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ぐるりのこと。 [DVD]

橋口亮輔 木村多江 リリー・フランキー 倍賞美津子 寺島 進 安藤玉恵 八嶋智人 寺田農 柄本明 加瀬亮 田辺誠一 光石研 
ぐるりのこと。 [DVD]
定価:¥ 5,040
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なんとも言えません。

日本映画に足りない描写と表現に新鮮さを感じます。
あとは、見る方それぞれの苦労や、しがらみを照らし合わせてみない事には、レビューのしようがありません。

ただ、また何年後かに見てみたい映画だと素直に思いました。


ときほぐれる夫婦の時間

ぼくらの生活はだいたい主に自分の手ののばせるぐるりのことだけで過ぎていくようだが、毎日ニュースで聞いたり観たりするいろんな事件はどう繋がっているのか、ときどき思うこともある。
しかしあまりに理解できない事件などを目の当たりにすると、まったく無関係のものにしか思えないのだが、それでも社会で生きるある意味の不安という影響は与えているだろう。
夫婦,家庭という個的な単位にもさまざまな変化があるものだ。崩壊の瀬戸際もあろうし、そして再生の物語もあるだろう。個の再生とは、ぐるりの社会の再生にも、必ずちいさく繋がるのは歴然だろう。

学生時代からの付き合いのような、どこかにいそうな夫婦の10年。
法廷の被告たちを演じた脇を固めた達者な役者たちも短くても見どころ。全体、映画の見どころは多いが、とにかく夫婦を演じるふたりが実にハマっていて、こと妻の役、木村多江は入り込みすぎて、こちら観客も心配になるほどだ。
彼女自身がこの映画のこの役で女優として再生したかのような話をしていたことをどこかで読んだ記憶があるが、それはそうだろうという納得するものだ。

子どもを亡くしてからの情緒不安定な様子を演じるが、彼女自身が役に入り込みすぎてウツ的な状態だったようだ。
見せ場の一つである、妻が泣きじゃくりながら夫に悲しみの堆積した感情をぶつける場面などは、観ていても圧倒的だ。実際、夫役のリリー・フランキーの話によれば、役に入り込みすぎ、泣きすぎ、台詞が言えなくなるテイクも重ねたようだ。そのリリー・フランキーがとてもやわらかい存在感で受け止めているのが、まさに監督の意図した「ふたりのドキュメンタリー」を成功させていると思える。
それは撮影にも表れていて、実にワンシーンをカメラが長回しで録り続けることが多いから、演じる側も大変だが、出来上がりから感じられる、夫婦の各場面の集中力と緊張感はただならぬもの。初主演のリリー・フランキーが妻の苦悩を受け止めるその場面、元々のプロ役者とはまったく異質と感じるような自然さを、けして途切らすことがないのにも感心する。
監督は自身の前作の世界的な評価の後、自らウツを経験した時間を糧にして、制作に当り「人はどうすれば希望を持てるのか?」と問い、「希望は人と人との間にある」ということに行き当たったという。

その話も当たり前のようでいて、しんどい夫婦関係とか(笑)、その上での夫婦の関係の、水平にも垂直にも広がる天国、地獄の地平を経験し見渡し,世の夫婦が、どうであれ自らも振り返る余韻を持たせる映画になっている。

映画は全体を通し、その夫婦のターニングポイントの「事」そのものはあえて描かず、その事の前後の日々を描くことで、観ていて必要以上な重さを避けられている感じがある。
それが物語の終わりまでに、だんだんと薫ってくる清々しさを残すことになったと感じた。


おしりを見ると…優しい気持ちを思い出します。


泣いて…笑って…また… 泣きました。 おしりも、見ました。 声も、きっと初めて聞いたと思います。 今日…初めて見たのに、 今日…初めて聞いたのに… もう…前から見ていたおしりでした。 懐かしい声のような気がしました。 人を見つめるときに…ふとのぞかせる、あの表情は… リリーさんの心の中のまなざしと一緒なのかなと…思いました。 優しい気持ちに戻れる作品でした。 愛しい人がいる人は、それだけで…幸せなんだろうな。 寄り添って生きる人がいる人は…ありがたいことだな… って、感じました。 リリーさん… いい…おしりです! きっと…よく効きますよ♪


支えてるようで

私がいなきゃだめだ。
って思わせる人って、意外としっかりしてて、するると生きていく。
それって、自分なりの物事のおとしどころがきまってるから、
ちゃんとやっていけるんだよね。

逆に、世間とあわせて、ものごとの「あるべきところ」に収めようとする人って、
そこに届かないと手の施しようがなくなっちゃう。
がんばりすぎることが苦なんじゃなくて、がんばっても届かないものがあるって知ってしまうことが苦しくてどうしようもないんだよなって。
かなり主観まじりにそう思いました。

強さも、たくましさも、いろいろだ。


生きることの「意味」と「喜び」「辛さ」を真摯に描いた作品。

メイキングを観ると、本作の撮影は2か月かかっている。近年の日本映画では長めの部類だろう。時代劇や戦争大作ってわけでもないしね。最初の1か月は主演・木村多江の喜怒哀楽が集中して撮られ、後半はリリー・フランキーの法廷画家としての仕事振りが描かれる。決して木村多江の視点だけではなく、夫の見方や、友人・会社同僚たちの心情も細かく取り入れているので、ウソっぽくないのだろう。ふたりの芝居は見事だったが、特にココロの病と闘う木村多江が絶品だ。加えて、助演陣の凄いこと!片岡礼子、田辺誠一の「ハッシュ」コンビをはじめとして、柄本明、寺田農、加瀬亮、新井浩文、寺島進、倍賞美津子、八嶋智人など、皆主役が張れる俳優ばかり。これで迫力が出ないわけがない。橋口監督は堤組とは対極の位置におり、「次回作品は何年後だ?」という製作ペースで知られるが、今回も見事な演出で魅せた。自身の「うつ」体験を映像化しただけあり、シーンごとの重みが違う。法廷画家の仕事はTVメディア時代におなじみとなった「職業」だが、裏側を見たことがなかったので、面白かった。本作は静かな映画だが、そこには熱い真摯なメッセージが込められている。生きることの「重み」が再確認できるので、お勧めです。


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トウキョウソナタ [DVD]

黒沢清 香川照之 小泉今日子 役所広司 
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突然変異の希望

当初から家族はバラバラな印象ではじまり、それが加速して行く物語が展開すると、黒沢清ならではとも言えるのだろう独特な場面が連続する感じもちゃんとある。

サラリーマンの人の、時代の変化の中で安泰だったコースが、足下から崩れていくことの不安や、夫が家族にリストラ後の事を知られまいと必死に社会的体裁を繕うという姿は、現実的に男としては充分わかる部分は多々あるけれど、やはりどうかというとその人たちの反応は過剰で、コメディ的にも思える。しかし、現代のたしかに現実なのだと言う意見には異論はない。

夫婦役の小泉今日子と香川照之、ふたりの息子たちの演技もいい。香川は「あるべき」人生、家族像、親像、に頑固にハマった可笑しさ哀しさをよく体現していたし、物語の展開とともに、そこから再生する様、そしてこの映画の個性的な後半の展開にもよく着いて行けるキャラクターだ。
またとくに小泉今日子はこの映画では役としていままでにないキャラクターに思えた。ごく普通に見えるサラリーマンの主婦像だが、映画を通して徐々に彼女に感じるものは、単に鬱屈したとも言えず、必ず爆発するとも言えない、得体の知れない日常のぼんやりした感情。それが自然と表れていくような、この小泉今日子という配役に違和感を感じさせない、よくこなれた存在感が出た。

だれもが本心を隠し、というか、けして家族にさえ面とは明かすこともできず、「家族」という形態を形として保ちながら、家族としては精神の内部から崩壊している、そのばらばらな様。そしてやがて形態としても保ち得なくなって行く過程は、こういう二時間の映画の中であるから、誇張的にも思えるだろうが、やはりそれは現代では普遍でありリアルである。

そして映画は、そのまま家族が破壊の一途へと進むのか、とだんだんやるせない思いになるが、最後にはドビュッシーの「月の光」のすばらしいピアノ演奏が、不思議な希望の光を、家族の静かな再生を伝えてくれて、気持ちよく観終えることができる。
この希望というか、感動というか、は、平凡と普通と無力の輪廻の中から生まれ、ぼくらがあるとき発見する、「突然変異」のもたらす驚きと感動である。


後半が・・・(ネタバレあり)

前半はリアルで身につまされたりニヤニヤしてしまうようなシーンが多く良かったんですが
後半はほぼ現実にあり得ないようなエピソードだらけでさめてしまいました。
小泉今日子が家に押し入った強盗(役所広司)と海辺の小屋で一夜を過ごしたり、
小学生が大人と同じ留置所にぶち込まれたり。
もうちょっと現実的な山場を作ってほしかった。
ただ黒沢清らしいと言えばらしいんですが。


期待の割にはよくなかった

いろいろ疑問はあります。特にリストラで職を失ったサラリーマンの家の豪華なこと全然現実味がない。リアリティーがまったくなく感情移入もできず期待はずれもいいとこでした。

微妙だ  

リアリズムものかと思っていると、役所広司の強盗が出てくるあたりから様子が変わって、マジックリアリズムになっていく。しかし結末はどうも予定調和的で、もうちょっと変てこなところが多いと良かったと思う。香川照之も、リストラされて苛立っているとはいえ、妙に怒りすぎで、こういうところが前からだったのかそうでないのかが分かりにくい。
小泉今日子はいい女優になった。ただ小泉のせいで、『空中庭園』の亜流に見えてしまうというのも否めない。何かいまひとつ、シナリオにひねりが欲しかった気がする。


かなり期待していただけに。。。

正直物足りない、というかもっと頑張れるでしょ!!と言うのが正直な感想。
もちろん宣伝通りだし、確かに香川照之や役所さんの演技はよかった。
でも、なんと言うか、映画自体の完成度と言うか、演出がイマイチです。これでカンヌ?という感じです。
設定自体はリアリティを感じられそうな展開なのに、細かいところで、いちいちツッコミを入れたくなるようなよく解らん場面が多々出てきます。
もっとコメディタッチにするならするで、ハッキリした方がいいと思います。
また一人一人の描き方が中途半端で、役者の演技の流れをストーリーにつなぎきれていません。
比べる方が酷かもしれませんが、同じ「家族」を描いた是枝、西川ファミリーの「歩いても歩いても」や「蛇イチゴ」を見てしまうと、どうにも観ていて歯痒いです。観ていない方は、本当にビックリすると思いますので、どうぞ見比べてみてください。
やっぱり、映画は「演出」に頼んなきゃダメなのかなあ。。。



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百万円と苦虫女 [DVD]

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困った顔で笑う

蒼井優さんは、ほんとに演技が上手い。
どんな役に当たっても、その人物になりきる
最初からその人だったかのようにセリフを言い、あまりにも自然な振る舞いをする。
本作で演じる鈴子もそうだ。
災難に巻き込まれやすいのかなんのか、ある理由で前科持ちになった鈴子は、家を出る決意をする
「通帳の貯金額が百万円になったら引っ越しをする」
そんなルールを決め、あちこちの街へ村へ。
人とつるまない鈴子だが、行く先々で男性から好意を持たれ、ある男性と親密な関係に。
しかし、たくさんの誤解をしたまま彼女はまた違う場所へ自分を探さない旅に出たのだ!
両親はとんでもない人たちだが、不仲と思われる弟との和解はちょっぴり泣ける。

ぜひ見て欲しい1本です。


百万円稼ぐのは、タイヘンだよ!

海の家のバイト、桃園の手伝い、ホームセンターでの仕事…
生活費とか、かかるし簡単に百万円は貯まりません。映画の流れからして、ごく短い期間のお話しみたいだけど…



蒼井優の表情がいい

映画のタイトルどおり蒼井優の苦虫をかみつぶした様な表情が印象に残りました。
彼女の持っている華奢でやわらかな甘い雰囲気と何とも言えずアンバランスでよかったです。

出だしは結構シビアで不幸を呼び寄せてしまう様な暗さをまとった主人公にイラッとしましたがその後そんな不運を振り払う(逃げる)かのようにバイトに励み100万円貯めて旅立って行く姿に共感。

その後100万円貯まるたびに海の家、東北の山間の桃農園、東京近郊の街と舞台は替わりたんたんと物語は進んで行きます。

ロードムービー調に電車から、農家のトラックの荷台の背景から流れ去る風景が印象的でした。

恋愛して、すれ違い、少し成長した主人公の様子がうまく描かれていたと思います。

一つだけ解せなかったのが桃農園の農家の人々の怒り方・・・・。
ピエール滝役の農家の兄ちゃんの人柄を生かすに必要だったのかもしれませんがやり過ぎでリアリティにかけました。
ちょっとあのシーンだけは一瞬しらけました。


ミニシアター系 の皮を被ったテレ東系

パッと見は地味だけれど情感豊かな行間を読ませ
派手さはないが味わい深い映像美でそっと胸をつく
ような映画では全然なく、
脚本、演出、キャラクター達の立ち振る舞い、
全てが大味で、典型的で、インスタントで、
ものすごく分かりやすく、まるでテレビ東京系のドラマの様。
ベタなイジメ描写、ベタなナンパ男、ベタな田舎観、ベタなBGM、
物語を運ぶ台詞や演出の全てがいちいち型にハマった
使い古されたハリボテ的です。
正直、恥ずかしげもなくそんな典型がダラダラ続く
場面の連続に観ているほうが恥ずかしくなってくるのですが、
ただまぁ分かりやすいという意味では、アリなのかとも思えます。
しかし強く言っておきたいのは、いわゆる
ミニシアター系の邦画好きの方には余りオススメできないということ。
これはどう観ても、完全にテレ東系です。
それを良しとするか悪しとするかは映画に求めるもの、
個々人の好みによって異なるのでしょうが、その事実だけは確かです。
僕はミニシアター系好きというよりは、
蒼井優好きなので、蒼井優を観るという意味ではそれなりに満足です。
主題上、ほとんどずっと、彼女が苦虫を噛み潰したような
表情をしておりますが、それもまぁ貴重かなという意味で、
蒼井優好きにとっては有意義な作品。
海の家でバイトしているシーンでの、薄手の白シャツ姿も、
彼女のほっそりとした綺麗な二の腕を拝見できるのでグッドです。
ただ映画全体としては、こういう安っぽい工夫のない演出と
稚拙な描写は、あまり素直に歓迎できないものがあります。


心地良い“蒼井優”の世界

面白かったです!

コメディっぽい部分もあり、サスペンスっぽい部分もあり、胸がジーンとくるラブストーリーの部分もあり…と、一歩間違えればごちゃまぜのような内容になりそうですが、でもそれらが淡々と描かれれていて、見ているうちに何とも心地良くなってくるのです。
やっぱり蒼井優の雰囲気のおかげかな!?
彼女の持っている独特のほんわかした、淡々とした(人生を悟りきったかのような)雰囲気が、巧く映画の内容とマッチしていたような気がしますね。
ピエール瀧とか森山未来とか、彼女以外の出演者も映画の世界にピッタリはまっていて、まるで現実の世界の出来事を見ているかのようでした。特に森山未来とのラブストーリーは好意を持っていく過程とか結構リアルでドキドキしちゃいましたね〜

クライマックスで見ている人のほとんどが「最後の展開はきっとこうなる!」と予想していたであろうラストをケロッと軽やかに裏切る爽快さも好き。



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悲惨すぎる現実を知り、無力ではあるけれど・・・

タイの子ども達が置かれた境遇の悲惨さに衝撃を受け、その陰で営利をむさぼる人間達に怒りを感じました。 そんな気持ちを持ちつつ実際には何もできないでいる自分を、当初は劇中の宮崎あおいの姿に重ねることができました。 違法な臓器移植手術を阻止しようと本音をぶつける宮崎を、「ばか女!」と叱責する江口洋介の方が正当なように思えました。 ・・・が、しかし。
 
終盤、目の前の子どもを助けたい一心で行動を起こした宮崎の「自分に言い訳をしたくない」という言葉と、それを実行する勇気に心を打たれました。 
「言い訳」は探さなくても山ほどある。 幼児性愛は性癖なのだから・・社会にストレスが多すぎるから・・実際に自分の子どもが不治の病なら・・貧困だから・・社会の仕組みがそうだから・・実際には何もできないのだから・・・・・。 
けれどこれらは、買春をする人物、違法な臓器の提供を受ける人物がいるからこそ継続している問題でもあります。 これらの問題を解決するには法律の改正や警察による国際的な捜査、摘発などの根本的な課題が多く、簡単にはいかない状況が横たわっていることと思います。
 
平和な日本に暮らす自分にできることは、せめて「どんな状況にあっても、自分のために他人が犠牲になることがあってはならない」という劇中の宮崎の叫びを心に留めて実行していくこと。 それが悲惨な事件を引き起こす「需要」をなくしていく一歩ではないかと思っています。  


結構覚悟して観ました…

できる限り若い人に観て欲しい映画です…
自分は結構涙もろいので観たら泣くだろうと思いましたが、泣く事も出来ませんでした。レビューでは、フィクションだとか書かれていますが、心臓移植の話しについては本当か分かりませんが、売春については事実です、今日本人が多いかは別として…、しかしながら、このような題材の映画を作った監督、役者には感謝したいです。日本映画界も捨てた物ではないですね。
最後に観るからには途中で辞めるような覚悟で観ないで下さい。


境界

ドキュメンタリー形式で制作をおこなうには多くの障害や危険が伴うであろうこの種の問題の告発に、事実を基に創作したフィクションの体裁を取らざるを得ないのは仕方ないと思う。
しかし事実(に基づく描写)と脚色されたエピソードとの境界をぼかしたままで、あげくに「大胆な仮説」などを挿入しておきながら、「ノンフィクション」を謳って宣伝したのはフェアではないし、作品の評価を落とすものでしかない。


映像化した勇気に拍手。

原作を読んでいたので映像化はどうか、、、と思っていましたが、
原作のやるせなさ・胸の悪くなるような嫌悪感が(こういう言い様も変かもしれませんが)
よく伝わってきます。

エンタテインメントにはなじまない、重い重いテーマですが映像化した勇気に拍手を送りたい。



一味もふた味も違う社会派ドキュメント

「どついたるねん」の阪本順治監督が世に送り出した衝撃の問題作です。2008年公開。いまなお現実に行われている人身売買や臓器の闇取引にメスを入れた、映画という形をとっていますが、これは現実に起きているドキュメントです。

記憶をたどれば確か2004年に「人身売買被害者保護」において、日本は積極的な対策をとっていないことから世界的な非難を受け、翌2005年に遅ればせながら「人身売買罪」が新設されました。また、臓器移植については、脳死と提供ドナーの年齢撤廃の論議がされたことは記憶に新しいところです。一応はアジアの中では先進国と言われる日本ですら人身売買に関しては後進国の扱いですから、いまなお貧富の差にあえぐ東南アジア諸国では、さらに遅れた状況であることは間違いありません。しかし、売春や臓器の提供を前提としてわが子を「売る」タイの親たちを責める気持ちにはどうしてもなれません。彼ら親たちだって生活があります。それに「すべてを知って」わが子を差し出している親は、実は少数派だからです。何よりも悪なのは「貧困」だと思えるからです。

作品ではタイにおける少女少年売春や非合法の臓器提供や蔓延するエイズの実態が、克明に描かれています。心に鋭利な刃物を突きつけられたような思いを抱くのは、それは映画のための作り物ではなく、現実に起きていることだからなのでしょう。いや、映画は実は公開を考慮してソフィストケイテッドされていて、現実はもっと悲惨なのかもしれません。この映画での唯一の救いは、無邪気に遊ぶタイの子どもたちの姿ですが、彼らだっていつ「売られてしまう」かわかりません。

最後の結末はある意味で意外なのですが、少なくとも男として生を受けたからには、誰だって「性的加害者」になりうるという警告なのだと思います。単に社会的な問題に挑むステレオタイプ的な「格好いい男性像」などは、もう十分見飽きているのですから。ただし、ほかのレビュアーさんがご指摘のように、お子さまが観る際は、十分な説明が必要だと思います。



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おくりびと [DVD]

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様式美だけでなく登場人物の言葉をかみしめると味わいが深まる作品

滝田洋二郎監督は持ち前の安定した演出で納棺師となった主人公の心の成長や親類の死に直面した人々の想いを見事に演出している。しかし、死に関わる職業の人々の社会的評価(この作品でも広末涼子が「汚らわしい」と表現する)は歴史的に見ても低く、そのような背景を無視して米アカデミーなどは日本の様式美だけを評価しているようにしか思えない(関係者は様式美を強調しているようですが)。この作品はそのような社会的、歴史的背景をふまえたうえで納棺という儀式を通して死んでいった者の遺志を残された者に伝える崇高さを描いている部分が素晴らしい。
演出は文句無いのであるが、広末涼子の演技があまりにも平坦すぎるのはどうだろうか。
特に夫の職業に対し否定的だった妻が知り合いの死に直面し、納棺という人間の最後の尊厳を取り仕切る夫を見て次第に夫の素晴らしさを認識するシーンで妻の移り行く感情を表しきれていなかったのは非常に残念だった。
山崎努の「美味いんだな、困ったことに」という一見ユーモラスな言葉は生き物の死に対する想いが込められていたり、笹野高史の「燃やすのが上手ですけぇ」という言葉も愛するものの死に直面した悲しい想いがユーモラスな言葉とともに伝わってくるところがこの作品の良いところ(単に笑っていてはいけないのかもしれません)。
一言一言かみ締めて観るとその味わいが深まるような作品だと思う。
作品や演出としては★5つなのですが、広末涼子の演技の平坦さで★1つ減点させていただきました。




生と死のコントラスト

納棺師と広末の妊娠で、死と生のコントラストを描いているんですね。



冒頭で なんとなく引き込まれて、最後まで視ることが出来ました。




楽器の値段て 知識では 知ってますが うなってしまいましたね。



大人の家族で 視たい映画です、で後で話し合いですね。


ポータブルDVDによる車内鑑賞レビュー

今作を 「フラガール」  や  「スウィングガール」 、そして 「ウォーターボーイズ」 のように 「納棺師」 という未知なる種目にチャレンジしていく

     「パフォーマンス系映画」 の一種

                      のようなものだと早合点していました。


実際は、 「納棺師」 となったことによって大きなトラウマを克服していく、

      「魂を救済する」 物語 
                      であったのです。




死に関係する職業を正面から取り上げた視点がすばらしい


 ただ展開が早いだけの何の意味もない映画や、薄っぺらい恋愛映画が多い中、この映画が扱
っている内容は、かなり独創性が高いし、高度なテーマを扱っていると言えると思う。

 また、ユーモアセンスも優れている。特にビデオ撮影のシーンは、かなり笑える。なかなか
そのセンスがいい。

 また、日本人の中には、葬儀や死体に関わる職業に対して差別をするような人がおり、これ
は日本社会にある差別意識という大きな問題の一つの表れだが、そういう問題を正面から問い
かけているところも評価に値する。死は人間生活の一部であり、死や葬儀に関わる人も必要で
あり、食べ物も動物の死を前提にしているにもかかわらず、死を忌み嫌うという一般的な感情
が、考えの浅い、不合理で身勝手なものであるという問題意識を、食べることとの対比や差別
的な感情の表現を通じて投げかけているのも非常に重要な点だと思う。

 主人公の優しさや繊細さは見ていて温かな気持ちになれるし、広末涼子もかなりかわいく魅
力的な妻を演じていて好ましい。

 ただ、多少、ストーリーがやや強引に都合よく進むところがあり、最後、父親が石を握って
いるというのは、やはりいくらなんでも不自然だと思ったが...。

 自分個人は、美しく見えるからといって形式的な儀式を行うことに賛同するわけではない。
また、葬儀における納棺師という存在の役割にはいろんな意見があろうが、主人公の、死者に
対する遺族の感情を最大限に思いやってあげるという態度に感動した。納棺は、死者に対する
遺族のこれまでの記憶や思いがまさに凝縮されて発露する瞬間であると思う。その時に主人公
は、それぞれの死者・家族の思いを尊重し、その結果としていろいろな遺族に感謝され、周囲
の人の意識を変えていくところは見ていて本当にうれしくなる。
 特に、風呂屋のおかみさんが亡くなった時、スカーフを巻いてあげるところは、感動して涙
が出た。


過大評価

前評判があがってから見に行ったクチですが。

過大評価されているだけに感じます。
死生観や伝統美を撮りたいのはわかります。海外の方が見て気に入るのもわかります。 しかし、日本人からみた日本映画としては、そんなに評価される作品ではないと感じました。

役者さんはよかったし撮り方もわかりやすかったです。単館系なら良い方だと思います。
しかしこれを日本人が賞賛するのは、ないなぁ。少し恥。

日本的な行事を日本的に映画にしたまでの話。 だいたい地方によって風習は違うし、葬式なんて毎日近くでやっていることです。皆様何を今更。

海外の評価の上に葬儀屋産業が乗っかっただけでしょ。




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小池栄子が脱皮しています

2008年公開作。主演は小池栄子で、豊川悦司、仲村トオル、篠田三郎などが共演しています。監督は万田邦敏。予備知識がないままに観はじめましたが、正解だったと思います。ある凶悪殺人犯(豊川悦司)とその殺人犯をたまたま目にしてしまった地味なOL(小池栄子)が、次第に殺人犯を愛するようになってしまったプロセスが淡々と描かれています。

犯罪内容はまるで違っていますが、ほかのレビュアーさんがご指摘の通り、この映画のモチーフはあの大阪教育大学附属池田小の殺傷事件です。まだ記憶が新しいところで、映画の題材にすることは大変勇気がいることだと思います。求婚した女性(この場合は小池栄子)に関しては匿名性がありますから構わないのですが、あの犯人の残像はしっかりと記憶に残っているからです。少しでも犯人を美化するような描写があったら、被害者家族の心情を損ねるからです。この作品は、できるだけ登場人物を少なくし、心情描写を極力抑えることで、そうした懸念を回避することにギリギリ成功しているのではと感じます。しかし、正直に言って後味はいい作品とは思えないので、お子さまとご覧になる時は配慮が必要かと思えます。

特筆すべきは小池栄子の演技です。地味で会社でもいじめの対象になっているOLが、次第に犯人に感情移入をするようになり、狂気の淵に迷い込んでいくさまを見事に演じています。テレビのバラエティー番組で見せる明るく快活なイメージからほど遠い姿は、演技であることを忘れさせます。犯人の生い立ちを克明に記録するさま、法廷での不気味なほど無表情さ、そしてラストの狂気の世界。元よりカンが良くて頭のいい女優さんだと思っていましたが、長足の進歩を遂げているように思えました。作品の内容というよりも小池栄子に★5つです。


トラウマ映画にもなりうるかも

まず最初に。
この映画は前知識を入れないで観た方が良いです。

私も情報入れずに見ました。
前半は本当にイライラしました。
シチュエーションが実際にあったあの事件を想起させるからです。

豊川と小池の視点で描かれ、ノーマルな人の視点がほとんどないため更にイライラしてしまいました。
何度か止めようと思ったんですが、衝撃のラストという謳い文句に惹かれ最後まで観ました。
観終わるとなんじゃこれ?という終わり方で今度はモヤモヤ。

不思議な映画だなあと思いつつ、眠れずにあれこれ考えてしまい結果深読みしている自分が(汗)・・・・
これ衝撃のラストに気がつけるかどうかで印象がすごい変わります。

以下、ネタバレ。
ラスト、小池栄子はなぜあの歌を歌ったのか。
それはあの人しか知らないはずの歌です。
ゾ〜っとしませんか。
恋愛映画?接吻?とか抑えた演出でミスリードを用いながらその正体はホラーだったのか。
こういうこと言うと一笑に付されそうですが、そう解釈してモヤモヤが晴れたのでOKです。

「接吻」の意味は本能とのこと。
新しい自分になりたいという願望(だからあの歌)と女でいたい本能の発露があの接吻なのだと解釈したんですがどうでしょう?
彼女はルサンチマンを抱え世間を恨んでいたんですが、最後の最後に人間の部分が出たのではと思っています。



ラブストーリー

ドラマチックな題材の裏にある日常を淡々と追っていく感じです。

京子の人物像がリアル。小池栄子はこういう静かで陰のある役がはまりますね。

一家惨殺事件の犯人として逮捕された男(豊川悦司)にシンパシーを感じた孤独な女(小池栄子)が弁護士(仲村トオル)を介して彼に近づき、獄中結婚し、その果てに…。

ラスト(タイトルの行為の意図はよく分からないけど)は妥当でよかったと思います。これ以外さらに悲惨にしかなりえないでしょう。


長谷川弁護士が京子は全然自分の話を聞いてないっていうけど、京子にしてみたら言葉が通じないのはお前だろっていう話なんですよね…


最近の邦画の中では、1番です!

この映画・・・凄いです!!!!

一見、韓国映画かのような地味なビジュアルなので、素通りして
しまいそうな映画ではありますが・・・中身はかなり凄い!!!

元ネタは、大阪の池田小学校事件の容疑者だそうです。

テレビで見た殺人犯に一目ぼれして、刑務所まで通いつめ、獄中結婚して
しまう、そんな小池栄子の熱演ぶりだけでも見る価値アリ。
また他の方が書かれているように、最後にある不可解なシーン、そして
最後に出てくるタイトル・・・。今でも鳥肌が立ちます。

説明できないシーンがあるからこそ、この映画が凄いのだと思います。
本来映画とは、いろんなシーンを見て、自分であれこれ考えるものだと思うので。
映画通の人には、是非オススメの邦画です。


あの人の物語はあの人のもの。

どんなに境遇が同じでも、
どんなに気持ちが通じても、
どんなに心が共鳴しても、
他人の物語を生きることはできないのだ。



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絶対に買いです。

教師や生徒や現在の学校というシステムが抱える多くの悩みや現状、そして万能ではないかもしれませんが、答えや在り方が示されています。学校という場所に間接、直接に関わるすべての人が見るために時間を割かなければならない作品です。

まきちゃんぐの透明感溢れる主題歌が秀逸。「教育のいま」を真摯に描く。

本作は「静かな映画」だ。いじめがテーマなので、もう少し「責任論」とか「解決法」とかが図られていくのかな、と思ったらさにあらず。ドラマティックなことは全く起こらない。だからこの映画は胸に迫ってくるのだろう。自殺未遂をした子供を転校というかたちで「追い出し」て、残った生徒にはおざなりの「反省文」を書かせる。これで世間体を保とう、というのは、政治家もやっているような「社会の縮図」だ。本作は静かだが、この矛盾を見事に表現している。主役の阿部寛もこれに応えて、素晴らしい芝居を見せた。自分の行動に悩む教師を演じる、伊藤歩の情感溢れる演技もよかった。生徒役では本郷奏多と太賀のふたりが繊細な心の移り変わりを上手く表現していた。これから伸びるかもしれないね。それと、まきちゃんぐの主題歌。透明感いっぱいのヴォーカルは、本当にこの作品に合っていたと思う。美乃市は架空の町だが、撮影は相模原と町田周辺で行われている。関係ないが、最近横浜市営バスが大活躍なのは、何か映画向けレンタル事業でも始めたのだろうか(笑)。ともあれ、作品的には星5つでしょう。

現代だからこそ

劇場公開を見逃し、DVDの発売を心待ちにしていました。
シンプルなストーリーでありながら、心揺さぶられるシーンが散りばめられており、
現代に生きる子供と大人への重要なメッセージに富んだ映画でした。

テーマはズバリ「いじめ」です。
「いじめ」とは何なのか、なぜ起きるのか、どうしたら防げるのか、起きてしまったらどうしたらよいのか・・・

阿部寛、本郷奏多、伊藤歩らの好演で一つ一つのセリフが胸に迫ります。
まきちゃんぐのメロディーが映画の世界観をしっとりと包み、映画としての完成度を高めています。

TVドラマにもなりそうなストーリーですが、映画で良かったと思います。
キャストにもよるのでしょうが、ドラマでは得てしてチープな話になってしまいます。

さらに付録に、原作者・重松清氏と監督・中西健二氏の対談があり、興味深かったです。


ただ、映画としては良かったのですが、この映画が一定の評価を受けるということは、
逆に現代社会の「いじめ」に対する感性がどうかしてしまっている可能性があるのではないかと思います。
村内先生(阿部寛)が言っていることは、極めて当たり前のことで、
それが感動を呼び起こすのは「いじめ」が現代社会において常態化してしまっており、
一般教職員の「事なかれ主義」が今や常識になっているということなのでしょう。

本気で語る大人がいなくなれば、本気でしゃべる子供もいなくなるというものです。
本当に多くの人に見て頂きたい映画であることには違いありません。


阿部ちゃんがいい

 阿部さんという役者が好きです。モデル出身でこういう映画に出て、素朴な演技のできる役者になるには並みの努力ではできません。
 吃音の先生が「真剣に話すときは真剣に聞かなくてはいけない」と言ったときはどきっとしました。最後に心が温かくなる作品です。


脱綺麗事

綺麗事が無い希有な作品です。
内容も良かった。
でも、なんで阿部は一人の生徒にしか説教しなかったのだろう。
説教するなら全員にするべきでは?(ヒントは与えていたが)。
本当は自分の力で気付いて欲しかったのでしょうが…。

一つ気付いたのは、虐めと自覚せずに虐めて死に追い込んでしまった人の方が、虐めと自覚して虐めを行ってる人よりも、虐められて死に追い込まれた人に対する困惑や恐れが強いということ。

強烈な虐めをして死に追い込んだ奴って、実際どういう心情になるのだろう。



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この作品で北野ファンになりました!!!

現在夢を追っている自分をいやが応でも
振り返らずにいられない作品でした。
夢を追い続けることは素晴らしいことですが
自分の人生や果ては周りの人を巻き込み狂わせていくことに
寒気を覚えました。
自分はこれでいいのか?今なら真知須のようになる前に
まだ引き返せるのではないか?と痛切に感じました。
奇をてらって作風を変えてみたはいいが、
ただ変になっただけで質は変わっていないという失敗は
ものを作る人間ならだれもが1度はやらかすなあと共感。

北野作品は外人受けが良いようですが
この作品は特に評価がよいのでは?
北野武の尋常ならざる才能を見せ付けられました。
コメディアンとしての彼、監督しての彼、物書きとしての彼、、、
どこまでたくさんの引き出しを持っているのでしょうか?
樋口可南子や麻生久美子も本当によかった。
すばらしい役者さんたちだと思います。




う〜ん


昔、無茶苦茶やってる男がポッと作った物がいいのか、
賞をとった監督が作ったからいいのか、、、、???
長年のたけしファンだけども、思うに彼は多芸であっても天才ではない!


作品としてはTVドラマでもOKってレベル。
箸にも棒にもかからないんじゃないかなぁ。



「あんちゃん、踏み絵だよ、これはさ」

北野作品は実に久し振りに観ました。確かに毀誉褒貶が極端に分かれそうな作品だと思います。

「北野作品だから、面白いと言わないといけない?」
「北野作品だし海外の評価が高いから」

などと観る人の葛藤や逡巡、痛いところをグイグイと踏みつけてくるような感じがして、後半にいけば行くほど辛く苦しくなってきます。
そこで、あらん限りの勇気を振り絞って「あのー、この映画、観ていると苦しくなってくるし、あまり面白くないんですけど」と言葉に出して言うと、おそらく監督は、
「わかっちゃった?だってこの映画ってオイラの映画ファンにとって、一種の踏み絵だもん」などとニヤリと笑いそうな予感がします。

モノを作る仕事の端っこにしがみついている人間として痛感するのが、自分と世間からの評価との立ち位置をどうするか、という悩みです。割り切ってしまえばなんてことはないのですが、いったん軸を見失ってしまうと、まさに蟻地獄のように迷宮に迷い込んでしまうのではないかという恐れが常にあります。これが組織に属していれば何とか救われるのですが、完全フリーで突き進んで行こうとしたら…。軸がぶれたままの人間の最期とは…。

後半は「できれば見たくないもの」がこれでもかと出てきます。妻役の樋口可南子が出て行ったり、娘の死に直面するのは、実は世間の評価による揺り戻しなのでしょう。でも、最後の最後で救われる描写で、何とかカタルシスを得た次第です。

でも、監督を目の前にしたらやっぱりビビって「踏み絵」は踏めないでしょうね。だって、やっぱり自分にとっては永遠の憧れの存在ですから。


芸術

たけしらしい映画です。
とても皮肉がこめられていて、とても優しい映画です。
あまり多くを語ってしまうと、たけしの伝えたいニュアンスを壊してしまうかもしれません。先入観をもたずにフラットにみてほしいです。
DVDなら見終わった後に特典をみてください。


芸術の理想と現実の世界

真知寿が画家になる夢を少年時代〜中年時代と追い続ける中で自分が描いている理想といつまでも売れない厳しい現実がぶつかり合う映画です。小さな頃に両親を亡くし、悲しい思いをしてきた真知寿が唯一、生き甲斐に支えとして自分の手から捨てなかった夢。それは画家になる事。何度、挑戦しても認められず、売れない。それでも妻と一緒に夢を追い続けた真知寿の忍耐強い芸術一筋の人生がこの映画で分かります。当然ですが、一般人の現実の生活で仕事もせずに自分の好きな事だけやっていられるのは認められない話です。真知寿がいつまでも諦めずに好きな事をやっていられたのもそれは夢を追い続ける夫を愛し続けた妻のおかげだと私は思いました。それがアキレスと亀で表しているという事ですかね。


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大人の事情。

大人には大人の事情があって。
大人も思ったほど大人ではなくて。
大人も迷うし、挑戦もしたくなる。

大人になってしまった僕が言うんだから、
間違いない。


ゆるゆるでテキトーなおふざけ映画のようでいて,実はけっこう深みのある人間ドラマです。

なんだかテキトーそうな父親がテキトーな動機で商売を始め、テキトーに女の尻を追う。
離婚して離れて暮らす母親もまたある意味テキトーそうな人間。そして父がうつつをぬかすアルバイトの女も
ちょっとは意思的であるようで実はやっぱけっきょくテキトーで・・・。
特別ドラマチックな展開もないまま、物語はずるずるとテキトーに進んでいきます。
ちっちゃな笑いがあちこちに仕掛けられていてクスリとはさせられるのだけど、
腹の皮がよじれるような大爆笑というわけでもありません。
でもラストで父娘がお互いをなんとなく解りあうくだりでは、不覚にもほろりとさせられてします。
おふざけ作品のように見せかけながら、”家族の絆”みたいなものを意外とリアルに描いている
実はかなり正統派のファミリームービー(なんて言葉はあるんでしょかね・笑)なのかもしれませんね。
宮迫・麻生の怪演が冴え渡っていますが、初めて見る仲里依紗という女の子のリキまない
自然体の演技もかなりよかったと思います。”とても好もしいテキトー”ぶりでした(笑)。


脱力系なのにリアルでは・・・

脱力系なのだが、「亀は意外に速く泳ぐ」を観た時のような爽快感がないのです。内容に妙なリアルがあるからだと思う。「おかしな人たち」と「イヤな人たち」は同意語ではありません。ここに登場する人たちは、ちょっとイヤかなぁ・・・なんか、食後に胸がやけてる感じなのです。

特筆すべきは仲さんの演技力。
宮迫さんや麻生さんなどの芸達者を相手に堂々の演技派ぶり!
間の取り方など抜群のセンス。
すごい女優さんになるかも。。。


ダメならダメでいいじゃない

ダメ人間の再生を描いた映画というのは、目にする機会が意外と多いのだが、この映画に登場するダメな人々は再生するどころか、ダメなままジ・エンドを迎える。というか、ダメ人間だからこそ、傷ついた人の気持ちに余計敏感だったり、人への情が深かったりするもの。だったら、ダメならダメのままでいいじゃん、何も変える必要はないでしょうというのが、この映画が言いたいことのような気がする。

爺さんの遺産が入ったダメ親父・裕次郎(宮迫博之)は早速仕事をやめてしまいプータロー生活。元妻の麦子(濱田マリ)と別れて、今は娘の咲子(仲里依沙)と同居生活をしているが、「若い女の子とお知り合いになれそう」という安易な理由だけで喫茶店を始めることにした。そんな裕次郎の店に妙に色っぽい菅原素子(麻生久美子)がアルバイトにやってくるのだが・・・。

父親とモッさんこと素子のいちゃつきにキレがちな娘役の仲里依沙は、スカーレット・ヨハンソン?にちょっと見似ている(祖父がスウェーデン人のクォーター)かわいこちゃん。ある意味現代の高校生を蒼井ゆうよりもリアルに演じられる彼女は、『時をかける少女(アニメ版)』で主役の声優をつとめた実力派だ。それに負けじと、色気のある不思議ちゃんという難しい役どころの麻生久美子もいい味を出している。

うちの会社にいる派遣さんとそっくりなキャラ(色気はないが)には個人的に妙なリアリティを感じてしまうくらい、麻生の演技は出色。この女優さん、いつからこんなにうまくなったのだろう。しかも、今作ではミニスカ制服姿で美脚をおしげもなく披露するサービスぶりに、アキバ系も納得のキャスティングだろう。最近は俳優業の方が忙しくなっている宮迫に関しても、女子好きのナヨ系親父役がすっぽりとハマっているのだ。

「人の気持ちがまったくわかってない」と咲子に真顔で叱責されたダメ女・素っつぁんが居酒屋でついた精一杯のウソに、「全然わかってるじゃん」と逆突っ込みをいれたくなる1本だ。


女優としての堀越のりさん。

クスクス笑いを誘いながら、ダサダサ喫茶店の経営は進みます。
中年男から見て、なんとも哀愁あふれる作品でした。
その辺はみなさんのレビューを参考にしてもらうとして。

ホステス役で、堀越のりさんが出演してることにもっと注目されていいかと思います。
わずか3カットのみの出演ですが、十分、彼女の地味な存在感、いい意味での庶民的な味わいが披露されていますよ。

だのに、彼女の公式サイト、プロフィールでも本作に触れてないだなんて、もったい気がしてなりません。
バラエティではすでにお馴染みの堀越のりさんですが、本作をきっかけに、女優としての評価が高まることを期待しております。



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暗くて長い

とにかく無駄に長い。余韻でもなく意味のない間が嫌だった。

死刑囚の絞首刑の支え役をする代わりに、休暇を取ることが出来、
かねてからの新婚旅行に行くことになるお話し。

とっても時間のある時に見るにはいいのでは?


あまり知られることのない「刑務官」のおしごと

死刑囚を抱える刑務所での「支え役」という仕事にスポットを与えた作品。2007年上映。原作は吉村昭の同名小説。出演は小林薫、西島秀俊、大塚寧々、大杉蓮など。映画「おくりびと」の納棺師と同じように、世間一般ではあまり知られていない刑務官という職業。しかも死刑執行にあってて発生する「支え役」という仕事があることを知っている人はほとんどいないと思います。その「支え役」を担当した刑務官は1週間の休暇がもらえる規定があります。

中年の刑務官(小林)は子持ちの未亡人(大塚)と結婚することになりますが、そのタイミングで死刑囚(西島)の刑が執行されることに。上司は結婚を控えているのだから支え役は免除ということで配慮してくれますが、なぜか中年刑務官は支え役を志願し、その代償として得た休暇を新婚旅行にあてます。配慮を無下にされたことで怒る上司、そしてなかなか懐いてくれない結婚相手の連れ子。ありきたりの表現ですが「生と死」について考えさせられる作品です。刑務所の刑務官というと勝手なイメージでは、厳格で冷たい印象をもってしまいますが、実際には人間ぽくて、当たり前のように優しい。

小林薫も西島秀俊も難しい役を淡々と演じています。したがって映画そのものは実に粛々と進行します。死刑の執行場面も極力感情を抑えた描写だけに、逆に人の死が訪れることへの重さを感じさせます。ふだんは温厚な死刑囚でも、まさに虫の知らせなのか独房で暴れるのは、「生への渇望」なのでしょうか?刑を受けることを悟った西島が小刻みに震え続けるのはどんな凶悪犯でも起こり得ることなのでしょうか?そして、新婚旅行中も刑の執行が頭から離れず、思わず嘔吐してしまったのは、死への手助けをしてしまったことへの表現しがたい感情なのでしょうか。

実に重たいテーマをもつ作品ですが、救いは西島から絵を受け取るシーンと、連れ子の肩に手をかけながら夕暮れの町を歩くラストシーンです。何でもないような日常の中に潜んでいる「生と死」について考えさせる作品です。


いい映画だが、特典映像0分というのは寂しいぞ・・・

本作は、山梨の地元映画として製作されている。それも山梨日日135周年、YBS55周年という何となく半端な記念作として(笑)。内容に関しては文句のつけようがない良作だ。本作で死刑制度の是非を考える、というシャシンではないが、ひとりの刑務官が「生と死」に向き合う姿は、共感するところも多かった。小林薫、大杉連の芝居も最上だったし。ただし、本レビューは単純な映画評ではない。まあ、無難な特典映像でも付いていれば、特別本欄にコメントすることもないのだが、逆に予告編も付かない特典0、というのは突っ込まざるを得ないぞ(笑)。山日グループが総力を挙げて作ったのだから、当然YBS用に山のようなメイキング映像が残っていると思うのだが、なぜそれらを公開しないのだろうか。LDの時代だって、予告篇くらいは付いていたぞ。地元試写会の様子とかも観たいじゃないか。これだけの名優を揃えたのだから、俳優たちのコメントも聞きたかったなあ。セル用DVDはレンタル用とは違う。保存版として購入しているので、やはり何かしら付けるべきだと思うのだが・・・。作品は4つ星だが、DVDパッケージングとしては不満足なので、1つマイナス。

これもある意味“おくりびと”

人の死をテーマとした「おくりびと」がアカデミー賞に選ばれましたが,本作も“死刑”という人の死と,それに携わる人たち,その周りの人たちを描いていて,ハートにジンワリと効いてきます。
筋書き良し,役者(演技)良し,単に泣いたり笑ったりするだけじゃなくて,登場人物のそれぞれにドラマがあり,見る者に自然とそれが伝わるという,やっぱり映画はこうでなきゃ。

主人公の平井(小林薫)は,死刑囚の看守を勤める刑務官です。真面目に職務をこなす彼が,夫に先立たれた子持ちの女性(大塚寧々)と見合いで結婚をすることになります。妻と子を得た彼は,長い休みを欲するようになりますが,そんな時,金田死刑囚(西島秀俊)の死刑執行が言い渡されます。
執行日が決まると,ロープを首にかける役,床板を外すスイッチを押す役など,刑務官の中から担当する役が割り振られます。中でも吊るされた死刑囚の体を下で支える“支え役”は,最も敬遠される役割ですが,務めた者には一週間の特別休暇が与えられます。
映画はこの“支え役と特別休暇”に焦点を当てながら,刑務官と死刑囚と彼らを囲む周りの人たちの心情を描いており,新婚生活に向かって進行するシーンと,処刑に向かって進行する拘置所のシーンを交互に映し出すことで,生と死の両局面を鮮やかに対比してみせています。

平井と組んで支え役となるも,腰を抜かして床にへたり込む定年間際の刑務官に菅田俊,平井の支え役志願に激怒する上司に大杉漣,軽率な新人刑務官に柏原収史と,脇役陣もそれぞれキラリと光る好演を見せています。

ラストの親子三人の姿が描かれた子どもの拙い絵は,果たして金田が平井に贈った絵と何が違うのでしょうか。死刑制度そのものについても考えさせられる秀作です。


淡々と・・・重い

私はこの映画を見るまでは死刑については賛成だったものの、見終わってからは、賛成・反対どちらかきかれても即答できなくなりました。
もちろん罪は償わないといけませんが、必ずしも死刑は必要なのだろうか、と。
命を断ち切られることで罪を償ったことになるのだろうか、と。

小林薫さん、大杉漣さんのキャラのせいかもしれませんが、お話は比較的淡々と過ぎていきます。刑務所の日常はリアリティがありました(本物を見たことはありませんが・・・)。
死刑囚を演じた西島秀俊さんが諦めを漂わせつつも静かで透明感のある美しさで、その姿に心を打たれました。

ただ、やはりテーマがテーマだけに重かったです。
淡々と重い感じでした。

劇場に見に行ったのですが、その直後に幼女連続殺人事件の犯人だった人の死刑が執行されたこともあり、死刑制度そのものや、死刑の意味についていろいろと考えるところがあり、見終わってからしばらくは重い気持ちですごしました。

死刑執行の担当といっても1名ではなく、死刑囚の体を押さえておく人(2名)のほかに、スイッチを押す人(3名)やその他の仕事の担当の人も必要で、一度の死刑であんなにたくさんの係の人が必要だということは映画を見るまで知りませんでした。
今までは新聞やニュース等で死刑があった旨が報じられても、刑務官の人のことなどは全く意識していませんでしたが、これからは「死刑執行」のニュースを見るたびに、この映画のことを思い出すことになると思います。

裁判員制度の導入を控え、この映画は死刑の意味や制度そのものについて考える機会になるのではないでしょうか?

見終わった後、気分的にしんどくなったので☆3にしようかと思いましたが、西島さんがとてもよかったので☆4にしました。






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PC・家電・CD・DVD  |  2009/11/24