好一対をなす名作

60年公開の、小津監督カラー作品第4作。原節子を起用したカラー映画としては最初の作品。「晩春」と似たストーリーで、配偶者を亡くして親が娘の結婚を心配し、娘は寂しくなる親の将来を案じて結婚を考えたくない。そういう中で娘が結婚しやすくしようと親の再婚話が浮上し、娘は不潔だと反発する騒動がもちあがるが、最後には親は「今さらもう一度麓から山へ登るなんてこりごり」と自分は再婚しないが、「あなたはこれからなんだし、先々どんな幸せが待っているかわからないじゃない」と娘を最後の2人旅行の宿の夜にさとす。そして娘は結婚式を無事終え、親は寂しくなった家に戻り、万感胸に迫るものを感じつつ、うっすら笑みを浮かべて静かに終わる。粗筋だけ見ると晩春と同じではないかと思うが、晩春とは男女の立場を一部入れ替え、また世相の変化を反映している。すなわち、「晩春」と対比すると、以下のようになる(左が「晩春」で、右が本作)。

親:父親(笠智衆)、母親(原節子)
娘:原節子、司葉子
結婚相手:登場せず(見合い)、佐田啓二(佐分利信の紹介→自由な交際)
世話焼き人:親の妹(杉村春子)、亡父の友人3人組(佐分利信、中村伸郎、北竜二)
親と世話焼き人の男女が入れ替わっているのが面白い。特に3人組は飲み友達で、北竜二は昔からのあこがれの女性と結婚できるのかと心ときめかせるが、結局ダシに使われただけ。この3人組と娘の同僚・岡田茉莉子が映画全体をユーモラスなトーンにしている。しかし、一番心に染みるのは親子での最後の2人旅行となる宿の夜の場面だ。原節子の屈指の名演技といっていいだろう。そして変わらぬ原節子の美貌。まさに「雨に悩める海棠」だ。


これまた完璧な

 戦前のサイレント時代に岡田時彦というたいへん美男の俳優さんがいて、小津作品にも何本か出演している。芸域がとても広いひとで、悲劇のヒーローからドタバタコメディからなんでもできたそうである。残念ながら30代前半で肺結核のため他界して、トーキー時代まで生き延びることはなかった。

 話は変わって、岡田茉莉子がこの映画に出演したあとで、なぜ自分にこの役をあてたのかと小津に直接問いただしたらしい。小津の答えが

「岡田時彦の娘だから多分できると思った。」

 簡単ですが、大変重みのある答えです。この映画における彼女の演技はかなり難しい。従来の日本映画にはあまりない役で、ハリウッド風コメディ映画のバタ臭さを要求される。本作の出来は彼女にかかっていると言っても過言ではないのだが、その難役を見事に演じ切って、本作を傑作に仕上げている。つまりは「血」のなせるワザか?

 亡き友の娘の嫁入り先を案ずる三人のオヤジたち(佐分利信、中村伸郎、北竜二)がいる。その娘の友人で、三人オヤジを手玉にとるチャキチャキ娘が彼女の役。本作の喜劇的なトーンを決定的にしているのは、三人オヤジと岡田の絶妙のアンサンブルで、まるでクラシック音楽の対位法のような効果を生んでいる。

 「亡き友」の未亡人が原節子、娘は司葉子。司の結婚相手に佐田啓二。三人オヤジのなかでヤモメの北竜二が、他の二人に原節子と結婚しろとそそのかされて、すっかりその気になるのもおかしいし、彼らの会話にさりげなく、猥談が盛り込まれているのも一興。そしてカラー撮影に慣熟してきたと思われる小津の演出は、いろいろな意味で円熟の極みといえよう。他に岡田の斬新な衣装など、見所はじつに多い。これまた必見です。



この商品を買った人はこんな商品も買っています:小津安二郎 DVD-BOX 第二集 | お茶漬の味 [DVD] COS-023 | 彼岸花 [DVD] | 晩春 [DVD] COS-021 | 麦秋 [DVD] COS-022 | 
関連商品を探す:『秋日和 [DVD]』

西鶴一代女 [DVD] COS-050

溝口健二 田中絹代 山根寿子 三船敏郎 宇野重吉 菅井一郎 進藤英太郎 大泉滉 清水将夫 加東大介 小川虎之助 
西鶴一代女 [DVD] COS-050
定価:¥ 1,000
新品最安価格:¥ 580
『西鶴一代女 [DVD] COS-050』の関連商品を見る
クチコミ情報

白黒の映像におののく

監督さん=演出家。もの凄い脚本を圧倒的な映像で具現化し、それを惜しみない演技で魅了する役者の皆さん。DVDプレーヤーも最大限の能力で再現しますが、劇場で観たいナァ。凄いだろうナァ。

白い肌に狂う鞭

溝口監督の鞭が田中絹代の襲いかかる。容赦なく。溝口の女優に対するサディズムは、増村保造監督作品に継承されている。

凄まじい映画。体力が要ります。

 「これでもか」というくらい、救いようのないエピソードをぶつけてくる脚本。そして、溝口の女優・田中絹代に対するサディスティックなまでの執念と、それを演技で互角に受け止めてみせた田中の女優魂が凄まじい。

 映像美という点では「雨月物語」「山椒太夫」等、他の溝口作品の方が僕は印象に残ってるが、それでもその辺の映画とは全く異次元のカメラと演出の冴えが味わえる。

 色んな意味でヘビーな映画なので、見るのにエネルギーを使うところが1点減点の理由です。ここまで主人公を痛めつけると、逆にフェミニズム的メッセージを無理やり読み取ることも一見可能で、実際そういうレビューを読んだことが僕はあります。でも、やっぱりそういう後付の小理屈なんか全く寄せ付けない、素直に悲劇としての美的強度がある映画なのだと思う。脅威の映画。


ちん・とん・しゃん

これまでは、年齢のいった田中絹代を無理やりお姫さまに仕立て上げる作品が多かったゴテ健であるが、本作品では絹代にはじめて汚れ役を演じさせている。溝口健二と田中絹代が単なる映画監督と女優を超えた関係であったことは、映画関係者ならば誰でも知っている有名な話だが、一時は松平家のお部屋さまに取り立てられたお春(田中絹代)が紆余曲折を経て場末の売女にまで転落する一代記を見ていると、二人の関係になんらかの変化があったのかと思わず勘ぐりたくなってしまう。

井原西鶴の「好色一代女」を大胆に脚色した脚本は、田中絹代演じるお春をこれでもかと痛めつけている。身分違いの男と恋に落ちたがために洛外追放。せっかく松平家の側室におさまりめでたく嗣子出産するものの側近の嫉妬を買い島原の遊女に。もう男はこりごりとばかり尼になろうとしたら、借金取に体をねだられ寺から追い出される。たどりついた先が<化け猫>も真っ青の年老いた売女の巣窟といった語るも涙の転落人生なのだ。金と欲にひたすら翻弄され続けたお春ののぞみが最後までかなうことはなかったが、お腹さまとして退屈な一生を送るよりも、波乱万丈の女として充実した一生だったにちがいない。

一時スランプにおちいっていた溝口健二が復活するきっかけとなった本作品は、ヴェネチア映画祭で国際賞に輝き、BBCの「21世紀に残したい映画100本」にも選出されている。浄瑠璃、琴、琵琶などの伝統音楽をたくみに取り入れたBGMも日本情緒たっぷり。13歳〜50歳までのお春をたった一人で演じた田中絹代の生娘時代のシークエンスで多少絹代の若作りが気になったとしても、140分間あきることなく溝口ワールドにどっぷりとひたれる1本だ。


江戸時代に撮ったのか!と思える映像が素敵です。

井原西鶴の好色一代女が原作で、ヴェネツィア国際映画祭国際賞、BBC「21世紀に残したい映画100本」に選出されています。黒澤監督が「羅生門」で賞を取ったのに触発され、製作したそうですが、完璧主義故に製作陣とも大変なバトルがあったそうで、そのかいあっての栄誉でしょうね。まるで江戸時代に撮ったのか!と思える映像がとにかく素敵です。凄いです。セットも美術もライティングもカメラワークも江戸時代です。ストーリーはこんな不幸なことがあっていいのか!というような悪循環ストーリーで、主人公のお春が可哀想すぎます。封権男性社会だからでしょうけれど、、。美しすぎて純愛に走ってしまったがために、どんどんと身を崩して行ってしまう、、そして、老いて行ってしまう切ない物語です。最後に殿様になった子供から一緒に暮らすことを提案されるけれど、身を持ち崩しすぎて、それもかなわぬものとなってしまう。。。ああ、可哀想。お春が花魁になって、越後から来た偽金持ちに、金を渡そうとしてお春に断られるシーン、金をばらまくシーンは、おそらく「千と千尋の神隠し」にも影響を与えていると思います。そして、余談ですがものすごく若く柔らかく癖のない三船敏郎が出てます。


この商品を買った人はこんな商品も買っています:雨月物語 [DVD] | 雪夫人絵図 [DVD] COS-051 | 人情紙風船 [DVD] COS-031 | 武蔵野夫人 [DVD] | 丹下左膳餘話 百萬両の壺 [DVD] COS-032 | 
関連商品を探す:『西鶴一代女 [DVD] COS-050』


カテゴリ一覧
このページについて?

TOP > Amazon 関連商品検索
PC・家電・CD・DVD  |  2009/11/26