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花さき山 (ものがたり絵本 20)

斎藤 隆介 滝平 二郎 
花さき山 (ものがたり絵本 20)
定価:¥ 1,260
新品最安価格:¥ 1,260
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あやの心

あやのやさしい心根が誤解されないことを祈って・・。

まず考えたいのは、「我慢」と「辛抱」は微妙に違うのだということ。

自己犠牲という言葉は、美しいけれども、
ただの我慢では、結局割り切れない気持ちが残ってしまう。後々もしこりが残り続けるだろう。

「おらはいらねえから、そよに祭り着をかってやれ」といったあやの心は、確かにせつなかったかもしれない。
けれども、おっかあがたすかったと喜ぶ顔、そよの嬉しがる顔見たさに
あやはその選択をしたのだ。
それはあやが自分の着物を買ってもらう喜びよりも値打ちのあるものだと
あや自身が判断したからできたことであり、そのような気持ちでなくては
花さき山に花は咲かないのではないかと思う。

この絵本を読んで、‘自分を曲げてまで耐え抜くことが美徳’だとは
思わないでほしい。
涙をためながらも、心の深い所から人の幸せを願えるあやたち村人の心を感じ取ってほしいと思う。


きれいな花が咲くといいな。

とても短いお話なのに、心に残る絵本でした。
「優しいことをすれば花が咲き、命をかけて(何かを守れば)山が生まれる」
そんな場所が本当にあったら素敵。たとえ架空の空間でも、行ってみたいと思います。

今、誰かのために、何かを我慢している人すべてに、きれいな花が咲いてくれるといいな。そう願わずにいられなくなります。
これを読んだ子供たちにも、新しい花が咲いてくれる気がします。


切なさに思わず涙があふれました。

お話の素晴らしさは言うまでもなく、滝平氏の版画の世界も、子ども達にとってはとても新鮮なものに映るようです。黒地に色鮮やかな色彩が目をくぎ付けにします。遠目も効いて素敵な絵本です。子ども達の息を呑むほどに真剣な眼差しと、お話の切なさに思わず涙があふれました。そんなとっても素敵な絵本です。


読み聞かせると子供が静かに聞いてくれる絵本

NHKの番組でこの絵本を女優の渡辺えりこの朗読で聞いた。
あまりにも感動的だったので
本を見つけたときにはとても嬉しくて
すぐに開いた。
自分で読んでも本当に胸を打つ話である。

貧しいためにきょうだい全員の着物が新調出来ない。
姉は妹に新しい着物を譲る。
その優しい気持ちに花が咲く。
双子の兄は母親のおっぱいが弟に飲みつくされるのを
涙ながらに我慢する。
その涙に花が咲く。
優しい気持ちには何かの見返りがあるみたいな話である。
絵はどちらかというと大人向けだが
小学1年の息子は静かに聞いてくれる。
いい話は子供にもちゃんと伝わるんだと思える絵本である。


花さき山は、誰の心の中にもある

子どもの頃に読んだ時にも感動したけれど、大人になって読み返してみると、子どもの頃よりももっと深い感銘を受けました。
昔と捉え方が変わったことは、おそらく「自己犠牲」ということでしょう。
子どもの頃、私は重度の神経症でした。
両親に認めてもらえなかったため、「人に誉められること」が何よりも大事でした。「自己犠牲」ということに、「私はいい子だ」という、どこか歪んだ自己満足、ナルシズムを感じていたのだと思います。
でも今は違う。人は関係ない。それを、最近ようやく体感できるようになってきました。
「自己犠牲」は、実は「犠牲」なんかではなかった。
それは、ただ「自分の心に花を咲かせる」というだけのことでした。
「犠牲」というより、それはむしろ自分を本当の意味で愛し、大切に慈しむことなのだと思います。
そしてそれは、図らずも、他人の心にも花を咲かせることでした。
自分を真に愛することは、図らずも、他人をも真に愛することでした。

大人が読んでも、子どもが読んでも、何度読んでも、胸に熱く迫る。
滝平二郎氏の素晴らしい切り絵については、今更何も言うことはありません。
「モチモチの木」と共に、この絵本は心の宝。
こういう本を、まさしく「名作」というのでしょう。



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モチモチの木 (創作絵本 6)

斎藤 隆介 滝平 二郎 
モチモチの木 (創作絵本 6)
定価:¥ 1,470
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切り絵から老人臭がする素晴らしさ

素晴らしい絵っていうのは匂ってくるもんなんです。
モネの「日傘をさす女」シリーズしかり、ゴッホの「夜のカフェテリア」しかり、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」しかり。
滝平二郎さんの切り出したおじいさんも老人臭プンプン。
息子ににそれが感じられるかどうかは不明だけど、こういうすばらしい挿絵を見ると、子どもの絵本だからといってホンワカかわいいだけの絵じゃいけないなと思います。
大人の鑑賞にも堪えうるすぐれた挿絵でなければね。
「子どものうちから本物を」なんて言って高いレストランでご飯食べさせたりしているおうちがありますが、絵本もそれと同じことです。
子どもに絵を見る目をつけさせてあげたいのなら、絵本はきちんと選ばねば。
アニメ名作絵本なんか買い与えているようじゃあきまへん。


勇気とは?

弱虫豆太が主人公。でも、臆病な人間にも優しさがあれば、勇気はある。それも、自分のことそっちのけで。モチモチの木の幻想的な世界を通して、そのことがよく分かる絵本。この人の切り絵はホントに素晴らしい。内容の良さを際だてている。子どもにじっくり読み聞かせたい本。

「排除したい」と嫌うものにこそ、実は宝が隠れている。

この物語のいいところは、豆太がジサマを助けた後も、相変わらず甘えん坊のままで終わるところだ。
よくある児童絵本ならば、「それ以来、豆太は勇敢な男の子になった」というように、教訓的に終わるかもしれない。しかし、そういう結末は、子供をありのままに受け止める余裕のない大人の「身勝手な希望的結末」だとも言える。

真の自立には、依存が不可欠だ。河合隼雄氏がこのことを明快に論じておられるのを見つけた時、胸のすく思いがした。

「自立とは、実は、依存を排除したところにあるのではない。十分な依存の裏打ちがあってこそ、そこから真の自立が生まれ出てくる。
子供を甘やかすと自立しなくなる、と思う人もいるが、確かにこの時、親の方が自立していない場合は、子供の自立を妨げることになる。
親が自立的であり、かつ子供に依存を許すと、子供はそれを十分に味わった後は、勝手に自立する。」

豆太は、ジサマを助けた後も、弱虫で甘えん坊だった。そんな豆太を、ジサマは丸ごと受け止め、信じ、愛した。
だからこそ、豆太は、オトウやジサマのように、たくましく優しい若者に育ったに違いない!と思うのだ。 豆太は、村一番の勇敢な猟師になったかもしれない。
豆太は「本当の自立は依存に裏打ちされている」ということを、自分の体験から知っている。
だからこそ、豆太もまた智慧のある大人に成長したに違いない・・・と思うのだ。
子を育てる智慧とは、そうやって親から子へ、子から孫へ、理屈じゃなく、体験として受け継がれるものではなかったのか。

日野原重明先生は「子育てとは待つことだ」と言っておられた。
私は「信じる」とか「愛する」とかいうこともまた、「待つこと」であるような気がしてならない。
特に昨今、日本で忘れ去られようとしている「子育ての智慧」・・・それは即ち、「愛する」ということの智慧に他ならない。
「モチモチの木」には、実は、それほど大切なことが描かれているのだと思う。


比較的大型の読みやすい本

 滝平さんの切り絵が美しい大型の本でとても読みやすく装丁されています。臆病な豆太が勇気を持って夜の道を走ることによってモチモチの木の光を見ることができたというのが主なストーリーです。昔の生活の一端をかいま見ることができるなど、歴史学的な資料価値も高く、近頃では小学校の国語の教科書にも取り上げられています。子供達が目にすることも多い文なのです。心理描写と行動のあり方という点で教育的価値も高いのではないかと思います。豆太のとった行動について親子で話をしながら想像力をふくらませていくのがいいかなと思います。

何度読んでも

子供の時大好きだった本です。何度も立ち読みしていましたがついにまた買ってしまいました。ねしょんべんたれの男の子とじっさまの心温まるストーリーです。もちもちの木の実でつくおもち。いったいどれだけおいしいのか、いまだに想像力をかきたてられます。とにかく切り絵が美しい本。名作です。


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でんでんむしのかなしみ

新美 南吉 かみや しん 
でんでんむしのかなしみ
定価:¥ 1,365
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梅雨の季節におすすめの絵本

ある日、自分の背中の殻に悲しみがいっぱい詰まっているのに気づいたでんでん虫が、
もう生きていられぬと友達に相談する。
ところが、みんなの殻も悲しみでいっぱいだった。

 「悲しみはだれでも持っているのだ。私ばかりではないのだ。
  私は、私の悲しみをこらえていかなきゃならない。」

ということに、このでんでん虫は気づいて、もうなげくのをやめたというところで終わっている。
でんでん虫の背中の殻に“悲しみ”を感じた作者の感性がおもしろい。
1998年、インドであった国際児童図書評議会でのビデオ講演で、
皇后さまがこの絵本に触れられている。

この絵本には、同じ頃につくられた「でんでんむし」も収録されている。
お母さんのでんでん虫と生まれたばかりの子どものでんでん虫とのやりとりである。
葉っぱの先に丸く光る朝露、白い葉っぱのようなちょうちょ、葉っぱと葉っぱの間に遠く見える空、
その空の向うには・・・。

 「お母さんまでもわからない不思議な遠い空を、細い目をいっぱいのばして、いつまでも見ていました。」

未知なるもの、不思議なものへの興味が次々と広がっていくことの楽しみが伝わってる。

もう一つ、ちょうちょとホタルが一本の木に集まるという「木の祭り」。
緑の野原の真ん中にぽつんと立っている木に、白い美しい花が咲く。
その周りに、昼の虫のちょうちょと昼の虫のホタルとが集まって、夜遅くまで楽しく遊んだというお話。

いずれも、上矢津さんの美しい挿絵が印象的だ。
お話にも絵にも、自然、生き物、いのちへのあたたかい眼差しが注がれている、心温まる一冊である。
でんでん虫の二つのお話は、梅雨の季節のおはなし会などにいかがでしょう。


悲しみを共感できる子供になってほしい

 今まで、読み聞かせの重要性を、国語力をつけることに重点を置いてしまっていました。やっと子供に色々なことに共感出来る子供になってほしくて、色々な世界を見せたい・・・そう思えるようになってきました。子供たちには他の人の悲しみを共感できる感性を持つ人間になってほしいと強く願っており、その願いが子供に通じてくれる本なのではないかと思っています。また、この作者のような、口語調でない絵本が、美しい日本語を子供たちに伝えるのに非常に大切なのではないかとも強く感じました。大事に読み聞かせたい本です。

大人こそ読んでほしい。

苦しいときに読むと、救われたような気がします。
かなしいのは、自分だけじゃないのです。
誰でも、みんなかなしい。
そこに気づかせてくれる。
大人こそ、この本を読むべきです。

そして、子どもたちに、繰り返し、繰り返し、
声に出して読んであげてほしい。
美智子さまも、おっしゃられているように、
小さいときに、この本を読んだ子どもは、

大きくなってからも、がんばれるはずです。

悲しみからしか得られないもの

悲しみ、それは出来うる限り人生にあってほしくはないものです。けれど、それを抱えているのは自分ひとりきりではない。悲しみに押し潰されそうなとき、人は誰しもなぜ自分だけがこれほどまでに悲しみを得なければならぬものなのだろうかと思うものです。悲しみがあるからこそ人は喜びに触れることができるのだ、そう気づかせてくれる一冊ではないでしょうか。
美智子皇后のスピーチにも出てきます。



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